【解説・採点基準付き】2004年九州大学文系数学の解答・解説

2004年の九州大学・文系数学の、
解答・解説【完全版】です。

方針の立て方・考え方はもちろん
オリジナルの採点基準付き。

このページで過去問演習が完結するので
赤本などは一切不要です。

※本記事の問題は、九州大学の入学試験問題から引用しています。
解答・解説は九大専門塾・竜文会が独自に作成したもので、九州大学が公表したものではありません。

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中原 遼太郎

九大受験に特化した学習塾
『竜文会』代表

『竜文会』開校後、初年度には国立大学医学部や九州大学に合格者を輩出。

2年目には旧帝大医学部にも合格!

九州大学の過去問を20年分以上分析して指導カリキュラムを作成。

九州大学医学部に現役合格した経験を生かして、『学習計画の作成』や『LINEでのいつでも相談』による1人1人のサポート・九州大学に特化したハイレベルな演習で「九大受験生」をサポート。

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目次

2004年九州大学文系数学
第1問 解答・解説

この記事の配点・採点基準は九州大学が公表しているものではなく、竜文会が独自に作成したものです。

第1問は微分法・積分法(数学Ⅱ)・絶対値のついた関数のグラフの問題です。
テーマは「放物線と折れ線 $y=|x|-2$ の交点、交点での接線と折れ線のもう1つの交点、接線・放物線・折れ線で囲まれた図形の面積」。

問題

2004年九州大学文系数学 第1問 問題
2004年九州大学文系数学 第1問 問題
問題文をテキストで読む

2つの関数 $f(x)=-px^2+2\ (p>0)$、 $g(x)=|x|-2$ が与えられていて、放物線 $y=f(x)$ が2点 $(-3\sqrt2,0)$、 $(3\sqrt2,0)$ を通るとする。

(1) $p$ の値を求めよ。

(2) $y=f(x)$ と $y=g(x)$ の交点をすべて求めよ。

(3) (2)で求めた交点のうち、 $x$ 座標が最小となる点を $\mathrm{A}(a,f(a))$ とする。このとき、点 $\mathrm{A}$ における $y=f(x)$ の接線 $y=h(x)$ を求めよ。また、この接線 $y=h(x)$ と $y=g(x)$ の、点 $\mathrm{A}$ とは異なる、交点 $\mathrm{B}(b,g(b))$ を求めよ。

(4) 次の連立不等式の定める図形の面積を求めよ。

$$a\leqq x\leqq b,\quad y\leqq h(x),\quad y\geqq f(x),\quad y\geqq g(x)$$

解答の方針

【(1)の方針】

着眼点

放物線が通る点の座標を代入すれば、 $p$ の方程式になる。

  1. $f(3\sqrt2)=0$ に代入して $-18p+2=0$ を作り、 $p$ を求める。

【(2)の方針】

着眼点

絶対値は、中身のグラフを書いて折り返すとイメージしやすい。式にするときは、中身 $x$ の符号で場合分けする。

2004年九州大学文系数学 第1問 解答の方針の図
2004年九州大学文系数学 第1問 解答の方針の図
  1. (1) から $f(x)$ を決め、 $y=g(x)$ のグラフを書いたうえで、 $x\geqq0$ では $g(x)=x-2$ として $f(x)=g(x)$ を解き、範囲に合う解を選ぶ。
  2. $x<0$ では $g(x)=-x-2$ として同じように解き、 $x<0$ を満たす解を選ぶ。
  3. それぞれの $x$ を代入して交点の座標を求め、 $y$ 軸について対称になっていることで検算する。

【(3)の方針】

着眼点

接線は接点から作る。折れ線との交点は、左の線と右の線に分けて連立する。

2004年九州大学文系数学 第1問 解答の方針の図
2004年九州大学文系数学 第1問 解答の方針の図
  1. (2) から $\mathrm{A}(-3,1)$ とし、 $f'(-3)=\dfrac23$ を求めて、接線の公式で $h(x)$ を求める。
  2. $x<0$ では $h(x)=-x-2$ を解き、交点が A だけであることを確かめる。
  3. $x\geqq0$ では $h(x)=x-2$ を解き、B の座標を求める。

【(4)の方針】

着眼点

面積は図を書いて、上と下の境界を確かめる。下の境界が途中で入れかわるので、そこで区間を分ける。

2004年九州大学文系数学 第1問 解答の方針の図
2004年九州大学文系数学 第1問 解答の方針の図
  1. $h(x)-f(x)$ を計算して因数分解し、接線が放物線の上にあることを確かめる。
  2. $f(x)$ と $g(x)$ 、 $h(x)$ と $g(x)$ の大小を調べ、下の境界が $x=3$ で入れかわることを確かめる。
  3. 区間を $-3\leqq x\leqq3$ と $3\leqq x\leqq15$ に分けて、面積 $S$ を2つの積分の和で書く。
  4. 1つ目は $\dfrac19(x+3)^2$ を塊のまま積分して、 $8$ を得る。
  5. 2つ目は三角形の面積として、 $24$ を得る。
  6. 2つを足して、 $S=32$ と答える。

解答

2004年九州大学文系数学 第1問 解答・解説
2004年九州大学文系数学 第1問 解答・解説
2004年九州大学文系数学 第1問 解答・解説(続き)
2004年九州大学文系数学 第1問 解答・解説(続き)
解答をテキストで読む

(1) 配点 5点

放物線 $y=f(x)$ は点 $(3\sqrt2,0)$ を通るので

$$-p(3\sqrt2)^2+2=0\quad\text{すなわち}\quad -18p+2=0$$

よって $p=\dfrac19$ (これは $p>0$ を満たす)。 $f(x)$ は $x^2$ と定数だけの式なので、点 $(-3\sqrt2,0)$ も通る。

答 $p=\dfrac19$

(2) 配点 10点

(1) より

$$f(x)=-\dfrac19x^2+2$$

$y=g(x)$ のグラフは、中身 $y=x$ のグラフの $x<0$ の部分( $y<0$ の部分)を $x$ 軸で折り返して $y=|x|$ とし、それを $y$ 軸方向に $-2$ だけ平行移動した折れ線である。

(i) $x\geqq0$ のとき  $g(x)=x-2$ なので、 $-\dfrac19x^2+2=x-2$ より

$$x^2+9x-36=0\qquad (x+12)(x-3)=0$$

$x\geqq0$ より $x=3$ で、 $y=3-2=1$。

(ii) $x<0$ のとき  $g(x)=-x-2$ なので、 $-\dfrac19x^2+2=-x-2$ より

$$x^2-9x-36=0\qquad (x+3)(x-12)=0$$

$x<0$ より $x=-3$ で、 $y=-(-3)-2=1$。

$f(x)$ も $g(x)$ も $x$ を $-x$ にかえても値が変わらない(グラフが $y$ 軸について対称)ので、交点も $y$ 軸について対称になり、(i)(ii) の結果と合う。

答 $(3,\ 1)$、 $(-3,\ 1)$

(3) 配点 15点

(2) の交点のうち $x$ 座標が最小のものは $(-3,\ 1)$ なので、 $\mathrm{A}(-3,\ 1)$、 $a=-3$ である。

$f'(x)=-\dfrac29x$ より $f'(-3)=\dfrac23$ なので、点 A における接線は

$$h(x)=\dfrac23(x+3)+1=\dfrac23x+3$$

$y=h(x)$ と $y=g(x)$ の交点を、折れ線の左右の線に分けて求める。

(i) $x<0$ のとき  $\dfrac23x+3=-x-2$ より $\dfrac53x=-5$、 $x=-3$。これは点 A である。

(ii) $x\geqq0$ のとき  $\dfrac23x+3=x-2$ より $\dfrac13x=5$、 $x=15$。これは $x\geqq0$ を満たし、 $y=15-2=13$。

よって、A と異なる交点は $\mathrm{B}(15,\ 13)$ で、 $b=15$ である。

答 $h(x)=\dfrac23x+3$、 $\mathrm{B}(15,\ 13)$

検算  $h(15)=10+3=13$、 $g(15)=15-2=13$ で一致する。接線の傾き $\dfrac23$ は右の線の傾き $1$ より小さいので、右の線とは必ず1回だけ交わることも図と合う。

(4) 配点 20点

$a=-3$、 $b=15$ である。まず、3つのグラフの上下を調べる。

接線と放物線の差は

$$h(x)-f(x)=\dfrac19x^2+\dfrac23x+1=\dfrac19(x+3)^2\geqq0$$

なので、接線 $y=h(x)$ はつねに放物線 $y=f(x)$ の上にある( $x=-3$ で接する)。

次に、(2) の計算から

・$0\leqq x\leqq15$ では $f(x)-g(x)=-\dfrac19(x^2+9x-36)=-\dfrac19(x+12)(x-3)$ なので、 $0\leqq x\leqq3$ で $f(x)\geqq g(x)$、 $3\leqq x\leqq15$ で $g(x)\geqq f(x)$

・$-3\leqq x<0$ では $f(x)-g(x)=-\dfrac19(x^2-9x-36)=-\dfrac19(x+3)(x-12)\geqq0$

よって、下の境界は $-3\leqq x\leqq3$ では放物線 $y=f(x)$、 $3\leqq x\leqq15$ では折れ線 $y=g(x)$ になる。また

・$-3\leqq x<0$ では $h(x)-g(x)=\dfrac23x+3-(-x-2)=\dfrac53(x+3)\geqq0$

・$0\leqq x\leqq15$ では $h(x)-g(x)=\dfrac23x+3-(x-2)=\dfrac13(15-x)\geqq0$

なので、 $-3\leqq x\leqq15$ で $h(x)$ はつねに $f(x)$、 $g(x)$ の大きい方以上である。

したがって、求める図形は、 $-3\leqq x\leqq3$ では放物線と接線の間の部分 $S_1$、 $3\leqq x\leqq15$ では折れ線と接線の間の部分 $S_2$ を合わせたもので、その面積を $S$ とすると

$$S=\int_{-3}^{3}\{h(x)-f(x)\}\,dx+\int_{3}^{15}\{h(x)-g(x)\}\,dx=\int_{-3}^{3}\dfrac19(x+3)^2\,dx+\int_{3}^{15}\dfrac13(15-x)\,dx$$

1つ目は、 $(x+3)^2$ を塊のまま積分して

$$\int_{-3}^{3}\dfrac19(x+3)^2\,dx=\left[\dfrac{1}{27}(x+3)^3\right]_{-3}^{3}=\dfrac{6^3}{27}=8$$

2つ目は、頂点が $(3,\ 1)$、 $(3,\ 5)$、 $\mathrm{B}(15,\ 13)$ の三角形の面積である。底辺を直線 $x=3$ 上の長さ $h(3)-g(3)=5-1=4$ とみると、高さは $15-3=12$ なので

$$\int_{3}^{15}\dfrac13(15-x)\,dx=\dfrac12\cdot4\cdot12=24$$

よって

$$S=8+24=32$$

答 $32$

検算 2つ目を積分で計算すると $\left[-\dfrac16(15-x)^2\right]_{3}^{15}=\dfrac16\cdot12^2=24$ で、三角形の面積と一致する。

別解(大きな三角形から、放物線と弦の間の図形を引く)  $\mathrm{C}(3,\ 1)$ とする。求める図形は、三角形 ABC から、弦 AC(直線 $y=1$ )と放物線で囲まれた図形を除いたものである。三角形 ABC は底辺 $\mathrm{AC}=6$( $x$ 軸に平行)で、高さは B と AC の $y$ 座標の差 $13-1=12$ なので、面積は $\dfrac12\cdot6\cdot12=36$。弦 AC と放物線の間の図形は、 $f(x)-1=-\dfrac19(x+3)(x-3)$ より $\dfrac16$ 公式で

$$\int_{-3}^{3}\left\{f(x)-1\right\}dx=\int_{-3}^{3}\left(-\dfrac19\right)(x+3)(x-3)\,dx=\dfrac19\cdot\dfrac{6^3}{6}=4$$

よって $S=36-4=32$ で、本解と同じになる。公式で求められる図形の足し引きに分ける見方で、検算にも使える。

出題意図

(1)(2) 絶対値のついた関数 $y=|x|-2$ のグラフを折れ線として捉え、放物線との交点を、絶対値の中身の符号で場合分けして求めることができるか(教科書・チャートの例題レベル)

(3) 放物線の接線を接点から作り、折れ線との交点を、折れ線の左右の線ごとに連立して求めることができるか

(4) 3つの不等式が表す図形をグラフで正しく読み取り、下の境界が入れかわる所で区間を分けて、面積を求めることができるか

講評

難易度簡単
目標得点50点
目標時間15分

簡単な問題で、15分で50点を取りたいところです。
絶対値のグラフ、接線、面積という、チャートの基本例題の型を3つつないだだけで、問題を見た瞬間に答えまでの道筋が浮かぶ出題です。
注意点は、(4) で下の境界が $x=3$ で放物線から折れ線に入れかわることと、(2)(3) で場合分けの範囲に合わない解を除くことの2つだけです。

差がつく所・失点しやすい所

  • 失点しやすい所:(4) で図を書かずに、下の境界が $x=3$ で放物線から折れ線に入れかわることに気づかないまま、 $-3\leqq x\leqq15$ 全体で $h(x)-f(x)$ を積分してしまう所。
  • 失点しやすい所:(2)(3) で絶対値を外したあと、場合分けの範囲( $x\geqq0$ 、 $x<0$ )で解を選ばずに $x=-12$ や $x=12$ を答えに残す所。

2004年九州大学文系数学
第2問 解答・解説

第2問は複素数平面・三角関数の問題です。
テーマは「単位円上の点 $z$ に対し、 $\beta=z-1$ を2倍角で極形式に直して絶対値と偏角を求め、 $\theta=60^\circ$ のとき $\alpha^m\beta^n$ の虚部の最小値を求める」。

問題

2004年九州大学文系数学 第2問 問題
2004年九州大学文系数学 第2問 問題
問題文をテキストで読む

複素数平面上に複素数 $z=\cos\theta+i\sin\theta\ (0^\circ<\theta<180^\circ)$ をとり、 $\alpha=z+1$、 $\beta=z-1$ とおく。

(1) $|\beta|=2\sin\left(\dfrac{\theta}{2}\right)$ を示せ。

(2) $\arg\beta=\dfrac{\theta}{2}+90^\circ$ を示せ。ただし、 $0^\circ\leqq\arg\beta<360^\circ$ とする。

(3) $\theta=60^\circ$ とする。9つの複素数 $\alpha^m\beta^n\ (m,n=1,2,3)$ の虚部の最小値を求め、その最小値を与える $(m,n)$ のすべてを決定せよ。

解答の方針

【(1)(2)の方針】

着眼点

角を $\dfrac{\theta}{2}$ にそろえる2倍角の公式で、大きさ1の形( $\cos\bigcirc+i\sin\bigcirc$ )をくくり出し、極形式にする。極形式にすれば、(1) の長さと (2) の偏角が同時に求まる。

2004年九州大学文系数学 第2問 解答の方針の図
2004年九州大学文系数学 第2問 解答の方針の図

(1)

  1. 2倍角の公式で $\cos\theta-1=-2\sin^2\dfrac{\theta}{2}$ 、 $\sin\theta=2\sin\dfrac{\theta}{2}\cos\dfrac{\theta}{2}$ と表し、 $\beta=2\sin\dfrac{\theta}{2}\left(-\sin\dfrac{\theta}{2}+i\cos\dfrac{\theta}{2}\right)$ とくくる。
  2. $0^\circ<\dfrac{\theta}{2}<90^\circ$ から $2\sin\dfrac{\theta}{2}>0$ を確かめ、かっこの中の大きさが1であることから $|\beta|$ を求める。

(2)

  1. 加法定理で $-\sin\dfrac{\theta}{2}=\cos\left(\dfrac{\theta}{2}+90^\circ\right)$ 、 $\cos\dfrac{\theta}{2}=\sin\left(\dfrac{\theta}{2}+90^\circ\right)$ と直し、大きさ1の形にする。
  2. (1) より $2\sin\dfrac{\theta}{2}>0$ なので、これが $\beta$ の極形式であると述べる。
  3. $90^\circ<\dfrac{\theta}{2}+90^\circ<180^\circ$ が $0^\circ$ 以上 $360^\circ$ 未満に入ることを確かめて、 $\arg\beta$ を答える。

【(3)の方針】

着眼点

複素数のかけ算は「長さのかけ算」と「角の足し算」。 $\alpha$ も極形式にすれば、 $\alpha^m\beta^n$ はド・モアブルの定理で長さと角だけの式になる。

  1. $\theta=60^\circ$ を代入し、 $\alpha$、 $\beta$ を極形式で表す( $\beta$ は (1)(2) の結果から)。
  2. ド・モアブルの定理で $\alpha^m\beta^n$ を長さと角で表し、虚部を $\left(\sqrt3\right)^m\sin(30m+120n)^\circ$ とする。
  3. 9組すべてについて虚部を求め、表にする。
  4. 負になるものどうしを比べて最小値を求め、それを与える $(m,n)$ をすべて答える。

解答

2004年九州大学文系数学 第2問 解答・解説
2004年九州大学文系数学 第2問 解答・解説
2004年九州大学文系数学 第2問 解答・解説(続き)
2004年九州大学文系数学 第2問 解答・解説(続き)
解答をテキストで読む

(1) 配点 10点

$\beta=z-1=(\cos\theta-1)+i\sin\theta$ 。2倍角の公式 $\cos2x=1-2\sin^2x$ 、 $\sin2x=2\sin x\cos x$ で $x=\dfrac{\theta}{2}$ とすると

$$\cos\theta-1=-2\sin^2\dfrac{\theta}{2},\qquad \sin\theta=2\sin\dfrac{\theta}{2}\cos\dfrac{\theta}{2}$$

よって

$$\beta=-2\sin^2\dfrac{\theta}{2}+2i\sin\dfrac{\theta}{2}\cos\dfrac{\theta}{2}=2\sin\dfrac{\theta}{2}\left(-\sin\dfrac{\theta}{2}+i\cos\dfrac{\theta}{2}\right)\quad\cdots\cdots①$$

$0^\circ<\theta<180^\circ$ より $0^\circ<\dfrac{\theta}{2}<90^\circ$ なので $2\sin\dfrac{\theta}{2}>0$ 。また $\left|-\sin\dfrac{\theta}{2}+i\cos\dfrac{\theta}{2}\right|=\sqrt{\sin^2\dfrac{\theta}{2}+\cos^2\dfrac{\theta}{2}}=1$ 。よって①より

$$|\beta|=2\sin\dfrac{\theta}{2}\times1=2\sin\left(\dfrac{\theta}{2}\right)$$

(2) 配点 15点

①のかっこの中を、大きさ1の形 $\cos\bigcirc+i\sin\bigcirc$ に直す。加法定理より $\cos\left(\dfrac{\theta}{2}+90^\circ\right)=-\sin\dfrac{\theta}{2}$ 、 $\sin\left(\dfrac{\theta}{2}+90^\circ\right)=\cos\dfrac{\theta}{2}$ なので

$$\small\begin{aligned}\beta&=2\sin\dfrac{\theta}{2}\\&\quad\times\left\{\cos\left(\dfrac{\theta}{2}+90^\circ\right)+i\sin\left(\dfrac{\theta}{2}+90^\circ\right)\right\}\ \cdots\cdots②\end{aligned}$$

(1) より $2\sin\dfrac{\theta}{2}>0$ なので、②は $\beta$ の極形式である(長さ $2\sin\dfrac{\theta}{2}$ 、角 $\dfrac{\theta}{2}+90^\circ$ )。

$0^\circ<\dfrac{\theta}{2}<90^\circ$ より $90^\circ<\dfrac{\theta}{2}+90^\circ<180^\circ$ で、これは $0^\circ\leqq\arg\beta<360^\circ$ の範囲に入っている。したがって

$$\arg\beta=\dfrac{\theta}{2}+90^\circ$$

別解((1) を三角関数だけで示す)  $|\beta|^2=(\cos\theta-1)^2+\sin^2\theta=2-2\cos\theta$ 。2倍角の公式 $\cos\theta=1-2\sin^2\dfrac{\theta}{2}$ より $|\beta|^2=4\sin^2\dfrac{\theta}{2}$ 。 $\sin\dfrac{\theta}{2}>0$ 、 $|\beta|>0$ なので $|\beta|=2\sin\dfrac{\theta}{2}$ 。

別解((2) を三角関数だけで示す)  $\arg\beta=\varphi$ とすると、 $\cos\varphi=\dfrac{\cos\theta-1}{|\beta|}$ 、 $\sin\varphi=\dfrac{\sin\theta}{|\beta|}$ 。(1) と2倍角の公式より

$$\cos\varphi=\dfrac{-2\sin^2\dfrac{\theta}{2}}{2\sin\dfrac{\theta}{2}}=-\sin\dfrac{\theta}{2}=\cos\left(\dfrac{\theta}{2}+90^\circ\right),\qquad \sin\varphi=\dfrac{2\sin\dfrac{\theta}{2}\cos\dfrac{\theta}{2}}{2\sin\dfrac{\theta}{2}}=\cos\dfrac{\theta}{2}=\sin\left(\dfrac{\theta}{2}+90^\circ\right)$$

$0^\circ$ 以上 $360^\circ$ 未満で $\cos$ と $\sin$ の値がともに一致する角は1つだけなので、 $\varphi=\dfrac{\theta}{2}+90^\circ$ 。本解の②を、成分ごとに確かめたものと同じである。

別解(図形で見る)  $\mathrm{A}(-1)$ 、 $\mathrm{B}(1)$ 、 $\mathrm{P}(z)$ とする。 $\mathrm{P}$ は $\mathrm{AB}$ を直径とする単位円の上半分にあるので $\angle\mathrm{APB}=90^\circ$ 。中心角 $\angle\mathrm{POB}=\theta$ に対する円周角は $\angle\mathrm{PAB}=\dfrac{\theta}{2}$ 。直角三角形 $\mathrm{APB}$ で $\mathrm{PB}=\mathrm{AB}\sin\angle\mathrm{PAB}=2\sin\dfrac{\theta}{2}$ で、これが $|\beta|$ ((1))。また $\alpha=\overrightarrow{\mathrm{AP}}$ の向きは $\dfrac{\theta}{2}$ で、 $\beta=\overrightarrow{\mathrm{BP}}$ はそれに垂直で上向き( $\mathrm{P}$ の虚部が正)なので、向きは $\dfrac{\theta}{2}+90^\circ$ ((2))。答案では角の向きの説明が長くなるので、確かめ・見当づけに使う。なお、原点 O と点 $1$ 、 $z+1$ 、 $z$ はひし形をなし、 $\alpha=z+1$ と $\beta=z-1$ はその2本の対角線なので垂直になる( $\dfrac{\beta}{\alpha}=i\tan\dfrac{\theta}{2}$ )。

(3) 配点 25点

$\theta=60^\circ$ のとき、(1)(2) より $|\beta|=2\sin30^\circ=1$ 、 $\arg\beta=120^\circ$ なので

$$\beta=\cos120^\circ+i\sin120^\circ$$

また $\alpha=z+1=\dfrac32+\dfrac{\sqrt3}{2}i=\sqrt3\left(\dfrac{\sqrt3}{2}+\dfrac12i\right)$ なので

$$\alpha=\sqrt3\left(\cos30^\circ+i\sin30^\circ\right)$$

ド・モアブルの定理より

$$\alpha^m\beta^n=\left(\sqrt3\right)^m\left\{\cos(30m+120n)^\circ+i\sin(30m+120n)^\circ\right\}$$

長さ: $\left(\sqrt3\right)^m$ 、角: $(30m+120n)^\circ$ 。よって虚部は

$$\left(\sqrt3\right)^m\sin(30m+120n)^\circ$$

9組を表にする(各マスは「角:虚部」の順)。

$m$ \ $n$$n=1$$n=2$$n=3$
$m=1$ (長さ $\sqrt3$ )$150^\circ$ : $\dfrac{\sqrt3}{2}$$270^\circ$ : $-\sqrt3$$390^\circ$ : $\dfrac{\sqrt3}{2}$
$m=2$ (長さ $3$ )$180^\circ$ : $0$$300^\circ$ : $-\dfrac{3\sqrt3}{2}$$420^\circ$ : $\dfrac{3\sqrt3}{2}$
$m=3$ (長さ $3\sqrt3$ )$210^\circ$ : $-\dfrac{3\sqrt3}{2}$$330^\circ$ : $-\dfrac{3\sqrt3}{2}$$450^\circ$ : $3\sqrt3$

虚部が負になるのは $-\sqrt3$ と $-\dfrac{3\sqrt3}{2}$ (3組)だけで、 $\dfrac{3\sqrt3}{2}>\sqrt3$ より $-\dfrac{3\sqrt3}{2}<-\sqrt3$ 。よって最小値は $-\dfrac{3\sqrt3}{2}$ で、それを与えるのは $(m,n)=(2,2),\ (3,1),\ (3,2)$ 。

答 虚部の最小値 $-\dfrac{3\sqrt3}{2}$ 、それを与える $(m,n)=(2,2),\ (3,1),\ (3,2)$

検算  $(m,n)=(3,1)$ を直接計算する。 $\alpha^2=\left(\dfrac{3+\sqrt3\,i}{2}\right)^2=\dfrac{3+3\sqrt3\,i}{2}$ 、 $\alpha^3=\alpha^2\alpha=\dfrac{(3+3\sqrt3\,i)(3+\sqrt3\,i)}{4}=3\sqrt3\,i$ 。 $\alpha^3\beta=3\sqrt3\,i\cdot\dfrac{-1+\sqrt3\,i}{2}=\dfrac{-9-3\sqrt3\,i}{2}$ で、虚部は $-\dfrac{3\sqrt3}{2}$ 。表と一致する。

別解(文系の範囲:加法定理で積を角の和にする) ド・モアブルの定理を使わなくても、加法定理から

$$(\cos a+i\sin a)(\cos b+i\sin b)=(\cos a\cos b-\sin a\sin b)+i(\sin a\cos b+\cos a\sin b)=\cos(a+b)+i\sin(a+b)$$

が成り立つ。つまり、かけ算をすると角が足される。これを $\alpha$ を $m$ 個、 $\beta$ を $n$ 個かける所でくり返し使えば、本解と同じ $\alpha^m\beta^n=\left(\sqrt3\right)^m\left\{\cos(30m+120n)^\circ+i\sin(30m+120n)^\circ\right\}$ が得られ、あとは表で比べるだけになる。

別解(文系の範囲:直接かけ算する)  $\alpha=\dfrac{3+\sqrt3\,i}{2}$ 、 $\beta=\dfrac{-1+\sqrt3\,i}{2}$ 。先に累乗を求めておくと

$$\beta^2=\dfrac{-1-\sqrt3\,i}{2},\quad \beta^3=1,\qquad \alpha^2=\dfrac{3+3\sqrt3\,i}{2},\quad \alpha^3=3\sqrt3\,i$$

$\beta^3=1$ なので $\alpha^m\beta^3=\alpha^m$ (虚部 $\dfrac{\sqrt3}{2},\ \dfrac{3\sqrt3}{2},\ 3\sqrt3$ )。残りの6個は

$$\alpha\beta=-\dfrac32+\dfrac{\sqrt3}{2}i,\quad \alpha\beta^2=-\sqrt3\,i,\quad \alpha^2\beta=-3,\quad \alpha^2\beta^2=\dfrac32-\dfrac{3\sqrt3}{2}i,\quad \alpha^3\beta=-\dfrac92-\dfrac{3\sqrt3}{2}i,\quad \alpha^3\beta^2=\dfrac92-\dfrac{3\sqrt3}{2}i$$

虚部を比べて、本解と同じ答えになる。極形式を知らなくても、 $\beta^3=1$ に気づけば計算は軽い。

出題意図

(1)(2) 文字を含む複素数 $\beta=(\cos\theta-1)+i\sin\theta$ を、2倍角の公式で極形式に直すことができるか。くくり出した長さが正であること、偏角が指定の範囲に入ることまで確かめられるか。

(3) 極形式とド・モアブルの定理を使い、積を「長さのかけ算」と「角の足し算」として処理できるか。9個の値を漏れなく比べ、最小値を与える組をすべて捉えることができるか。

講評

難易度やや難
目標得点25点
目標時間25分

複素数平面の問題で、今の文系では範囲外の単元です。
やや難とし、25分で25点を目標にします。
中身は、 $1+\cos\theta+i\sin\theta$ 型の式を2倍角で極形式にする典型問題と、ド・モアブルの定理の計算だけです。
(1) は三角関数の計算でも示せ、(3) は $\theta=60^\circ$ を代入すれば独立に解けるので、取れる所から取りにいきましょう。

差がつく所・失点しやすい所

  • 差がつくのは (2):2倍角で角を $\dfrac{\theta}{2}$ にそろえ、 $2\sin\dfrac{\theta}{2}$ をくくり出して極形式にする、という発想に行き着けるか。文系の受験生は偏角に慣れていないので、ここで方針が立たないことが多い。
  • (3) で $\alpha$ も極形式にし、長さと角度を別々に処理できるか:9個を展開だけで計算すると、計算ミスが起きやすい。
  • 最小値を与える組を3つすべて答えられるか: $(2,2)$ を見つけて止めると減点。9個を表にして漏れなく比べる。

2004年九州大学文系数学
第3問 解答・解説

第3問は平面ベクトルの問題です。
テーマは「平行四辺形ABCDの辺BC上の点P、辺CD上の点Qについて、線分QPと対角線ACの交点Rの位置( $\dfrac{\mathrm{QR}}{\mathrm{RP}}$、 $\dfrac{\mathrm{AR}}{\mathrm{AC}}$)を求め、 $\mathrm{AB}=2$、 $\mathrm{AD}=1$、 $\angle\mathrm{DAB}=60^\circ$ のときの $\triangle\mathrm{AQR}$ の面積を求める」。

問題

2004年九州大学文系数学 第3問 問題
2004年九州大学文系数学 第3問 問題
問題文をテキストで読む

$0<\alpha<1$、 $0<\beta<1$ とする。平行四辺形 $\mathrm{ABCD}$ の辺 $\mathrm{BC}$ を $\alpha:1-\alpha$ に内分する点を $\mathrm{P}$ とし、辺 $\mathrm{CD}$ を $1-\beta:\beta$ に内分する点を $\mathrm{Q}$ とする。また、線分 $\mathrm{QP}$ と平行四辺形の対角線 $\mathrm{AC}$ の交点を $\mathrm{R}$ とする。 $\overrightarrow{\mathrm{AB}}=\vec a$、 $\overrightarrow{\mathrm{AD}}=\vec b$ として次の問いに答えよ。

(1) ベクトル $\overrightarrow{\mathrm{AP}}$ と $\overrightarrow{\mathrm{AQ}}$ を $\vec a$、 $\vec b$ を用いて表せ。

(2) 長さの比 $\dfrac{\mathrm{QR}}{\mathrm{RP}}$ および $\dfrac{\mathrm{AR}}{\mathrm{AC}}$ を求めよ。

(3) $\mathrm{AB}=2$、 $\mathrm{AD}=1$、 $\angle\mathrm{DAB}=60^\circ$ とするとき、 $\triangle\mathrm{AQR}$ の面積を求めよ。

解答の方針

【(1)の方針】

着眼点

始点をAにそろえ、Aから辺の端の点まで行き、そこから辺に沿って実数倍だけ進む。

2004年九州大学文系数学 第3問 解答の方針の図
2004年九州大学文系数学 第3問 解答の方針の図
  1. 点と点をつないで $\overrightarrow{\mathrm{AP}}=\overrightarrow{\mathrm{AB}}+\overrightarrow{\mathrm{BP}}$ とし、 $\overrightarrow{\mathrm{BP}}=\alpha\overrightarrow{\mathrm{BC}}=\alpha\vec b$ を代入する。
  2. $\overrightarrow{\mathrm{AQ}}=\overrightarrow{\mathrm{AD}}+\overrightarrow{\mathrm{DQ}}$ とし、 $\mathrm{QD}=\beta\,\mathrm{CD}$ と $\overrightarrow{\mathrm{DC}}=\vec a$ から $\overrightarrow{\mathrm{DQ}}=\beta\vec a$ を代入する。

【(2)の方針】

着眼点

Rは「線分QP上の点」と「対角線AC上の点」の2通りに表せる。 $\vec a$、 $\vec b$ は1次独立なので、2つの表し方の係数を比べればよい。

2004年九州大学文系数学 第3問 解答の方針の図
2004年九州大学文系数学 第3問 解答の方針の図
  1. RはAC上の点なので、 $\overrightarrow{\mathrm{AR}}=k\overrightarrow{\mathrm{AC}}$ と表す。
  2. Rは線分QP上の点なので、 $\mathrm{QR}:\mathrm{RP}=s:(1-s)$ とおき、 $\overrightarrow{\mathrm{AR}}=(1-s)\overrightarrow{\mathrm{AQ}}+s\overrightarrow{\mathrm{AP}}$ に (1) を代入して $\vec a$、 $\vec b$ で表す。
  3. $\vec a$、 $\vec b$ は1次独立なので、2つの表し方の係数を比べて $s$、 $k$ の連立方程式を作る。
  4. $k$ を消して $s$ を求める。
  5. $\dfrac{\mathrm{QR}}{\mathrm{RP}}=\dfrac{s}{1-s}$ を求める。
  6. $k$ を求め、 $\dfrac{\mathrm{AR}}{\mathrm{AC}}=k$ として答える。

【(3)の方針】

着眼点

高さが共通の三角形の面積比は、底辺の長さの比になる。 $\triangle\mathrm{AQR}$ を $\triangle\mathrm{AQC}$ に、さらに $\triangle\mathrm{ACD}$ に結びつければよい。

2004年九州大学文系数学 第3問 解答の方針の図
2004年九州大学文系数学 第3問 解答の方針の図
  1. 平行四辺形の面積を $\mathrm{AB}\cdot\mathrm{AD}\sin60^\circ$ で求め、 $\triangle\mathrm{ACD}$ をその半分とする。
  2. Qを頂点と見ると、底辺ARとACは同じ直線上にあるので、 $\triangle\mathrm{AQR}=\dfrac{\mathrm{AR}}{\mathrm{AC}}\triangle\mathrm{AQC}=k\,\triangle\mathrm{AQC}$。
  3. Aを頂点と見ると、底辺QCとDCは同じ直線上にあるので、 $\triangle\mathrm{AQC}=\dfrac{\mathrm{QC}}{\mathrm{DC}}\triangle\mathrm{ACD}=(1-\beta)\triangle\mathrm{ACD}$。
  4. 3つをかけ合わせ、(2) の $k$ を代入する。

解答

2004年九州大学文系数学 第3問 解答・解説
2004年九州大学文系数学 第3問 解答・解説
2004年九州大学文系数学 第3問 解答・解説(続き)
2004年九州大学文系数学 第3問 解答・解説(続き)
解答をテキストで読む

(1) 配点 10点

点と点をつなぐと $\overrightarrow{\mathrm{AP}}=\overrightarrow{\mathrm{AB}}+\overrightarrow{\mathrm{BP}}$ である。Pは辺BCを $\alpha:1-\alpha$ に内分するので $\overrightarrow{\mathrm{BP}}=\alpha\overrightarrow{\mathrm{BC}}$ で、平行四辺形なので $\overrightarrow{\mathrm{BC}}=\overrightarrow{\mathrm{AD}}=\vec b$。よって

$$\overrightarrow{\mathrm{AP}}=\vec a+\alpha\vec b$$

Qは辺CDを $1-\beta:\beta$ に内分するので、 $\mathrm{CQ}:\mathrm{QD}=1-\beta:\beta$ より $\mathrm{DQ}=\beta\,\mathrm{DC}$ で、 $\overrightarrow{\mathrm{DQ}}=\beta\overrightarrow{\mathrm{DC}}=\beta\overrightarrow{\mathrm{AB}}=\beta\vec a$。よって

$$\overrightarrow{\mathrm{AQ}}=\overrightarrow{\mathrm{AD}}+\overrightarrow{\mathrm{DQ}}=\beta\vec a+\vec b$$

答 $\overrightarrow{\mathrm{AP}}=\vec a+\alpha\vec b$、 $\overrightarrow{\mathrm{AQ}}=\beta\vec a+\vec b$

BC上の比は $\alpha:1-\alpha$ をBから、CD上の比は $1-\beta:\beta$ をCから測る。Qは「Dから $\beta$ の割合」の位置にある。

(2) 配点 25点

RはAC上の点なので、実数 $k$ を用いて

$$\overrightarrow{\mathrm{AR}}=k\overrightarrow{\mathrm{AC}}=k(\vec a+\vec b)=k\vec a+k\vec b\quad\cdots①$$

と表せる。

また、Rは線分QP上の点なので、 $\mathrm{QR}:\mathrm{RP}=s:(1-s)$( $0<s<1$)とおくと、(1) より

$$\overrightarrow{\mathrm{AR}}=(1-s)\overrightarrow{\mathrm{AQ}}+s\overrightarrow{\mathrm{AP}}=(1-s)(\beta\vec a+\vec b)+s(\vec a+\alpha\vec b)=\{\beta+(1-\beta)s\}\vec a+\{1-(1-\alpha)s\}\vec b\quad\cdots②$$

$\vec a$、 $\vec b$ は1次独立( $\vec a\neq\vec0$、 $\vec b\neq\vec0$、 $\vec a\nparallel\vec b$)なので、①、② の係数を比べて

$$k=\beta+(1-\beta)s,\qquad k=1-(1-\alpha)s$$

2式から $k$ を消すと $\beta+(1-\beta)s=1-(1-\alpha)s$、すなわち $(2-\alpha-\beta)s=1-\beta$。 $2-\alpha-\beta>0$ なので

$$s=\frac{1-\beta}{2-\alpha-\beta},\qquad 1-s=\frac{1-\alpha}{2-\alpha-\beta}$$

( $0<s<1$ をみたす)

よって

$$\frac{\mathrm{QR}}{\mathrm{RP}}=\frac{s}{1-s}=\frac{1-\beta}{1-\alpha}$$

また

$$k=1-(1-\alpha)s=\frac{(2-\alpha-\beta)-(1-\alpha)(1-\beta)}{2-\alpha-\beta}=\frac{1-\alpha\beta}{2-\alpha-\beta}$$

$0<k<1$( $k<1$ は $(1-\alpha)(1-\beta)>0$ による)なので、RはAC上でAから $k$ の割合の位置にあり、 $\dfrac{\mathrm{AR}}{\mathrm{AC}}=k$ である。

答 $\dfrac{\mathrm{QR}}{\mathrm{RP}}=\dfrac{1-\beta}{1-\alpha}$、 $\dfrac{\mathrm{AR}}{\mathrm{AC}}=\dfrac{1-\alpha\beta}{2-\alpha-\beta}$

(確かめ: $\alpha=\beta=\dfrac12$ のとき、P、QはBC、CDの中点で、QPはACと $\mathrm{AR}:\mathrm{RC}=3:1$ の点で交わる。式でも $\dfrac{\mathrm{QR}}{\mathrm{RP}}=1$、 $\dfrac{\mathrm{AR}}{\mathrm{AC}}=\dfrac{1-\dfrac14}{2-1}=\dfrac34$ となり一致する)

別解1(1文字で置く)  $\overrightarrow{\mathrm{AR}}=(1-s)\overrightarrow{\mathrm{AQ}}+s\overrightarrow{\mathrm{AP}}=\{\beta+(1-\beta)s\}\vec a+\{1-(1-\alpha)s\}\vec b$ と1文字で表す。RはAC上にあり、 $\overrightarrow{\mathrm{AC}}=\vec a+\vec b$ なので、 $\vec a$ と $\vec b$ の係数は等しい。よって $\beta+(1-\beta)s=1-(1-\alpha)s$ となり、本解と同じ $s$ が求まる。 $\dfrac{\mathrm{AR}}{\mathrm{AC}}$ はその共通の係数 $\beta+(1-\beta)s$ である。置く文字を減らすと、連立方程式を解く手間が少し減る。

別解2( $\dfrac{\mathrm{QR}}{\mathrm{RP}}$ を面積比で求める) Q、R、Pは一直線上にあり、RはAC上にあるので、 $\dfrac{\mathrm{QR}}{\mathrm{RP}}$ はQとPから直線ACまでの距離の比に等しく、底辺ACが共通な $\triangle\mathrm{AQC}$ と $\triangle\mathrm{APC}$ の面積比に等しい。平行四辺形の面積を $T$ とすると、 $\triangle\mathrm{AQC}=\dfrac{\mathrm{QC}}{\mathrm{DC}}\triangle\mathrm{ACD}=(1-\beta)\cdot\dfrac T2$、 $\triangle\mathrm{APC}=\dfrac{\mathrm{PC}}{\mathrm{BC}}\triangle\mathrm{ABC}=(1-\alpha)\cdot\dfrac T2$ なので

$$\frac{\mathrm{QR}}{\mathrm{RP}}=\frac{\triangle\mathrm{AQC}}{\triangle\mathrm{APC}}=\frac{1-\beta}{1-\alpha}$$

計算をほとんどせずに、答えの見当や検算に使える。

(3) 配点 15点

平行四辺形ABCDの面積は $\mathrm{AB}\cdot\mathrm{AD}\sin60^\circ=2\cdot1\cdot\dfrac{\sqrt3}{2}=\sqrt3$ なので

$$\triangle\mathrm{ACD}=\frac{\sqrt3}{2}$$

Qを頂点と見ると、底辺AR、ACは同じ直線上にあり高さが共通なので、(2) より

$$\triangle\mathrm{AQR}=\frac{\mathrm{AR}}{\mathrm{AC}}\,\triangle\mathrm{AQC}=\frac{1-\alpha\beta}{2-\alpha-\beta}\,\triangle\mathrm{AQC}$$

Aを頂点と見ると、底辺QC、DCは同じ直線上にあり高さが共通で、 $\mathrm{QC}:\mathrm{DC}=1-\beta:1$ なので

$$\triangle\mathrm{AQC}=(1-\beta)\,\triangle\mathrm{ACD}=\frac{\sqrt3}{2}(1-\beta)$$

よって

$$\triangle\mathrm{AQR}=\frac{1-\alpha\beta}{2-\alpha-\beta}\cdot\frac{\sqrt3}{2}(1-\beta)=\frac{\sqrt3(1-\beta)(1-\alpha\beta)}{2(2-\alpha-\beta)}$$

答 $\dfrac{\sqrt3(1-\beta)(1-\alpha\beta)}{2(2-\alpha-\beta)}$

(確かめ: $\alpha=\beta=\dfrac12$ のとき $\dfrac{\sqrt3\cdot\dfrac12\cdot\dfrac34}{2\cdot1}=\dfrac{3\sqrt3}{16}$。下の座標の別解で計算しても同じ値になる)

別解(座標を置く) Aを原点、ABを $x$ 軸の正の向きにとると、 $\vec a=(2,\ 0)$、 $\vec b=\left(\dfrac12,\ \dfrac{\sqrt3}{2}\right)$ である。(1)(2) より

$$\overrightarrow{\mathrm{AQ}}=\beta\vec a+\vec b=\left(2\beta+\frac12,\ \frac{\sqrt3}{2}\right),\qquad\overrightarrow{\mathrm{AR}}=k(\vec a+\vec b)=\left(\frac52k,\ \frac{\sqrt3}{2}k\right)$$

1点が原点の三角形の面積の公式より

$$\triangle\mathrm{AQR}=\frac12\left|\left(2\beta+\frac12\right)\cdot\frac{\sqrt3}{2}k-\frac52k\cdot\frac{\sqrt3}{2}\right|=\frac{\sqrt3}{4}k\,|2\beta-2|=\frac{\sqrt3}{2}(1-\beta)k$$

となり、本解と同じ式になる。(3) だけは図形が決まっているので、座標を置いても計算は軽い。ただし (2) は一般の平行四辺形の話なので、ベクトルのまま解く方が早い。

出題意図

(1) 内分点の位置ベクトルを、点と点をつなぐ・実数倍の2つで正しく書けるか(特に辺CDの内分の向き)

(2) 2本の線分の交点を「2通りに表して係数比較」で求め、内分の係数から長さの比を読み取れるか(教科書・チャートの例題レベル。数値が $\alpha$、 $\beta$ の文字になっているだけ)

(3) (2) の比を使い、三角形の面積を面積比で平行四辺形の面積に結びつけられるか

講評

難易度簡単
目標得点50点
目標時間20分

平面ベクトルの典型問題で、簡単とし、20分で50点を取りたいところです。
数値が $\alpha$、 $\beta$ の文字になっているだけで、やることは「2通りに表して係数比較」と「面積比は長さの比」の2つだけです。

差がつく所・失点しやすい所

  • この年の合否を分けた1問:Rを「QP上の点」と「AC上の点」の2通りに表し、1次独立から係数比較する典型の手順を、 $\alpha$、 $\beta$ の文字のまま最後までやり切れるか。
  • 失点しやすい所:(1) で辺CDの内分の向きを取り違える所(Qは「Cから $1-\beta$」=「Dから $\beta$」の位置)。ここを誤ると (2)(3) がすべて崩れる。
  • 失点しやすい所:(2) で $\overrightarrow{\mathrm{AR}}=(1-s)\overrightarrow{\mathrm{AQ}}+s\overrightarrow{\mathrm{AP}}$ のとき $\mathrm{QR}:\mathrm{RP}=s:(1-s)$ となる対応(係数と比は逆)を逆にする所。

2004年九州大学文系数学
第4問 解答・解説

第4問は確率の問題です。
テーマは「6個の電球の色(赤・青)の変化の回数の確率と期待値」。

問題

2004年九州大学文系数学 第4問 問題
2004年九州大学文系数学 第4問 問題
問題文をテキストで読む

スイッチを入れると等確率で赤色または青色に輝く電球が横一列に6個並んでいる。これらの6個の電球のスイッチを同時に入れたあと、左から電球の色を見ていき、色の変化の回数を調べる。

(1) 赤青青青青青、赤赤青青青青、…… のように左端が赤色で色の変化がちょうど1回起きる確率を求めよ。

(2) 色の変化が少なくとも2回起きる確率を求めよ。

(3) 色の変化がちょうど $n$ 回 $(0\leqq n\leqq5)$ 起きる確率を求めよ。

(4) 色の変化の回数の期待値を求めよ。

解答の方針

全体の着眼点

6個の色の並びは $2^6=64$ 通りで、どれも同様に確からしい。並びは「左端の色」と「隣り合う電球の間の5か所のすき間のうち、どこで色が変わるか」を決めればちょうど1つに決まる。

2004年九州大学文系数学 第4問 解答の方針の図
2004年九州大学文系数学 第4問 解答の方針の図

【(1)の方針】

着眼点

左端が赤で変化が1回なら、「どのすき間で青に変わるか」だけで並びが決まる。

  1. 全体を $2^6=64$ 通りとし、左端が赤で変化が1回の並びを、色が変わるすき間の位置で5通りと数えて、64で割って答える。

【(2)の方針】

着眼点

直接求めると2回・3回・4回・5回の4つの場合があるが、余事象「0回または1回」なら2つの場合で済む。

  1. 変化0回の並び(2通り)と変化1回の並び((1) の2倍の10通り)を数える。
  2. 余事象の確率 $\dfrac{12}{64}$ を1から引いて答える。

【(3)の方針】

着眼点

並びは「左端の色(2通り)」と「5か所のすき間のうち色が変わる所の選び方」で1対1に決まる。変化が $n$ 回なら、5か所から $n$ か所を選ぶ。

2004年九州大学文系数学 第4問 解答の方針の図
2004年九州大学文系数学 第4問 解答の方針の図
  1. 左端の色と色が変わるすき間を決めると並びがちょうど1つに決まり、逆に並びからも決まることを確かめる。
  2. 変化がちょうど $n$ 回の並びを $2\times{}_5\mathrm{C}_n$ 通りと数え、64で割って答える。

【(4)の方針】

着眼点

期待値は、(3) の確率をすべて使って「値×確率」を足すだけ。

  1. (3) の確率を $n=0,1,\cdots,5$ について表にする。
  2. 値×確率の和を計算して答え、対称性から $\dfrac52$ になることで検算する。

解答

2004年九州大学文系数学 第4問 解答・解説
2004年九州大学文系数学 第4問 解答・解説
解答をテキストで読む

6個の電球の色の並びは $2^6=64$ 通りあり、どれも同様に確からしい。以下、確率は「条件を満たす並びの数÷64」で求める。

隣り合う電球の間を左から「すき間1」〜「すき間5」と呼ぶ。色の変化の回数は、5か所のすき間のうち、両側の電球の色が異なるすき間の個数である。

(1) 配点 10点

左端が赤で変化がちょうど1回の並びは、左から $k$ 個が赤、残りの $6-k$ 個が青( $k=1,2,3,4,5$ )のものである。すなわち、色が変わるすき間(すき間 $k$ )の選び方で決まり、5通りある。

答 $\dfrac{5}{64}$

(2) 配点 12点

直接求めると変化2回〜5回の4つの場合を数えることになるので、余事象「変化が0回または1回」を考える。

変化0回の並びは、全部赤・全部青の2通り。変化1回の並びは、左端が赤のもの5通り((1))と、左端が青のもの5通り((1) の赤と青を入れかえたもの)で10通り。

よって、求める確率は

$$1-\dfrac{2+10}{64}=1-\dfrac{3}{16}=\dfrac{13}{16}$$

答 $\dfrac{13}{16}$

(3) 配点 14点

並びを決めると、左端の色と、色が変わるすき間の集合が決まる。逆に、左端の色と色が変わるすき間の集合を決めると、左から順に「変わるすき間では色を入れかえ、変わらないすき間では同じ色を続ける」ことで、並びがちょうど1つに決まる。よって、並びと(左端の色、色が変わるすき間の集合)の組は1対1に対応する。

変化がちょうど $n$ 回の並びは、左端の色が2通り、5か所のすき間から色が変わる $n$ か所を選ぶのが ${}_5\mathrm{C}_n$ 通りなので、 $2\times{}_5\mathrm{C}_n$ 通りある。よって、求める確率は

$$\dfrac{2\times{}_5\mathrm{C}_n}{64}=\dfrac{{}_5\mathrm{C}_n}{32}$$

答 $\dfrac{{}_5\mathrm{C}_n}{32}$ ( $n=0,1,2,3,4,5$ の順に $\dfrac{1}{32}$、 $\dfrac{5}{32}$、 $\dfrac{5}{16}$、 $\dfrac{5}{16}$、 $\dfrac{5}{32}$、 $\dfrac{1}{32}$ )

(確かめ: $n=1$ の $\dfrac{5}{32}$ は (1) の $\dfrac{5}{64}$ の2倍で、左端が青の場合と合わせた値と一致する。 $n=0,1$ の和 $\dfrac{6}{32}=\dfrac{3}{16}$ は (2) の余事象の確率と一致する)

(4) 配点 14点

変化の回数を $X$ とすると、(3) より $X$ の確率は次の表のようになる。

$X$$0$$1$$2$$3$$4$$5$計
確率$\dfrac{1}{32}$$\dfrac{5}{32}$$\dfrac{10}{32}$$\dfrac{10}{32}$$\dfrac{5}{32}$$\dfrac{1}{32}$$1$

期待値は値×確率の和なので

$$E=\dfrac{0\cdot1+1\cdot5+2\cdot10+3\cdot10+4\cdot5+5\cdot1}{32}=\dfrac{80}{32}=\dfrac52$$

答 $\dfrac52$

別解(対称性を使う)  ${}_5\mathrm{C}_n={}_5\mathrm{C}_{5-n}$ なので、対称性より、変化が $n$ 回である確率と $5-n$ 回である確率は等しい。よって、 $n$ 回と $5-n$ 回の組を合わせると、どの組も値の平均は $\dfrac{n+(5-n)}{2}=\dfrac52$ で、確率は全部で1なので

$$E=(0+5)\cdot\dfrac{1}{32}+(1+4)\cdot\dfrac{5}{32}+(2+3)\cdot\dfrac{10}{32}=5\cdot\dfrac{1+5+10}{32}=5\cdot\dfrac12=\dfrac52$$

(参考:5か所のすき間のそれぞれで色が変わる確率は、どのすき間でも $\dfrac12$ である。期待値は「各すき間で変わる確率」の和 $5\times\dfrac12=\dfrac52$ としても求まり、本解と一致する。この見方は数学Bの「確率変数の和の期待値」を使うものである)

検算 6個の色の並び64通りをすべて書き出して変化の回数を数えると、0回〜5回の並びの数は順に2、10、20、20、10、2通りで、(3) の $2\times{}_5\mathrm{C}_n$ と一致する。左端が赤で1回の並びは5通りで (1) と一致し、2回以上の並びは52通りで $\dfrac{52}{64}=\dfrac{13}{16}$ と (2) に一致する。期待値は $\dfrac{0\cdot2+1\cdot10+2\cdot20+3\cdot20+4\cdot10+5\cdot2}{64}=\dfrac{160}{64}=\dfrac52$ で (4) に一致する。

出題意図

「色の変化の回数」という見慣れない設定を、「隣り合う電球の5か所のすき間のうち、どこで色が変わるか」と言葉にして整理できるか

(1)(2) の具体的な数え上げから、(3) の「左端の色(2通り)× 色が変わるすき間の選び方 ${}_5\mathrm{C}_n$ 」という一般の数え方に進めるか

(4) (3) の確率をすべて使い、値×確率の和で期待値を求めることができるか(教科書レベル)

講評

難易度簡単
目標得点50点
目標時間20分

電球が6個に決まった確率と期待値の問題で、簡単とし、20分で50点を取りたいところです。
「色の変化の回数」という見慣れない設定に身構えるだけで、中身は「左端の色」と「色が変わるすき間の選び方」を数えるだけです。
並びは64通りしかないので、まず状況を言葉にして整理しましょう。

差がつく所・失点しやすい所

  • 状況を言葉にして、「並び=左端の色と、5か所のすき間のどこで色が変わるか」と整理する発想に行き着けるか:これができれば (1)〜(4) はすべて ${}_5\mathrm{C}_n$ の計算だけ。整理せずに並びを書き出し始めると、数え漏れで大きく失点する。
  • 失点しやすい所:(2)(3) で左端が青の場合を忘れ、2倍し忘れる所。

2004年九州大学・文系数学の
講評とまとめ

4問の難易度と目標得点をまとめると、次のとおりです。

大問難易度目標点
第1問簡単50点
第2問やや難25点
第3問簡単50点
第4問簡単50点
全体やや簡単150点

大問ごとの目標点は、それぞれの大問を単体で解いたときの理想の点です。足すと175点になりますが、全体の目標点は150点です。

第2問の複素数平面を除くと、とても簡単な年です。
第1問・第3問・第4問は典型問題なので確実に満点を取り、第2問は今の文系の範囲外なので、取れる所を拾えば十分です。
目標点は150点です。

解く流れ

  • 第1問→第4問→第3問→第2問(取りやすい問題を先に確実に取り、難しい問題は最後に回す)
  • 目標時間の合計は80分(第1問15分・第2問25分・第3問20分・第4問20分)。残りの40分は見直しと予備。

2004年九州大学・文系数学に
関するよくある質問

2004年の九州大学・文系数学について、よく聞かれる質問にお答えします。

2004年の九州大学・文系数学は難しかった?

やや簡単な年でした。
第1問は絶対値のグラフと接線・面積、第3問は平面ベクトル、第4問は確率と期待値で、いずれも簡単です。
第2問だけは複素数平面(極形式とド・モアブルの定理)で、今の文系では範囲外の単元ですが、やや難としました。

2004年の九州大学・文系数学は何点取れば合格できる?

目標点は150点です(200点満点)。

2004年の九州大学・文系数学はどこで差がつく?

第1問・第3問・第4問は満点を取っておきたいところです。そのうえで、差がつくのは次の3つです。

  • 第3問 (2):Rを「QP上の点」と「AC上の点」の2通りに表し、 $\vec a$、 $\vec b$ は1次独立と書いて係数を比べる流れを、 $\alpha$、 $\beta$ の文字のまま最後までやり切れたか。(1) で辺CDの内分の向きを取り違えると、(2)(3) がすべて崩れます。
  • 第4問:色の変化の回数という見慣れない設定を、「左端の色」と「5か所のすき間のどこで色が変わるか」と言葉にして整理できたか。整理せずに並びを書き出し始めると、数え漏れが出ます。
  • 第2問 (2):今の文系では範囲外ですが、2倍角の公式で角を $\dfrac{\theta}{2}$ にそろえ、極形式にする発想に行き着けたか。(3) は $\theta=60^\circ$ を代入すれば (1)(2) と独立に解けるので、取りにいきたい所です。
2004年の九州大学・文系数学は何が出題された?

大問ごとの単元は、次のとおりです。

  • 第1問:微分法・積分法(数学Ⅱ)・絶対値のついた関数のグラフ
  • 第2問:複素数平面・三角関数
  • 第3問:平面ベクトル
  • 第4問:確率

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