【解説・採点基準付き】2019年九州大学文系数学の解答・解説

2019年の九州大学・文系数学の、
解答・解説【完全版】です。

方針の立て方・考え方はもちろん
オリジナルの採点基準付き。

このページで過去問演習が完結するので
赤本などは一切不要です。

※本記事の問題は、九州大学の入学試験問題から引用しています。
解答・解説は九大専門塾・竜文会が独自に作成したもので、九州大学が公表したものではありません。

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中原 遼太郎

九大受験に特化した学習塾
『竜文会』代表

『竜文会』開校後、初年度には国立大学医学部や九州大学に合格者を輩出。

2年目には旧帝大医学部にも合格!

九州大学の過去問を20年分以上分析して指導カリキュラムを作成。

九州大学医学部に現役合格した経験を生かして、『学習計画の作成』や『LINEでのいつでも相談』による1人1人のサポート・九州大学に特化したハイレベルな演習で「九大受験生」をサポート。

経歴

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目次

2019年九州大学文系数学
第1問 解答・解説

この記事の配点・採点基準は九州大学が公表しているものではなく、竜文会が独自に作成したものです。

第1問は指数・対数関数・確率の問題です。
テーマは「表に3、裏に8が書かれた硬貨を10回投げたとき、出た数字10個の積が8桁になる確率(常用対数による桁数の評価と反復試行)」。

問題

2019年九州大学文系数学 第1問 問題
2019年九州大学文系数学 第1問 問題
問題文をテキストで読む

表に3、裏に8が書かれた硬貨がある。この硬貨を10回投げるとき、出た数字10個の積が8桁になる確率を求めよ。ただし、 $\log_{10}2=0.3010$、 $\log_{10}3=0.4771$ とする。

解答の方針

着眼点

積は「3が何回出たか」だけで決まる。3が出る回数を $k$ とおけば、積の常用対数は $k$ の1次式になり、「8桁」は $k$ の不等式に言いかえられる。

2019年九州大学文系数学 第1問 解答の方針の図
2019年九州大学文系数学 第1問 解答の方針の図
  1. 10回のうち3が出る回数を $k$ ( $k=0,1,\cdots,10$ )とおき、積を $N=3^k\cdot8^{10-k}$ と表す。
  2. 両辺の常用対数をとり、 $\log_{10}8=3\log_{10}2$ を使って、 $\log_{10}N$ を $k$ の1次式で表す。
  3. $N$ が8桁であることを $10^7\leqq N<10^8$、すなわち $7\leqq\log_{10}N<8$ と言いかえる。
  4. 手順2の式を手順3の不等式に入れて $k$ の範囲を求め、整数 $k$ を $k=3,\ 4$ に絞る。
  5. 3がちょうど $k$ 回出る確率は反復試行で ${}_{10}\mathrm{C}_k\left(\dfrac12\right)^{10}$。 $k=3,\ 4$ の確率を足す。

解答

2019年九州大学文系数学 第1問 解答・解説
2019年九州大学文系数学 第1問 解答・解説
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硬貨を1回投げて、表(3)が出る確率と裏(8)が出る確率はどちらも $\dfrac12$ で、何回目でも変わらない。

10回のうち3が出る回数を $k$ ( $k=0,1,2,\cdots,10$ )とすると、8が出る回数は $10-k$ なので、出た数字10個の積を $N$ とすると

$$N=3^k\cdot8^{10-k}$$

両辺の常用対数をとる。 $\log_{10}8=3\log_{10}2=3\times0.3010=0.9030$ なので

$$\log_{10}N=k\log_{10}3+(10-k)\log_{10}8=0.4771k+0.9030(10-k)=9.030-0.4259k$$

$\log_{10}N$ は、 $k$ が1増えるごとに $0.4259$ ずつ小さくなる。

$N$ が8桁の整数であるための条件は

$$10^7\leqq N<10^8$$

で、各辺の常用対数をとると

$$7\leqq\log_{10}N<8$$

よって $7\leqq9.030-0.4259k<8$、すなわち $1.030<0.4259k\leqq2.030$ なので

$$\dfrac{1.030}{0.4259}<k\leqq\dfrac{2.030}{0.4259}$$

$\dfrac{1.030}{0.4259}=2.41\cdots$、 $\dfrac{2.030}{0.4259}=4.76\cdots$ で、 $k$ は整数なので

$$k=3,\ 4$$

実際、 $k=3$ のとき $\log_{10}N=7.7523$、 $k=4$ のとき $\log_{10}N=7.3264$ で、どちらも $10^7<N<10^8$ を満たす。

3がちょうど $k$ 回出る確率は、反復試行の確率で

$${}_{10}\mathrm{C}_k\left(\dfrac12\right)^k\left(\dfrac12\right)^{10-k}={}_{10}\mathrm{C}_k\left(\dfrac12\right)^{10}$$

$k=3$ と $k=4$ は同時には起こらないので、求める確率は

$$\left({}_{10}\mathrm{C}_3+{}_{10}\mathrm{C}_4\right)\left(\dfrac12\right)^{10}=\dfrac{120+210}{1024}=\dfrac{330}{1024}=\dfrac{165}{512}$$

答 $\dfrac{165}{512}$

検算  $k=2,3,4,5$ の積を実際に計算すると

・$k=2$ : $3^2\cdot8^8=150994944$ (9桁)

・$k=3$ : $3^3\cdot8^7=56623104$ (8桁)

・$k=4$ : $3^4\cdot8^6=21233664$ (8桁)

・$k=5$ : $3^5\cdot8^5=7962624$ (7桁)

で、8桁になるのは $k=3,\ 4$ だけ。本解と一致する。 $k=2,\ 5$ の $\log_{10}N$ はそれぞれ $8.1782$、 $6.9005$ で、7や8から十分離れているので、与えられた常用対数の値が近似値であっても判定は変わらない。

別解(8が出る回数で考える) 8が出る回数を $m$ とおくと、 $\log_{10}N=0.4771(10-m)+0.9030m=4.771+0.4259m$。 $7\leqq4.771+0.4259m<8$ より $5.23\cdots\leqq m<7.58\cdots$ で $m=6,\ 7$。確率は $\left({}_{10}\mathrm{C}_6+{}_{10}\mathrm{C}_7\right)\left(\dfrac12\right)^{10}=\dfrac{165}{512}$ で、本解と同じになる。

出題意図

  • 「積が8桁になる」という条件を、3が出る回数の不等式に言いかえることができるか(常用対数で桁数を評価する、教科書・チャートの例題レベル)。
  • 回数が決まれば、あとは反復試行の確率を足すだけ。対数(数学Ⅱ)と確率(数学A)の基本の組み合わせを、確実に解き切れるか。

講評

難易度簡単
目標得点50点
目標時間15分

桁数なので対数だと気づける問題。
表の出る回数を $k$、裏を $10-k$ として積の常用対数を求め、それが7以上8未満に入る条件を考えるだけで、簡単。
常用対数で桁数を評価する問題と、反復試行の確率を組み合わせただけの、チャートの例題レベルの問題。
誰もが確実に取れるボーナス問題で、得意・不得意で差がつかないので、数学が苦手な人ほどありがたい。

差がつく所・失点しやすい所

  • 失点しやすい所:「8桁」を $10^8\leqq N<10^9$ と取り違える所と、 $1.030<0.4259k\leqq2.030$ の小数の割り算を誤る所。

2019年九州大学文系数学
第2問 解答・解説

第2問は微分法・積分法(数学Ⅱ)の問題です。
テーマは「文字定数 $k$ を含む3次関数が極大値と極小値をもつ条件と、極大値と極小値の差が $4|k|^3$ になる $k$ の値」。

問題

2019年九州大学文系数学 第2問 問題
2019年九州大学文系数学 第2問 問題
問題文をテキストで読む

$k$ を実数とする。3次関数 $y=x^3-kx^2+kx+1$ が極大値と極小値をもち、極大値から極小値を引いた値が $4\lvert k\rvert^3$ になるとする。このとき、 $k$ の値を求めよ。

解答の方針

着眼点

極値をもつかどうかは $f'(x)$ の符号が変わるかで決まるので、判別式の条件に言いかえられる。極大値と極小値の差は $f'(x)$ の積分なので、 $\dfrac16$ 公式で $(\beta-\alpha)^3$ の形にまとまる。右辺の $|k|^3$ は $\left(\sqrt{k^2}\right)^3$ と見れば、両辺が「ルートの3乗」の形にそろう。

2019年九州大学文系数学 第2問 解答の方針の図
2019年九州大学文系数学 第2問 解答の方針の図
  1. $f(x)=x^3-kx^2+kx+1$ とおき、 $f'(x)=3x^2-2kx+k$ を求める。
  2. $y=f'(x)$ のグラフをイメージし、極大値と極小値をもつ条件( $f'(x)$ の符号が2回変わる)を判別式 $\dfrac{D}{4}=k^2-3k>0$ にして、 $k<0,\ 3<k$ を求める。
  3. $f'(x)=0$ の2つの解を $\alpha<\beta$ とし、 $x=\alpha$ で極大、 $x=\beta$ で極小となることを確かめる。
  4. 極大値から極小値を引いた値を $f(\alpha)-f(\beta)=-\displaystyle\int_\alpha^\beta f'(x)\,dx$ と書き、 $f'(x)=3(x-\alpha)(x-\beta)$ として $\dfrac16$ 公式で $\dfrac12(\beta-\alpha)^3$ にする。
  5. $f'(x)=0$ を解の公式で解いて辺々引き、 $\beta-\alpha=\dfrac23\sqrt{k^2-3k}$ を求めて、差を $k$ の式で表す。
  6. $4|k|^3=4\left(\sqrt{k^2}\right)^3$ と書きかえて両辺を比べ、 $\sqrt{k^2-3k}=3\sqrt{k^2}$ を2乗して $k$ の2次方程式 $8k^2+3k=0$ を解く。
  7. 求めた $k=0,\ -\dfrac38$ のうち、手順2で求めた条件を満たすものを答える。

解答

2019年九州大学文系数学 第2問 解答・解説
2019年九州大学文系数学 第2問 解答・解説
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配点 50点

$f(x)=x^3-kx^2+kx+1$ とおくと

$$f'(x)=3x^2-2kx+k$$

$y=f'(x)$ は下に凸の放物線なので、 $f(x)$ が極大値と極小値をもつのは、 $f'(x)$ の符号が2回変わるとき、すなわち $f'(x)=0$ が異なる2つの実数解をもつときである。判別式を $D$ とすると

$$\dfrac{D}{4}=k^2-3k=k(k-3)>0$$

よって

$$k<0,\quad 3<k\quad\cdots①$$

①のとき、 $f'(x)=0$ の2つの実数解を $\alpha$、 $\beta$( $\alpha<\beta$ )とすると、 $f'(x)=3(x-\alpha)(x-\beta)$ である。 $f'(x)$ は $x=\alpha$ の前後で正から負に、 $x=\beta$ の前後で負から正に符号が変わるので、 $f(x)$ は $x=\alpha$ で極大、 $x=\beta$ で極小となる。

極大値から極小値を引いた値は

$$\small\begin{aligned}f(\alpha)-f(\beta)&=-\int_\alpha^\beta f'(x)\,dx\\&=-3\int_\alpha^\beta(x-\alpha)(x-\beta)\,dx\\&=-3\cdot\left\{-\dfrac16(\beta-\alpha)^3\right\}\\&=\dfrac12(\beta-\alpha)^3\end{aligned}$$

$f'(x)=0$ を解の公式で解くと

$$x=\dfrac{k\pm\sqrt{k^2-3k}}{3}$$

なので、辺々引いて

$$\beta-\alpha=\dfrac23\sqrt{k^2-3k}$$

よって

$$f(\alpha)-f(\beta)=\dfrac12\cdot\dfrac{8}{27}\left(\sqrt{k^2-3k}\right)^3=\dfrac{4}{27}\left(\sqrt{k^2-3k}\right)^3$$

$|k|=\sqrt{k^2}$ なので、条件 $f(\alpha)-f(\beta)=4|k|^3$ は

$$\dfrac{4}{27}\left(\sqrt{k^2-3k}\right)^3=4\left(\sqrt{k^2}\right)^3$$

となる。両辺に $\dfrac{27}{4}$ をかけると

$$\left(\sqrt{k^2-3k}\right)^3=\left(3\sqrt{k^2}\right)^3$$

$\sqrt{k^2-3k}$ と $3\sqrt{k^2}$ はどちらも0以上の実数なので、3乗が等しければもとの数も等しく

$$\sqrt{k^2-3k}=3\sqrt{k^2}$$

両辺とも0以上なので、2乗して

$$k^2-3k=9k^2\qquad 8k^2+3k=0\qquad k(8k+3)=0$$

よって $k=0,\ -\dfrac38$

①を満たすのは $k=-\dfrac38$ だけである( $k=0$ のときは $f'(x)=3x^2\geqq0$ で、 $f(x)$ は極値をもたない)。

答 $k=-\dfrac38$

検算  $k=-\dfrac38$ のとき、 $f'(x)=3x^2+\dfrac34x-\dfrac38=\dfrac38(2x+1)(4x-1)$ なので、 $\alpha=-\dfrac12$、 $\beta=\dfrac14$。 $f(x)=x^3+\dfrac38x^2-\dfrac38x+1$ に代入すると

$$f\left(-\dfrac12\right)=\dfrac{37}{32},\qquad f\left(\dfrac14\right)=\dfrac{121}{128}$$

で、差は $\dfrac{148}{128}-\dfrac{121}{128}=\dfrac{27}{128}$。一方 $4|k|^3=4\cdot\dfrac{27}{512}=\dfrac{27}{128}$ で一致する。 $\dfrac12(\beta-\alpha)^3=\dfrac12\cdot\left(\dfrac34\right)^3=\dfrac{27}{128}$ とも一致する。

別解( $\beta-\alpha$ を解と係数の関係で求める)  $f'(x)=0$ で解と係数の関係より $\alpha+\beta=\dfrac{2k}{3}$、 $\alpha\beta=\dfrac{k}{3}$ なので

$$(\beta-\alpha)^2=(\alpha+\beta)^2-4\alpha\beta=\dfrac{4k^2}{9}-\dfrac{4k}{3}=\dfrac49(k^2-3k)$$

$\beta-\alpha>0$ より $\beta-\alpha=\dfrac23\sqrt{k^2-3k}$ で、本解と同じになる。

別解(絶対値を場合分けで外す) ①の範囲で、 $k<0$ のときは $|k|=-k$、 $3<k$ のときは $|k|=k$ なので、どちらも $\left(\sqrt{k^2-3k}\right)^3=(3|k|)^3$ から $\sqrt{k^2-3k}=3|k|$ となり、2乗して $8k^2+3k=0$。 $3<k$ の範囲に解はなく、 $k<0$ の範囲の解は $k=-\dfrac38$ だけで、本解と同じ答えになる。

出題意図

  • 極値をもつ条件を、 $f'(x)$ の符号が変わることから判別式の条件として捉えることができるか(教科書・チャートの例題レベル)。
  • 極大値と極小値の差を $(\beta-\alpha)^3$ の形で $k$ の式に表し、絶対値を含む方程式を、極値をもつ条件と合わせて解くことができるか。

講評

難易度やや簡単
目標得点50点
目標時間20分

極大値と極小値の差が $\dfrac16(\beta-\alpha)^3$ の形で表せるので、道筋は分かりやすい超典型問題。
ただし、極大と極小をもつ条件(判別式)と、絶対値の処理が少ししんどいので、やや簡単とした。
『1対1対応の演習』の例題とほぼ同じ形で、満点を取りたい。
極大値と極小値の差は、対称式・次数下げ・積分のどれでも求められるが、 $f'(x)$ の積分と見て $\dfrac16$ 公式を使えば $\dfrac12(\beta-\alpha)^3$ とすぐにまとまる。

差がつく所・失点しやすい所

  • 失点しやすい所:最後に①と照らし合わせず、 $k=0$ も答えに含めてしまう所( $k=0$ では $f'(x)=3x^2$ の符号が変わらず、極値をもたない)。

2019年九州大学文系数学
第3問 解答・解説

第3問は空間ベクトル・三角関数の問題です。
テーマは「3点A、B、Cを通る平面 $\alpha$ と点 $\mathrm{P}(6,p,q)$ の距離PH、Pが円 $(p-9)^2+(q-7)^2=1$ をみたしながら動くときの四面体ABCPの体積の最大値・最小値」。

問題

2019年九州大学文系数学 第3問 問題
2019年九州大学文系数学 第3問 問題
問題文をテキストで読む

座標空間内の3点 $\mathrm{A}(1,2,3)$、 $\mathrm{B}(3,2,3)$、 $\mathrm{C}(4,5,6)$ を通る平面を $\alpha$ とし、平面 $\alpha$ 上にない点 $\mathrm{P}(6,p,q)$ を考える。以下の問いに答えよ。

(1) 点 $\mathrm{P}$ から平面 $\alpha$ に下ろした垂線と $\alpha$ との交点を $\mathrm{H}$ とする。線分 $\mathrm{PH}$ の長さを $p,q$ を用いて表せ。

(2) 点 $\mathrm{P}$ が $(p-9)^2+(q-7)^2=1$ を満たしながら動くとき、四面体 $\mathrm{ABCP}$ の体積の最大値と最小値を求めよ。

解答の方針

【(1)の方針】

着眼点

PHは平面 $\alpha$ に垂直なので、平面に垂直なベクトルの実数倍と置ける。Hが $\alpha$ 上にあることは、「 $\alpha$ 上の点AからHへのベクトルが垂直なベクトルと垂直」、つまり内積0に翻訳する。

2019年九州大学文系数学 第3問 解答の方針の図
2019年九州大学文系数学 第3問 解答の方針の図
  1. $\vec n=(a,b,c)$ とおき、 $\vec n\cdot\overrightarrow{\mathrm{AB}}=0$、 $\vec n\cdot\overrightarrow{\mathrm{AC}}=0$ から、平面 $\alpha$ に垂直なベクトル $\vec n=(0,1,-1)$ を求める。
  2. $\overrightarrow{\mathrm{PH}}=k\vec n$ とおき、 $\overrightarrow{\mathrm{OH}}=\overrightarrow{\mathrm{OP}}+k\vec n$ でHの座標を $k$ で表す。
  3. Aも $\alpha$ 上の点なので $\overrightarrow{\mathrm{AH}}\cdot\vec n=0$。これから $k$ を $p$、 $q$ で表す。
  4. $\mathrm{PH}=|k||\vec n|$ を計算する。

【(2)の方針】

着眼点

底面の三角形ABCは動かないので、体積の最大・最小は高さPHの最大・最小で決まる。円周上の点を $\theta$ の1文字で置けば、三角関数の最大・最小に帰着できる。

  1. $|\overrightarrow{\mathrm{AB}}|^2$、 $|\overrightarrow{\mathrm{AC}}|^2$、 $\overrightarrow{\mathrm{AB}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{AC}}$ を求め、三角形の面積の公式で底面積 $\triangle\mathrm{ABC}$ を求める。
  2. 体積 $V=\dfrac13\cdot\triangle\mathrm{ABC}\cdot\mathrm{PH}$ に (1) を代入し、 $p$、 $q$ の式で表す。
  3. $p=9+\cos\theta$、 $q=7+\sin\theta$( $0\leqq\theta<2\pi$)とおき、 $p-q+1$ を $\theta$ で表す。
  4. sin合成し、 $\theta+\dfrac34\pi$ の範囲を書いて $p-q+1$ のとりうる値の範囲を求める。つねに正なので、絶対値をそのまま外せる。
  5. $\sin\left(\theta+\dfrac34\pi\right)=1$ のとき最大、 $-1$ のとき最小となることから、最大値・最小値を求める。

解答

2019年九州大学文系数学 第3問 解答・解説
2019年九州大学文系数学 第3問 解答・解説
2019年九州大学文系数学 第3問 解答・解説(続き)
2019年九州大学文系数学 第3問 解答・解説(続き)
解答をテキストで読む

(1) 配点 20点

$\overrightarrow{\mathrm{AB}}=(2,0,0)$、 $\overrightarrow{\mathrm{AC}}=(3,3,3)$。平面 $\alpha$ に垂直なベクトルを $\vec n=(a,b,c)$ とおく。 $\vec n$ は $\alpha$ 上の平行でない2つのベクトル $\overrightarrow{\mathrm{AB}}$、 $\overrightarrow{\mathrm{AC}}$ に垂直なので

$$\vec n\cdot\overrightarrow{\mathrm{AB}}=2a=0,\qquad\vec n\cdot\overrightarrow{\mathrm{AC}}=3a+3b+3c=0$$

1つめの式から $a=0$、これを2つめの式に代入して $c=-b$。よって $\vec n=b(0,1,-1)$。大きさは何でもよいので、 $\vec n=(0,1,-1)$ をとる( $|\vec n|=\sqrt2$)。

PHは $\alpha$ に垂直なので、 $\overrightarrow{\mathrm{PH}}=k\vec n$( $k$ は実数)とおける。PまでたどってからHへ進むと

$$\overrightarrow{\mathrm{OH}}=\overrightarrow{\mathrm{OP}}+k\vec n=(6,\ p+k,\ q-k)$$

HとAはどちらも $\alpha$ 上の点なので $\overrightarrow{\mathrm{AH}}\perp\vec n$、すなわち $\overrightarrow{\mathrm{AH}}\cdot\vec n=0$。 $\overrightarrow{\mathrm{AH}}=\overrightarrow{\mathrm{OH}}-\overrightarrow{\mathrm{OA}}=(5,\ p-2+k,\ q-3-k)$ より

$$(p-2+k)-(q-3-k)=0\iff2k+p-q+1=0\iff k=-\frac{p-q+1}{2}$$

図のように、PHは平面 $\alpha$ に垂直に下ろした線分で、その長さは $|k|$ と $|\vec n|$ の積である。よって

$$\mathrm{PH}=|k||\vec n|=\frac{|p-q+1|}{2}\cdot\sqrt2=\frac{|p-q+1|}{\sqrt2}$$

答 $\mathrm{PH}=\dfrac{|p-q+1|}{\sqrt2}$

(Pは $\alpha$ 上にないので $p-q+1\neq0$ で、PHは0にならない。また $\vec n$ の $x$ 成分が0なので、Hの $x$ 座標はPと同じ6で、Pの $x$ 座標6は答えに関係しない)

別解(点と平面の距離の公式) 平面 $\alpha$ は、Aを通り $\vec n=(0,1,-1)$ に垂直なので $(y-2)-(z-3)=0$、すなわち $y-z+1=0$。 $\mathrm{P}(6,p,q)$ との距離は $\dfrac{|p-q+1|}{\sqrt{0^2+1^2+(-1)^2}}=\dfrac{|p-q+1|}{\sqrt2}$ で、同じ値になる。

(2) 配点 30点

$|\overrightarrow{\mathrm{AB}}|^2=4$、 $|\overrightarrow{\mathrm{AC}}|^2=27$、 $\overrightarrow{\mathrm{AB}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{AC}}=6$ より

$$\triangle\mathrm{ABC}=\frac12\sqrt{|\overrightarrow{\mathrm{AB}}|^2|\overrightarrow{\mathrm{AC}}|^2-(\overrightarrow{\mathrm{AB}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{AC}})^2}=\frac12\sqrt{4\cdot27-6^2}=\frac12\sqrt{72}=3\sqrt2$$

(確かめ:ABは $x$ 軸に平行で長さ2。Cから直線ABまでの距離は $\sqrt{(5-2)^2+(6-3)^2}=3\sqrt2$ なので、面積は $\dfrac12\cdot2\cdot3\sqrt2=3\sqrt2$ で一致する)

四面体ABCPの底面を三角形ABCとみると、高さはPHである。体積を $V$ とすると、(1) より

$$V=\frac13\cdot\triangle\mathrm{ABC}\cdot\mathrm{PH}=\frac13\cdot3\sqrt2\cdot\frac{|p-q+1|}{\sqrt2}=|p-q+1|$$

点 $(p,q)$ は中心 $(9,7)$、半径1の円周上にあるので

$$p=9+\cos\theta,\qquad q=7+\sin\theta\qquad(0\leqq\theta<2\pi)$$

とおける。このとき

$$p-q+1=3+\cos\theta-\sin\theta$$

$\sin\theta$ と $\cos\theta$ の1次式なので、sin合成する。横軸に $\sin\theta$ の係数 $-1$、縦軸に $\cos\theta$ の係数 $1$ をとると、原点からの長さは $\sqrt2$、角は $\dfrac34\pi$ なので

$$-\sin\theta+\cos\theta=\sqrt2\sin\left(\theta+\frac34\pi\right)\qquad\therefore\ p-q+1=3+\sqrt2\sin\left(\theta+\frac34\pi\right)$$

$0\leqq\theta<2\pi$ より $\dfrac34\pi\leqq\theta+\dfrac34\pi<\dfrac{11}{4}\pi$ なので、 $-1\leqq\sin\left(\theta+\dfrac34\pi\right)\leqq1$。よって

$$3-\sqrt2\leqq p-q+1\leqq3+\sqrt2$$

$3-\sqrt2>0$ なので $p-q+1$ はつねに正で(Pは確かに $\alpha$ 上にない)、絶対値をそのまま外して $V=3+\sqrt2\sin\left(\theta+\dfrac34\pi\right)$。

$V$ が最大となるのは $\theta+\dfrac34\pi=\dfrac52\pi$、すなわち $\theta=\dfrac74\pi$ のとき、最小となるのは $\theta+\dfrac34\pi=\dfrac32\pi$、すなわち $\theta=\dfrac34\pi$ のときで、どちらも $0\leqq\theta<2\pi$ の範囲にある。

答 最大値 $3+\sqrt2$、最小値 $3-\sqrt2$

最大となるのは $\mathrm{P}\left(6,\ 9+\dfrac{\sqrt2}{2},\ 7-\dfrac{\sqrt2}{2}\right)$、最小となるのは $\mathrm{P}\left(6,\ 9-\dfrac{\sqrt2}{2},\ 7+\dfrac{\sqrt2}{2}\right)$ のときである。上の図は平面 $x=6$ での切り口(横に $y$、縦に $z$ をとる)で、 $\alpha$ は直線 $y-z+1=0$ になる。円の中心 $(9,\ 7)$ を通り、この直線に垂直な直線と円の2つの交点で、PHが最大・最小になる。

別解(平面 $x=6$ で切って、円の中心と直線の距離で考える)  $\vec n=(0,1,-1)$ の $x$ 成分が0なので、 $\alpha$ は $x$ 軸に平行である。そこで、Pを含む平面 $x=6$ で切って考える(上の図)。PHは $\vec n$ に平行で、Hも平面 $x=6$ 上にあるので、PHはこの切り口の上で、点 $(p,q)$ と直線 $y-z+1=0$ の距離に等しい。円の中心 $(9,7)$ と直線の距離は $\dfrac{|9-7+1|}{\sqrt2}=\dfrac{3}{\sqrt2}$ で、半径1より大きいので、円と直線は共有点をもたない。よって、円周上の点と直線の距離は $\dfrac{3}{\sqrt2}-1$ 以上 $\dfrac{3}{\sqrt2}+1$ 以下で、両端の値は、中心を通り直線に垂直な直線と円の交点でとる。 $V=\dfrac13\cdot3\sqrt2\cdot\mathrm{PH}=\sqrt2\,\mathrm{PH}$ より、最大値 $\sqrt2\left(\dfrac{3}{\sqrt2}+1\right)=3+\sqrt2$、最小値 $\sqrt2\left(\dfrac{3}{\sqrt2}-1\right)=3-\sqrt2$。

出題意図

(1) 平面に垂直なベクトルを求め、垂線の足を内積0で求めるという空間ベクトルの基本が理解できているか

(2) 底面積が一定なので、体積の最大・最小は高さPHの最大・最小だと捉え、円周上の点を1文字で置いて三角関数の最大・最小に帰着できるか

講評

難易度標準
目標得点30点
目標時間30分

空間ベクトルの典型問題に、三角関数の最大・最小を組み合わせた問題で、複合問題なので標準とした。
垂線を下ろす(1)は、文字があって少し複雑なだけで、難しくない。
(2) は、三角形ABCの面積は簡単で、高さPHを角の三角関数と見られるかが鍵。
目標は (1) を確実に取り、(2) の部分点まで。

差がつく所・失点しやすい所

  • 差がつくとすれば (2):底面積が一定なので、体積の最大・最小を高さPHの最大・最小と捉え、円周上の点を $\theta$ の1文字で置いて三角関数の最大・最小に帰着させるという発想に行き着けるか。
  • 失点しやすい所:(1) の絶対値のつけ忘れと、(2) で三角形の面積の公式の $\dfrac12$ を落とす所。合成のあとに $\theta+\dfrac34\pi$ の範囲を書かない所。

2019年九州大学文系数学
第4問 解答・解説

第4問は式と証明の問題です。
テーマは「2つの恒等式をみたす整式の決定(次数の決定と係数比較)」。

問題

2019年九州大学文系数学 第4問 問題
2019年九州大学文系数学 第4問 問題
問題文をテキストで読む

0でない2つの整式 $f(x)$、 $g(x)$ が以下の恒等式を満たすとする。

$$f(x^2)=(x^2+2)g(x)+7$$

$$g(x^3)=x^4f(x)-3x^2g(x)-6x^2-2$$

以下の問いに答えよ。

(1) $f(x)$ の次数と $g(x)$ の次数はともに2以下であることを示せ。

(2) $f(x)$ と $g(x)$ を求めよ。

解答の方針

【(1)の方針】

着眼点

2つの式はどちらも恒等式なので、左辺と右辺で最高次の項は一致する。 $f$ と $g$ の次数をそれぞれ文字でおけば、次数についての関係式が2本得られる。気をつけたいのは第2式の右辺で、 $x^4f(x)$ から $3x^2g(x)$ を引いている。この2つの項の次数がそろうと、最高次の項が消えて右辺の次数が下がる恐れがある。第1式から最高次の係数どうしの関係も出しておけば、消えるかどうかを判定できる。

2019年九州大学文系数学 第4問 解答の方針の図
2019年九州大学文系数学 第4問 解答の方針の図
  1. $f(x)$ の次数を $m$、 $g(x)$ の次数を $n$ とし、最高次の係数をそれぞれ $s$、 $t$ とおく。
  2. 第1式の左辺と右辺の最高次の項を比べ、 $2m=n+2$ と $s=t$ を導く。
  3. 第2式の右辺で、 $x^4f(x)$ の最高次の項と $-3x^2g(x)$ の最高次の項が打ち消し合わないことを確かめ、右辺の次数を $m+4$ と $2m$ の大きい方と決める。
  4. 第2式の左辺の次数 $6m-6$ と右辺の次数が等しいことから、 $m\leqq4$ と $m>4$ に分けて $m=2$、 $n=2$ を求める。

【(2)の方針】

着眼点

(1) より $f$、 $g$ はどちらも2次以下。ただ、両方に3つずつ文字をおくと未知数が6個になってしまう。第1式は $f(x^2)$ を $g(x)$ で表した式なので、 $g$ の係数3つさえ決まれば $f$ は自動的に決まる。そこで $g$ だけを文字でおけば、未知数は3個で済み、第2式の係数比較もずっと軽くなる。また、 $f(x^2)$ は $x^2$ だけの整式で $x$ の奇数乗の項をもたないことも使える。

  1. (1) より $g(x)=ax^2+bx+c$ とおき、第1式の右辺を展開する。
  2. 左辺 $f(x^2)$ に奇数乗の項がないことから $b=0$ とし、 $f(x)$ を $a$、 $c$ で表す。
  3. 第2式の両辺を $x$ の次数別に整理し、係数どうしを比べて $a$、 $c$ を決め、 $f(x)$、 $g(x)$ を答える。

解答

2019年九州大学文系数学 第4問 解答・解説
2019年九州大学文系数学 第4問 解答・解説
解答をテキストで読む

(1) 配点 20点

$f(x)$ の次数を $m$、 $g(x)$ の次数を $n$、最高次の係数をそれぞれ $s$、 $t$( $s\neq0$、 $t\neq0$)とおく。

第1式の左辺 $f(x^2)$ の最高次の項は $sx^{2m}$ である。右辺 $(x^2+2)g(x)+7$ の最高次の項は $tx^{n+2}$ で、 $n+2\geqq2$ だから定数7に隠れることはない。恒等式なので両辺の最高次の項が一致し

$$2m=n+2,\qquad s=t\qquad\cdots①$$

次に第2式を見る。左辺 $g(x^3)$ の次数は、①を使うと $3n=3(2m-2)=6m-6$ である。

右辺では、 $x^4f(x)$ の最高次の項が $sx^{m+4}$ 、①より $-3x^2g(x)$ の最高次の項が $-3tx^{n+2}=-3sx^{2m}$ になる。この2つが打ち消し合うかどうかを調べる。

・$m\neq4$ のとき  $m+4\neq2m$ なので次数が異なり、次数の大きい方の項はほかの項に消されない

・$m=4$ のとき どちらも $x^8$ の項で、係数の和は $s-3s=-2s\neq0$ だから消えない

さらに $m+4\geqq5$ だから、 $-6x^2-2$ は最高次の項に影響しない。したがって、右辺の次数は $m+4$ と $2m$ のうち大きい方である。

左辺の次数 $6m-6$ が右辺の次数に等しいので、 $m$ の大きさで分けて考える。

・$m\leqq4$ のとき 右辺の次数は $m+4$ で、 $6m-6=m+4$ から $m=2$( $m\leqq4$ をみたす)

・$m>4$ のとき 右辺の次数は $2m$ で、 $6m-6=2m$ から $m=\dfrac32$ となり、 $m>4$ に反する

よって $m=2$ で、①より $n=2m-2=2$。

以上より、 $f(x)$ も $g(x)$ も次数は2であり、どちらも2以下である。

別解(次数の上限だけ押さえる) 示したいのは「2以下」であって、ちょうど2であることまでは要らない。そこで、第2式の右辺の次数は $m+4$ と $2m$ の大きい方を超えない、と上から押さえるだけにする。これなら、最高次の項が消えるかどうかを調べなくてよい。左辺の次数は①から $6m-6$ なので、 $m\geqq4$ とすると $6m-6\leqq2m$ より $m\leqq\dfrac32$ となって矛盾する。よって $m<4$ で、このとき $6m-6\leqq m+4$ から $m\leqq2$ 、したがって $n=2m-2\leqq2$ である。

(2) 配点 30点

(1) より $g(x)$ は2次以下なので、 $g(x)=ax^2+bx+c$ とおく( $a=0$ の場合も含めてよい)。第1式の右辺を展開すると

$$f(x^2)=(x^2+2)(ax^2+bx+c)+7=ax^4+bx^3+(2a+c)x^2+2bx+2c+7$$

左辺 $f(x^2)$ は $x^2$ だけの整式で、奇数乗の項をもたない。そこで $x^3$ と $x$ の係数を見て $b=0$。すると

$$f(x^2)=a(x^2)^2+(2a+c)x^2+2c+7$$

となる。 $x^2=X$ とおくと、 $X\geqq0$ のすべての $X$ について $f(X)=aX^2+(2a+c)X+2c+7$ が成り立つ。無数の $X$ で値が一致する整式は同じ整式なので

$$f(x)=ax^2+(2a+c)x+2c+7,\qquad g(x)=ax^2+c$$

第2式の左辺は $g(x^3)=ax^6+c$ 。右辺は、 $x^4f(x)$ と $-3x^2g(x)$ をそれぞれ展開して

$$x^4f(x)-3x^2g(x)-6x^2-2=ax^6+(2a+c)x^5+(2c+7-3a)x^4-(3c+6)x^2-2$$

左辺と右辺の係数を次数ごとに並べたものが、次の表である。

$x^5$、 $x^4$、 $x^2$ の係数と定数項が一致する条件は

$$2a+c=0,\qquad 2c+7-3a=0,\qquad 3c+6=0,\qquad c=-2$$

$c=-2$ を $2a+c=0$ に入れて $a=1$。このとき $2c+7-3a=-4+7-3=0$ も成り立つ。したがって

$$f(x)=x^2+(2-2)x+(-4+7)=x^2+3,\qquad g(x)=x^2-2$$

答 $f(x)=x^2+3$、 $g(x)=x^2-2$

(係数がすべて一致するように決めたので、この $f$、 $g$ は2つの恒等式をみたしている。あらためて代入して確かめる必要はない。)

補足( $b=0$ と $c=-2$ を一気に出す見方) 第1式の $x$ を $-x$ にしても左辺は変わらない。よって $(x^2+2)g(-x)=(x^2+2)g(x)$ で、 $g(-x)=g(x)$ 、つまり $g$ は偶関数だから $b=0$ とすぐ分かる。また、第2式に $x=0$ を入れると $g(0)=-2$ 、すなわち $c=-2$ が一発で決まる。

出題意図

(1) 恒等式なら両辺の次数と最高次の係数が等しいという整式の基本を使えるか。第2式の右辺には引き算があるので、最高次の項が打ち消し合って次数が下がる場合を見逃さずに論証できるか。

(2) 次数がしぼれたあと、未知の係数をなるべく少なくおいて係数を比べるという恒等式の定番の処理を、ミスなく最後までやり切れるか。

講評

難易度標準
目標得点30点
目標時間30分

恒等式の問題で、次数を決め、最高次の係数を比べ、最後に係数比較で決める、という定番の流れを使い切れるかが問われた。
式は複雑で場合分けも要るが、必要な解法はこの3つだけ。
次数が2以下と示せてしまえば、後半は係数を比べるだけで難しくない。
標準とした。

差がつく所・失点しやすい所

  • (1) で、引き算のある第2式の右辺は最高次の項が消えうる、と気づけるか: $m=4$ のとき右辺の最高次の項が打ち消し合う可能性がある。ここを調べずに進むと論証に穴があき、部分点が減る。次数を「以下」で押さえる別解を使えば、この確認は要らない。
  • (2) は未知数を $g$ の3つだけにする: $f$ にも文字をおくと未知数が6個になり、計算の間違いが増える。第1式から $f$ は $g$ で決まるので、 $g$ だけで十分。

2019年九州大学・文系数学の
講評とまとめ

4問の難易度と目標得点をまとめると、次のとおりです。

大問難易度目標点
第1問簡単50点
第2問やや簡単50点
第3問標準30点
第4問標準30点
全体やや簡単150点

大問ごとの目標点は、それぞれの大問を単体で解いたときの理想の点です。足すと160点になりますが、全体の目標点は150点です。

第3問・第4問の後半がやや難しい年ですが、全体としてはやや簡単です。
微分・積分(微積)や、場合の数・確率は必ず出るので、必ず取れるようにしておきましょう。
そのために、少なくとも3問中2問は完答できるまで演習を積んでおくことです。
過去問を演習するときも、3問中2問の完答が1つの指標になります。
3問中1問の完答では厳しいです。

解く流れ

  • 第1問 → 第2問 → 第3問 → 第4問(第1問・第2問を先に確実に取り、第4問の (1) は最高次が消えないことの論証に気をつける)
  • 目標時間の合計は95分(第1問15分・第2問20分・第3問30分・第4問30分)。残りの25分は見直しと予備。

2019年九州大学・文系数学に
関するよくある質問

2019年の九州大学・文系数学について、よく聞かれる質問にお答えします。

2019年の九州大学・文系数学は難しかった?

やや簡単な年でした。
第1問は簡単、第2問はやや簡単、第3問と第4問は標準です。
第3問・第4問の後半がやや難しい以外は、取りやすい問題がそろっていました。

2019年の九州大学・文系数学は何点取れば合格できる?

目標点は150点です(200点満点)。

2019年の九州大学・文系数学はどこで差がつく?

第1問・第2問・第3問 (1) は確実に取っておきたいところです。そのうえで、差がつくのは次の2つです。

  • 第3問 (2):底面積が一定なので体積の最大・最小は高さPHの最大・最小で決まる、と捉え、円周上の点を θ の1文字で置いて三角関数の最大・最小に帰着できたか。
  • 第4問 (1):引き算のある第2式の右辺で、最高次の項が打ち消し合わないことまで確かめて次数を押さえられたか。(1) が解けなくても (2) は取りたいところです。
2019年の九州大学・文系数学は何が出題された?

大問ごとの単元は、次のとおりです。

  • 第1問:指数・対数関数・確率
  • 第2問:微分法・積分法(数学Ⅱ)
  • 第3問:空間ベクトル・三角関数
  • 第4問:式と証明

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