【解説・採点基準付き】2005年九州大学文系数学の解答・解説
2005年の九州大学・文系数学の、
解答・解説【完全版】です。
方針の立て方・考え方はもちろん
オリジナルの採点基準付き。
このページで過去問演習が完結するので
赤本などは一切不要です。
※本記事の問題は、九州大学の入学試験問題から引用しています。
解答・解説は九大専門塾・竜文会が独自に作成したもので、九州大学が公表したものではありません。
2005年九州大学文系数学
第1問 解答・解説
この記事の配点・採点基準は九州大学が公表しているものではなく、竜文会が独自に作成したものです。
第1問は2次関数・図形と方程式・積分法・式と証明(数学Ⅱ)の問題です。
テーマは「放物線 $y=ax^2\ (x\geqq0)$ 上で定点 $\mathrm{A}$ に最も近い点 $\mathrm{P}$ と、放物線・ $y$ 軸・線分 $\mathrm{AP}$ で囲まれた図形の面積 $S(a)$ の最小値」。
問題


問題文をテキストで読む
$a$ を正の実数とし、点 $\mathrm{A}\left(0,\ a+\dfrac{1}{2a}\right)$ と曲線 $C:y=ax^2\ (x\geqq0)$ を考える。曲線 $C$ 上の点で、点 $\mathrm{A}$ との距離が最小となるものを $\mathrm{P}$ とする。このとき、次の問いに答えよ。
(1) 点 $\mathrm{P}$ の座標と線分 $\mathrm{AP}$ の長さを求めよ。
(2) 曲線 $C$ と $y$ 軸、および線分 $\mathrm{AP}$ で囲まれる図形の面積 $S(a)$ を求めよ。
(3) $a>0$ のとき、面積 $S(a)$ の最小値を求めよ。また、そのときの $a$ の値を求めよ。
解答の方針
【(1)の方針】
距離は2乗して考える。 $x$ は $x^2$ の形でしか出てこないので、 $x^2=u$ と置けば、 $u$ の2次関数として扱える。


- $C$ 上の点を $(x,\ ax^2)\ (x\geqq0)$ とおき、点 $\mathrm{A}$ との距離の2乗を $x$ で表す。
- $u=x^2$ とおいて $u\geqq0$ を確かめ、距離の2乗を $u$ の2次関数として平方完成する。
- 軸 $u=1$ が範囲 $u\geqq0$ に入ることから $d^2$ の最小を調べ、 $x\geqq0$ より $x=1$ として点 $\mathrm{P}$ の座標を求める。
- $\mathrm{AP}$ の長さを計算する。
【(2)の方針】
面積は $\displaystyle\int\{(\text{上})-(\text{下})\}\,dx$ の1行から書き始める。積分の区間は、(1) で求めた点 $\mathrm{P}$ の $x$ 座標で決まる。


- 2点 $\mathrm{A}$、 $\mathrm{P}$ を通る直線の式を求める。
- 線分 $\mathrm{AP}$ が上、 $C$ が下なので、「直線 $-$ 放物線」を $(1-x)$ でくくって積分の式にする。
- $S(a)=\displaystyle\int_0^1\{(\text{直線})-ax^2\}\,dx$ を計算する。
【(3)の方針】
$S(a)$ は $a$ と $\dfrac1a$ の項の和で、2つの項をかけると $a$ が消える。この形は、相加平均と相乗平均の関係で最小値を求める典型である。
- $a>0$ より $\dfrac23a>0$、 $\dfrac{1}{4a}>0$ であることを確かめる。
- 相加平均≧相乗平均から $S(a)\geqq2\sqrt{\dfrac23a\cdot\dfrac{1}{4a}}=\dfrac{\sqrt6}{3}$ とする。
- 等号が成り立つ条件 $\dfrac23a=\dfrac{1}{4a}$ を解いて $a=\dfrac{\sqrt6}{4}$ を求め、等号が実際に成り立つことを確かめて最小値とする。
解答


解答をテキストで読む
(1) 配点 20点
$C$ 上の点 $(x,\ ax^2)\ (x\geqq0)$ と点 $\mathrm{A}$ の距離を $d$ とすると
$$d^2=x^2+\left\{ax^2-\left(a+\dfrac{1}{2a}\right)\right\}^2$$
$u=x^2$ とおくと、 $x\geqq0$ より $u\geqq0$ である。 $ax^2-a=a(u-1)$ なので
$$d^2=u+\left\{a(u-1)-\dfrac{1}{2a}\right\}^2=u+a^2(u-1)^2-(u-1)+\dfrac{1}{4a^2}=a^2(u-1)^2+1+\dfrac{1}{4a^2}$$
$a^2>0$ で、軸 $u=1$ は範囲 $u\geqq0$ に入るので、 $d^2$ は $u=1$ のときだけ最小になる。 $x\geqq0$ より $x=1$ で、このとき $y=a$ 。よって $\mathrm{P}(1,\ a)$ であり
$$\mathrm{AP}=\sqrt{1+\dfrac{1}{4a^2}}=\sqrt{\dfrac{4a^2+1}{4a^2}}=\dfrac{\sqrt{4a^2+1}}{2a}\quad(a>0\ \text{より})$$
答 $\mathrm{P}(1,\ a)$、 $\mathrm{AP}=\dfrac{\sqrt{4a^2+1}}{2a}$
検算 $y=ax^2$ の $x=1$ での接線の傾きは $2a$ なので、 $\mathrm{P}(1,\ a)$ における法線は $y=-\dfrac{1}{2a}(x-1)+a$ 。 $x=0$ とすると $y=a+\dfrac{1}{2a}$ となり、法線は点 $\mathrm{A}$ を通る。距離が最小となる点では、線分 $\mathrm{AP}$ が $\mathrm{P}$ における接線に垂直になることと合っている。
(2) 配点 15点
直線 $\mathrm{AP}$ は $\mathrm{A}\left(0,\ a+\dfrac{1}{2a}\right)$、 $\mathrm{P}(1,\ a)$ を通るので、傾きは $a-\left(a+\dfrac{1}{2a}\right)=-\dfrac{1}{2a}$ で
$$y=-\dfrac{1}{2a}x+a+\dfrac{1}{2a}$$
「直線 $-$ 放物線」は $x=1$ で $0$ になるので、 $(1-x)$ でくくれて
$$\left(-\dfrac{1}{2a}x+a+\dfrac{1}{2a}\right)-ax^2=(1-x)\left(ax+a+\dfrac{1}{2a}\right)$$
図から、線分 $\mathrm{AP}$ が上、 $C$ が下にある。よって
$$S(a)=\int_0^1\left\{\left(-\dfrac{1}{2a}x+a+\dfrac{1}{2a}\right)-ax^2\right\}dx$$
$$S(a)=\left[-\dfrac{1}{4a}x^2+\left(a+\dfrac{1}{2a}\right)x-\dfrac{a}{3}x^3\right]_0^1=-\dfrac{1}{4a}+a+\dfrac{1}{2a}-\dfrac{a}{3}=\dfrac23a+\dfrac{1}{4a}$$
答 $S(a)=\dfrac23a+\dfrac{1}{4a}$
検算(台形から放物線の下を引く) $\mathrm{O}$、 $\mathrm{A}$、 $\mathrm{P}$、 $(1,\ 0)$ を頂点とする台形の面積は $\dfrac12\left\{\left(a+\dfrac{1}{2a}\right)+a\right\}\cdot1=a+\dfrac{1}{4a}$ 。放物線の下の部分は $\displaystyle\int_0^1ax^2\,dx=\dfrac{a}{3}$ 。差は $a+\dfrac{1}{4a}-\dfrac{a}{3}=\dfrac23a+\dfrac{1}{4a}$ で、本解と一致する。
(3) 配点 15点
$a>0$ より $\dfrac23a>0$、 $\dfrac{1}{4a}>0$ なので、相加平均と相乗平均の関係から
$$S(a)=\dfrac23a+\dfrac{1}{4a}\geqq2\sqrt{\dfrac23a\cdot\dfrac{1}{4a}}=2\sqrt{\dfrac16}=\dfrac{\sqrt6}{3}$$
等号が成り立つのは $\dfrac23a=\dfrac{1}{4a}$ のとき、すなわち $a^2=\dfrac38$ のときで、 $a>0$ より
$$a=\sqrt{\dfrac38}=\dfrac{\sqrt6}{4}$$
この $a$ は $a>0$ をみたすので、等号は実際に成り立つ。
答 最小値 $\dfrac{\sqrt6}{3}$ ( $a=\dfrac{\sqrt6}{4}$ のとき)
検算 $a=\dfrac{\sqrt6}{4}$ のとき、 $\dfrac23a=\dfrac{\sqrt6}{6}$、 $\dfrac{1}{4a}=\dfrac{1}{\sqrt6}=\dfrac{\sqrt6}{6}$ で2つの項が等しく、和は $\dfrac{\sqrt6}{3}$ 。
別解(数学Ⅲの範囲の微分) $S'(a)=\dfrac23-\dfrac{1}{4a^2}=\dfrac{8a^2-3}{12a^2}$ 。 $a>0$ では $S'(a)$ の符号は $8a^2-3$ の符号と同じで、 $0<a<\dfrac{\sqrt6}{4}$ で負、 $a>\dfrac{\sqrt6}{4}$ で正。よって $S(a)$ は $a=\dfrac{\sqrt6}{4}$ で最小値 $\dfrac{\sqrt6}{3}$ をとる。文系の範囲(数学Ⅱ)では $\dfrac1a$ の形の関数の微分は扱わないので、相加平均≧相乗平均が本解になる。
出題意図
(1) 曲線上の点と定点の距離を2乗して1つの文字の関数で表し、置きかえと平方完成で最小値を求めることができるか(教科書・チャートの例題レベル)
(2) 線分と放物線で囲まれた図形の面積を、定積分で求めることができるか
(3) 面積 $S(a)$ が「 $a$ と $\dfrac1a$ の和」の形になっていることに気づき、相加平均と相乗平均の関係で最小値を求めることができるか
講評
| 難易度 | 簡単 |
| 目標得点 | 50点 |
| 目標時間 | 20分 |
距離の最小、面積、相加平均と相乗平均の関係という、チャートの基本例題の型を3つつないだだけの問題です。
(1) は、 $a$ が定数で、座標の文字 $x$ が変数だと見分けるのが鍵になります。
$x^2=u$ と置けば、ただの $u$ の2次関数です。
簡単な問題なので、20分で50点を取りたいところです。
差がつく所・失点しやすい所
- 失点しやすい所:(1) で置きかえたあとの範囲 $u\geqq0$ を書かないこと、(3) で相加平均≧相乗平均を使ったあとに等号成立の確認を書かないこと。どちらも減点になる。
2005年九州大学文系数学
第2問 解答・解説
第2問は複素数と方程式・複素数平面の問題です。
テーマは「$z^2+tz+t=0$ の虚数解の軌跡と $w=\dfrac{iz}{z+1}$ の像」。
問題


問題文をテキストで読む
$t$ を実数とするとき、2次方程式 $z^2+tz+t=0$ について、次の問いに答えよ。
(1) この2次方程式が異なる2つの虚数解をもつような $t$ の範囲と、そのときの虚数解をすべて求めよ。
(2) (1) の虚数解のうち、その虚部が正のものを $z(t)$ で表す。 $t$ が (1) で求めた範囲を動くとき、複素数平面上で点 $z(t)$ が書く図形 $C$ を求め、図示せよ。
(3) 複素数平面上で、点 $z$ が (2) の図形 $C$ 上を動くとき、 $w=\dfrac{iz}{z+1}$ で表される点 $w$ が書く図形を求め、図示せよ。
解答の方針
【(1)の方針】
2次方程式が2つの虚数解をもつかどうかは、判別式の符号で決まる。
- 判別式 $t^2-4t$ が負になる $t$ の範囲を求める。
- 解の公式に当てはめて、2つの虚数解を書く。
【(2)の方針】
実部も虚部も $t$ の式なので、 $t$ を消せば軌跡の式になる。 $t$ の範囲が、図形のどの部分かを決める。


- 実部 $x$ と虚部 $y$ を $t$ で表し、 $t$ を消して $x$、 $y$ の関係式を出す。
- $0<t<4$ と $y>0$ から $x$、 $y$ の範囲を決め、図形の部分を答える。
【(3)の方針】
$C$ の中心は $-1$。 $u=z+1$ と置くと中心が原点にくるので、 $|u|=1$ を使って式が軽くなる。


- $u=z+1$ と置き、 $w$ を $u$ の式で表して、 $|u|=1$ から $\dfrac1u$ を $\bar u$ に直す。
- $u=\cos\varphi+i\sin\varphi$ と置いて $w$ の実部と虚部を出し、円の方程式を導く。
- $\varphi$ の範囲から、 $w$ が描く円の部分(両端を除く半円)を決めて答える。
解答


解答をテキストで読む
(1) 配点 15点
判別式を $D$ とすると、 $D=t^2-4t=t(t-4)$ である。
異なる2つの虚数解をもつのは $D<0$ のときなので、 $t(t-4)<0$ を解いて
$$0<t<4$$
このとき $\sqrt D=\sqrt{4t-t^2}\,i$ なので、解の公式から
$$z=\dfrac{-t\pm\sqrt{4t-t^2}\,i}{2}$$
答 $0<t<4$、虚数解は $z=\dfrac{-t\pm\sqrt{4t-t^2}\,i}{2}$
(2) 配点 15点
虚部が正のほうの解を、 $z(t)=x+yi$ ( $x$、 $y$ は実数)とおく。(1) より
$$x=-\dfrac t2,\quad y=\dfrac{\sqrt{4t-t^2}}{2}>0$$
$y$ の式を2乗して4倍すると $4y^2=4t-t^2$。ここへ $t=-2x$ を代入して
$$4y^2=-8x-4x^2$$
整理すると
$$(x+1)^2+y^2=1$$
$0<t<4$ と $x=-\dfrac t2$ から $-2<x<0$。さらに $y>0$ である。
答 $C$ は、点 $-1$ を中心とする半径1の円 $|z+1|=1$ の上半分(虚部が正の部分)で、両端の点 $0$、 $-2$ は含まない
(3) 配点 20点
$u=z+1$ とおく。 $z$ は $C$ 上にあるので、(2) より $|u|=1$ で、 $u$ の虚部は正である。 $z=u-1$ を代入して
$$w=\dfrac{i(u-1)}{u}=i\left(1-\dfrac1u\right)$$
$|u|=1$ から $u\bar u=1$ なので、 $\dfrac1u=\bar u$ となり
$$w=i(1-\bar u)$$
$u=\cos\varphi+i\sin\varphi\ (0<\varphi<\pi)$ とおくと、 $\bar u=\cos\varphi-i\sin\varphi$ だから
$$w=i(1-\cos\varphi+i\sin\varphi)=-\sin\varphi+(1-\cos\varphi)\,i$$
$w=X+Yi$ とおくと、 $X=-\sin\varphi$、 $Y=1-\cos\varphi$。したがって
$$X^2+(Y-1)^2=\sin^2\varphi+\cos^2\varphi=1$$
これは、 $w$ が点 $i$ を中心とする半径1の円の上にあることを表す。
$0<\varphi<\pi$ より $X=-\sin\varphi<0$。また、 $\varphi$ が $0$ から $\pi$ まで動くと、 $Y=1-\cos\varphi$ は $0$ から $2$ まで増える。つまり $w$ は、原点のそばを出て、点 $-1+i$ を通り、点 $2i$ のそばまで進む。
答 $w$ が描く図形は、点 $i$ を中心とする半径1の円 $|w-i|=1$ の左半分(実部が負の部分)で、両端の点 $0$、 $2i$ は含まない
(3)の別解(実数の計算だけで解く)
$u=z+1=p+qi$ ( $p$、 $q$ は実数)とおく。(2) の結果から $p^2+q^2=1$、 $q>0$ である。このとき
$$\dfrac1u=\dfrac{p-qi}{p^2+q^2}=p-qi$$
なので
$$w=i\left(1-\dfrac1u\right)=i(1-p+qi)=-q+(1-p)\,i$$
$w=X+Yi$ とおくと $X=-q$、 $Y=1-p$ だから
$$X^2+(Y-1)^2=q^2+p^2=1$$
$q>0$ から $X<0$。また $p$ は $-1<p<1$ のすべての値をとるので、 $Y=1-p$ も $0<Y<2$ のすべての値をとる。よって、左半分の半円(両端を除く)のすべての点が現れる。
出題意図
(1) 判別式の符号で虚数解をもつ条件を決め、解の公式で解を書き出す、基本の手順を確かめる問題。
(2) 実部と虚部を媒介変数 $t$ の式で表し、 $t$ を消して軌跡を出せるか。 $t$ の範囲から、図形のどの部分になるかまで答えに書き切れるかが問われる。
(3) 円が1次分数変換でどう移るかを、中心を原点に移す置きかえで処理できるか。端点を除く半円という範囲まで、落とさず答えられるかを見ている。
講評
| 難易度 | 標準 |
| 目標得点 | 30点 |
| 目標時間 | 30分 |
理系と共通の複素数平面の問題です。
今の文系では演習不要ですが、複素数は難しい問題も出るので、確実に合格をつかみたいなら基礎くらいはできておくと損はありません。
(1) は判別式、(2) は軌跡で素直に解け、(3) が少し解きにくい構成です。
今の文系の範囲にない単元なので、難易度は標準とし、30分で30点を目標にします。
差がつく所・失点しやすい所
- (2)(3) で、図形の範囲(上半分・左半分で両端を除く)まで書き切れるか:円全体を答えると減点される。(2) は $y>0$ と $-2<x<0$、(3) は $X<0$ と両端を除くことを、答案に書く。
- (3) で $u=z+1$ と置いて、円の中心を原点に移せるか: $C$ の中心が $-1$ だと見抜けば、 $|u|=1$ から逆数が共役複素数になり、計算が大きく軽くなる。 $z=x+yi$ のまま計算すると、式が重くなる。
- (3) を、 $z$ を $w$ で表して解く方法での範囲:円の方程式 $|w-i|=1$ までは出るが、「 $z$ の虚部が正」という条件を $w$ の言葉に直す所で止まりやすい。
2005年九州大学文系数学
第3問 解答・解説
第3問は指数・対数・三角関数・整数の問題です。
テーマは「ガウス記号を含む対数・三角関数の不等式」。
問題


問題文をテキストで読む
実数 $x$ に対して、 $[x]$ は $x$ を超えない最大の整数を表す。例えば、 $\left[\dfrac32\right]=1$、 $[2]=2$ である。このとき、 $0^\circ<\theta<180^\circ$ として次の問いに答えよ。ただし、必要なら $\sin\alpha=\dfrac{1}{2\sqrt2}$ となる角 $\alpha\ (0^\circ<\alpha<90^\circ)$ を用いてよい。
(1) 不等式 $\log_2\left[\dfrac52+\cos\theta\right]\leqq1$ を満たす $\theta$ の範囲を求めよ。
(2) 不等式 $\left[\dfrac32+\log_2\sin\theta\right]\geqq1$ を満たす $\theta$ の範囲を求めよ。
(3) 不等式 $\log_2\left[\dfrac52+\cos\theta\right]\leqq0\leqq\left[\dfrac32+\log_2\sin\theta\right]$ を満たす $\theta$ の範囲を求めよ。
解答の方針
【(1)の方針】
ガウス記号の中身は、とりうる値が1、2、3の3通りだけである。整数値ごとに $\theta$ の範囲を分ければ、ガウス記号は外れる。
- $-1<\cos\theta<1$ から $\dfrac52+\cos\theta$ の範囲を調べ、ガウス記号の値が $1,\ 2,\ 3$ のどれかであることを示す。
- 値が $1,\ 2,\ 3$ になる $\theta$ の範囲を、単位円でそれぞれ求める(境目の $60^\circ$、 $120^\circ$ の扱いに注意する)。
- $\log_2$ の底は1より大きいので、不等式をガウス記号の値の条件 $N\leqq2$ に直し、 $N=1,\ 2$ の範囲を合わせて答える。
【(2)の方針】
$[x]\geqq1$ は、 $x\geqq1$ と同じ意味になる。ガウス記号が外れれば、あとはふつうの対数不等式と三角不等式である。
- $[x]\geqq1\iff x\geqq1$ を確かめ、ガウス記号を外した不等式 $\dfrac32+\log_2\sin\theta\geqq1$ を作る。
- 底2は1より大きいことから、 $\sin\theta\geqq\dfrac{1}{\sqrt2}$ に直す。
- 単位円で $0^\circ<\theta<180^\circ$ の範囲を読んで答える。
【(3)の方針】
不等式の間に0があるので、左側と右側を別々に解いて重ねればよい。(1)(2) の境目の値が、1から0に変わっただけである。
- 左の不等式は、 $\log_2N\leqq0\iff N\leqq1$ から $N=1$ となるので、(1) の場合分けで $\theta$ の範囲を求める。
- 右の不等式は、 $[x]\geqq0\iff x\geqq0$ から $\sin\theta\geqq\dfrac{1}{2\sqrt2}=\sin\alpha$ に直し、 $\alpha\leqq\theta\leqq180^\circ-\alpha$ を求める。
- $\alpha<30^\circ$ を確かめて $180^\circ-\alpha$ と $120^\circ$ の大小を決め、2つの範囲を重ねて答える。
解答


解答をテキストで読む
(1) 配点 15点
$N=\left[\dfrac52+\cos\theta\right]$ とおく。 $0^\circ<\theta<180^\circ$ より $-1<\cos\theta<1$ なので
$$\frac32<\frac52+\cos\theta<\frac72$$
よって $N$ は $1,\ 2,\ 3$ のどれかである。
・$N=1$ $\dfrac32<\dfrac52+\cos\theta<2$ 、すなわち $\cos\theta<-\dfrac12$ のとき。 $120^\circ<\theta<180^\circ$
・$N=2$ $2\leqq\dfrac52+\cos\theta<3$ 、すなわち $-\dfrac12\leqq\cos\theta<\dfrac12$ のとき。 $60^\circ<\theta\leqq120^\circ$
・$N=3$ $3\leqq\dfrac52+\cos\theta<\dfrac72$ 、すなわち $\cos\theta\geqq\dfrac12$ のとき。 $0^\circ<\theta\leqq60^\circ$
$N\geqq1>0$ なので $\log_2N$ は定義される。底2は1より大きいので
$$\log_2N\leqq1=\log_22\iff N\leqq2$$
$N=1$ または $N=2$ の範囲を合わせて
答 $60^\circ<\theta<180^\circ$
$\theta=60^\circ$ のときは $\dfrac52+\cos\theta=3$ で $N=3$ 、 $\log_23>1$ なので含まない。 $\theta=120^\circ$ のときは $\dfrac52+\cos\theta=2$ で $N=2$ 、 $\log_22=1$ なので含む。
別解( $[x]\leqq2\iff x<3$ で一気に外す) $N\leqq2$ までは本解と同じ。 $[x]$ は整数で $[x]\leqq x<[x]+1$ なので、 $[x]\leqq2$ ならば $x<[x]+1\leqq3$ 。逆に $x<3$ ならば $[x]\leqq x<3$ で $[x]$ は整数なので $[x]\leqq2$ 。よって $[x]\leqq2\iff x<3$ で
$$N\leqq2\iff\frac52+\cos\theta<3\iff\cos\theta<\frac12\iff60^\circ<\theta<180^\circ$$
速く解けるが、等号の付け方( $x\leqq3$ ではなく $x<3$ )を間違えやすい。値の表を書く本解は (3) でもそのまま使える。
(2) 配点 15点
$x=\dfrac32+\log_2\sin\theta$ とおく( $0^\circ<\theta<180^\circ$ で $\sin\theta>0$ なので、 $\log_2\sin\theta$ は定義される)。
$[x]\geqq1$ ならば $x\geqq[x]\geqq1$ 。逆に $x\geqq1$ ならば、1は $x$ を超えない整数なので、その最大の $[x]$ は1以上である。よって
$$[x]\geqq1\iff x\geqq1$$
$$\frac32+\log_2\sin\theta\geqq1\iff\log_2\sin\theta\geqq-\frac12=\log_22^{-\frac12}$$
底2は1より大きいので
$$\sin\theta\geqq2^{-\frac12}=\frac{1}{\sqrt2}$$
$0^\circ<\theta<180^\circ$ でこれを満たすのは
答 $45^\circ\leqq\theta\leqq135^\circ$
(3) 配点 20点
不等式は、 $\log_2N\leqq0$ …① と $0\leqq\left[\dfrac32+\log_2\sin\theta\right]$ …② の連立である。
①:底2は1より大きいので $\log_2N\leqq0=\log_21\iff N\leqq1$ 。(1) より $N\geqq1$ なので $N=1$ で、(1) の場合分けから
$$120^\circ<\theta<180^\circ$$
②: $x=\dfrac32+\log_2\sin\theta$ とおく。(2) と同様に、 $[x]\geqq0$ ならば $x\geqq[x]\geqq0$ 、逆に $x\geqq0$ ならば0は $x$ を超えない整数なので $[x]\geqq0$ 。よって $[x]\geqq0\iff x\geqq0$ で
$$\begin{aligned}&\frac32+\log_2\sin\theta\geqq0\\&\iff\log_2\sin\theta\geqq-\frac32\\&\iff\sin\theta\geqq2^{-\frac32}=\frac{1}{2\sqrt2}=\sin\alpha\end{aligned}$$
$0^\circ<\alpha<90^\circ$ なので、 $0^\circ<\theta<180^\circ$ でこれを満たすのは
$$\alpha\leqq\theta\leqq180^\circ-\alpha$$
ここで $\sin\alpha=\dfrac{1}{2\sqrt2}<\dfrac12=\sin30^\circ$ で、 $0^\circ<\theta<90^\circ$ では $\sin\theta$ は増加するので $\alpha<30^\circ$ 。よって、 $180^\circ-\alpha$ は $150^\circ$ より大きく、 $120^\circ$ を超える。
①と②の範囲を重ねて
答 $120^\circ<\theta\leqq180^\circ-\alpha$
(確かめ: $\alpha\fallingdotseq20.7^\circ$ で、 $\theta=150^\circ$ のとき $N=1$ 、 $\sin\theta=\dfrac12$ で $\dfrac32+\log_2\dfrac12=\dfrac12$ 、右辺は0なので成り立つ。 $\theta=170^\circ$ のときは $\sin\theta\fallingdotseq0.17<\dfrac{1}{2\sqrt2}$ で右辺は負になり、成り立たない)
出題意図
(1) ガウス記号の値は整数だと見抜き、とりうる値ごとに場合分けして外せるか。
(2) ガウス記号と整数の大小の言いかえ $[x]\geqq1\iff x\geqq1$ を正しく使い、ふつうの対数不等式・三角不等式に直せるか。
(3) (1)(2) と同じ手順を、境目を1から0にかえて実行し、等号の有無まで正確に答えられるか。
講評
| 難易度 | 標準 |
| 目標得点 | 30点 |
| 目標時間 | 30分 |
ガウス記号の問題で、とりうる整数値ごとに場合分けしていけば解けるので、標準としました。
ガウス記号・対数・三角関数が重なって難しそうに見えますが、中身は「ガウス記号の値で場合分け」「対数不等式」「三角不等式」というチャートの例題の組み合わせです。
ガウス記号は文系の受験生が苦手にしやすい単元なので、ここで30点を取れるかが、この年の合否の分かれ目になります。
差がつく所・失点しやすい所
- ガウス記号を値で場合分けし、丁寧に (3) まで解き切れるか:標準の問題だが、ここで30点を取れるかが、この年の合否の分かれ目になる。
- ガウス記号が整数であることから、場合分けの発想に行き着けるか:ガウス記号は文系の受験生が苦手にしやすく、見ただけで手が止まりやすい。気づけば、あとは教科書レベルの三角不等式になる。
- 境目の等号:(1) の $\theta=60^\circ$ は $N=3$ なので含まない、(3) の $\theta=120^\circ$ は $N=2$ なので含まない。ガウス記号の値が切りかわる所で失点しやすい。
2005年九州大学文系数学
第4問 解答・解説
第4問は場合の数・確率の問題です。
テーマは「さいころを4回投げたときの目の大小の確率と、目が初めて増えなくなる位置 $k$ の期待値」。
問題


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1つのさいころを4回投げて、出た目の数を順に $x_1$、 $x_2$、 $x_3$、 $x_4$ とする。このとき次の問いに答えよ。
(1) $x_1<x_2$ となる確率を求めよ。
(2) $x_1<x_2<x_3$ となる確率を求めよ。
(3) $x_1<x_2$ かつ $x_2\geqq x_3$ となる確率を求めよ。
(4) $x_k\geqq x_{k+1}$ となる最小の自然数 $k$ の期待値を求めよ。ただし、 $x_1<x_2<x_3<x_4$ のときは $k=4$ と定める。
解答の方針
各小問に関係するのは最初の何回かの目だけ。目が増え続ける形は、「1〜6から異なる数を選び、小さい順に置く」と言いかえて、組合せで数える。


【(1)の方針】
$x_1$、 $x_2$ の2回だけを見ればよい。異なる2つの目を選べば、小さいほうが $x_1$ と決まる。
- 全体は $6^2=36$ 通り。異なる2つの目を選んで小さいほうを $x_1$ と置くので、 $x_1<x_2$ となる組は ${}_6\mathrm{C}_2=15$ 通りと数える。
- $\dfrac{15}{36}$ を約分して、確率を求める。
【(2)の方針】
(1) と同じく、異なる3つの目を選べば、小さい順に $x_1$、 $x_2$、 $x_3$ と決まる。
- 全体は $6^3=216$ 通り。異なる3つの目を選んで小さい順に置くので、 $x_1<x_2<x_3$ となる組は ${}_6\mathrm{C}_3=20$ 通りと数える。
- $\dfrac{20}{216}$ を約分して、確率を求める。
【(3)の方針】
「 $x_2\geqq x_3$ 」は「 $x_2<x_3$ でない」ことだと捉えれば、(1)(2) の結果を引き算で使える。
- 求める場合を、「 $x_1<x_2$ 」の場合から「 $x_1<x_2<x_3$ 」の場合を除いたものと整理する。
- 全体216通りのうち、「 $x_1<x_2$ 」は $15\times6=90$ 通り、「 $x_1<x_2<x_3$ 」は (2) の20通りと数える。
- 差の70通りから、確率を求めて約分する。
【(4)の方針】
$k$ は「目が初めて増えなくなる位置」。 $k=1,\ 2,\ 3,\ 4$ のそれぞれを言葉にすれば、(1)〜(3) と同じ数え方で確率が求まる。
- $k=1,\ 2,\ 3,\ 4$ のそれぞれを、目の大小の条件で言葉にして表に整理する。
- $k=1$ は (1) の余事象、 $k=2$ は (3) そのもの、 $k=3$ と $k=4$ は (2) と同じ数え方で、4つの確率を求める。
- 4つの確率の和が1になることを確かめてから、(値)×(確率)の和で期待値を計算する。
解答


解答をテキストで読む
さいころの目の出方は、どの回も1〜6の6通りが同様に確からしい。各小問では関係する回の目だけを考え、全体を $6^n$ 通り( $n$ は関係する回数)として数える。
(1) 配点 10点
$x_1$、 $x_2$ の目の出方は全部で $6^2=36$ 通り。
1〜6から異なる2つの数を選び、小さい方を $x_1$ 、大きい方を $x_2$ とすれば、 $x_1<x_2$ となる組が1つ決まる。逆に $x_1<x_2$ となる組からは、選んだ2つの数が1つに決まる。よって、 $x_1<x_2$ となる組は ${}_6\mathrm{C}_2=15$ 通り。
求める確率は
$$\dfrac{15}{36}=\dfrac{5}{12}$$
答 $\dfrac{5}{12}$
(確かめ: $x_1=x_2$ となる確率は $\dfrac{6}{36}=\dfrac16$ 。 $x_1<x_2$ と $x_1>x_2$ は対称性より同じ確率なので、 $\dfrac12\left(1-\dfrac16\right)=\dfrac{5}{12}$ で一致する)
(2) 配点 10点
$x_1$、 $x_2$、 $x_3$ の目の出方は全部で $6^3=216$ 通り。
1〜6から異なる3つの数を選び、小さい順に $x_1$、 $x_2$、 $x_3$ とすれば、 $x_1<x_2<x_3$ となる組が1つ決まり、逆も1つに決まる。
よって、 $x_1<x_2<x_3$ となる組は ${}_6\mathrm{C}_3=20$ 通り。
求める確率は
$$\dfrac{20}{216}=\dfrac{5}{54}$$
答 $\dfrac{5}{54}$
(3) 配点 12点
$x_1$、 $x_2$、 $x_3$ の目の出方 216 通りで考える。
「 $x_2\geqq x_3$ 」は「 $x_2<x_3$ でない」ことなので、「 $x_1<x_2$ かつ $x_2\geqq x_3$ 」となるのは、「 $x_1<x_2$ 」となる場合から「 $x_1<x_2<x_3$ 」となる場合を除いたものである。
「 $x_1<x_2$ 」となるのは、 $x_1$、 $x_2$ が (1) の15通りのどれかで、 $x_3$ は何でもよいので
$$15\times6=90\ \text{通り}$$
このうち「 $x_1<x_2<x_3$ 」となるのは (2) の20通り。
よって、求める場合は $90-20=70$ 通りで、確率は
$$\dfrac{70}{216}=\dfrac{35}{108}$$
答 $\dfrac{35}{108}$
(確かめ:確率で書くと $\dfrac{5}{12}-\dfrac{5}{54}=\dfrac{45}{108}-\dfrac{10}{108}=\dfrac{35}{108}$ で一致する)
(4) 配点 18点
$k$ は、目が初めて増えなくなる位置である。 $x_1<x_2<x_3<x_4$ のときは $k=4$ と定めるので、 $k$ のとりうる値は $1,\ 2,\ 3,\ 4$ で、それぞれ次の状況になる。
| $k$ | 状況 |
|---|---|
| $1$ | $x_1\geqq x_2$ |
| $2$ | $x_1<x_2$ かつ $x_2\geqq x_3$ |
| $3$ | $x_1<x_2<x_3$ かつ $x_3\geqq x_4$ |
| $4$ | $x_1<x_2<x_3<x_4$ |
4回の目の出方 $6^4=1296$ 通りで考えてもよいが、各値の確率は、関係する回の目だけで求める。
$k=1$ :「 $x_1\geqq x_2$ 」は「 $x_1<x_2$ でない」ことなので、(1) の余事象で
$$P(k=1)=1-\dfrac{5}{12}=\dfrac{7}{12}$$
$k=2$ :(3) そのものなので
$$P(k=2)=\dfrac{35}{108}$$
$k=3$ :(3) と同じ考え方で、「 $x_1<x_2<x_3$ 」となる場合( $x_1$、 $x_2$、 $x_3$ が (2) の20通りのどれかで、 $x_4$ は何でもよいので $20\times6=120$ 通り)から、「 $x_1<x_2<x_3<x_4$ 」となる場合(1〜6から異なる4つを選ぶ ${}_6\mathrm{C}_4=15$ 通り)を除いて $105$ 通り。よって
$$P(k=3)=\dfrac{105}{1296}=\dfrac{35}{432}$$
$k=4$ :1〜6から異なる4つを選び、小さい順に並べるので ${}_6\mathrm{C}_4=15$ 通り。よって
$$P(k=4)=\dfrac{15}{1296}=\dfrac{5}{432}$$
分母を432にそろえると
$$P(k=1)=\dfrac{252}{432},\quad P(k=2)=\dfrac{140}{432},\quad P(k=3)=\dfrac{35}{432},\quad P(k=4)=\dfrac{5}{432}$$
で、和は $\dfrac{252+140+35+5}{432}=1$ となり、確率の和が1になることが確かめられる。
求める期待値は
$$1\cdot\dfrac{252}{432}+2\cdot\dfrac{140}{432}+3\cdot\dfrac{35}{432}+4\cdot\dfrac{5}{432}=\dfrac{252+280+105+20}{432}=\dfrac{657}{432}=\dfrac{73}{48}$$
答 $\dfrac{73}{48}$
別解((4) を「 $k$ が $j$ 以上になる確率」の和で求める) $k\geqq j$ ( $j=1,\ 2,\ 3,\ 4$ )となるのは、目が $x_j$ まで増え続けるとき、すなわち $x_1<x_2<\cdots<x_j$ のときである( $j=1$ のときは必ず起こる)。期待値は
$$1\cdot P(k=1)+2\cdot P(k=2)+3\cdot P(k=3)+4\cdot P(k=4)=P(k\geqq1)+P(k\geqq2)+P(k\geqq3)+P(k\geqq4)$$
と書きかえられる( $P(k=j)$ が $P(k\geqq1)$ から $P(k\geqq j)$ までの $j$ 個に1回ずつ含まれるため)。よって
$$1+\dfrac{{}_6\mathrm{C}_2}{6^2}+\dfrac{{}_6\mathrm{C}_3}{6^3}+\dfrac{{}_6\mathrm{C}_4}{6^4}=1+\dfrac{5}{12}+\dfrac{5}{54}+\dfrac{5}{432}=\dfrac{432+180+40+5}{432}=\dfrac{657}{432}=\dfrac{73}{48}$$
検算 4回の目の出方 1296 通りをすべて書き出して数えると、 $x_1<x_2$ は540通り、 $x_1<x_2<x_3$ は120通り、「 $x_1<x_2$ かつ $x_2\geqq x_3$ 」は420通りで、それぞれ $\dfrac{540}{1296}=\dfrac{5}{12}$、 $\dfrac{120}{1296}=\dfrac{5}{54}$、 $\dfrac{420}{1296}=\dfrac{35}{108}$ 。 $k=1,\ 2,\ 3,\ 4$ となるのは順に756通り、420通り、105通り、15通り(合計1296通り)で、 $k$ の値の合計は $756+840+315+60=1971$ 。期待値は $\dfrac{1971}{1296}=\dfrac{73}{48}$ で、すべて一致する。
出題意図
- 目の大小関係の条件を「1〜6から異なる数を選び、小さい順に置く」と言いかえ、組合せで数えることができるか(教科書・チャートの基本)。
- (3) の「 $x_2\geqq x_3$ 」が「 $x_2<x_3$ でない」ことだと捉え、(1)(2) の結果を使って求められるか。
- (4) の $k$ を「目が初めて増えなくなる位置」と言葉にして、 $k=1,\ 2,\ 3,\ 4$ のそれぞれがどういう状況かを整理し、確率を全部求めることができるか。
講評
| 難易度 | 標準 |
| 目標得点 | 30点 |
| 目標時間 | 30分 |
(1)(2) は「1〜6から選んで小さい順に置く」と言いかえるだけで、(3) はその結果の活用です。
(4) の $k$ は見慣れない設定で少し難しいので、標準としました。
30分で30点を目標にし、(4) だけは落としてもかまいません。
差がつく所・失点しやすい所
- (4) で、 $k$ を「目が初めて増えなくなる位置」と状況を言葉にして整理できるか: $k=1,\ 2,\ 3,\ 4$ のそれぞれを目の大小の条件で書ければ、(1)〜(3) と同じ数え方で確率が求まる。ここを整理できないと (4) はほぼ得点にならない。
- 失点しやすい所:「 $\geqq$ 」の等号を落とし、 $P(k=1)$ を「 $x_1>x_2$ 」の $\dfrac{5}{12}$ にしてしまう所。確率の和が1になるかを確かめれば防げる。
2005年九州大学・文系数学の
講評とまとめ
4問の難易度と目標得点をまとめると、次のとおりです。
| 大問 | 難易度 | 目標点 |
|---|---|---|
| 第1問 | 簡単 | 50点 |
| 第2問 | 標準 | 30点 |
| 第3問 | 標準 | 30点 |
| 第4問 | 標準 | 30点 |
| 全体 | 標準 | 140点 |
標準的な年でした。
後半に解きにくい問題が多いですが、第1問で確実に50点を取って食らいつけば、目標の140点が見えてきます。
複素数平面(第2問)は今の文系では演習不要ですが、基礎くらいはできておくと損はありません。
解く流れ
- 第1問→第4問→第3問→第2問(取りやすい問題を先に確実に取り、難しい問題は最後に回す)
- 目標時間の合計は110分(第1問20分・第2問30分・第3問30分・第4問30分)。残りの10分は見直しと予備。
2005年九州大学・文系数学に
関するよくある質問
2005年の九州大学・文系数学について、よく聞かれる質問にお答えします。
- 2005年の九州大学・文系数学は難しかった?
-
標準の年でした。
第1問は放物線上の最短距離と面積の最小で簡単、第2問の複素数の軌跡、第3問のガウス記号を含む不等式、第4問のさいころの目の大小と期待値は、いずれも標準です。
第2問は当時の文系に出題された複素数平面で、今の文系には範囲外ですが、中身は軌跡の基本問題です。 - 2005年の九州大学・文系数学は何点取れば合格できる?
-
目標点は140点です(200点満点)。
- 2005年の九州大学・文系数学はどこで差がつく?
-
第1問は満点を取っておきたいところです。そのうえで、差がつくのは次の3つです。
- 第3問:ガウス記号が整数であることを使い、値ごとに場合分けして外せたか。(1) の $\theta=60^\circ$ と (3) の $\theta=120^\circ$ のように、境目の等号を1つずつ確かめて (3) まで解き切れたか。
- 第2問 (2)(3):図形の範囲まで書き切れたか。(2) は上半分、(3) は左半分で、どちらも両端を除く。円全体と答えると減点になる。
- 第4問 (4): $k$ を「目が初めて増えなくなる位置」と言葉にして、 $k=1,2,3,4$ のそれぞれの状況を整理できたか。「 $\geqq$ 」の等号を落とさないこと。
- 2005年の九州大学・文系数学は何が出題された?
-
大問ごとの単元は、次のとおりです。
- 第1問:2次関数・図形と方程式・積分法・式と証明(数学Ⅱ)
- 第2問:複素数と方程式・複素数平面
- 第3問:指数・対数・三角関数・整数
- 第4問:場合の数・確率


