【解説・採点基準付き】2021年九州大学文系数学の解答・解説

2021年の九州大学・文系数学の、
解答・解説【完全版】です。

方針の立て方・考え方はもちろん
オリジナルの採点基準付き。

このページで過去問演習が完結するので
赤本などは一切不要です。

※本記事の問題は、九州大学の入学試験問題から引用しています。
解答・解説は九大専門塾・竜文会が独自に作成したもので、九州大学が公表したものではありません。

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中原 遼太郎

九大受験に特化した学習塾
『竜文会』代表

『竜文会』開校後、初年度には国立大学医学部や九州大学に合格者を輩出。

2年目には旧帝大医学部にも合格!

九州大学の過去問を20年分以上分析して指導カリキュラムを作成。

九州大学医学部に現役合格した経験を生かして、『学習計画の作成』や『LINEでのいつでも相談』による1人1人のサポート・九州大学に特化したハイレベルな演習で「九大受験生」をサポート。

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目次

2021年九州大学文系数学
第1問 解答・解説

この記事の配点・採点基準は九州大学が公表しているものではなく、竜文会が独自に作成したものです。

第1問は座標・2次関数の問題です。
テーマは「三角形の内接円の中心と、両軸に接する円が直線から切り取る弦の長さの最大値」。

問題

2021年九州大学文系数学 第1問 問題
2021年九州大学文系数学 第1問 問題
問題文をテキストで読む

座標平面上の3点 $\mathrm{O}(0,0)$、 $\mathrm{A}(1,0)$、 $\mathrm{B}(0,2)$ を考える。以下の問いに答えよ。

(1) 三角形OABに内接する円の中心の座標を求めよ。

(2) 中心が第1象限にあり、 $x$ 軸と $y$ 軸の両方に接し、直線ABと異なる2つの交点をもつような円を考える。この2つの交点をP、Qとするとき、線分PQの長さの最大値を求めよ。

解答の方針

【(1)の方針】

着眼点

内接円は $x$ 軸と $y$ 軸の両方に接するので、中心は $(r,r)$( $r$ は半径)と1文字で置ける。残る条件は「直線ABまでの距離も $r$」で、これは点と直線の距離の公式でそのまま式になる。

2021年九州大学文系数学 第1問 解答の方針の図
2021年九州大学文系数学 第1問 解答の方針の図
  1. 直線ABの方程式 $2x+y-2=0$ を求める。
  2. 内接円の半径を $r$ とし、中心を $\mathrm{I}(r,r)$ とおく。
  3. 点と直線の距離の公式で、Iと直線ABの距離を $r$ で表す。Iは直線ABに関して原点Oと同じ側にあることから、絶対値の中身の符号を決めて外す。
  4. 距離 $=r$ から $r$ を求め、中心の座標を答える。

【(2)の方針】

着眼点

両軸に接する円は、(1) と同じく中心 $(a,a)$・半径 $a$。弦PQの長さは、中心から直線ABに下ろした垂線と半径でできる直角三角形に三平方の定理を使えば $a$ の式になる。あとは $a$ の2次関数の最大値。

2021年九州大学文系数学 第1問 解答の方針の図
2021年九州大学文系数学 第1問 解答の方針の図
  1. 中心を $\mathrm{C}(a,a)$、半径を $a\ (a>0)$ とおき、(1) と同様にCと直線ABの距離 $d=\dfrac{|3a-2|}{\sqrt5}$ を求める。
  2. 異なる2点で交わる条件 $d<a$ から $a$ の範囲を求める。
  3. Cから直線ABに下ろした垂線の足Hは線分PQの中点なので、 $\left(\dfrac{\mathrm{PQ}}{2}\right)^2=a^2-d^2$ を $a$ の2次式で表す。
  4. 平方完成し、軸が手順2で求めた範囲に入ることを確かめて最大値を求め、PQの最大値を答える。

解答

2021年九州大学文系数学 第1問 解答・解説
2021年九州大学文系数学 第1問 解答・解説
2021年九州大学文系数学 第1問 解答・解説(続き)
2021年九州大学文系数学 第1問 解答・解説(続き)
解答をテキストで読む

(1) 配点 20点

直線ABは $x$ 切片 $1$、 $y$ 切片 $2$ なので $\dfrac x1+\dfrac y2=1$、すなわち

$$2x+y-2=0$$

内接円の半径を $r\ (r>0)$ とする。内接円は辺OA( $x$ 軸)と辺OB( $y$ 軸)に接し、中心は三角形OABの内部(第1象限)にあるので、中心は $\mathrm{I}(r,r)$ とおける。

Iと直線ABの距離は、点と直線の距離の公式より

$$\frac{|2r+r-2|}{\sqrt{2^2+1^2}}=\frac{|3r-2|}{\sqrt5}$$

Iは三角形OABの内部にあるので、直線ABに関して原点Oと同じ側にある。 $2x+y-2$ に $\mathrm{O}(0,0)$ を代入した値は $-2<0$ なので、 $3r-2<0$ であり、距離は $\dfrac{2-3r}{\sqrt5}$ となる。

この距離が半径 $r$ に等しいので

$$\frac{2-3r}{\sqrt5}=r\iff(3+\sqrt5)r=2\iff r=\frac{2}{3+\sqrt5}=\frac{2(3-\sqrt5)}{(3+\sqrt5)(3-\sqrt5)}=\frac{3-\sqrt5}{2}$$

(確かめ: $3r-2=\dfrac{5-3\sqrt5}{2}<0$ で、仮定どおり)

答 $\left(\dfrac{3-\sqrt5}{2},\ \dfrac{3-\sqrt5}{2}\right)$

符号を決めずに $|3r-2|=\sqrt5r$ を解くと、 $r=\dfrac{3+\sqrt5}{2}$ も出てくる。これは辺ABの外側で3本の直線に接する円(傍接円)の半径で、三角形の内部にないので内接円ではない。

別解(面積を2通りで表す)  $\mathrm{AB}=\sqrt{1^2+2^2}=\sqrt5$。三角形OABを、内接円の中心Iと3つの頂点を結んで3つの三角形に分けると、どれも高さが $r$ なので

$$\triangle\mathrm{OAB}=\frac12r(\mathrm{OA}+\mathrm{OB}+\mathrm{AB})=\frac12r(3+\sqrt5)$$

一方 $\triangle\mathrm{OAB}=\dfrac12\cdot1\cdot2=1$ なので、 $\dfrac12r(3+\sqrt5)=1$ より $r=\dfrac{2}{3+\sqrt5}=\dfrac{3-\sqrt5}{2}$。内接円は $x$ 軸・ $y$ 軸に接するので、中心は $(r,r)$ で、本解と一致する。

(検算:直角三角形の内接円の半径は $r=\dfrac{\mathrm{OA}+\mathrm{OB}-\mathrm{AB}}{2}=\dfrac{3-\sqrt5}{2}$ で、これとも一致する)

(2) 配点 30点

円の中心をCとし、半径を $a\ (a>0)$ とする。中心が第1象限にあり、 $x$ 軸と $y$ 軸の両方に接するので、Cの $y$ 座標( $x$ 軸までの距離)と $x$ 座標( $y$ 軸までの距離)はどちらも半径 $a$ に等しい。よって中心は $\mathrm{C}(a,a)$、半径は $a$ である。

Cと直線AB: $2x+y-2=0$ の距離を $d$ とすると、(1) と同様に

$$d=\frac{|3a-2|}{\sqrt5}$$

円が直線ABと異なる2点で交わる条件は $d<a$ である。両辺とも0以上なので、2乗しても同値で

$$\frac{(3a-2)^2}{5}<a^2\iff4a^2-12a+4<0\iff a^2-3a+1<0\iff\frac{3-\sqrt5}{2}<a<\frac{3+\sqrt5}{2}\quad\cdots①$$

①の左端 $a=\dfrac{3-\sqrt5}{2}$ は (1) の内接円、右端 $a=\dfrac{3+\sqrt5}{2}$ は辺ABの外側で3本の直線に接する円(傍接円)で、どちらも直線ABに接する。 $a$ がその間にあるとき、円は直線ABと異なる2点で交わる。

Cから直線ABに下ろした垂線の足をHとする。三角形CPQは $\mathrm{CP}=\mathrm{CQ}=a$ の二等辺三角形なので、Hは線分PQの中点である。直角三角形CHPで三平方の定理より

$$\left(\frac{\mathrm{PQ}}{2}\right)^2=\mathrm{CP}^2-\mathrm{CH}^2=a^2-d^2=a^2-\frac{(3a-2)^2}{5}=\frac{-4a^2+12a-4}{5}$$

平方完成すると

$$\frac{-4a^2+12a-4}{5}=-\frac45\left(a-\frac32\right)^2+1$$

これは上に凸の2次関数で、軸 $a=\dfrac32$ は①の範囲に入る( $a=\dfrac32$ のとき $a^2-3a+1=\dfrac94-\dfrac92+1=-\dfrac54<0$)。よって $a=\dfrac32$ のとき最大値 $1$ をとる。

$\mathrm{PQ}>0$ なので、 $\left(\dfrac{\mathrm{PQ}}{2}\right)^2$ が最大のとき PQ も最大で、 $\dfrac{\mathrm{PQ}}{2}=1$ より $\mathrm{PQ}=2$。

答 $2$( $a=\dfrac32$ のとき)

(確かめ: $a=\dfrac32$ のとき $d=\dfrac{\left|\dfrac92-2\right|}{\sqrt5}=\dfrac{\sqrt5}{2}$ で、 $a^2-d^2=\dfrac94-\dfrac54=1$。 $\dfrac{\mathrm{PQ}}{2}=1$ と一致する)

別解(連立して交点の $x$ 座標の差から求める) 直線ABは $y=-2x+2$。円 $(x-a)^2+(y-a)^2=a^2$ に代入して整理すると

$$5x^2+(2a-8)x+(a-2)^2=0$$

この2次方程式の2つの解は、P、Qの $x$ 座標である。判別式を $D$ とすると $\dfrac D4=(a-4)^2-5(a-2)^2=-4a^2+12a-4$ で、異なる2点で交わる条件 $\dfrac D4>0$ は本解の①と同じになる。2つの解の差は $\dfrac{2\sqrt{D/4}}{5}$、直線ABの傾きは $-2$ なので

$$\mathrm{PQ}=\sqrt{1+(-2)^2}\times\frac{2\sqrt{-4a^2+12a-4}}{5}=2\sqrt{\frac{-4a^2+12a-4}{5}}$$

となり、本解と同じ式になる。

出題意図

(1) 両軸に接する円の中心を $(r,r)$ と1文字で置き、点と直線の距離で内接円の中心を求めることができるか(教科書・チャートの例題レベル)

(2) 円と直線が切り取る弦の長さを、中心から下ろした垂線と三平方の定理で半径の式に表し、2次関数の最大値として処理できるか

講評

難易度やや簡単
目標得点50点
目標時間20分

理系では空間の四面体と球で出題された問題を、平面の三角形と円に1次元下げた姉妹問題。
理系は平面に垂直なベクトルを求める手間があったが、文系は点と直線の距離の公式がそのまま使えるので、ずっと易しい。
ただし、(1) は円の中心が直線の下にある場合と上にある場合の両方を考えなければならず、(2) は直線と2点で交わる処理がやや難しいので、やや簡単とした。
(1) は「両軸に接するので中心は $(r,r)$」と置くだけの典型問題、(2) は「円と直線が切り取る弦の長さ」と「2次関数の最大値」というチャートの例題を2つつないだだけで、基本問題なので、満点を取りたい。

差がつく所・失点しやすい所

  • 失点しやすい所:(2) で異なる2点で交わる条件( $a$ の範囲)を求めないまま、平方完成の頂点の値を答える所。(1) で絶対値の中身の符号を決めずに外し、傍接円の半径 $\dfrac{3+\sqrt5}{2}$ も答えに含めてしまう所。

2021年九州大学文系数学
第2問 解答・解説

第2問は2次関数・図形と方程式の問題です。
テーマは「すべての実数 $t$((2) は $|t|\leqq1$ の $t$)で $y\geqq xt-2t^2$ が成り立つ点 $(x,y)$ の集合の図示」。

問題

2021年九州大学文系数学 第2問 問題
2021年九州大学文系数学 第2問 問題
問題文をテキストで読む

以下の問いに答えよ。

(1) 次の条件Aをみたす座標平面上の点 $(x,y)$ 全体の集合を図示せよ。

条件A:すべての実数 $t$ に対して $y\geqq xt-2t^2$ が成立する。

(2) 次の条件Bをみたす座標平面上の点 $(x,y)$ 全体の集合を図示せよ。

条件B: $|t|\leqq1$ をみたすすべての実数 $t$ に対して $y\geqq xt-2t^2$ が成立する。

解答の方針

【(1)の方針】

着眼点

変数は $t$ で、 $x$、 $y$ は定数。 $g(t)=xt-2t^2$ とおけば、条件Aは「 $y$ が $g(t)$ の最大値以上」と言いかえられる。

2021年九州大学文系数学 第2問 解答の方針の図
2021年九州大学文系数学 第2問 解答の方針の図
  1. $x$ を定数、 $t$ を変数と見て $g(t)=xt-2t^2$ とおき、条件Aを「 $y\geqq$( $g(t)$ の最大値)」と言いかえる。
  2. $g(t)$ を $t$ について平方完成し、 $t=\dfrac{x}{4}$ のときの最大値 $\dfrac{x^2}{8}$ を求める。
  3. $y\geqq\dfrac{x^2}{8}$ を図示する(境界を含む)。

【(2)の方針】

着眼点

言いかえは (1) と同じで、「 $y$ が $-1\leqq t\leqq1$ での $g(t)$ の最大値以上」。上に凸の2次関数の区間での最大値は、軸 $t=\dfrac{x}{4}$ が区間に入るかどうかで決まる(最大値の候補は軸か区間の端)。 $x$ の値によって軸が区間の外に出るので、軸の位置で場合分けする。

2021年九州大学文系数学 第2問 解答の方針の図
2021年九州大学文系数学 第2問 解答の方針の図
  1. 条件Bを「 $y\geqq$( $-1\leqq t\leqq1$ における $g(t)$ の最大値)」と言いかえる。
  2. 軸 $t=\dfrac{x}{4}$ が区間の左( $x<-4$ )・中( $-4\leqq x\leqq4$ )・右( $x>4$ )のどこにあるかで場合分けし、最大値をそれぞれ $g(-1)=-x-2$、 $\dfrac{x^2}{8}$、 $g(1)=x-2$ と求める。
  3. 3つの場合をまとめて $y$ の範囲を書き、 $x=\pm4$ で境界がつながることを確かめて図示する(境界を含む)。

解答

2021年九州大学文系数学 第2問 解答・解説
2021年九州大学文系数学 第2問 解答・解説
解答をテキストで読む

(1) 配点 20点

$x$、 $y$ を定数と見て、 $t$ の関数

$$g(t)=xt-2t^2$$

を考える。条件Aは「すべての実数 $t$ で $y\geqq g(t)$」なので、「 $y$ が $g(t)$ の最大値以上」と同じである。

$$g(t)=-2t^2+xt=-2\left(t-\dfrac{x}{4}\right)^2+\dfrac{x^2}{8}$$

より、 $g(t)$ は $t=\dfrac{x}{4}$ で最大値 $\dfrac{x^2}{8}$ をとる。

よって、条件Aは

$$y\geqq\dfrac{x^2}{8}$$

である。求める集合は、放物線 $y=\dfrac{x^2}{8}$ とその上側の部分で、下の図の色をつけた部分(境界を含む)。

答 上の図の色をつけた部分(領域 $y\geqq\dfrac{x^2}{8}$ 。境界を含む)

別解(判別式) 条件Aは「すべての実数 $t$ で $2t^2-xt+y\geqq0$」と同じである。左辺は $t^2$ の係数が $2>0$ の2次式なので、すべての実数 $t$ で $0$ 以上になる条件は、判別式を $D$ として

$$D=x^2-8y\leqq0\quad\text{すなわち}\quad y\geqq\dfrac{x^2}{8}$$

本解と同じ答えになる。ただし、この解き方が使えるのは $t$ がすべての実数を動く (1) だけ。(2) のように $t$ の範囲が限られると判別式だけでは条件を表せず、最大値(最小値)を求める本解の解き方が必要になる。

(2) 配点 30点

(1) と同じく $g(t)=xt-2t^2=-2\left(t-\dfrac{x}{4}\right)^2+\dfrac{x^2}{8}$ とする。条件Bは「 $y$ が、 $-1\leqq t\leqq1$ における $g(t)$ の最大値以上」と同じである(区間は端を含むので、最大値が存在する)。

$g(t)$ は上に凸で軸は $t=\dfrac{x}{4}$ なので、最大値の候補は軸と区間の端 $t=\pm1$ である。軸が区間 $-1\leqq t\leqq1$ のどこにあるかで場合分けする。

(i) $-1\leqq\dfrac{x}{4}\leqq1$ すなわち $-4\leqq x\leqq4$ のとき 軸が区間に入るので、最大値は $g\!\left(\dfrac{x}{4}\right)=\dfrac{x^2}{8}$。条件は $y\geqq\dfrac{x^2}{8}$。

(ii) $\dfrac{x}{4}<-1$ すなわち $x<-4$ のとき 軸が区間の左にあるので、 $g(t)$ は $-1\leqq t\leqq1$ で単調に減少し、最大値は $g(-1)=-x-2$。条件は $y\geqq-x-2$。

(iii) $\dfrac{x}{4}>1$ すなわち $x>4$ のとき 軸が区間の右にあるので、 $g(t)$ は $-1\leqq t\leqq1$ で単調に増加し、最大値は $g(1)=x-2$。条件は $y\geqq x-2$。

$x=4$ のとき $\dfrac{x^2}{8}=2$、 $x-2=2$、 $x=-4$ のとき $\dfrac{x^2}{8}=2$、 $-x-2=2$ なので、境界は点 $(4,\ 2)$、 $(-4,\ 2)$ でつながる。さらに

$$\dfrac{x^2}{8}-(x-2)=\dfrac{(x-4)^2}{8}\geqq0,\qquad \dfrac{x^2}{8}-(-x-2)=\dfrac{(x+4)^2}{8}\geqq0$$

なので、直線 $y=x-2$ は放物線 $y=\dfrac{x^2}{8}$ に点 $(4,\ 2)$ で接し、直線 $y=-x-2$ は点 $(-4,\ 2)$ で接する。境界は、放物線から接線へなめらかにつながる。

以上より、求める集合は下の図の色をつけた部分(境界を含む)。破線は (1) の境界の放物線の続きで、(2) の集合は (1) の集合より広い。

答 上の図の色をつけた部分(境界を含む)

$x<-4$ のとき $y\geqq-x-2$、  $-4\leqq x\leqq4$ のとき $y\geqq\dfrac{x^2}{8}$、  $x>4$ のとき $y\geqq x-2$

検算(図形的な見方)  $t$ を1つ決めると、 $y=tx-2t^2$ は $xy$ 平面上の直線になる。

$$\dfrac{x^2}{8}-(tx-2t^2)=\dfrac{(x-4t)^2}{8}\geqq0$$

なので、この直線は放物線 $y=\dfrac{x^2}{8}$ の点 $(4t,\ 2t^2)$ における接線である。条件は「点 $(x,y)$ が、これらの接線すべての上側(接線上も含む)にある」ことになる。(1) はすべての接線の上側なので放物線の上側、 (2) は接点の $x$ 座標が $-4\leqq x\leqq4$ の接線だけなので、その外側は両端の接線 $y=\pm x-2$( $t=\pm1$ )が境界になる。本解の答えと一致する。

出題意図

(1) 何が変数で何が定数かを見抜き、「すべての $t$ で成り立つ」を「 $y$ が $t$ の2次関数の最大値以上」と言いかえることができるか(教科書・チャートの例題レベル)

(2) $t$ の範囲が区間に制限されたとき、上に凸の2次関数の最大値を軸の位置で場合分けして求め、その結果を領域として正しく図示できるか

講評

難易度標準
目標得点50点
目標時間25分

理系と同じ「すべての $t$ で成り立つ」型の問題。
難しいのは計算ではなく、何が変数かを決めて、「 $x$ を定数と見て、右辺の最大値が $y$ 以下」という条件に言いかえられるかどうか。
言いかえさえできれば、難易度はやや簡単だが、九大の文系受験生にとっては、この言いかえがすぐに思いつかないので、心境としては標準と感じるレベル。
目標は満点。

差がつく所・失点しやすい所

  • 差がつくのは (2):軸 $t=\dfrac{x}{4}$ が区間 $-1\leqq t\leqq1$ の外に出る場合があることに気づけるか。(1) と同じ $y\geqq\dfrac{x^2}{8}$ のまま答えると、(2) の点はほとんど残らない。
  • 何が変数か: $t$ が変数で $x$、 $y$ は定数と見て、「 $y$ が $t$ の2次関数の最大値以上」と言いかえるという発想に行き着けるか。ここで方針が立たないと、(1)(2) とも解けない。
  • 失点しやすい所:図示で、境界を含むことを書き落とす所と、直線 $y=\pm x-2$ が点 $(\pm4,\ 2)$ で放物線になめらかにつながるように書けていない所。

2021年九州大学文系数学
第3問 解答・解説

第3問は積分法(数学Ⅱ)・2次関数・複素数と方程式の問題です。
テーマは「文字 $a$ を含む放物線が直線に接する条件と、放物線・接線・ $y$ 軸で囲まれた図形の面積」。

問題

2021年九州大学文系数学 第3問 問題
2021年九州大学文系数学 第3問 問題
問題文をテキストで読む

$a$ を正の実数とし、放物線 $C:y=-x^2-2ax-a^3+10a$ を考える。以下の問いに答えよ。

(1) 放物線 $C$ と直線 $l:y=8x+6$ が接するような $a$ の値を求めよ。

(2) $a$ が(1)で求めた値のとき、放物線 $C$、直線 $l$、 $y$ 軸で囲まれた図形の面積を求めよ。

解答の方針

【(1)の方針】

着眼点

放物線と直線が接するのは、2つの式を連立した $x$ の2次方程式が重解をもつとき。判別式を0とすれば $a$ だけの方程式になる。

  1. $C$ と $l$ の式を連立して、 $x$ の2次方程式 $x^2+2(a+4)x+a^3-10a+6=0$ を作る。
  2. 接するので、この2次方程式は重解をもつ。判別式 $\dfrac{D}{4}=0$ から $a$ の3次方程式 $a^3-a^2-18a-10=0$ を作る。
  3. 解の候補 $\pm1,\ \pm2,\ \pm5,\ \pm10$ から $a=5$ を見つけ、因数定理で $(a-5)(a^2+4a+2)=0$ と因数分解する。
  4. $a>0$ なので $a^2+4a+2>0$ であることを確かめ、 $a=5$ と決める。
  5. 連立した2次方程式の重解 $x=-(a+4)$ に $a=5$ を代入して、接点の $x$ 座標 $-9$ も求めておく。

【(2)の方針】

着眼点

面積に要るのは接点の $x$ 座標と2次の係数だけ。 $l$ は $C$ に $x=-9$ で接するので、「 $l$ の式 $-$ $C$ の式」は $(x+9)^2$ と完全平方になり、塊のまま積分できる( $\dfrac13$ 公式の形)。

2021年九州大学文系数学 第3問 解答の方針の図
2021年九州大学文系数学 第3問 解答の方針の図
  1. $a=5$ のときの $C$ の式 $y=-x^2-10x-75$ を書き、図を書いて、求める図形が $-9\leqq x\leqq0$ で $l$ と $C$ の間の部分であることを確かめる。
  2. $l$ は $C$ に $x=-9$ で接し、 $C$ の2次の係数が $-1$ なので、「 $l$ の式 $-$ $C$ の式」 $=(x+9)^2$ と因数分解する。これが $0$ 以上なので $l$ が $C$ の上にある。
  3. 面積を $\displaystyle\int_{-9}^{0}\{(8x+6)-(-x^2-10x-75)\}\,dx=\int_{-9}^{0}(x+9)^2\,dx$ と書き、塊のまま積分して求める。

解答

2021年九州大学文系数学 第3問 解答・解説
2021年九州大学文系数学 第3問 解答・解説
解答をテキストで読む

(1) 配点 30点

$C$ と $l$ の式を連立すると、 $-x^2-2ax-a^3+10a=8x+6$ より

$$x^2+2(a+4)x+a^3-10a+6=0\quad\cdots①$$

$C$ と $l$ が接するのは、①が重解をもつときである。①の判別式を $D$ とすると

$$\dfrac{D}{4}=(a+4)^2-(a^3-10a+6)=-a^3+a^2+18a+10=0$$

すなわち

$$a^3-a^2-18a-10=0\quad\cdots②$$

②の解の候補は $\pm1,\ \pm2,\ \pm5,\ \pm10$。 $a=5$ を代入すると $125-25-90-10=0$ なので、②の左辺は $a-5$ で割り切れて

$$(a-5)(a^2+4a+2)=0$$

$a>0$ なので $a^2+4a+2>0$ であり、②をみたす正の実数は $a=5$ だけである( $a^2+4a+2=0$ の解 $a=-2\pm\sqrt2$ はどちらも負で不適)。

答 $a=5$

このとき①は $x^2+18x+81=0$ で、重解は $x=-(a+4)=-9$。 $l$ は $C$ に点 $(-9,\ -66)$ で接する。

別解(接点で傾きが等しいことから微分で求める)  $C$ と $l$ が $x=t$ で接するとすると、接点で $C$ の接線の傾きが $8$ になるので、 $(-x^2-2ax-a^3+10a)’=-2x-2a$ より $-2t-2a=8$、すなわち $t=-(a+4)$。さらに $x=t$ で $C$ と $l$ の $y$ 座標が等しいので

$$-(a+4)^2+2a(a+4)-a^3+10a=-8(a+4)+6$$

整理すると $-a^3+a^2+18a+10=0$ となり、本解の②と同じ式になる。あとは同じ。

(2) 配点 20点

$a=5$ のとき、 $C:y=-x^2-10x-75$ である。 $l$ は $C$ に $x=-9$ で接するので、 $l$ の式から $C$ の式を引いた2次式は、2次の係数が $1$ の完全平方になる。

$$(8x+6)-(-x^2-10x-75)=x^2+18x+81=(x+9)^2$$

これは $0$ 以上なので、 $l$ は $C$ の上にある。よって、求める図形は $-9\leqq x\leqq0$ で $l$ と $C$ の間の部分(図の網かけ部分)である。

求める面積を $S$ とすると

$$S=\int_{-9}^{0}\{(8x+6)-(-x^2-10x-75)\}\,dx=\int_{-9}^{0}(x+9)^2\,dx$$

$$S=\left[\dfrac13(x+9)^3\right]_{-9}^{0}=\dfrac13\cdot9^3=243$$

答 $243$

検算  $\dfrac13(x+9)^3$ を微分すると $(x+9)^2$ に戻る。また、 $x=0$ での $l$ と $C$ の $y$ 座標の差は $6-(-75)=81=9^2$ で、 $(x+9)^2$ に $x=0$ を代入した値と一致する。

出題意図

(1) 放物線と直線が接する条件を、連立した2次方程式の判別式で捉え、文字 $a$ の3次方程式を因数定理で解くことができるか(教科書・チャートの例題レベル)

(2) 放物線と接線で囲まれた図形の面積を、「接するので差が完全平方」の形にして求めることができるか

講評

難易度簡単
目標得点50点
目標時間15分

(1) は連立して判別式で処理するだけ、(2) は積分するだけで、簡単な問題。
チャートの例題そのままの「接する条件」と「放物線と接線の面積」の問題で、問題を見た瞬間に答えまでの道筋が思い浮かぶべき。
ここを落とすと合格は厳しい。

差がつく所・失点しやすい所

  • 失点しやすい所:(1) で判別式の定数項 $a^3-10a+6$ の符号を間違えたり、 $a>0$ の確認を書かずに $a=5$ と答えたりする所。

2021年九州大学文系数学
第4問 解答・解説

第4問は数列の問題です。
テーマは「(等差)×(等比)の和 $\displaystyle\sum_{k=1}^{n}k\,2^{k-1}$ と、和の記号を含む漸化式の一般項」。

問題

2021年九州大学文系数学 第4問 問題
2021年九州大学文系数学 第4問 問題
問題文をテキストで読む

以下の問いに答えよ。

(1) $n$ を自然数とするとき、 $\displaystyle\sum_{k=1}^{n}k\,2^{k-1}$ を求めよ。

(2) 次のように定義される数列 $\{a_n\}$ の一般項を求めよ。

$$a_1=2$$

$$a_{n+1}=1+\frac12\sum_{k=1}^{n}(n+1-k)a_k$$

$$(n=1,2,3,\cdots\cdots)$$

解答の方針

【(1)の方針】

着眼点

$k\,2^{k-1}$ は(等差数列 $k$ )×(等比数列 $2^{k-1}$ )の形。等差×等比の和は、公比2を掛けて1つずらして書き、引けば間が等比数列の和になる。

  1. $S_n=\displaystyle\sum_{k=1}^{n}k\,2^{k-1}$ とおき、 $S_n$ と $2S_n$ を1つずらして書き並べる。
  2. $S_n-2S_n$ を計算すると、間が初項1・公比2・項数 $n$ の等比数列の和になるので、それを求める。
  3. 右端の $-n\cdot2^n$ と合わせて $S_n$ について解き、 $n=1,\ 2$ で確かめる。

【(2)の方針】

着眼点

右辺に前の項がすべて入った、Σを含む漸化式。Σの部分を $S_n$ のような「和」と見なして、 $n$ を1つずらした式を引く(1個ずらして引く)のが王道。引くと和が崩れて、3項間漸化式になる。

  1. Σを書き出し、 $na_1+(n-1)a_2+\cdots+2a_{n-1}+a_n$ の和として見る。
  2. $n$ を $n+1$ にした式から引いて、右辺を $\dfrac12\left(a_1+a_2+\cdots+a_{n+1}\right)$ にする。
  3. もう一度ずらして引き、3項間漸化式 $a_{n+3}-\dfrac52a_{n+2}+a_{n+1}=0$ にする( $n\geqq1$ )。
  4. $a_{n+3}-2a_{n+2}=\dfrac12\left(a_{n+2}-2a_{n+1}\right)$ と変形し、もとの漸化式で求めた $a_2=2$、 $a_3=4$ から $a_3-2a_2=0$ を使って $a_{n+1}=2a_n\ (n\geqq2)$ を導く。
  5. 答えを $a_1=2$ と $a_n=2^{n-1}\ (n\geqq2)$ に分けて書く。

解答

2021年九州大学文系数学 第4問 解答・解説
2021年九州大学文系数学 第4問 解答・解説
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(1) 配点 15点

$S_n=\displaystyle\sum_{k=1}^{n}k\,2^{k-1}$ とおく。 $k\,2^{k-1}$ は(等差数列)×(等比数列)の形なので、公比2を掛けて1つずらして並べる。

$$\begin{aligned}S_n&=1+2\cdot2+3\cdot2^2+\cdots+n\cdot2^{n-1}\\2S_n&=1\cdot2+2\cdot2^2+\cdots+(n-1)\cdot2^{n-1}+n\cdot2^n\end{aligned}$$

$S_n$ の式から $2S_n$ の式を引くと、同じ $2^{k-1}$ の項どうしで係数の差が1になるので

$$S_n-2S_n=\left(1+2+2^2+\cdots+2^{n-1}\right)-n\cdot2^n$$

かっこの中は初項1、公比2、項数 $n$ の等比数列の和なので

$$-S_n=\frac{2^n-1}{2-1}-n\cdot2^n=2^n-1-n\cdot2^n$$

よって

$$S_n=n\cdot2^n-2^n+1=(n-1)\cdot2^n+1$$

答 $\displaystyle\sum_{k=1}^{n}k\,2^{k-1}=(n-1)\cdot2^n+1$

(確かめ: $n=1$ で左辺 $1$、右辺 $0+1=1$。 $n=2$ で左辺 $1+4=5$、右辺 $4+1=5$)

(2) 配点 35点

Σを書き出すと、漸化式は

$$a_{n+1}=1+\frac12\left\{na_1+(n-1)a_2+\cdots+2a_{n-1}+1\cdot a_n\right\}\quad\cdots\cdots①$$

である。①の $n$ を $n+1$ にした式は

$$a_{n+2}=1+\frac12\left\{(n+1)a_1+na_2+\cdots+2a_n+1\cdot a_{n+1}\right\}\quad\cdots\cdots①’$$

①’から①を引く。 $a_1$ から $a_n$ までの係数はどれも1ずつ増え、 $a_{n+1}$ の係数は1だけ残るので、 $n\geqq1$ で

$$a_{n+2}-a_{n+1}=\frac12\left(a_1+a_2+\cdots+a_{n+1}\right)\quad\cdots\cdots②$$

②の $n$ を $n+1$ にした式から②を引くと、右辺は $\dfrac12a_{n+2}$ だけが残るので、 $n\geqq1$ で

$$a_{n+3}-a_{n+2}-\left(a_{n+2}-a_{n+1}\right)=\frac12a_{n+2}\iff a_{n+3}-\frac52a_{n+2}+a_{n+1}=0\quad\cdots\cdots③$$

③は $x^2-\dfrac52x+1=(x-2)\left(x-\dfrac12\right)$ に対応するので

$$a_{n+3}-2a_{n+2}=\frac12\left(a_{n+2}-2a_{n+1}\right)\quad(n\geqq1)$$

と変形できる。①で $n=1,\ 2$ とすると

$$a_2=1+\frac12\cdot1\cdot2=2,\qquad a_3=1+\frac12(2\cdot2+1\cdot2)=4$$

なので $a_3-2a_2=0$ 。よって数列 $\left\{a_{n+2}-2a_{n+1}\right\}$ は初項0、公比 $\dfrac12$ の等比数列で、すべて0になる。

$$a_{n+2}-2a_{n+1}=0\quad(n\geqq1)\qquad\text{すなわち}\qquad a_{n+1}=2a_n\quad(n\geqq2)$$

$a_2=2$ なので、 $n\geqq2$ で $a_n=2^{n-2}a_2=2^{n-1}$ となる。 $a_1=2$ はこの式に含まれないので、分けて書く。

答 $a_1=2$、 $n\geqq2$ のとき $a_n=2^{n-1}$

(確かめ: $a_4=2a_3=8$ は、①で $n=3$ として $1+\dfrac12(3\cdot2+2\cdot2+1\cdot4)=8$ と一致する。③は $a_{n+1}$ から始まるので $n\geqq1$ でだけ成り立つ。 $n=0$ とすると $a_3-\dfrac52a_2+a_1=1\neq0$ で成り立たない。 $n$ の範囲を書き落とさない)

別解(予想して帰納法) 解けないときの手として持っておく。①で $n=1,\ 2,\ 3$ とすると $a_2=2$、 $a_3=4$、 $a_4=1+\dfrac12(3\cdot2+2\cdot2+1\cdot4)=8$ 。 $2,\ 4,\ 8$ と2倍ずつなので、 $n\geqq2$ で $a_n=2^{n-1}$ …(☆) と予想する( $a_1=2$ は $2^0=1$ と一致しないので除く)。①の右辺には $a_1$ から $a_n$ までがすべて入るので、前の項すべてで (☆) が成り立つと仮定する帰納法(累積帰納法)で示す。 $n=2$ では $a_2=2=2^1$ で成り立つ。 $m\geqq2$ とし、 $2\leqq k\leqq m$ のすべての $k$ で $a_k=2^{k-1}$ と仮定すると、 $a_1=2=2^0+1$ なので

$$\sum_{k=1}^{m}(m+1-k)a_k=\sum_{k=1}^{m}(m+1-k)2^{k-1}+m$$

右辺の和は、 $m+1$ がΣの外に出せて、(1) の結果より

$$(m+1)\sum_{k=1}^{m}2^{k-1}-\sum_{k=1}^{m}k\,2^{k-1}=(m+1)\left(2^m-1\right)-\left\{(m-1)\cdot2^m+1\right\}=2^{m+1}-m-2$$

よって和は $2^{m+1}-2$ で、①より $a_{m+1}=1+\dfrac12\left(2^{m+1}-2\right)=2^m$ となり、 $n=m+1$ でも (☆) は成り立つ。答えは本解と同じ、 $a_1=2$、 $n\geqq2$ のとき $a_n=2^{n-1}$ 。(1) の結果を使う解き方なので、(1) が解けていれば確実に進められる。

出題意図

(1) (等差)×(等比)の和を、公比をずらして引く方法で正確に計算できるか。教科書・チャートの例題レベルの計算を、項数まで正しく処理できるか。

(2) Σを含む漸化式を、 $n$ を1つずらした式を引いて3項間漸化式にし、解けるか(王道)。解けないときは、項を計算して一般項を予想し、数学的帰納法で示す手もある。どちらの解き方でも、 $a_1$ だけ例外になることに気づけるか。

講評

難易度標準
目標得点50点
目標時間25分

数列は、解法を覚えたら解ける単元。
(1) は等差×等比の和で、公比をずらすだけのチャートの例題レベルの問題。
(2) はΣを含む漸化式で、Σの部分を和と見なして1個ずらして引くのが王道。
引くと3項間漸化式になり、そんなに難しくはないが、標準とした。

差がつく所・失点しやすい所

  • 差がつくのは (2):Σを含む漸化式を、1個ずらして引く王道に気づけるか。引くと3項間漸化式になる。気づけなくても、 $a_2,\ a_3,\ a_4$ を計算して予想し、帰納法で示す手がある。
  • $a_1$ だけ例外:答えを「 $a_n=2^{n-1}$ 」の1つにまとめると大きく減点される。 $a_1=2$ と $n\geqq2$ の場合を分けて書く。
  • 3項間漸化式が成り立つ $n$ の範囲:③は $n\geqq1$ でだけ成り立つ。 $a_1$ を使う形では成り立たないので、 $n$ の範囲を書き落とさない。

2021年九州大学・文系数学の
講評とまとめ

4問の難易度と目標得点をまとめると、次のとおりです。

大問難易度目標点
第1問やや簡単50点
第2問標準50点
第3問簡単50点
第4問標準50点
全体やや簡単160点

大問ごとの目標点は、それぞれの大問を単体で解いたときの理想の点です。足すと200点になりますが、全体の目標点は160点です。

全体的に簡単めの問題が多く、解けない問題はありませんでした。
九大の文系受験生なら、この年の問題はすべて手が出せなければいけません。
大問ごとの目標は50点ですが、実際の本番では、第2問と第4問の最後は解けなくてもかまいません。
目標点は160点を落としどころにしましょう。

解く流れ

  • 第3問 → 第1問 → 第2問 → 第4問(第3問・第1問を先に確実に取り、第4問は帰納法の論証に時間を使うので最後に回す)
  • 目標時間の合計は85分(第1問20分・第2問25分・第3問15分・第4問25分)。残りの35分は見直しと予備。

2021年九州大学・文系数学に
関するよくある質問

2021年の九州大学・文系数学について、よく聞かれる質問にお答えします。

2021年の九州大学・文系数学は難しかった?

やや簡単な年でした。
第1問はやや簡単、第2問は標準、第3問は簡単、第4問は標準です。
簡単めの問題が多く、解けない問題はありません。

2021年の九州大学・文系数学は何点取れば合格できる?

目標点は160点です(200点満点)。

2021年の九州大学・文系数学はどこで差がつく?

第1問・第3問は確実に取っておきたいところです。そのうえで、差がつくとすれば次の2つです。

  • 第2問 (2):「すべての $t$ で成り立つ」を最大値の条件に言いかえ、軸が区間の外に出る場合を落とさずに場合分けできたか。
  • 第4問 (2):Σを含む漸化式を、1個ずらして引く王道に気づけたか。 $a_1$ だけが例外になる点も見落とせません。

ただし、第2問と第4問の最後は解けなくてもよく、160点が落としどころです。

2021年の九州大学・文系数学は何が出題された?

大問ごとの単元は、次のとおりです。

  • 第1問:座標・2次関数
  • 第2問:2次関数・図形と方程式
  • 第3問:積分法(数学Ⅱ)・2次関数・複素数と方程式
  • 第4問:数列

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