【解説・採点基準付き】2013年九州大学文系数学の解答・解説
2013年の九州大学・文系数学の、
解答・解説【完全版】です。
方針の立て方・考え方はもちろん
オリジナルの採点基準付き。
このページで過去問演習が完結するので
赤本などは一切不要です。
※本記事の問題は、九州大学の入学試験問題から引用しています。
解答・解説は九大専門塾・竜文会が独自に作成したもので、九州大学が公表したものではありません。
2013年九州大学文系数学
第1問 解答・解説
この記事の配点・採点基準は九州大学が公表しているものではなく、竜文会が独自に作成したものです。
第1問は空間ベクトルの問題です。
テーマは「正四角錐POABCで、平面ODEに垂直な直線PQから、Qの位置 $t$ と線分OPの長さを求める」。
問題


問題文をテキストで読む
一辺の長さが1の正方形OABCを底面とし、 $\mathrm{OP}=\mathrm{AP}=\mathrm{BP}=\mathrm{CP}$ をみたす点Pを頂点とする四角錐POABCがある。辺APを $1:3$ に内分する点をD、辺CPの中点をE、辺BCを $t:(1-t)$ に内分する点をQとする。このとき、以下の問いに答えよ。
(1) ベクトル $\overrightarrow{\mathrm{OD}}$ と $\overrightarrow{\mathrm{OE}}$ を、 $\overrightarrow{\mathrm{OA}}$、 $\overrightarrow{\mathrm{OC}}$、 $\overrightarrow{\mathrm{OP}}$ を用いて表せ。
(2) ベクトル $\overrightarrow{\mathrm{PQ}}$ を、 $\overrightarrow{\mathrm{OA}}$、 $\overrightarrow{\mathrm{OC}}$、 $\overrightarrow{\mathrm{OP}}$ と $t$ を用いて表せ。
(3) 内積 $\overrightarrow{\mathrm{OA}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OP}}$ の値を求めよ。
(4) 直線PQが平面ODEに垂直であるとき、 $t$ の値および線分OPの長さを求めよ。
解答の方針
【(1)の方針】
D、Eはどちらも辺の内分点なので、内分点の公式で始点Oのベクトルにすぐ表せる。


- $\vec a=\overrightarrow{\mathrm{OA}}$、 $\vec c=\overrightarrow{\mathrm{OC}}$、 $\vec p=\overrightarrow{\mathrm{OP}}$ とおく。
- Dは辺APを $1:3$ に内分する点なので、内分点の公式で $\overrightarrow{\mathrm{OD}}$ を $\vec a$、 $\vec p$ で表す(Aに近い方が1なので、 $\vec a$ の係数の方が大きい)。
- Eは辺CPの中点なので、 $\overrightarrow{\mathrm{OE}}$ を $\vec c$、 $\vec p$ の平均で表す。
【(2)の方針】
Qは底面の正方形の辺BC上にあるので、Oから底面の上だけを通ってQまで行ける。Cまで進んでから、OAと平行な向きにCQだけ進めばよい。


- $\mathrm{BQ}:\mathrm{QC}=t:(1-t)$、 $\mathrm{BC}=1$ より $\mathrm{CQ}=1-t$。 $\overrightarrow{\mathrm{CQ}}$ は $\overrightarrow{\mathrm{CB}}=\vec a$ と同じ向きなので $\overrightarrow{\mathrm{CQ}}=(1-t)\vec a$ と表す。
- $\overrightarrow{\mathrm{OQ}}=\overrightarrow{\mathrm{OC}}+\overrightarrow{\mathrm{CQ}}$ で $\overrightarrow{\mathrm{OQ}}$ を表す。
- $\overrightarrow{\mathrm{PQ}}=\overrightarrow{\mathrm{OQ}}-\overrightarrow{\mathrm{OP}}$ と始点をOにそろえる。
【(3)の方針】
$\mathrm{OP}=\mathrm{AP}$ は長さの条件。ベクトルで長さを扱うときは2乗して展開する。
- $\overrightarrow{\mathrm{AP}}=\vec p-\vec a$ と始点をOにそろえる。
- $|\vec p-\vec a|^2=|\vec p|^2$ を展開して両辺の $|\vec p|^2$ を消し、 $|\vec a|=1$ を代入して $\vec a\cdot\vec p$ を求める。
【(4)の方針】
「直線PQが平面ODEに垂直」は、「 $\overrightarrow{\mathrm{PQ}}$ が平面ODE上の平行でない2本 $\overrightarrow{\mathrm{OD}}$、 $\overrightarrow{\mathrm{OE}}$ のどちらとも内積0」の2式に言いかえる。
- 必要な内積を先に全部書く。正方形から $|\vec a|^2=|\vec c|^2=1$、 $\vec a\cdot\vec c=0$、(3) から $\vec a\cdot\vec p=\dfrac12$、同じく $\mathrm{OP}=\mathrm{CP}$ から $\vec c\cdot\vec p=\dfrac12$。 $|\vec p|^2=k$ とおく(未知数は $t$ と $k$ の2つで、式2本で決まる)。
- $\overrightarrow{\mathrm{PQ}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OD}}=0$、 $\overrightarrow{\mathrm{PQ}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OE}}=0$ の2式を立てる。(1) の係数 $\dfrac14$、 $\dfrac12$ は最初にくくり出し、 $3\vec a+\vec p$、 $\vec c+\vec p$ との内積で計算する。
- $\overrightarrow{\mathrm{OE}}$ との内積の式を $k$ について解いてもう一方の式に入れ、 $t=\dfrac13$、続いて $k=\dfrac43$ を求める。
- $0<t<1$ をみたすことを確かめ、 $\mathrm{OP}=\sqrt k$ を求める。
解答




解答をテキストで読む
(1) 配点 10点
$\vec a=\overrightarrow{\mathrm{OA}}$、 $\vec c=\overrightarrow{\mathrm{OC}}$、 $\vec p=\overrightarrow{\mathrm{OP}}$ とおく。
Dは辺APを $1:3$ に内分する点なので
$$\overrightarrow{\mathrm{OD}}=\frac{3\overrightarrow{\mathrm{OA}}+\overrightarrow{\mathrm{OP}}}{1+3}=\frac34\vec a+\frac14\vec p$$
Eは辺CPの中点なので
$$\overrightarrow{\mathrm{OE}}=\frac{\overrightarrow{\mathrm{OC}}+\overrightarrow{\mathrm{OP}}}{2}=\frac12\vec c+\frac12\vec p$$
答 $\overrightarrow{\mathrm{OD}}=\dfrac34\overrightarrow{\mathrm{OA}}+\dfrac14\overrightarrow{\mathrm{OP}}$、 $\overrightarrow{\mathrm{OE}}=\dfrac12\overrightarrow{\mathrm{OC}}+\dfrac12\overrightarrow{\mathrm{OP}}$
(2) 配点 10点
Qは辺BCを $t:(1-t)$ に内分する点で、 $\mathrm{BC}=1$ なので $\mathrm{CQ}=1-t$ である。四角形OABCは正方形なので $\overrightarrow{\mathrm{CB}}=\overrightarrow{\mathrm{OA}}=\vec a$ で、 $\overrightarrow{\mathrm{CQ}}$ はこれと同じ向きだから $\overrightarrow{\mathrm{CQ}}=(1-t)\vec a$ (下の図)。
Cまで進んでからQへ進むと
$$\overrightarrow{\mathrm{OQ}}=\overrightarrow{\mathrm{OC}}+\overrightarrow{\mathrm{CQ}}=(1-t)\vec a+\vec c$$
始点をOにそろえて
$$\overrightarrow{\mathrm{PQ}}=\overrightarrow{\mathrm{OQ}}-\overrightarrow{\mathrm{OP}}=(1-t)\vec a+\vec c-\vec p$$
答 $\overrightarrow{\mathrm{PQ}}=(1-t)\overrightarrow{\mathrm{OA}}+\overrightarrow{\mathrm{OC}}-\overrightarrow{\mathrm{OP}}$
(内分点の公式で $\overrightarrow{\mathrm{OQ}}=(1-t)\overrightarrow{\mathrm{OB}}+t\overrightarrow{\mathrm{OC}}$ とし、 $\overrightarrow{\mathrm{OB}}=\vec a+\vec c$ を代入しても同じ式になる)
(3) 配点 10点
$\mathrm{OP}=\mathrm{AP}$ より $|\overrightarrow{\mathrm{AP}}|^2=|\overrightarrow{\mathrm{OP}}|^2$ である。 $\overrightarrow{\mathrm{AP}}=\vec p-\vec a$ なので
$$|\vec p-\vec a|^2=|\vec p|^2\iff|\vec p|^2-2\vec a\cdot\vec p+|\vec a|^2=|\vec p|^2\iff2\vec a\cdot\vec p=|\vec a|^2=1$$
答 $\overrightarrow{\mathrm{OA}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\dfrac12$
別解(二等辺三角形と正射影) 三角形OAPは $\mathrm{OP}=\mathrm{AP}$ の二等辺三角形なので、Pから辺OAに下ろした垂線の足Mは辺OAの中点で、 $\angle\mathrm{POA}$ は鋭角である(下の図)。
内積は、一方のベクトルの大きさと、もう一方のベクトルをその向きに正射影した長さの積で表せる。 $\overrightarrow{\mathrm{OP}}$ を $\overrightarrow{\mathrm{OA}}$ の向きに正射影した長さは $\mathrm{OM}=\dfrac12$ なので
$$\overrightarrow{\mathrm{OA}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OP}}=\mathrm{OA}\times\mathrm{OM}=1\times\frac12=\frac12$$
(4) 配点 20点
必要な内積を先に全部求めておく。底面OABCは1辺の長さ1の正方形だから、 $|\vec a|=|\vec c|=1$、 $\vec a\cdot\vec c=0$。(3) より $\vec a\cdot\vec p=\dfrac12$ で、 $\mathrm{OP}=\mathrm{CP}$ からも同様に $|\vec p-\vec c|^2=|\vec p|^2$ より $\vec c\cdot\vec p=\dfrac12$。また、 $|\vec p|^2=k$ とおく( $\mathrm{OP}=\sqrt k$ )。
$$|\vec a|^2=|\vec c|^2=1,\qquad\vec a\cdot\vec c=0,\qquad\vec a\cdot\vec p=\vec c\cdot\vec p=\frac12,\qquad|\vec p|^2=k$$
$\vec a$、 $\vec c$、 $\vec p$ は同じ平面上にない(Pは底面の外にある)。 $\overrightarrow{\mathrm{OD}}$ は $\vec c$ を含まず、 $\overrightarrow{\mathrm{OE}}$ は $\vec c$ を含むので、この2本は平行でなく、平面ODEを定める。したがって、直線PQが平面ODEに垂直であることは、 $\overrightarrow{\mathrm{PQ}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OD}}=0$ かつ $\overrightarrow{\mathrm{PQ}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OE}}=0$ と同じである。計算では (1) の係数 $\dfrac14$、 $\dfrac12$ を省き、 $\overrightarrow{\mathrm{PQ}}\cdot(3\vec a+\vec p)=0$、 $\overrightarrow{\mathrm{PQ}}\cdot(\vec c+\vec p)=0$ を使う。
(2) の $\overrightarrow{\mathrm{PQ}}=(1-t)\vec a+\vec c-\vec p$ より
$$\overrightarrow{\mathrm{PQ}}\cdot\vec a=(1-t)-\frac12=\frac12-t,\qquad\overrightarrow{\mathrm{PQ}}\cdot\vec c=1-\frac12=\frac12,\qquad\overrightarrow{\mathrm{PQ}}\cdot\vec p=\frac{1-t}{2}+\frac12-k=1-\frac t2-k$$
なので
$$\overrightarrow{\mathrm{PQ}}\cdot(3\vec a+\vec p)=3\left(\frac12-t\right)+1-\frac t2-k=\frac52-\frac72t-k=0$$
$$\overrightarrow{\mathrm{PQ}}\cdot(\vec c+\vec p)=\frac12+1-\frac t2-k=\frac32-\frac t2-k=0$$
2つ目の式( $\overrightarrow{\mathrm{OE}}$ との内積)より $k=\dfrac32-\dfrac t2$。1つ目の式( $\overrightarrow{\mathrm{OD}}$ との内積)に代入すると
$$\frac52-\frac72t-\frac32+\frac t2=0\iff1-3t=0\iff t=\frac13$$
よって $k=\dfrac32-\dfrac16=\dfrac43$。 $t=\dfrac13$ は $0<t<1$ をみたすので、Qは確かに辺BC上にある。
(Oから底面の正方形の中心までの距離の2乗は $\dfrac12$ なので、Pの高さの2乗は $k-\dfrac12=\dfrac43-\dfrac12=\dfrac56>0$ 。正の値になるから、条件をみたす四角錐は実際にある。)
$$\mathrm{OP}=\sqrt k=\sqrt{\frac43}=\frac{2\sqrt3}{3}$$
答 $t=\dfrac13$、 $\mathrm{OP}=\dfrac{2\sqrt3}{3}$
$t=\dfrac13$ のとき、Qは辺BCを $1:2$ に内分する点で、直線PQは平面ODEに垂直になる(上の図)。
(確かめ: $t=\dfrac13$、 $k=\dfrac43$ のとき $\overrightarrow{\mathrm{PQ}}\cdot\vec a=\dfrac16$、 $\overrightarrow{\mathrm{PQ}}\cdot\vec c=\dfrac12$、 $\overrightarrow{\mathrm{PQ}}\cdot\vec p=1-\dfrac16-\dfrac43=-\dfrac12$ で、 $3\cdot\dfrac16-\dfrac12=0$、 $\dfrac12-\dfrac12=0$ となる)
別解(座標を置く) Oを原点とし、 $\mathrm{A}(1,0,0)$、 $\mathrm{B}(1,1,0)$、 $\mathrm{C}(0,1,0)$、 $\mathrm{P}(x,y,z)$ ( $z>0$ )とおく。 $\mathrm{OP}^2=\mathrm{AP}^2$ より $x^2=(x-1)^2$ なので $x=\dfrac12$、同様に $\mathrm{OP}^2=\mathrm{CP}^2$ より $y=\dfrac12$。よって $\mathrm{P}\left(\dfrac12,\ \dfrac12,\ h\right)$ ( $h>0$ )とおけて、Pは正方形の中心の真上にある(このとき $\mathrm{BP}=\mathrm{OP}$ も成り立つ)。(3) は $\overrightarrow{\mathrm{OA}}\cdot\overrightarrow{\mathrm{OP}}=1\cdot\dfrac12=\dfrac12$ とすぐ求まる。
(4) は $\mathrm{Q}(1-t,\ 1,\ 0)$ で、係数をくくった $8\overrightarrow{\mathrm{OD}}=(7,\ 1,\ 2h)$、 $4\overrightarrow{\mathrm{OE}}=(1,\ 3,\ 2h)$ と $\overrightarrow{\mathrm{PQ}}=\left(\dfrac12-t,\ \dfrac12,\ -h\right)$ で内積を計算すると
$$7\left(\frac12-t\right)+\frac12-2h^2=0,\qquad\left(\frac12-t\right)+\frac32-2h^2=0$$
すなわち $4-7t-2h^2=0$、 $2-t-2h^2=0$。辺々引いて $2-6t=0$ より $t=\dfrac13$、戻して $2h^2=\dfrac53$ より $h^2=\dfrac56$。 $\mathrm{OP}^2=\dfrac14+\dfrac14+\dfrac56=\dfrac43$ より $\mathrm{OP}=\dfrac{2\sqrt3}{3}$ となり、同じ結果になる。
別解(平面ODEに垂直なベクトルを先に求める) 座標を置いたうえで、平面ODEに平行な $(7,\ 1,\ 2h)$ と $(1,\ 3,\ 2h)$ の両方に垂直なベクトル $\vec n=(x,y,z)$ を考える。条件は $7x+y+2hz=0$、 $x+3y+2hz=0$ で、2式の差から $6x-2y=0$、すなわち $y=3x$。これを戻すと $z=-\dfrac{5x}{h}$ となるので、 $x=h$ として $\vec n=(h,\ 3h,\ -5)$ とできる。 $\overrightarrow{\mathrm{PQ}}=\left(\dfrac12-t,\ \dfrac12,\ -h\right)$ は $\vec n$ の定数倍 $m\vec n$ だから、 $z$ 成分より $-h=-5m$、つまり $m=\dfrac h5$ 。 $y$ 成分 $\dfrac12=3hm$ に入れると $\dfrac{3h^2}{5}=\dfrac12$ で $h^2=\dfrac56$ 。 $x$ 成分 $\dfrac12-t=hm=\dfrac{h^2}{5}=\dfrac16$ から $t=\dfrac13$ が得られ、同じ結果になる。
出題意図
(1)(2) 空間の点を、基準のベクトル $\overrightarrow{\mathrm{OA}}$、 $\overrightarrow{\mathrm{OC}}$、 $\overrightarrow{\mathrm{OP}}$ で表せるか(教科書・チャートの例題レベル)。
(3) 「 $\mathrm{OP}=\mathrm{AP}$ 」という長さの条件を、2乗して内積の条件に言いかえられるか。
(4) 「直線が平面に垂直」を、「平面上の、平行でない2本のベクトルと内積がともに0」と言いかえられるか。空間ベクトルの基本が身についているかを見ている。
講評
| 難易度 | やや簡単 |
| 目標得点 | 50点 |
| 目標時間 | 25分 |
ベクトルをゴリゴリ計算していく問題で、難しくはないが、計算がやや面倒なので、やや簡単とした。
25分かけて50点を取りたい。
理系では誘導なしで出題された問題に、文系は (1)〜(3) の誘導がついた姉妹問題。
空間ベクトルで必要なのはひらめきではなく練習量で、点と点を繋いで内積を計算していけば、誰でも満点が取れる。
差がつく所・失点しやすい所
- 状況を言葉にして整理できるか:(4) の「直線PQが平面ODEに垂直」を「 $\overrightarrow{\mathrm{PQ}}$ が平面ODE上の平行でない2本 $\overrightarrow{\mathrm{OD}}$、 $\overrightarrow{\mathrm{OE}}$ のどちらとも垂直」と言葉にし、未知数( $t$ と $\mathrm{OP}^2$ )と式の数をそろえるという発想に行き着けるか。ここが決まれば、あとは内積の計算だけ。
- $\vec c\cdot\vec p$ の見落とし:(3) で問われるのは $\vec a\cdot\vec p$ だけだが、(4) では $\vec c\cdot\vec p=\dfrac12$ も要る。(3) と同じ考え方で求めることに気づかないと、(4) の計算が進まない。
- 内分点の向き:「辺APを $1:3$ に内分」を $\dfrac14\vec a+\dfrac34\vec p$ のように係数を逆にすると、(4) の計算がすべてずれる。
2013年九州大学文系数学
第2問 解答・解説
第2問は図形と方程式の問題です。
テーマは「4本の直線で囲まれた領域 $D$ 上での $x+y$ の最大・最小と、1次式 $ax+by$ が決まった頂点だけで最大・最小になる $\dfrac{a}{b}$ の範囲」。
問題


問題文をテキストで読む
座標平面上で、次の連立不等式の表す領域を $D$ とする。
$$x+2y\leqq5,\quad 3x+y\leqq8,\quad -2x-y\leqq4,\quad -x-4y\leqq7$$
点 $\mathrm{P}(x,y)$ が領域 $D$ 内を動くとき、 $x+y$ の値が最大となる点をQとし、最小となる点をRとする。以下の問いに答えよ。
(1) 点Qおよび点Rの座標を求めよ。
(2) $a>0$ かつ $b>0$ とする。点 $\mathrm{P}(x,y)$ が領域 $D$ 内を動くとき、 $ax+by$ が点Qでのみ最大値をとり、点Rでのみ最小値をとるとする。このとき、 $\dfrac{a}{b}$ の値の範囲を求めよ。
解答の方針
【(1)の方針】
$x$ と $y$ は独立に動く2変数で、領域 $D$ が図示できるので線形計画法で解く。「 $x+y$ が値 $k$ をとる」は、「直線 $x+y=k$ と $D$ に共有点が存在する」と言いかえられる。


- 4つの不等式を $y$ について整理し、4本の境界線①〜④を図に書いて、領域 $D$ が四角形になることを確かめる。
- 隣り合う境界線の交点として $D$ の4つの頂点を求める(残りの不等式をみたすことも確かめる)。
- $x+y=k$ とおくと傾き $-1$ 、 $y$ 切片 $k$ の直線になる。この直線が $D$ と共有点をもつ範囲で平行に動かすと、 $k$ の最大・最小は直線が頂点を通るときに起こる。
- 4つの頂点で $x+y$ の値を全部計算して比べ、最大の頂点を Q、最小の頂点を R とする。
【(2)の方針】
$ax+by=k$ は傾き $-\dfrac{a}{b}$ の直線。「Qでのみ最大」は、「傾き $-\dfrac{a}{b}$ が、Qで交わる2辺の傾きの間にある」と言いかえられる。


- (1) で求めた頂点のうち、Q、R 以外の2つを $\mathrm{S}\left(-\dfrac{13}{3},\ \dfrac{14}{3}\right)$、 $\mathrm{T}\left(\dfrac{39}{11},\ -\dfrac{29}{11}\right)$ とする。 $ax+by=k$ を $y=-\dfrac{a}{b}x+\dfrac{k}{b}$ と変形する。 $b>0$ なので、 $k$ が大きいほど $y$ 切片 $\dfrac{k}{b}$ が大きい(直線が上にある)。
- Qでのみ最大になる条件を、Qを通る直線の傾き $-\dfrac{a}{b}$ が、辺QSの傾き $-\dfrac12$ と辺QTの傾き $-3$ の間にあること( $-3<-\dfrac{a}{b}<-\dfrac12$ )として求める。
- Rでのみ最小になる条件を、Rを通る直線の傾きが、辺RSの傾き $-2$ と辺RTの傾き $-\dfrac14$ の間にあること( $-2<-\dfrac{a}{b}<-\dfrac14$ )として求める。
- どちらも $\dfrac{a}{b}$ の不等式に直し、共通部分を答える。傾きが辺の傾きに等しいときは辺全体で最大(最小)になり「のみ」に反するので、等号は含まない。
解答




解答をテキストで読む
(1) 配点 20点
4つの不等式を $y$ について整理すると
$$y\leqq-\dfrac12x+\dfrac52,\quad y\leqq-3x+8,\quad y\geqq-2x-4,\quad y\geqq-\dfrac14x-\dfrac74$$
境界の直線を
$$①\ x+2y=5,\quad ②\ 3x+y=8,\quad ③\ 2x+y=-4,\quad ④\ x+4y=-7$$
とする。 $D$ は①、②の下側(境界を含む)と③、④の上側(境界を含む)の共通部分で、下の図の四角形の周と内部である。
頂点は隣り合う境界線の交点である。
・①と②:連立して $x=\dfrac{11}{5}$、 $y=\dfrac75$
・②と④:連立して $x=\dfrac{39}{11}$、 $y=-\dfrac{29}{11}$
・③と④:連立して $x=-\dfrac97$、 $y=-\dfrac{10}{7}$
・①と③:連立して $x=-\dfrac{13}{3}$、 $y=\dfrac{14}{3}$
これらはどれも残りの2つの不等式をみたす(なお①と④の交点 $(17,\ -6)$ は②を、②と③の交点 $(12,\ -28)$ は④をみたさないので、 $D$ の頂点ではない)。 $\mathrm{S}\left(-\dfrac{13}{3},\ \dfrac{14}{3}\right)$、 $\mathrm{T}\left(\dfrac{39}{11},\ -\dfrac{29}{11}\right)$ とおく。
$x+y=k$ とおくと、 $y=-x+k$ より、これは傾き $-1$ 、 $y$ 切片 $k$ の直線である。 $x+y$ が値 $k$ をとるのは、この直線と $D$ が共有点をもつときである。 $D$ は線分で囲まれた四角形なので、直線を平行に動かしたとき、 $k$ が最大・最小になるのは直線が $D$ の頂点を通るときである。
4つの頂点で $x+y$ の値を計算すると
$$\dfrac{11}{5}+\dfrac75=\dfrac{18}{5},\quad \dfrac{39}{11}-\dfrac{29}{11}=\dfrac{10}{11},\quad -\dfrac97-\dfrac{10}{7}=-\dfrac{19}{7},\quad -\dfrac{13}{3}+\dfrac{14}{3}=\dfrac13$$
よって最大値は $\dfrac{18}{5}$ (①と②の交点)、最小値は $-\dfrac{19}{7}$ (③と④の交点)である。4つの値はすべて異なり、傾き $-1$ はどの辺の傾き $-\dfrac12$、 $-3$、 $-2$、 $-\dfrac14$ とも違うので、最大・最小をとる点はそれぞれ1つだけである。
答 $\mathrm{Q}\left(\dfrac{11}{5},\ \dfrac75\right)$、 $\mathrm{R}\left(-\dfrac97,\ -\dfrac{10}{7}\right)$
検算(不等式で確かめる) $x+y=\dfrac25(x+2y)+\dfrac15(3x+y)\leqq\dfrac25\cdot5+\dfrac15\cdot8=\dfrac{18}{5}$ で、等号は①、②がともに等号のとき(点 Q)だけ。同じく $x+y=\dfrac37(2x+y)+\dfrac17(x+4y)\geqq\dfrac37\cdot(-4)+\dfrac17\cdot(-7)=-\dfrac{19}{7}$ で、等号は点 R だけ。本解と一致する。
(2) 配点 30点
$b>0$ なので、 $ax+by=k$ は
$$y=-\dfrac{a}{b}x+\dfrac{k}{b}$$
と変形でき、傾き $-\dfrac{a}{b}$ 、 $y$ 切片 $\dfrac{k}{b}$ の直線である。 $b>0$ より、 $k$ が大きいほど $y$ 切片が大きく、直線は上にある。また $a>0$ なので傾き $-\dfrac{a}{b}$ は負である。
最大について $k$ が最大になるのは、直線を上へ平行移動して $D$ と共有点をもつ最後の位置である。Qで交わる2辺は、辺QS(①上、傾き $-\dfrac12$ )と辺QT(②上、傾き $-3$ )で、 $D$ はQから見てこの2辺の間に広がっている。Qを通る傾き $-\dfrac{a}{b}$ の直線について、 $D$ のQ以外の点がすべてこの直線より下側にあるのは、傾きが2辺の傾きの間にあるとき、すなわち
$$-3<-\dfrac{a}{b}<-\dfrac12\iff\dfrac12<\dfrac{a}{b}<3$$
のときである。このときに限り、 $ax+by$ はQでのみ最大値をとる。
傾きが $-\dfrac12$ に等しいとき( $\dfrac{a}{b}=\dfrac12$ )は、直線が①と重なり、辺QS上のすべての点で最大値をとるので「Qでのみ」に反する。傾きが $-3$ に等しいときも、辺QT上のすべての点で最大値をとる。傾きが $-\dfrac12$ より大きい( $\dfrac{a}{b}<\dfrac12$ )ときはSでの値の方が大きく、傾きが $-3$ より小さい( $\dfrac{a}{b}>3$ )ときはTでの値の方が大きい。よって等号は含まない。
最小について $k$ が最小になるのは、直線を下へ平行移動して $D$ と共有点をもつ最後の位置である。Rで交わる2辺は、辺RS(③上、傾き $-2$ )と辺RT(④上、傾き $-\dfrac14$ )なので、同じように考えて、Rでのみ最小値をとる条件は
$$-2<-\dfrac{a}{b}<-\dfrac14\iff\dfrac14<\dfrac{a}{b}<2$$
( $\dfrac{a}{b}=2$ では辺RS上の、 $\dfrac{a}{b}=\dfrac14$ では辺RT上のすべての点で最小値をとるので、等号は含まない。)
求める範囲は2つの範囲の共通部分なので
$$\dfrac12<\dfrac{a}{b}<2$$
(1) の $x+y$ は $a=b=1$ ( $\dfrac{a}{b}=1$ )の場合で、この範囲に入っており、(1) で Q で最大・R で最小となったことと合う。
答 $\dfrac12<\dfrac{a}{b}<2$
別解(頂点の値を全部比べる) $f(x,y)=ax+by$ とおく。 $D$ は四角形なので、 $f$ の最大・最小は頂点でとり、「Qでのみ最大」は「Qでの値が、S、T、Rでの値のどれよりも大きい」と同じである(Q以外の頂点で同じ値をとると、その頂点との間の辺全体で最大になる)。
$$f(\mathrm{Q})-f(\mathrm{S})=\dfrac{49}{15}(2a-b),\quad f(\mathrm{Q})-f(\mathrm{T})=\dfrac{74}{55}(3b-a),\quad f(\mathrm{Q})-f(\mathrm{R})=\dfrac{122a+99b}{35}$$
$a>0$、 $b>0$ より最後は常に正なので、Qでのみ最大 $\iff 2a-b>0$ かつ $3b-a>0\iff\dfrac12<\dfrac{a}{b}<3$ 。同じく
$$f(\mathrm{S})-f(\mathrm{R})=\dfrac{64}{21}(2b-a),\quad f(\mathrm{T})-f(\mathrm{R})=\dfrac{93}{77}(4a-b)$$
( $f(\mathrm{Q})-f(\mathrm{R})>0$ は上で確かめた)より、Rでのみ最小 $\iff\dfrac14<\dfrac{a}{b}<2$ 。共通部分は $\dfrac12<\dfrac{a}{b}<2$ で、本解と一致する。傾きの比較が不安なときは、この計算で確かめられる。
出題意図
(1) 連立1次不等式の表す領域を正しく図示し、 $x+y=k$ とおいて「直線と領域が共有点をもつ $k$ の範囲」と捉え、最大・最小が領域の頂点で起こることを使えるか(教科書・チャートの例題レベル)。
(2) 1次式 $ax+by$ の最大・最小を傾き $-\dfrac{a}{b}$ の直線の動きとして捉え、「Qでのみ」「Rでのみ」の条件を、傾きが頂点で交わる2辺の傾きの間にある(等号を含まない)ことに言いかえることができるか。
講評
| 難易度 | やや簡単 |
| 目標得点 | 40点 |
| 目標時間 | 25分 |
(1) は線形計画法をやるだけで簡単。
(2) は、傾きが $-\dfrac ab$ と捉えられれば範囲が分かる。
傾きをずらしていく見方で、論述が少し難しいので、やや簡単とした。
点数は、少し落として40点でよい。
差がつく所・失点しやすい所
- 失点しやすい所:4つの頂点を求める連立方程式の分数の計算ミスと、(2) で「のみ」を読み落として $\dfrac12\leqq\dfrac{a}{b}\leqq2$ と端を含めてしまう所。
2013年九州大学文系数学
第3問 解答・解説
第3問は確率・期待値の問題です。
テーマは「6枚の硬貨を左端や右端から反転していく操作の確率と期待値」。
問題


問題文をテキストで読む
横一列に並んだ6枚の硬貨に対して、以下の操作Lと操作Rを考える。
L:さいころを投げて、出た目と同じ枚数だけ左端から順に硬貨の表と裏を反転する。
R:さいころを投げて、出た目と同じ枚数だけ右端から順に硬貨の表と裏を反転する。
たとえば、表表裏表裏表と並んだ状態で操作Lを行うときに、3の目が出た場合は、裏裏表表裏表となる。
以下、「最初の状態」とは硬貨が6枚とも表であることとする。
(1) 最初の状態から操作Lを2回続けて行うとき、表が1枚となる確率を求めよ。
(2) 最初の状態からL、Rの順に操作を行うとき、表の枚数の期待値を求めよ。
(3) 最初の状態からL、R、Lの順に操作を行うとき、すべての硬貨が表となる確率を求めよ。
解答の方針
【(1)の方針】
さいころを2回振るので全体は $6^2=36$ 通りで、 $(a,b)$ と $(b,a)$ は別に数える。硬貨の表裏は、反転の回数が偶数か奇数かで決まる。


- 2回のLの目を $a,b$ とおき、左端から $\min(a,b)$ 枚は2回、その次の $|a-b|$ 枚は1回だけ反転され、残りは反転されないと整理する。
- 裏になるのは1回だけ反転された $|a-b|$ 枚なので、表が1枚になる条件を $|a-b|=5$ と言いかえる。
- 36通りの中から、この条件をみたす $(a,b)$ の組を数え上げて確率にする。
【(2)の方針】
Lは左端から $a$ 枚、Rは右端から $b$ 枚を反転する。2つの区間が重なるかどうかで場合分けすると、表の枚数はどちらの場合も $|a+b-6|$ にまとまる。


目の組は36通りしかないので、この値を6×6の表に書き込んで数える。期待値は「(値)×(確率)」の総和なので、表の枚数ごとの確率を全部求めてから足す。


- Lの目を $a$、Rの目を $b$ として、 $a+b\leqq6$ の場合と $a+b>6$ の場合に分け、どちらも表の枚数が $|a+b-6|$ になることを確かめる。
- 36通りの $|a+b-6|$ を6×6の表に書き込み、表の枚数が $0,1,\cdots,6$ になる場合の数を数えて、確率をすべて求める。
- (表の枚数)×(確率)を全部足して、期待値を計算する。
【(3)の方針】
6枚とも表になるのは、どの硬貨も反転の回数が偶数のとき。2回のLで奇数回反転される区間と、Rで反転される区間がちょうど重なればよい。


- L、R、Lの目を順に $a,b,c$ とし、 $m=\min(a,c)$、 $M=\max(a,c)$ とおいて、2回のLで1回だけ反転される区間(左から $m+1$ 枚目〜 $M$ 枚目)とRの区間(左から $7-b$ 枚目〜6枚目)を整理する。
- 2つの区間が一致する条件を、 $M=6$ かつ $m=6-b$ と求める。
- 目の出方 $6^3=216$ 通りのうち、 $b=1,2,\cdots,5$ のそれぞれについて $a,c$ の組と順番を数え上げて確率にする。
解答




解答をテキストで読む
(1) 配点 10点
2回のLで出た目を $a,b$ とおく。目の出方は $6^2=36$ 通りで、 $(1,2)$ と $(2,1)$ は区別して数える。
左端から $\min(a,b)$ 枚の硬貨は2回反転されるので、もとの表に戻る。その次の $|a-b|$ 枚は1回しか反転されないので裏になる。それより右の硬貨は一度も反転されず、表のままである(下の図は $a=2$、 $b=5$ の例)。
したがって、裏の枚数は $|a-b|$ であり、表が1枚になる条件は $|a-b|=5$ である。
目の組で $|a-b|=5$ をみたすのは $(a,b)=(1,6),(6,1)$ の2通りだけなので、確率は $\dfrac{2}{36}$ になる。
答 $\dfrac{1}{18}$
(2) 配点 20点
Lの目を $a$、Rの目を $b$ とおく。Lは左端から $a$ 枚を、Rは右端から $b$ 枚を反転する。
・$a+b\leqq6$ のとき 2つの区間に共通部分はない。反転された $a+b$ 枚は1回ずつ裏返って裏になり、残る $6-(a+b)$ 枚だけが表のままである
・$a+b>6$ のとき 2つの区間は $a+b-6$ 枚ぶん重なる。重なった硬貨は2回裏返って表に戻り、重ならない硬貨は1回だけなので裏になる。よって表は $a+b-6$ 枚である
場合分けをしたが、どちらの場合も表の枚数は $|a+b-6|$ と書ける。
36通りの $(a,b)$ について $|a+b-6|$ を計算し、次の表にまとめる。
36通りは同様に確からしい。この表から、表の枚数ごとの確率を全部求めると次のようになる。
| 表の枚数 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 確率 | $\dfrac{5}{36}$ | $\dfrac{10}{36}$ | $\dfrac{8}{36}$ | $\dfrac{6}{36}$ | $\dfrac{4}{36}$ | $\dfrac{2}{36}$ | $\dfrac{1}{36}$ |
(確率を全部足すと $\dfrac{36}{36}=1$ になり、数え漏れはない)
期待値は、(値)×(確率)を全部足して求める。
$$0\cdot\frac{5}{36}+1\cdot\frac{10}{36}+2\cdot\frac{8}{36}+3\cdot\frac{6}{36}+4\cdot\frac{4}{36}+5\cdot\frac{2}{36}+6\cdot\frac{1}{36}=\frac{76}{36}$$
答 $\dfrac{19}{9}$
別解(表に書いた数の合計を使う) 6×6の36個のマスはどれも確率 $\dfrac{1}{36}$ で起こる。だから期待値は、表に書いた36個の数の合計に $\dfrac{1}{36}$ を掛けたものに等しい。合計は、0が5個、1が10個、…と数えて76なので、 $\dfrac{76}{36}=\dfrac{19}{9}$ となる。
別解(硬貨を1枚ずつ見て確率を足す) 期待値の線形性より、表の枚数の期待値は、各硬貨が表である確率を6枚分たしたものになる。左から $i$ 枚目の硬貨が表になるのは、L・Rの両方で反転されるか、どちらにも反転されないかのどちらかである。Lがこの硬貨を反転するのは $a\geqq i$ のときで確率 $\dfrac{7-i}{6}$、Rが反転するのは $b\geqq7-i$ のときで確率 $\dfrac{i}{6}$。よって、この硬貨が表になる確率は
$$\frac{7-i}{6}\cdot\frac{i}{6}+\frac{i-1}{6}\cdot\frac{6-i}{6}=\frac{-2i^2+14i-6}{36}$$
$i=1,\cdots,6$ について足し合わせると、 $\dfrac{-2\cdot91+14\cdot21-6\cdot6}{36}=\dfrac{76}{36}=\dfrac{19}{9}$ となる。
(3) 配点 20点
L、R、Lの目を順に $a,b,c$ とし、 $m=\min(a,c)$、 $M=\max(a,c)$ とおく。目の出方は全部で $6^3=216$ 通りある。
硬貨の表裏は反転の回数の偶奇で決まる。よって6枚とも表になる条件は、どの硬貨も反転の回数が偶数になることである。
まず2回のLだけを見る。(1) と同じように、左端から $m$ 枚は2回反転され、1回だけ反転されるのは左から $m+1$ 枚目〜 $M$ 枚目の区間である( $a=c$ ならこの区間は空)。一方、Rは右端から $b$ 枚、つまり左から $7-b$ 枚目〜6枚目を反転する。
そこで条件は、「2回のLで1回だけ反転される区間」と「Rで反転される区間」がぴったり同じになること、と言いかえられる。
$b\geqq1$ だからRの区間は空ではない。したがって区間が一致するには $a\neq c$ が必要で、条件は $M=6$ かつ $m+1=7-b$、すなわち $M=6$、 $m=6-b$ となる。さいころの目は1以上なので $m\geqq1$ であり、 $b\leqq5$ も必要である。
$b=1,2,3,4,5$ の各値で、 $a,c$ の一方が6、もう一方が $6-b$ に決まる。 $6-b\neq6$ だから、どちらが1回目のLかで2通りずつ。合わせて $5\times2=10$ 通りなので、確率は $\dfrac{10}{216}$ になる。
答 $\dfrac{5}{108}$
別解(L・Rを終えた並びから最後のLを逆にたどる) 最後のLは、左端から $c$ 枚を反転するだけの操作である。したがって6枚とも表になるのは、L・Rを終えた時点の並びが「左から $c$ 枚が裏で、残りはすべて表」になっているときに限る。(2) で調べたL・Rの結果のうち、この形になるものを探す。
・$a+b\leqq6$ のとき 右端の硬貨は裏なので、並びは6枚とも裏でなければならない。それは表が0枚の場合、すなわち $a+b=6$ で、このとき $c=6$ である。 $(a,b)=(1,5),(2,4),(3,3),(4,2),(5,1)$ の5通り
・$a+b>6$ のとき L・Rのあとは、左から $6-b$ 枚が裏、次の $a+b-6$ 枚が表、右端の $6-a$ 枚が裏という並びになる。右端が裏のままでは条件をみたせないので $a=6$ で、左から $6-b$ 枚が裏、残りは表。 $c\geqq1$ より $6-b\geqq1$、すなわち $b\leqq5$ で、 $c=6-b$ である。こちらも5通り
どちらの場合も $c$ は1つに決まる。合わせて $5+5=10$ 通りなので、確率は $\dfrac{10}{216}=\dfrac{5}{108}$ となる。
出題意図
- 硬貨は最初すべて表なので、表か裏かを決めるのは反転された回数が偶数か奇数かだけ、という見方ができるか。
- 反転されるのは左端、または右端から続く硬貨である。この操作を区間として捉え、重なりから状況を読み取れるか。
- (2) では、2個のさいころの目の出方36通りを6×6の表に並べて、漏れなく数えられるか。
講評
| 難易度 | やや簡単 |
| 目標得点 | 40点 |
| 目標時間 | 25分 |
理系と共通の問題で、やや簡単。
50点を取りたいところで、難しくはない。
一般化できるかがポイントだが、最悪、調べても解ける。
目標は40点とする。
差がつく所・失点しやすい所
- (3) で状況を言葉にできたか:「6枚とも表」を「どの硬貨も反転の回数が偶数」と言いかえ、区間の一致に持ち込めるかが分かれ目。状況を理解できていないと大幅に減点される。216通りを書き出し始めると時間もかかり、数え漏れも出る。目は1以上なので $b=6$ は数えない。
- (2) の重なり:2つの区間が重なる場合( $a+b>6$ )、重なった硬貨は2回裏返って表に戻る。これを裏と数えると、表の枚数がずれる。確率の合計が1になるかで検算する。
- (1) の数え方: $(1,6)$ と $(6,1)$ は区別して数える。分母を $6^2$ とするなら、分子もこの数え方にそろえる。
2013年九州大学文系数学
第4問 解答・解説
第4問は図形と方程式・積分法(数学Ⅱ)・高次方程式の問題です。
テーマは「円 $C$ と直線 $y=x-2$ が接すること、円 $C$ と放物線 $y=\dfrac14x^2-1$ の共有点、絶対値を含む不等式の領域の和集合と共通部分の図示と面積」。
問題


問題文をテキストで読む
座標平面上の円 $(x-1)^2+(y-1)^2=2$ を $C$ とする。以下の問いに答えよ。
(1) 直線 $y=x-2$ は円 $C$ に接することを示せ。また、接点の座標も求めよ。
(2) 円 $C$ と放物線 $y=\dfrac14x^2-1$ の共有点の座標をすべて求めよ。
(3) 不等式 $y\geqq\dfrac14x^2-1$ の表す領域を $D$ とする。また、不等式 $\lvert x\rvert+\lvert y\rvert\leqq2$ の表す領域を $A$ とし、不等式 $(\lvert x\rvert-1)^2+(y-1)^2\leqq2$ の表す領域を $B$ とする。そして、和集合 $A\cup B$、すなわち領域 $A$ と領域 $B$ を合わせた領域を $E$ とする。このとき、領域 $D$ と領域 $E$ の共通部分 $D\cap E$ を図示し、さらに、その面積を求めよ。
解答の方針
【(1)の方針】
円は中心と半径で見る。円と直線が接するのは、中心と直線の距離が半径に等しいとき。接点は、中心から直線に下ろした垂線の足になる。


- 円 $C$ の式から、中心 $(1,\ 1)$ と半径 $\sqrt2$ を読む。
- 直線を $x-y-2=0$ と書き、中心との距離を点と直線の距離の公式で求めて、半径 $\sqrt2$ に等しいことを示す。
- 中心を通り直線 $y=x-2$ に垂直な直線 $y=-x+2$ を求め、2直線の交点として接点を求める。
【(2)の方針】
放物線の式を円の式に代入すれば、 $x$ の4次方程式ができ、その実数解が共有点の $x$ 座標になる。(1) の接点 $(2,\ 0)$ は放物線上にもあるので、 $x=2$ が解の1つと分かる。
- $y=\dfrac14x^2-1$ を円 $C$ の式に代入して整理し、 $x^4-32x+48=0$ を作る(この方程式の実数解が共有点の $x$ 座標)。
- (1) の接点 $(2,\ 0)$ が放物線上にもあることを確かめ、 $x=2$ が解であることから因数定理で $x-2$ で割る。
- 残りの3次式も $x=2$ で $0$ になるので、もう一度 $x-2$ で割り、 $(x-2)^2(x^2+4x+12)=0$ とする。
- $x^2+4x+12=(x+2)^2+8>0$ より実数解は $x=2$ だけ。 $y$ 座標を求めて答える。
【(3)の方針】
$D$、 $A$、 $B$ の不等式はどれも $x$ を $-x$ にしても変わらないので、3つとも $y$ 軸に関して対称。 $x\geqq0$ の部分を書いて $y$ 軸で折り返す。


- $D$、 $A$、 $B$ が $y$ 軸に関して対称であることを確かめ、 $x\geqq0$ の部分だけを考える(最後に $y$ 軸で折り返す)。
- $x\geqq0$ で絶対値を外す。 $A$ は「 $y\geqq0$ では $x+y\leqq2$、 $y\leqq0$ では $y\geqq x-2$」、 $B$ は「円 $C$ の周と内部のうち $x\geqq0$ の部分」。
- 直線 $x+y=2$ が円 $C$ の直径であることと (1) の接線 $y=x-2$ から、 $A$ の $y\geqq0$ の部分は $B$ に含まれ、 $B$ の $y\leqq0$ の部分は $A$ に含まれる。よって $E$ の $x\geqq0$ の部分は「 $B$ の $y\geqq0$ の部分」と「 $A$ の $y\leqq0$ の部分」の和になる。
- $B$ の $y\geqq0$ の部分は (2) より $D$ に含まれ、 $A$ の $y\leqq0$ の部分は放物線が辺 $y=x-2$ より上にあるので放物線と $x$ 軸の間になる、として $D$ との共通部分を求める。
- $y$ 軸で折り返して図示する(境界を含む)。
- 面積は、直径の上の半円( $\pi$ )と直角二等辺三角形( $2$ )を左右2つずつと、放物線と $x$ 軸で囲まれた部分( $\dfrac16$ 公式)に分けて求め、合計を答える。
解答




解答をテキストで読む
(1) 配点 10点
円 $C:(x-1)^2+(y-1)^2=2$ の中心は $(1,\ 1)$、半径は $\sqrt2$ である。直線 $y=x-2$ を $x-y-2=0$ と書くと、中心との距離 $d$ は
$$d=\frac{|1-1-2|}{\sqrt{1^2+(-1)^2}}=\frac{2}{\sqrt2}=\sqrt2$$
で、半径に等しい。よって、直線 $y=x-2$ は円 $C$ に接する。
接点は、中心 $(1,\ 1)$ から直線 $y=x-2$ に下ろした垂線の足である。直線 $y=x-2$ の傾きは $1$ なので、垂線は傾き $-1$ で中心を通る直線
$$y=-(x-1)+1=-x+2$$
これと $y=x-2$ を連立すると $x=2$、 $y=0$。
答 接することは上のとおり。接点の座標は $(2,\ 0)$
別解(連立して重解) $y=x-2$ を円 $C$ の式に代入すると
$$(x-1)^2+(x-3)^2=2\iff 2x^2-8x+8=0\iff 2(x-2)^2=0$$
重解 $x=2$ をもつので、直線は円に接し、接点は $(2,\ 0)$ である。接することと接点が一度に分かるので、検算にも使える。
(2) 配点 15点
$y=\dfrac14x^2-1$ を円 $C$ の式に代入すると、 $y-1=\dfrac14x^2-2$ なので
$$(x-1)^2+\left(\frac14x^2-2\right)^2=2$$
$$x^2-2x+1+\frac{1}{16}x^4-x^2+4=2\iff\frac{1}{16}x^4-2x+3=0\iff x^4-32x+48=0\quad\cdots①$$
放物線上の点は $x$ 座標で決まるので、①の実数解が共有点の $x$ 座標である。
(1) の接点 $(2,\ 0)$ は、 $\dfrac14\cdot2^2-1=0$ より放物線上にもある。よって $x=2$ は①の解で、①の左辺は $x-2$ で割り切れる。
$$x^4-32x+48=(x-2)(x^3+2x^2+4x-24)$$
さらに $x^3+2x^2+4x-24$ に $x=2$ を代入すると $8+8+8-24=0$ なので、これも $x-2$ で割り切れて
$$x^4-32x+48=(x-2)^2(x^2+4x+12)$$
$x^2+4x+12=(x+2)^2+8>0$ なので、①の実数解は $x=2$ だけである。このとき $y=0$。
答 $(2,\ 0)$
$x=2$ が重解になるのは、放物線も点 $(2,\ 0)$ で直線 $y=x-2$ に接しているからである。実際
$$\left(\frac14x^2-1\right)-(x-2)=\frac14(x-2)^2\geqq0$$
なので、放物線は直線 $y=x-2$ の上側にあり、点 $(2,\ 0)$ だけで接する。円 $C$ と放物線は、点 $(2,\ 0)$ で同じ直線 $y=x-2$ に接している(上の図)。
(3) 配点 25点
対称性 $D$、 $A$、 $B$ を表す不等式は、どれも $x$ を $-x$ に置きかえても変わらない。よって $D$、 $A$、 $B$、したがって $E$ と $D\cap E$ も $y$ 軸に関して対称である。まず $x\geqq0$ の部分を求め、あとで $y$ 軸で折り返す。
$x\geqq0$ のとき、 $|x|=x$ なので
・$A$: $y\geqq0$ では $x+y\leqq2$、 $y\leqq0$ では $x-y\leqq2$、すなわち $y\geqq x-2$。 $A$ の $x\geqq0$ の部分は、3点 $(0,\ 2)$、 $(2,\ 0)$、 $(0,\ -2)$ を頂点とする三角形の周と内部
・$B$: $(x-1)^2+(y-1)^2\leqq2$、すなわち円 $C$ の周と内部のうち $x\geqq0$ の部分
$E$ の $x\geqq0$ の部分 直線 $x+y=2$ は円 $C$ の中心 $(1,\ 1)$ を通るので、 $C$ の直径であり、その両端は $(2,\ 0)$、 $(0,\ 2)$ である。原点 $\mathrm{O}$ も $C$ 上にある( $1+1=2$ )。3つの頂点がすべて円周上にあるので、三角形 $\mathrm{O}$、 $(2,\ 0)$、 $(0,\ 2)$ は円 $C$ の内部(周を含む)にある。つまり、 $A$ の $y\geqq0$ の部分は $B$ に含まれる。
また、(1) より直線 $y=x-2$ は円 $C$ に接するので、円 $C$ の周と内部は直線 $y=x-2$ の上側(中心 $(1,\ 1)$ がある側)にある。よって、 $B$ の $y\leqq0$ の部分は「 $x\geqq0$、 $y\leqq0$、 $y\geqq x-2$ 」をみたし、 $A$ に含まれる。
したがって、 $E$ の $x\geqq0$ の部分は
・$B$ の $y\geqq0$ の部分(円 $C$ の周と内部のうち $x\geqq0$、 $y\geqq0$ の部分)
・$A$ の $y\leqq0$ の部分( $0\leqq x\leqq2$、 $x-2\leqq y\leqq0$ )
を合わせたものである。 $y$ 軸で折り返すと、下の図の色をつけた部分が $E$ になる( $C’$ は $C$ を $y$ 軸で折り返した円。点線の部分は $B$ に入らない)。
$D$ との共通部分 まず、 $B$ の $y\geqq0$ の部分が $D$ に含まれることを示す。
$0\leqq x\leqq2$ では $\dfrac14x^2-1\leqq0\leqq y$ なので、 $D$ の不等式をみたす。
$2<x\leqq1+\sqrt2$ では、円 $C$ の下側の弧と放物線は、(2) より共有点をもたない。 $x=1+\sqrt2$ では、弧の $y$ 座標は $1$、放物線の $y$ 座標は $\dfrac{(1+\sqrt2)^2}{4}-1=\dfrac{2\sqrt2-1}{4}<1$ で、弧の方が上にある。よって、この範囲で弧はつねに放物線より上にあり、円の周と内部の点も $D$ の不等式をみたす。
したがって、 $B$ の $y\geqq0$ の部分はすべて $D$ に含まれる。
次に、 $A$ の $y\leqq0$ の部分( $0\leqq x\leqq2$、 $x-2\leqq y\leqq0$ )について、(2) で示したとおり $\dfrac14x^2-1\geqq x-2$ で、また $0\leqq x\leqq2$ では $\dfrac14x^2-1\leqq0$ である。よって $D$ との共通部分は
$$0\leqq x\leqq2,\quad \frac14x^2-1\leqq y\leqq0$$
である。
以上を $y$ 軸で折り返すと、 $D\cap E$ は、円 $C$ の $x\geqq0$ の部分の弧と、それを $y$ 軸で折り返した円 $C’$ の弧(どちらも $y\geqq0$ の部分)、放物線 $y=\dfrac14x^2-1$ の $-2\leqq x\leqq2$ の部分で囲まれた部分である。点 $(\pm2,\ 0)$ では、弧と放物線が同じ接線( $x\geqq0$ では $y=x-2$ )をもち、なめらかにつながる。
答 下の図の色をつけた部分(境界を含む)
面積 $x\geqq0$、 $y\geqq0$ の部分は、直径 $x+y=2$ の上側の半円と、直角二等辺三角形 $\mathrm{O}$、 $(2,\ 0)$、 $(0,\ 2)$ に分けられる。半円の面積は $\dfrac12\cdot\pi\cdot(\sqrt2)^2=\pi$、三角形の面積は $\dfrac12\cdot2\cdot2=2$ である。 $y$ 軸に関して対称なので、 $y\geqq0$ の部分の面積は
$$2(\pi+2)=2\pi+4$$
$y\leqq0$ の部分は、放物線と $x$ 軸で囲まれた部分なので
$$\int_{-2}^{2}\left\{0-\left(\frac14x^2-1\right)\right\}dx=\int_{-2}^{2}\left(-\frac14\right)(x+2)(x-2)\,dx=\frac14\cdot\frac16\{2-(-2)\}^3=\frac83$$
求める面積は、これらの合計で
$$2\pi+4+\frac83=2\pi+\frac{20}{3}$$
答 $2\pi+\dfrac{20}{3}$
検算 面積を格子点で数える( $x$、 $y$ をそれぞれ $2400$ 等分した点のうち $D\cap E$ に入るものを数える)と約 $12.950$ で、 $2\pi+\dfrac{20}{3}=12.9498\cdots$ と一致する。
出題意図
(1) 円と直線が接することを、中心と直線の距離が半径に等しいことで示し、接点を求めることができるか(教科書・チャートの例題レベル)。
(2) 円と放物線の共有点を、代入してできる4次方程式の実数解と捉え、(1) の接点を手がかりに因数分解できるか。
(3) 絶対値を含む不等式の領域を、対称性を使って正しく図示できるか。さらに、(1)(2) の結果から3つの領域の境界の位置関係を読み取り、面積を求めやすい図形に分けて求めることができるか。
講評
| 難易度 | やや簡単 |
| 目標得点 | 50点 |
| 目標時間 | 30分 |
(1) は簡単、(2) も解くだけで、問題は (3)。
丁寧に作図して面積を求めるだけなので、やや簡単とした。
正確に描けるかどうかが分かれ目で、満点を取りたい。
問題文が長く、絶対値・和集合・共通部分が並んでいて難しそうに見えるが、中身は「中心と直線の距離」「因数定理」「 $\dfrac16$ 公式」というチャートの基本例題の組み合わせ。
差がつく所・失点しやすい所
- 差がつくのは (3):(1)(2) の結果が (3) の領域の境界の位置関係(直径 $x+y=2$、接線 $y=x-2$、放物線との接点 $(2,\ 0)$ )を決めていることに気づき、正しい図を書けるか。図を誤ると面積の点はほとんど残らない。
- 絶対値:「 $|x|$ を含む式は $y$ 軸に関して対称なので、 $x\geqq0$ の部分を書いて折り返す」という発想に行き着けるか。4つの象限を別々に場合分けすると、図が複雑になって書き間違えやすい。
- 失点しやすい所:面積を半円・三角形・ $\dfrac16$ 公式の図形に分けずに扇形などで複雑に計算してミスする所と、片側や一部分の面積だけを答える所。
2013年九州大学・文系数学の
講評とまとめ
4問の難易度と目標得点をまとめると、次のとおりです。
| 大問 | 難易度 | 目標点 |
|---|---|---|
| 第1問 | やや簡単 | 50点 |
| 第2問 | やや簡単 | 40点 |
| 第3問 | やや簡単 | 40点 |
| 第4問 | やや簡単 | 50点 |
| 全体 | やや簡単 | 170点 |
大問ごとの目標点は、それぞれの大問を単体で解いたときの理想の点です。足すと180点になりますが、全体の目標点は170点です。
全体としてやや簡単な年です。
第1問のベクトル、第2問の線形計画法、第3問の確率、第4問の図形と積分のどれも、典型的な内容でできています。
落とすとしても第2問と第3問で少し落とす程度で、ほかは基本的に完答したいところです。
目標点は170点です。
解く流れ
- 第2問→第1問→第4問→第3問(取りやすい問題を先に確実に取り、難しい問題は最後に回す)
- 目標時間の合計は105分(第1問25分・第2問25分・第3問25分・第4問30分)。残りの15分は見直しと予備。
2013年九州大学・文系数学に
関するよくある質問
2013年の九州大学・文系数学について、よく聞かれる質問にお答えします。
- 2013年の九州大学・文系数学は難しかった?
-
やや簡単な年でした。
第1問〜第4問のすべてがやや簡単です。
空間ベクトル、線形計画法、確率、円と放物線の領域の面積と、チャートの例題を組み合わせた典型的な出題で、図を正確に書いて丁寧に計算すれば解き切れる問題がそろっていました。 - 2013年の九州大学・文系数学は何点取れば合格できる?
-
目標点は170点です(200点満点)。
- 2013年の九州大学・文系数学はどこで差がつく?
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第1問・第2問は満点に近づけたいところです。そのうえで、差がつくのは次の3つです。
- 第1問 (4):「直線PQが平面ODEに垂直」を、平面上の平行でない2本のベクトルとの内積が0という2つの式に言いかえ、未知数と式の数をそろえられたか。
- 第3問 (3):216通りを書き出さず、「6枚とも表」を「どの硬貨も反転の回数が偶数」と言いかえ、区間の一致に持ち込んで数えられたか。
- 第4問 (3):(1)(2) の結果から3つの領域の境界の位置関係を読み取り、正しい図を書いて、面積を半円・三角形・放物線の部分に分けて求められたか。
- 2013年の九州大学・文系数学は何が出題された?
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大問ごとの単元は、次のとおりです。
- 第1問:空間ベクトル
- 第2問:図形と方程式
- 第3問:確率・期待値
- 第4問:図形と方程式・積分法(数学Ⅱ)・高次方程式


