【解説・配点付き】2015年九州大学物理の解答・解説

2015年の九州大学・物理の、
解答・解説【完全版】です。

方針の立て方・考え方はもちろん
オリジナルの配点付き。

このページで過去問演習が完結するので
赤本などは一切不要です。

※本記事の問題は、九州大学の入学試験問題から引用しています。
解答・解説は九大専門塾・竜文会が独自に作成したもので、九州大学が公表したものではありません。

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中原 遼太郎

九大受験に特化した学習塾
『竜文会』代表

『竜文会』開校後、初年度には国立大学医学部や九州大学に合格者を輩出。

2年目には旧帝大医学部にも合格!

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九州大学医学部に現役合格した経験を生かして、『学習計画の作成』や『LINEでのいつでも相談』による1人1人のサポート・九州大学に特化したハイレベルな演習で「九大受験生」をサポート。

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目次

2015年九州大学物理
第1問 解答・解説

この記事の小問ごとの配点は九州大学が公表しているものではなく、竜文会が独自に作成したものです。

第1問は力学の問題です。
テーマは「2本の糸でつるしたおもりの張力(2本の糸が直交)。糸を1本切ったあとの振り子が、くぎに掛かって半径が変わる円運動(最下点の速さ・張力の比・糸がたるまずに最高点に届く最小の初速度)、最高点で糸を切った放物運動の水平距離。台の上の放出器から小球を1個ずつ放出するときの運動量保存(相対速度は放出直後の台に対して)と、2個同時に放出したときとの比較」。

問題

2015年九州大学物理 第1問 問題
2015年九州大学物理 第1問 問題
問題文をテキストで読む

以下の問いに答えよ。

問1. 図1(a)に示すように、天井に取り付けられた支点Oおよび支点O′から、質量 $m$ のおもりが軽い糸で吊り下げられ、床から高さ $\dfrac52r$ の位置Aで静止している。2本の糸のなす角 $\angle\mathrm{OAO’}$ は $90^\circ$ である。支点Oとおもりを結ぶ糸の長さは $3r$ であり、床から2つの支点までの高さは $4r$ である。糸の質量、伸び、空気抵抗は無視できるものとし、おもりは1つの鉛直面内で運動するものとする。支点Oの直下で床から $2r$ の高さの点Pには太さを無視できるくぎが鉛直面に垂直に固定されている。重力加速度の大きさを $g$ とする。

(1) 糸OAに生じている張力の大きさを求めよ。

おもりを糸O′Aから静かに切り離したところ、図1(b)に示すようにおもりは点Oを支点とする運動を始めた。

(2) おもりが最下点Bを通過する時の速さ $v_1$ を求めよ。

(3) おもりは最下点Bを通過した後、点Pを支点として運動する。通過直前の糸の張力の大きさを $T_1$、通過直後の糸の張力の大きさを $T_2$ とする。その両者の比 $\dfrac{T_2}{T_1}$ の値を求めよ。

再び、おもりを位置Aに戻し、初速度を与えたところ、おもりは図1(c)に示すように糸がたるまずに点Pの真上の点C $(\mathrm{OC}=\mathrm{CP}=r)$ に到達した。到達すると同時におもりを糸から切り離したところ、おもりは床に落下した。ただし、初速度はおもりの描く軌跡に対して接線方向に与えるものとする。

(4) 糸がたるまずにおもりが点Cに到達するために必要な初速度の大きさの最小値 $v_0$ を求めよ。

(5) 位置Aでおもりに問1(4)で求めた $v_0$ を初速度の大きさとして与えた場合の点Cから落下地点Dまでの水平距離 $L$ を、 $m$、 $g$、 $r$ の中から必要なものを用いて表せ。

問2. 図1(d)に示すように、水平でなめらかな床の上に台が静かに置かれている。この台は $x$ 軸方向に運動することができる。その台の上に放出器が固定されており、その放出器には質量 $m$ で大きさが無視できる小球が多数搭載されている。台と放出器および搭載されている多数の小球の質量をすべて含めて質量 $M$ とする。図のように水平方向に $x$ 軸をとる。小球は、放出されるまで放出器に固定されている。空気抵抗は無視できるものとする。

まず、 $x$ 軸の負の方向に小球を1個ずつ次々と放出する。毎回の放出において、放出直後の小球の台に対する相対速度の大きさが $v$ となるように放出器が調整されている。小球を $p$ 回放出した直後の台の速度を $V_p$ とする。

(1) 1回目の小球放出直後の台の速度 $V_1$ を、 $m$、 $M$、 $v$ を用いて表せ。

(2) 2回目の小球放出直後の台の速度 $V_2$ を、 $m$、 $M$、 $v$ を用いて表せ。

(3) $p$ 回目の小球放出による台の速度変化 $V_p-V_{p-1}$ を、 $m$、 $M$、 $v$、 $p$ を用いて表せ。

台と小球を元の状態に戻す。放出器をさらに調整して $x$ 軸の負の方向に2個の小球を同時に放出するようにした。放出直後、2個の小球の台に対する相対速度の大きさはどちらも $v$ であった。

(4) 2個の小球を放出した直後の台の速度 $U$ を、 $m$、 $M$、 $v$ を用いて表せ。

(5) 問2(4)で求めた $U$ と問2(2)で求めた $V_2$ の大小関係について、 $U>V_2$、 $U=V_2$、 $U<V_2$ の中から正しいものを一つ選べ。

解答の方針

【問1 (1)の方針】

着眼点

点Aで2本の糸は直交している。重力をそれぞれの糸の向きに分ければ、張力1つずつのつり合いが1本の式で書ける(下の図)。

2015年九州大学物理 第1問 解答の方針の図
2015年九州大学物理 第1問 解答の方針の図
  1. 図の高さ(Oは $4r$ 、Aは $\dfrac52r$ 、$\mathrm{OA}=3r$)から、糸OAが鉛直となす角を求める。糸O′Aは糸OAと直交するので、鉛直となす角もわかる。
  2. 力を重力→糸OA→糸O′Aの順に図示する。
  3. 糸OAの向きの力のつり合いを立てて、張力を求める。

【問1 (2)〜(5)の方針】

着眼点

まず運動を想像する。くぎPに糸が掛かると、変わるのは円運動の半径だけで、速さは同じ。糸がたるむおそれがあるのは小さい円の上半分だけで、張力が最小の最高点Cを調べればよい(下の図)。

2015年九州大学物理 第1問 解答の方針の図
2015年九州大学物理 第1問 解答の方針の図
  1. AからBまで、力学的エネルギー保存でBでの速さを求める((2))。
  2. Bを通る直前と直後で、円運動の運動方程式(中心向きが正)を立てる。速さは同じ、半径が $3r\to r$ ((3))。
  3. 小さい円の一般の位置(最下点Bから角 $\varphi$)で、力学的エネルギー保存と中心方向の運動方程式を立てて張力を $\varphi$ の式で表す。張力が最小になる最高点Cで $T\geqq0$ とおいて、初速度の条件を求める((4))。
  4. Cでの速さを求め、水平投射として落下時間と水平距離を求める((5))。

【問2の方針】

着眼点

放出は内力だけなので、水平方向は運動量が保存する。決め手は、相対速度 $v$ が「放出直後の台」に対するものだということ。床から見た小球の速度は $V-v$ (下の図)。

2015年九州大学物理 第1問 解答の方針の図
2015年九州大学物理 第1問 解答の方針の図
  1. 右向き($x$ 軸の正の向き)を正とし、台の質量と速度、小球の質量と速度(台の速度 $-\,v$)を図に書き込む。
  2. 放出の直前と直後で水平方向の運動量保存を立てる((1)(2))。
  3. (1)(2) の式の形から $p$ 回目の式をつくる( $p$ 回目の放出の直前の台の質量は $M-(p-1)m$ )。台の速度の増加 $V_p-V_{p-1}$ を求める((3))。
  4. 2個同時の放出で運動量保存を立てる。放出後に台に残る質量は $M-2m$ 、2個の小球の速度はどちらも $U-v$ ((4))。
  5. (2) と (4) の結果の差を求めて、大小を判定する((5))。

解答

2015年九州大学物理 第1問 解答・解説
2015年九州大学物理 第1問 解答・解説
2015年九州大学物理 第1問 解答・解説(続き)
2015年九州大学物理 第1問 解答・解説(続き)
解答をテキストで読む

問1 (1)

図の高さより、OとAの高さの差は $4r-\dfrac52r=\dfrac32r$ 、糸OAの長さは $3r$ 。糸OAが鉛直となす角を $\theta$ とすると $\cos\theta=\dfrac{3r/2}{3r}=\dfrac12$ より $\theta=60^\circ$ 。糸O′Aは糸OAと直交するので、鉛直となす角は $30^\circ$ 。

おもりにはたらく力は、重力 $mg$ 、糸OAの張力 $T$ 、糸O′Aの張力 $T’$ の3つ(重力→糸の順に図示)。重力を糸OAの向きと糸O′Aの向きに分けると、$T’$ は糸OAに垂直なので、糸OAの向きのつり合いには入らない。

$$T=mg\cos60^\circ$$

答 $\dfrac12mg$(3点)

問1 (2)

糸O′Aを切ったあと、張力は速度と垂直で仕事をしないので、力学的エネルギーが保存する。Bの高さは $4r-3r=r$ 。AとBの高さの差は $\dfrac52r-r=\dfrac32r$ 。

$$mg\cdot\frac32r=\frac12m{v_1}^2$$

答 $v_1=\sqrt{3gr}$(3点)

問1 (3)

通過の直前は、Oを中心とする半径 $3r$ の円運動。中心向き(上向き)を正として

$$m\frac{{v_1}^2}{3r}=T_1-mg\qquad\therefore\ T_1=mg+mg=2mg$$

通過の直後は、くぎPを中心とする半径 $\mathrm{PB}=2r-r=r$ の円運動。速さは同じ $v_1$ なので

$$m\frac{{v_1}^2}{r}=T_2-mg\qquad\therefore\ T_2=mg+3mg=4mg$$

答 $\dfrac{T_2}{T_1}=2$(4点)

問1 (4)

小さい円の上で、最下点Bから角 $\varphi$ (Bが $\varphi=0^\circ$ 、Cが $\varphi=180^\circ$ )の位置を考える。この位置の高さは $2r-r\cos\varphi$ 。Aでの初速度の大きさを $v_0$ 、この位置での速さを $v$ として、力学的エネルギー保存(AとBの高さの差は $\dfrac52r-(2r-r\cos\varphi)=\dfrac r2+r\cos\varphi$ )より

$$v^2={v_0}^2+2g\left(\frac r2+r\cos\varphi\right)={v_0}^2+gr+2gr\cos\varphi$$

中心Pに向かう向きを正として、中心方向の運動方程式(重力の中心向き成分は $-mg\cos\varphi$ )は

$$m\frac{v^2}{r}=T-mg\cos\varphi$$

$mv^2$ を代入して

$$T=\frac{m({v_0}^2+gr)}{r}+3mg\cos\varphi$$

張力は $\cos\varphi$ が最小の $\varphi=180^\circ$ 、つまり最高点Cで最小になる。糸がたるまない条件は、このCで $T\geqq0$ 。

$$\frac{m({v_0}^2+gr)}{r}-3mg\geqq0\qquad\therefore\ {v_0}^2\geqq2gr$$

大きい円(A→B)ではおもりがOより下にあり、張力は常に正なので、ここは調べなくてよい。

答 $v_0=\sqrt{2gr}$(5点)

問1 (5)

$v_0=\sqrt{2gr}$ のとき、Cでの速さ $v_{\mathrm{C}}$ は、AからCへ $\dfrac r2$ 上がるので

$$\frac12m{v_0}^2=\frac12m{v_{\mathrm{C}}}^2+mg\cdot\frac r2\qquad\therefore\ v_{\mathrm{C}}=\sqrt{gr}$$

向きは水平(図で左向き)。Cの高さは $4r-r=3r$ 。糸を切ってからの落下時間 $t$ は、鉛直方向が自由落下なので

$$3r=\frac12gt^2\qquad\therefore\ t=\sqrt{\frac{6r}{g}}$$

水平方向は等速なので

$$L=v_{\mathrm{C}}\,t=\sqrt{gr}\cdot\sqrt{\frac{6r}{g}}$$

答 $L=\sqrt6\,r$(5点)

問2 (1)

右向き( $x$ 軸の正の向き)を正とする。放出前は全体が静止していて、運動量の和は0。放出直後、台(放出された小球の分だけ軽くなって質量 $M-m$ )の速度を $V_1$ とする。小球は台に対して負の向きに速さ $v$ なので、床から見た小球の速度は $V_1-v$ 。水平方向は外力がないので運動量が保存する。

$$0=(M-m)V_1+m(V_1-v)\qquad\therefore\ MV_1=mv$$

答 $V_1=\dfrac mMv$(4点)

問2 (2)

2回目の放出の直前は、台の質量 $M-m$ 、速度 $V_1$ 。直後は、台の質量 $M-2m$ 、速度 $V_2$ 、2個目の小球の速度 $V_2-v$ 。運動量保存より

$$(M-m)V_1=(M-2m)V_2+m(V_2-v)$$

右辺は $(M-m)V_2-mv$ なので

$$V_2=V_1+\frac{mv}{M-m}=\frac mMv+\frac{mv}{M-m}$$

答 $V_2=\dfrac{m(2M-m)}{M(M-m)}v$(4点)

問2 (3)

$p$ 回目の放出の直前は、台の質量 $M-(p-1)m$ 、速度 $V_{p-1}$ 。直後は、台の質量 $M-pm$ 、速度 $V_p$ 、$p$ 個目の小球の速度 $V_p-v$ 。運動量保存より

$$\{M-(p-1)m\}V_{p-1}=(M-pm)V_p+m(V_p-v)=\{M-(p-1)m\}V_p-mv$$

$$\therefore\ \{M-(p-1)m\}(V_p-V_{p-1})=mv$$

答 $V_p-V_{p-1}=\dfrac{mv}{M-(p-1)m}$(5点)

( $p=1$ 、 $2$ を入れると、(1)(2) の結果と一致する)

問2 (4)

2個同時に放出した直後は、台の質量 $M-2m$ 、速度 $U$ 、2個の小球の速度はどちらも $U-v$ 。運動量保存より

$$0=(M-2m)U+2m(U-v)\qquad\therefore\ MU=2mv$$

答 $U=\dfrac{2m}{M}v$(4点)

問2 (5)

(2) と (4) の結果の差を求める。

$$V_2-U=\frac mMv+\frac{mv}{M-m}-\frac{2m}{M}v=\frac{mv}{M-m}-\frac{mv}{M}=\frac{m^2v}{M(M-m)}>0$$

1個ずつ放出するほうが台は速くなる。2個目は、1個目を放出して軽くなった台を押すので、同じ $mv$ の押しでも台の速度の増え方が大きいため。

答 $U<V_2$(3点)

別解

問1 (1) (力の三角形で) 重力 $mg$ 、張力 $T$ 、$T’$ の3力がつり合うので、矢印をつなぐと閉じた三角形になる。糸OAと糸O′Aが直交しているので直角三角形で、重力が斜辺、$T$ は鉛直との角 $60^\circ$ に接する辺。$T=mg\cos60^\circ=\dfrac12mg$ 。(水平・鉛直に分けて、水平:$T\cos30^\circ=T’\sin30^\circ$ 、鉛直:$T\sin30^\circ+T’\cos30^\circ=mg$ を連立しても同じ答え。ただし式が2本になり、計算は重くなる)

問1 (4) (最高点Cだけで) 小さい円で張力が最小になるのは最高点、と運動から決めてよければ、Cだけで考える。Cで中心Pは真下なので、中心方向の運動方程式は $m\dfrac{{v_{\mathrm{C}}}^2}{r}=T+mg$ 。$T\geqq0$ より ${v_{\mathrm{C}}}^2\geqq gr$ 。AからCへ $\dfrac r2$ 上がる力学的エネルギー保存 ${v_0}^2={v_{\mathrm{C}}}^2+gr$ に入れて ${v_0}^2\geqq2gr$ 。本解は、張力が最高点で最小になることまで式で確かめた。

出題意図

問1 (1) 2本の糸が直交することに気づき、重力を糸の向きに分けて張力を求めることができるか

問1 (2)(3) 力学的エネルギー保存と円運動の運動方程式で、くぎに掛かる前後の速さと張力を求めることができるか

問1 (4)(5) 小さい円の最高点で張力が最小になることを捉え、糸がたるまない条件と、そのあとの水平投射を扱うことができるか

問2 (1)〜(4) 放出を運動量保存で扱い、相対速度が「放出直後の台」に対するものだと読むことができるか

問2 (5) 1個ずつ放出する場合と同時に放出する場合の台の速度を比べることができるか

講評

医学部医学科その他の学部
難易度標準
目標得点35点30点
目標時間25分25分

前半の円運動は力学的エネルギー保存と中心方向の運動方程式、後半は運動量保存で1個ずつ放出するだけの計算で、どの学部も満点を取りたい大問。
決め手は、運動を想像できるかどうか。
くぎに掛かった瞬間に半径が変わること、放出の相対速度は動き出した後の台に対して測ることをイメージできれば難しくない。
名問の森レベルのこの型は、白紙から再現できるまで練習しておこう。

差がつく所・失点しやすい所

  • 問1 (4):運動を想像できるか。糸がたるむのは小さい円の上半分だけで、張力が最小になるのは最高点C、という発想に行き着けるか。ここがわからないと (4)(5) の2問(10点)を落とす。
  • 問2 (1):相対速度は「放出直後の台」に対して $v$ 、という発想に行き着けるか。放出前の台(静止)に対して $v$ と読むと $V_1=\dfrac{mv}{M-m}$ になり、(2)〜(5) まで続けて落とす。
  • 問2 (3):(1)(2) の具体的な式から一般化し、$p$ 回目の直前の質量が $M-(p-1)m$ だと置けるか。

コラム ロケットの式

  • 問2 は、燃料を後ろへ噴き出して進むロケットの加速とそっくりの設定。小球を1個ずつ放出するほうが、同じ質量をまとめて放出するより台は速くなる((5))。それなら、放出する質量の合計を決めて、何回にも分けるほど台は速くなり続けるのか。
  • (3) の $V_p-V_{p-1}=\dfrac{mv}{M-(p-1)m}$ を $p=1,2,\cdots$ と足していくと、台の速度が求まる。放出する質量の合計を $0.6M$ で一定にして、$N$ 回に分けて放出したときの台の速さを計算すると、$N=1,2,10,100,10000$ で、$v$ を単位に $0.600,\ 0.729,\ 0.873,\ 0.912,\ 0.916$ と、回数を増やすほど増えるが、頭打ちになる(下の図)。
2015年九州大学物理 第1問 コラムの図
2015年九州大学物理 第1問 コラムの図

この上限が、1個の質量 $m$ を限りなく小さくした極限、つまり質量が連続的に減っていくときの値で、台の質量が $M$ から $M’$ になるまでの速度は

$$V=v\log\frac{M}{M’}\qquad(\log\text{は自然対数})$$

  • ロケットの運動を表すこの式は、ツィオルコフスキーの式(ロケット方程式)と呼ばれる。$0.6M$ を放出した場合は $v\log\dfrac{1}{0.4}=0.9163\,v$ で、上の図の破線の値に一致する。九州大学大学院工学研究院の講義の教材にも、運動量保存から同じ式を導く形で載っている。九大の入試が、ロケットの加速を運動量保存の積み重ねとして問うた問題と言える。

2015年九州大学物理
第2問 解答・解説

第2問は電磁気の問題です。
テーマは「磁場中のレールの上の2本の導体棒。糸でおもりとつながれた棒1が動くと起電力が生じ、おもりの重さと磁場の力がつり合って一定の速さになる(終端の速さ)。その状態で棒2を離すと、棒2が棒1についていく向きに動き出す。2本の棒とおもりの運動方程式を立て、十分に時間がたつと「速度の差が一定になり、全体が一緒に加速し続ける」ことを求める」。

問題

2015年九州大学物理 第2問 問題
2015年九州大学物理 第2問 問題
問題文をテキストで読む

図2に示すように水平面上に十分長い2本の導体のレールが間隔 $L\ [\mathrm{m}]$ で平行に置かれている。図のようにレールの上にまっすぐな導体の棒1、2を置く。これらの棒はレールに対して常に垂直であり、2本のレールとの接触を保ちながら、その上を左右になめらかに動くことができる。棒1とレールの接触点を図のようにP、Qとする。棒1にはレールに平行に糸が取り付けられ、糸の右方向の先に滑車を通して質量 $m\ [\mathrm{kg}]$ のおもりがぶら下げてある。棒1の質量は $m\ [\mathrm{kg}]$、棒2の質量は $2m\ [\mathrm{kg}]$ である。この空間には鉛直上向きに磁束密度の大きさが $B\ [\mathrm{T}]$ の一様な磁場(磁界)がかけられている。運動の方向は、棒1、2については水平右向きを正とし、おもりについては鉛直下向きを正とする。棒2のレール間の電気抵抗を $R\ [\Omega]$ とする。棒1とレールの電気抵抗は無視でき、棒とレールの接触点の電気抵抗も無視できる。空気抵抗、糸と滑車の質量は無視できる。滑車はなめらかに回る。棒とレールに流れる電流が作る磁場の磁束密度は $B$ に比べ十分小さく無視できる。重力加速度の大きさを $g\ [\mathrm{m/s^2}]$ とし、おもりが地面に到達することはないものとして、以下の問いに答えよ。

まず、棒1と棒2を動かないように押さえておき、棒1だけを静かに離したところ棒1が右方向へ動き始めた。

問1. 棒1の速度が $v\ [\mathrm{m/s}]$ $(v>0)$ の時、棒1の両端に生じる起電力の大きさを求めよ。また、電位が高いのはP、Qのどちら側か。解答紙の選択肢を○で囲め。

問2. 問1の起電力によって、棒1、2と2本のレールで作られる回路に流れる電流の大きさを求めよ。また、棒1に流れる電流の方向はP→Q、Q→Pのどちらか。解答紙の選択肢を○で囲め。

問3. 問2の電流によって棒1が磁場から受ける力の大きさを求めよ。

問4. 十分な時間が経つと糸が棒1を引く力と問3の力がつり合い、一定の速度で棒1は運動する。この速度の大きさを、 $m$、 $g$、 $B$、 $L$、 $R$ の中から必要なものを用いて表せ。

棒1が問4のように一定の速度で運動しているときに、棒2を静かに離したところ、棒2が動き始めた。以後、この状態の運動を考えることにする。棒1の速度を $v_1\ [\mathrm{m/s}]$、加速度を $a_1\ [\mathrm{m/s^2}]$、棒2の速度を $v_2\ [\mathrm{m/s}]$、加速度を $a_2\ [\mathrm{m/s^2}]$ とする。棒1と棒2は衝突することはないものとする。糸の張力の大きさを $T\ [\mathrm{N}]$ とし、糸はたるむことがない。

問5. 棒2が動き始める方向は左右のどちらか。解答紙の選択肢を○で囲め。

問6. 棒1、2と2本のレールで作られる回路に流れる電流の大きさを、 $v_1$、 $v_2$、 $B$、 $L$、 $R$ の中から必要なものを用いて表せ。

問7. 棒1の運動方程式を、 $m$、 $a_1$、 $T$、 $v_1$、 $v_2$、 $B$、 $L$、 $R$ の中から必要なものを用いて表せ。また、棒2の運動方程式を、 $m$、 $a_2$、 $v_1$、 $v_2$、 $B$、 $L$、 $R$ の中から必要なものを用いて表せ。

問8. おもりの運動方程式を、 $m$、 $a_1$、 $g$、 $T$ の中から必要なものを用いて表せ。

棒2を静かに離してから十分に時間が経つと、 $a_1=a_2$ となる。以後、この状態について問いに答えよ。

問9. $a_1$ および $v_1-v_2$ を、 $m$、 $g$、 $B$、 $L$、 $R$ の中から必要なものを用いてそれぞれ表せ。

問10. 棒1、2と2本のレールで作られる回路で発生する単位時間あたりのジュール熱を、 $m$、 $g$、 $B$、 $L$、 $R$ の中から必要なものを用いて表せ。

解答の方針

【問1〜問4の方針】

着眼点

動く棒1は起電力 $vBL$ の電池とみなせる。電流が流れると棒1は運動をさまたげる向きの力を受けるので、一定の速さとは力がつり合っているということ(下の図)。

2015年九州大学物理 第2問 解答の方針の図
2015年九州大学物理 第2問 解答の方針の図
  1. 棒1が右へ動くとき、正の電荷が受ける力の向きから、電位が高い側を決める。大きさは $vBL$(問1)。
  2. 棒1を電池、棒2を抵抗 $R$ とする回路でオームの法則を立て、電流の大きさを求める。電流の向きは、電池の中で低電位から高電位へ(問2)。
  3. 棒1が磁場から受ける力 $IBL$ を求める(問3)。
  4. おもりのつり合いから糸の張力を求め、棒1のつり合い(張力=磁場の力)に入れて速さを求める(問4)。

【問5〜問8の方針】

着眼点

棒2を離したあとの運動を想像する。棒2は棒1についていき、2本の棒の起電力は回路の中で逆向きなので、電流は速度の差で決まる(下の図)。

2015年九州大学物理 第2問 解答の方針の図
2015年九州大学物理 第2問 解答の方針の図
  1. 棒2を流れる電流の向きから、棒2が受ける力の向きを決める(問5)。
  2. 2つの電池 $v_1BL$・$v_2BL$ の向きを図に書き、差から電流を求める(問6)。
  3. 棒1:張力と磁場の力(左向き)の差が $ma_1$ 。棒2:磁場の力が $2ma_2$ とおく。2本の棒が受ける磁場の力は同じ大きさで逆向き(問7)。
  4. おもり:下向きを正として重力と張力の差が $ma_1$ とおく。糸がたるまないので、加速度は棒1と同じ(問8)。

【問9・問10の方針】

着眼点

十分に時間がたつと $a_1=a_2$ 。2本の棒は、速度の差を保ったまま一緒に加速し続ける。磁場の力と張力は全部内力なので、3つの式を足せば消える(下の図)。

2015年九州大学物理 第2問 解答の方針の図
2015年九州大学物理 第2問 解答の方針の図
  1. 問7・問8 の3つの式を辺々足して、磁場の力と張力を消す。 $a_1=a_2$ とおいて $a_1$ を求める(問9)。
  2. $a_2$ を棒2の式に入れ、 $v_1-v_2$ を求める(問9)。
  3. 電流を $v_1-v_2$ から求め、ジュール熱は抵抗 $R$ の $I^2R$ で求める(問10)。

解答

2015年九州大学物理 第2問 解答・解説
2015年九州大学物理 第2問 解答・解説
2015年九州大学物理 第2問 解答・解説(続き)
2015年九州大学物理 第2問 解答・解説(続き)
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問1

棒1は右向きに動く。棒の中の正の電荷には、速度(右)と磁場(手前向き)から、Q 側へ向かう力がはたらく(着眼点の図)。正の電荷が Q 側に寄るので、Q が高電位。大きさは1秒間に動く距離 $v$ 、磁場 $B$ 、棒の長さ $L$ の積。

(解答紙の選択肢は P/Q)

答(起電力) $vBL$(3点)

答(電位が高い側) Q(2点)

問2

棒1は起電力 $vBL$ の電池。レールと棒1の抵抗は無視できるので、回路の抵抗は棒2の $R$ だけ。1周でキルヒホッフの法則を立てる。

$$vBL-RI=0\qquad\therefore\ I=\frac{vBL}{R}$$

電池の中の電流は、電位が低い側(P)から高い側(Q)へ流れる。

(解答紙の選択肢は P→Q/Q→P)

答(電流の大きさ) $\dfrac{vBL}{R}$(3点)

答(棒1の電流の向き) P→Q(2点)

問3

棒1を流れる電流は $I$ 、長さ $L$ 、磁場 $B$ は電流と垂直なので、力の大きさは $IBL$ 。(向きは左向きで、運動をさまたげる向き)

$$F=IBL=\frac{vBL}{R}\cdot BL$$

答 $\dfrac{vB^2L^2}{R}$(4点)

問4

一定の速さで動いているとき、おもりも棒1も加速していないので、力がつり合っている(下の図)。まずおもりで、張力 $T$ と重力 $mg$ が同じ。

$$T=mg$$

棒1では、右向きの張力 $T$ と、左向きの磁場の力 $IBL$ がつり合う。問3の式の $v$ を、求める一定の速さにして

$$mg=\frac{vB^2L^2}{R}$$

答 $v=\dfrac{mgR}{B^2L^2}$(5点)

問5

棒1が右へ動いているので、回路の面積が増え、回路を貫く上向きの磁束が増える。レンツの法則で、回路は面積の増加をさまたげる向き、つまり棒2が棒1に近づく向きの力を受ける(着眼点の図)。

電流で確かめる。回路を一周する電流は、棒1を P→Q、下のレールを左へ、棒2を下(Q 側)から上(P 側)へ流れる。棒2の電流は上向き、磁場は手前向きなので、力は右向き。

(解答紙の選択肢は左/右)

答 右(2点)

問6

棒1は電池 $v_1BL$ 、棒2は電池 $v_2BL$ 。どちらも棒の中の正の電荷が Q 側へ寄るので、Q 側が高電位。回路を一周すると、2つの電池は逆向きに電流を流そうとする(下の図)。棒1のほうが速いので $v_1>v_2$ で、電流の向きは棒1の電池の向き。

$$v_1BL-v_2BL-RI=0\qquad\therefore\ I=\frac{BL(v_1-v_2)}{R}$$

答 $\dfrac{BL(v_1-v_2)}{R}$(4点)

問7

右向きを正とする。棒1は、右向きに糸の張力 $T$ 、左向きに磁場の力 $IBL$ を受ける。棒2は、右向きに磁場の力 $IBL$ だけを受ける。2本の棒が受ける磁場の力は、同じ大きさで逆向き(上の図の2本の $IBL$)。問6の $I$ を入れて

棒1:$ma_1=T-IBL=T-\dfrac{B^2L^2(v_1-v_2)}{R}$

棒2:$2ma_2=IBL=\dfrac{B^2L^2(v_1-v_2)}{R}$

答(棒1) $ma_1=T-\dfrac{B^2L^2(v_1-v_2)}{R}$(3点)

答(棒2) $2ma_2=\dfrac{B^2L^2(v_1-v_2)}{R}$(3点)

問8

おもりは下向きを正とする。重力 $mg$ が下向き、張力 $T$ が上向き。糸がたるまないので、おもりの加速度は棒1と同じ $a_1$ 。

答 $ma_1=mg-T$(4点)

問9

問7・問8 の3つの式を、辺々足す。磁場の力と張力が全部消える。磁場の力を $F=\dfrac{B^2L^2(v_1-v_2)}{R}$ とおくと

$$ma_1=T-F,\qquad 2ma_2=F,\qquad ma_1=mg-T$$

$$ma_1+2ma_2+ma_1=mg$$

$a_1=a_2$ なので $4ma_1=mg$ 。

答 $a_1=\dfrac g4$(3点)

$a_2=a_1=\dfrac g4$ を棒2の式に入れる。

$$2m\cdot\frac g4=\frac{B^2L^2(v_1-v_2)}{R}\qquad\therefore\ v_1-v_2=\frac{mgR}{2B^2L^2}$$

答 $v_1-v_2=\dfrac{mgR}{2B^2L^2}$(2点)

(速度の差は一定になるが、 $v_1$ も $v_2$ も一定にはならない。全体が $\dfrac g4$ で加速し続ける)。

問10

回路に流れる電流は、問6に問9の $v_1-v_2$ を入れて

$$I=\frac{BL(v_1-v_2)}{R}=\frac{mg}{2BL}$$

電流は一定。抵抗は棒2の $R$ だけなので、単位時間あたりのジュール熱は $I^2R$ 。

$$I^2R=\left(\frac{mg}{2BL}\right)^2R$$

答 $\dfrac{m^2g^2R}{4B^2L^2}$(5点)

別解

問9

棒1とおもりを1つの物体と見て、張力 $T$ を消す。棒1の式とおもりの式を足すと

$$2ma_1=mg-\frac{B^2L^2(v_1-v_2)}{R}$$

棒2の式 $2ma_2=\dfrac{B^2L^2(v_1-v_2)}{R}$ との組を解く。 $a_1=a_2$ なので、2つの式を足すと $4ma_1=mg$ 。本解の「3つ足す」は、この2段階を1回にまとめたもの。2本の棒が受ける磁場の力は「同じ大きさで逆向きの内力」、という見方は同じ。

問10

エネルギーの見方。重力が1秒間にする仕事 $mgv_1$ は、運動エネルギーの増加とジュール熱になる。運動エネルギーの増える割合は、棒1とおもり(質量の合計 $2m$)と棒2($2m$)で $2ma(v_1+v_2)=\dfrac{mg}{2}(v_1+v_2)$ 。ジュール熱の割合は

$$mgv_1-\frac{mg}{2}(v_1+v_2)=\frac{mg(v_1-v_2)}{2}=\frac{m^2g^2R}{4B^2L^2}$$

で、本解と同じ値になる。

出題意図

問1・問2 動く棒を起電力 $vBL$ の電池に置きかえ、起電力の向き(電位の高い側)と回路の電流を求められるか

問3・問4 磁場が棒にする力を求め、棒とおもりの力のつり合いから終端の速さを求めることができるか

問5・問6 棒2を離すと、2本の棒の起電力が逆向きで差になること、棒2が棒1についていく向きに動くことを捉えることができるか

問7・問8 棒1・棒2・おもりそれぞれの運動方程式を、符号まで含めて正しく立てることができるか

問9・問10 十分に時間がたったときの状態($a_1=a_2$)を、運動を想像して求めることができるか

講評

医学部医学科その他の学部
難易度標準
目標得点40点35点
目標時間25分25分

前半は1本の棒とおもりの典型問題、後半はそこに棒2を足した形で、初見の設定はない。
前半は全受験生が満点を取ってくるので、後半の問9まで取り切りたい大問。
決め手は、棒2を離したあとの運動を想像できるか。
棒2は棒1についていき、速度の差を保ったまま一緒に加速し続け、2本の棒が受ける力は同じ大きさで逆向きの内力と見抜ければ、3つの式を足して $a_1$ が1行で求まる。

差がつく所・失点しやすい所

  • 問6:棒1の起電力 $v_1BL$ と棒2の起電力 $v_2BL$ が、回路の中で逆向きになり、電流が速度の差で決まる、という発想に行き着けるか。ここを足してしまうと、問7〜問10の式が全部崩れる。
  • 問9:3つの運動方程式を足すと、磁場の力と張力が全部内力として消える、という発想に行き着けるか。気づけない場合も連立方程式で解けるが、式が重くなり、時間を失う。「差を保ったまま、全体が $\dfrac g4$ で加速し続ける」と運動を想像できれば、答えの意味まで見える。
  • 問5:棒2が右へ動く(棒1についていく)と運動を想像できるか。電流の向きを間違えると、力の向きが逆になり、問7の符号まで道連れになる。

2015年九州大学物理
第3問 解答・解説

第3問は熱力学の問題です。
テーマは「隔壁で仕切った同種の単原子分子理想気体2室を、隔壁を固定して加熱し、断熱カバーを開いて熱平衡にしたときの温度・熱・圧力を求める。後半は隔壁を自由に動かして第1室を加熱し、2室の内部エネルギーの変化の和と、状態Dの圧力を求める(断熱変化の式を使わずに $p_{\mathrm{D}}$ が求まる)」。

問題

2015年九州大学物理 第3問 問題
2015年九州大学物理 第3問 問題
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次の文章を読み、以下の問いに答えよ。

図3のように、断熱材でできた密閉された容器が隔壁により第1室と第2室に仕切られている。隔壁は各室の気密性を保ちながら容器内を摩擦なくなめらかに動く。また、隔壁を固定することも可能である。隔壁の中央部は熱を通す素材で、それ以外の部分は断熱材でできている。さらに、中央部は開閉可能な断熱カバーで覆われており、このカバーの開閉により両室間の熱の移動を制御できる。すなわち、断熱カバーが閉じていれば、両室の間に熱の移動は無く、断熱カバーが開いていれば、両室の間でゆるやかな熱の移動が可能である。隔壁中央部の熱容量は無視できるものとする。第1室内にはヒーターが設置されており、第1室の気体を加熱することができる。

第1室と第2室に、気体定数を $R$ として定積モル比熱が $\dfrac32R$ である同種の単原子分子理想気体を封入し、以下に述べるような状態変化を行った。なお、問題中の温度は全て絶対温度で与えられている。

初めの状態Aでは、隔壁は静止しており、断熱カバーは閉じている。このとき、第1室の気体の体積、温度、圧力はそれぞれ $V_{\mathrm{A}}$、 $T_{\mathrm{A}}$、 $p_{\mathrm{A}}$ であり、第2室の気体の体積、温度、圧力はそれぞれ $3V_{\mathrm{A}}$、 $T_{\mathrm{A}}$、 $p_{\mathrm{A}}$ であった。

問1. 第1室の気体の物質量(モルを単位として表した物質の量)を、 $V_{\mathrm{A}}$、 $T_{\mathrm{A}}$、 $p_{\mathrm{A}}$、 $R$ の中から必要なものを用いて表せ。

状態Aから、隔壁を固定し断熱カバーを閉じたままヒーターによりゆっくり第1室の気体を加熱したところ、第1室の気体の温度が $2T_{\mathrm{A}}$ となった。この状態を状態Bとする。

問2. 状態Aから状態Bへの変化の間にヒーターが第1室の気体に加えた熱量を、 $V_{\mathrm{A}}$、 $T_{\mathrm{A}}$、 $p_{\mathrm{A}}$、 $R$ の中から必要なものを用いて表せ。

次に、状態Bから隔壁を固定したまま断熱カバーを開け、しばらく待ったところ、熱平衡に達した。この状態を状態Cとする。

問3. 状態Cにおける第1室、第2室の気体の温度を、 $V_{\mathrm{A}}$、 $T_{\mathrm{A}}$、 $p_{\mathrm{A}}$、 $R$ の中から必要なものを用いて表せ。

問4. 状態Bから状態Cへの変化の間に第1室から第2室に移動した熱量を、 $V_{\mathrm{A}}$、 $T_{\mathrm{A}}$、 $p_{\mathrm{A}}$、 $R$ の中から必要なものを用いて表せ。

問5. 状態Cにおける第1室の気体の圧力、第2室の気体の圧力を、それぞれ $V_{\mathrm{A}}$、 $T_{\mathrm{A}}$、 $p_{\mathrm{A}}$、 $R$ の中から必要なものを用いて表せ。

再び状態Aから考える。以後、隔壁は自由に動けるとし、断熱カバーは閉じている。ヒーターによりゆっくり第1室の気体を加熱し、総量 $3p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}}$ の熱を加えた状態を状態Dとする。

問6. 状態Aから状態Dへの変化の間に生じた第1室、第2室の気体の内部エネルギーの変化をそれぞれ $\Delta U_1$、 $\Delta U_2$ とする。 $\Delta U_1+\Delta U_2$ を、 $V_{\mathrm{A}}$、 $p_{\mathrm{A}}$ を用いて表せ。

問7. 状態Dにおける第1室の気体の体積を $V_{\mathrm{D}}$ とし、状態Dにおける第1室、第2室の気体の圧力を $p_{\mathrm{D}}$ とする。 $\Delta U_1$ を、 $V_{\mathrm{A}}$、 $p_{\mathrm{A}}$、 $V_{\mathrm{D}}$、 $p_{\mathrm{D}}$ を用いて表せ。

問8. $p_{\mathrm{D}}$ を、 $V_{\mathrm{A}}$、 $T_{\mathrm{A}}$、 $p_{\mathrm{A}}$、 $R$ の中から必要なものを用いて表せ。

解答の方針

【問1〜問5の方針】

着眼点

熱力学は「何が一定か」を最初に決める。隔壁が固定の間は定積で、断熱カバーを開いても2室を合わせれば外と熱も仕事もやりとりしない(下の図)。

2015年九州大学物理 第3問 解答の方針の図
2015年九州大学物理 第3問 解答の方針の図
  1. 状態Aの第1室に状態方程式を立てて、物質量 $n$ を求める(問1)。第2室の物質量は体積の比から決める。
  2. A→B は定積。仕事は0なので、加えた熱は第1室の $\Delta U$ に等しい(問2)。
  3. B→C は2室を合わせて $\Delta U$ の和が0。B と C で内部エネルギーの和が同じとして、 $T_{\mathrm{C}}$ を求める(問3)。
  4. 第2室は定積なので、第2室が受け取った熱は第2室の $\Delta U$ に等しい(問4)。
  5. 各室の体積と物質量は変わらないので、 $p\propto T$ から圧力を求める(問5)。

【問6〜問8の方針】

着眼点

隔壁が動くので、気体ごとに考える。2室の圧力は常に等しく、仕事は打ち消し合う。内部エネルギーを $\dfrac32pV$ で書き、2室を足せば $V_{\mathrm{D}}$ が消える(下の図)。

2015年九州大学物理 第3問 解答の方針の図
2015年九州大学物理 第3問 解答の方針の図
  1. 第1室・第2室それぞれに第一法則を立てる(第2室は断熱)。
  2. 2室の式を足して、仕事を消す。加えた熱と $\Delta U_1+\Delta U_2$ の関係を求める(問6)。
  3. 単原子分子の $\Delta U=\dfrac32nR\Delta T$ を、状態方程式で $pV$ の差に書き直す(問7)。
  4. 第2室の $\Delta U_2$ も $pV$ の差で表す。問6 の関係に入れて、 $V_{\mathrm{D}}$ を消して $p_{\mathrm{D}}$ を求める(問8)。

解答

2015年九州大学物理 第3問 解答・解説
2015年九州大学物理 第3問 解答・解説
2015年九州大学物理 第3問 解答・解説(続き)
2015年九州大学物理 第3問 解答・解説(続き)
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問1

状態Aの第1室に状態方程式を立てると

$$p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}}=nRT_{\mathrm{A}}\qquad\therefore\ n=\frac{p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}}}{RT_{\mathrm{A}}}$$

答 $\dfrac{p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}}}{RT_{\mathrm{A}}}$(4点)

(第2室は同じ温度 $T_{\mathrm{A}}$・同じ圧力 $p_{\mathrm{A}}$ で体積が3倍。状態方程式 $pV=nRT$ で $p$、 $T$ が同じなら $V\propto n$ なので、物質量は体積に比例して $3n$。以下、第1室の物質量を $n$、第2室を $3n$ とする)

問2

A→B は隔壁を固定しているので体積が変わらない(定積)。気体がする仕事は $W=0$ で、第一法則 $Q=\Delta U+W$ は $Q=\Delta U$。断熱カバーは閉じているので、熱が入るのは第1室だけ。単原子分子の内部エネルギーは $U=\dfrac32nRT$ なので

$$Q=\frac32nR(2T_{\mathrm{A}}-T_{\mathrm{A}})=\frac32nRT_{\mathrm{A}}=\frac32p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}}$$

最後は、問1 の $nRT_{\mathrm{A}}=p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}}$ を使った。

答 $\dfrac32p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}}$(5点)

問3

熱平衡になったので、状態Cでは2室とも同じ温度 $T_{\mathrm{C}}$。B→C では、容器は断熱で隔壁も固定なので、2室を合わせると外と熱も仕事もやりとりしない。第一法則より、2室の $\Delta U$ の和は0、つまり B と C で内部エネルギーの和は同じ。

第1室第2室
物質量$n$$3n$
状態B の温度$2T_{\mathrm{A}}$$T_{\mathrm{A}}$
状態C の温度$T_{\mathrm{C}}$$T_{\mathrm{C}}$

$$\frac32nR\cdot2T_{\mathrm{A}}+\frac32\cdot3nR\cdot T_{\mathrm{A}}=\frac32nRT_{\mathrm{C}}+\frac32\cdot3nRT_{\mathrm{C}}$$

共通の $\dfrac32nR$ を消して $2T_{\mathrm{A}}+3T_{\mathrm{A}}=4T_{\mathrm{C}}$。

答 第1室・第2室とも $\dfrac54T_{\mathrm{A}}$(5点)

問4

第2室は隔壁が固定で体積が変わらない(定積)ので、第2室が受け取った熱は第2室の内部エネルギーの増加に等しい。

$$Q=\frac32\cdot3nR\left(\frac54T_{\mathrm{A}}-T_{\mathrm{A}}\right)=\frac98nRT_{\mathrm{A}}=\frac98p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}}$$

(確かめ:第1室が失った熱は $\dfrac32nR\left(2T_{\mathrm{A}}-\dfrac54T_{\mathrm{A}}\right)=\dfrac98nRT_{\mathrm{A}}$ で、同じ値)

答 $\dfrac98p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}}$(5点)

問5

隔壁は固定なので、各室の体積と物質量は B のときと変わらない。体積と物質量が一定なら、状態方程式 $pV=nRT$ より $p\propto T$。状態Aと比べると、第1室も第2室も温度が $\dfrac54$ 倍なので、圧力も $\dfrac54$ 倍。状態方程式を直接立てて確かめると

$$\text{第1室:}\ p_1V_{\mathrm{A}}=nR\cdot\frac54T_{\mathrm{A}}\qquad\text{第2室:}\ p_2\cdot3V_{\mathrm{A}}=3nR\cdot\frac54T_{\mathrm{A}}$$

$nRT_{\mathrm{A}}=p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}}$ を使うと、どちらも $\dfrac54p_{\mathrm{A}}$。

答(第1室) $\dfrac54p_{\mathrm{A}}$(3点)

答(第2室) $\dfrac54p_{\mathrm{A}}$(3点)

(物質量の比も体積の比も $1:3$ で、温度がそろうので、圧力もそろった)

問1〜問5 の結果を状況図にまとめると、下の図になる。

問6

状態Aから状態Dへの変化で、第1室はヒーターから熱 $3p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}}$ を受け、第2室は熱が入らない(断熱カバーは閉じている)。第1室が隔壁を押してする仕事を $W_1$、第2室がする仕事を $W_2$ として、気体ごとに第一法則を立てる。

$$\text{第1室:}\ 3p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}}=\Delta U_1+W_1\qquad\text{第2室:}\ 0=\Delta U_2+W_2$$

隔壁は軽くなめらかに動くので2室の圧力は常に等しく、2室を合わせた体積は $4V_{\mathrm{A}}$ で一定。第1室が膨張した分だけ第2室が縮むので $W_2=-W_1$。2式を足すと仕事が消える。

$$3p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}}=\Delta U_1+\Delta U_2$$

答 $3p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}}$(5点)

問7

単原子分子の内部エネルギーは $U=\dfrac32nRT$ で、状態方程式 $nRT=pV$ を使うと $U=\dfrac32pV$。第1室の状態AとDの差をとると

$$\Delta U_1=\frac32(p_{\mathrm{D}}V_{\mathrm{D}}-p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}})$$

答 $\dfrac32(p_{\mathrm{D}}V_{\mathrm{D}}-p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}})$(5点)

問8

第2室も $U=\dfrac32pV$。体積は状態Aで $3V_{\mathrm{A}}$、状態Dで $4V_{\mathrm{A}}-V_{\mathrm{D}}$(2室を合わせて $4V_{\mathrm{A}}$)、圧力は状態Aで $p_{\mathrm{A}}$、状態Dで $p_{\mathrm{D}}$ なので

$$\Delta U_2=\frac32\left\{p_{\mathrm{D}}(4V_{\mathrm{A}}-V_{\mathrm{D}})-p_{\mathrm{A}}\cdot3V_{\mathrm{A}}\right\}$$

問6 の $\Delta U_1+\Delta U_2=3p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}}$ に、問7 の $\Delta U_1$ とこの $\Delta U_2$ を入れる。

$$\frac32(p_{\mathrm{D}}V_{\mathrm{D}}-p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}})+\frac32\left\{p_{\mathrm{D}}(4V_{\mathrm{A}}-V_{\mathrm{D}})-3p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}}\right\}=3p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}}$$

左辺の $p_{\mathrm{D}}V_{\mathrm{D}}$ が打ち消し合い、 $V_{\mathrm{D}}$ が消える。

$$\frac32\left(4p_{\mathrm{D}}V_{\mathrm{A}}-4p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}}\right)=3p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}}\qquad\therefore\ p_{\mathrm{D}}=\frac32p_{\mathrm{A}}$$

答 $\dfrac32p_{\mathrm{A}}$(5点)

(参考:問われていないが、第2室は断熱でゆっくり押されるので $pV^{5/3}=$ 一定。これに $p_{\mathrm{D}}=\dfrac32p_{\mathrm{A}}$ を入れると $V_{\mathrm{D}}=\left\{4-3\left(\dfrac23\right)^{3/5}\right\}V_{\mathrm{A}}\fallingdotseq1.65V_{\mathrm{A}}$。断熱変化の式は、この $V_{\mathrm{D}}$ を求めるときにだけ要る)

別解

問3(数直線)

2室は同種の単原子分子なので、1 mol あたりの内部エネルギーは温度だけで決まる。熱平衡の温度は、温度 $2T_{\mathrm{A}}$ の気体 $n$ と温度 $T_{\mathrm{A}}$ の気体 $3n$ の、物質量による重みつき平均。物質量の比 $1:3$ の逆比で、 $2T_{\mathrm{A}}$ と $T_{\mathrm{A}}$ の間を $3:1$ に分ける点が $T_{\mathrm{C}}$ なので、 $T_{\mathrm{A}}+\dfrac14T_{\mathrm{A}}=\dfrac54T_{\mathrm{A}}$。

問6(2室を合わせて1つの気体と見る)

容器は固いので、2室を合わせた気体は外に仕事をしない(隔壁がする仕事は2室の間のやりとりで、打ち消し合う)。外から入る熱はヒーターの $3p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}}$ だけなので、第一法則から $\Delta U_1+\Delta U_2=3p_{\mathrm{A}}V_{\mathrm{A}}$。

出題意図

問1・問2 状態方程式から物質量を求め、隔壁を固定した(定積の)加熱で、加えた熱が内部エネルギーの増加になることを捉えることができるか

問3〜問5 断熱された容器の中で2室が熱平衡になるとき、内部エネルギーの和が一定であることから、温度・熱・圧力を求めることができるか

問6〜問8 隔壁が動くとき、2室の圧力が等しく仕事が打ち消し合うことを捉え、内部エネルギーの変化を $pV$ で表して圧力を求めることができるか

講評

医学部医学科その他の学部
難易度やや簡単
目標得点40点35点
目標時間20分25分

状態方程式と熱力学第一法則に、「何が一定か」を最初に決める習慣があれば全部取れる、熱力学の典型問題。
隔壁が固定なら定積、動くなら「2室の圧力が等しく、全体の体積が一定」という決まった流れで解く。
差がつくのは問6の「2室の仕事が打ち消し合う」という見方だけで、隔壁が動いて第2室が押し縮められる様子を想像できれば難しくない。
断熱した2室の内部エネルギーの和が一定になる型と、片方を加熱する型は、白紙で再現できるまで練習して、医学部医学科は満点を取りに行こう。

差がつく所・失点しやすい所

  • 問6:差がつくとしたらここ。「隔壁が動く → 2室の圧力が等しく、全体の体積が一定 → 仕事が打ち消し合い、加えた熱は2室の $\Delta U$ の和になる」という発想に行き着けるか。ここを越えないと、問7・問8 の10点が続かない。
  • 問8:内部エネルギーを $\dfrac32pV$ で書き、2室を足すと $V_{\mathrm{D}}$ が消えると気づけるか。第2室の断熱変化の式から $V_{\mathrm{D}}$ を求めに行くと、計算が重くなって時間を失う。
  • 問3:容器が断熱で隔壁も固定なので、2室を合わせると内部エネルギーの和が一定、という発想に行き着けるか。物質量が $1:3$ であることを忘れて、単純平均の $\dfrac32T_{\mathrm{A}}$ にしない。

2015年九州大学・物理の
講評とまとめ

3問の難易度と目標得点をまとめると、次のとおりです。

大問難易度医学部医学科その他の学部
第1問標準35点30点
第2問標準40点35点
第3問やや簡単40点35点
全体標準105点90点

大問ごとの目標得点は、それぞれの大問を単体で解いたときの理想の点です。そのため、総合の目標点(医学部医学科で105点、その他の学部で90点)にはなりません。

標準的な年で、やや難の小問はなく、典型問題を白紙から再現できるかどうかで決まります。
第1問は円運動と運動量保存の組み合わせで、かなり解きやすく満点もねらえる大問です。
第2問は電磁誘導のよくある型で、後半の2本の棒とおもりの所が少し難しくなっています。
第3問は2室の気体の状態の変化を追っていくだけのやや簡単な大問です。
差がつくのは、第1問の相対速度の読み方と、第2問の問9です。

解く流れ

第3問 → 第1問 → 第2問。

2015年九州大学・物理に
関するよくある質問

2015年の九州大学・物理について、よく聞かれる質問にお答えします。

2015年の九州大学・物理は難しかった?

標準的な年でした。
第1問と第2問は標準、第3問はやや簡単で、やや難の小問はありません。
典型問題を白紙から再現できるかどうかで決まる年でした。

2015年の九州大学・物理は何点取れば合格できる?

目標点は、医学部医学科で105点、その他の学部で90点です(125点満点)。

2015年の九州大学・物理はどこで差がつく?

第3問は状態の変化を追えば取れる大問で、差がつくのは第1問と第2問の次の3つでした。

  • 第1問 問1 (4):小さい円では張力が最高点で最小になると気づき、糸がたるまない条件を求められたか。
  • 第1問 問2 (1):相対速度は放出直後の台に対するものだと読み、床から見た小球の速度を台の速度から $v$ を引いて表せたか。
  • 第2問 問9:3つの運動方程式を足すと、磁場の力と張力が内力として消えると気づけたか。
2015年の九州大学・物理は何が出題された?

大問ごとの単元は、次のとおりです。

  • 第1問:力学
  • 第2問:電磁気
  • 第3問:熱力学

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