【解説・配点付き】2009年九州大学化学の解答・解説
2009年の九州大学・化学の、
解答・解説【完全版】です。
方針の立て方・考え方はもちろん
オリジナルの配点付き。
このページで過去問演習が完結するので
赤本などは一切不要です。
※本記事の問題は、九州大学の入学試験問題から引用しています。
解答・解説は九大専門塾・竜文会が独自に作成したもので、九州大学が公表したものではありません。
2009年九州大学化学
第1問 解答・解説
この記事の小問ごとの配点は九州大学が公表しているものではなく、竜文会が独自に作成したものです。
第1問は理論化学(物質の構成粒子)・無機化学の問題です。
テーマは『クラーク数と周期表』『イオン結晶の性質』。
問題


問題文をテキストで読む
次のA先生、B君、Cさんの会話文を読み、問1〜問5に答えよ。
A先生:右の表は、地球表面から深さ約16 kmまでの岩石圏、水圏、および気圏に存在する元素の割合を質量百分率で示したものだ。この百分率の値は、報告者の名前にちなんでクラーク数と呼ばれている。
| 順位 | 元素記号 | クラーク数 |
|---|---|---|
| 1 | O | 49.5 |
| 2 | $\boxed{\text{ ア }}$ | 25.8 |
| 3 | Al | 7.56 |
| 4 | $\boxed{\text{ イ }}$ | 4.70 |
| 5 | $\boxed{\text{ ウ }}$ | 3.39 |
| 6 | Na | 2.63 |
| 7 | $\boxed{\text{ エ }}$ | 2.40 |
| 8 | Mg | 1.93 |
| 9 | H | 0.83 |
| 10 | Ti | 0.46 |
B君:クラークという人は、一体どうやってそんなに大きなスケールで元素の存在割合を求めたのでしょうか?
Cさん:地球表面の約7割が海だから、その主成分は水ですね。酸素のクラーク数が高いのは、このことが一つの要因ではないでしょうか(a)。他方、水のもう一つの構成元素である水素のクラーク数が9位とそれほど高くないのは、 $\boxed{\text{ I }}$ からです。
B君:周期表(b)と見比べると、クラーク数が5位と8位、6位と7位の元素がそれぞれ同族です。また、4位と10位の元素は典型元素ではありません。
Cさん:ある胃薬の成分表を見ていたら、8位の元素と1位の元素からなる化合物(c)がありました。胃酸を中和する働きがあるようですね。さらに調べたところ、この物質は、6位のナトリウムと塩素からなる化合物と同じ結晶構造をしていることを知りました。
A先生:酸素は多くの元素と結びつきやすいんだ。 $\boxed{\text{ イ }}$ の単体もそうで、この化学反応(d)に伴う大きな発熱で暖をとろうというのが簡易カイロだね。この中身を開けて見ると、 $\boxed{\text{ イ }}$ の粉が使用前後で黒色から赤褐色に変化したことが確認できる。まったく同じ反応が、酸素を除去して食品の変質を防ぐためにも利用されている。つまり、脱酸素剤だ。
B君:食品といえば、 $\boxed{\text{ ウ }}$ の酸化物は水分と容易に化学反応(e)するので、海苔(のり)などの湿気を嫌うものといっしょに包装されていて、湿気取りに役立っています。
Cさん:同じく煎餅(せんべい)などの湿気取りとして使われているシリカゲルは、 $\boxed{\text{ ア }}$ の酸化物です。
A先生:後半は食品を長持ちさせる話ばかりになったが、目的は同じでもそのやり方には色々な物質の様々な性質が利用されていることをきちんと整理しておこう。
問1. 下線部(a)で述べていること以外に酸素のクラーク数が大きい理由として、以下から最も適当なものを1つ選び、番号で答えよ。
(1) 空気の構成成分として主たるものの一つであるから。
(2) ほとんどすべての生物に水分が多量に含まれているから。
(3) 気圏の外側にオゾン( $\ce{O3}$ )層が存在しているから。
(4) 多くの岩石に酸素の化合物が含まれているから。
(5) 人類の活発な活動の結果、 $\ce{CO2}$ が増加傾向にあるから。
問2. 水素のクラーク数が大きくない理由について、 $\boxed{\text{ I }}$ 内に入る適当な語句を解答欄に記入せよ。ただし、語句は10字以上30字以内とし、言葉が正しくつながるように留意すること。
問3. 下線部(b)の周期表に関する以下の(1)〜(5)の記述には誤ったものが2つある。それらの番号を解答欄に記し、正しい記述となるようにそれぞれの波線部を修正せよ。
(1) クラーク数上位10位以内の元素のうち、酸素のみが周期表の第1周期に属する。
(2) $\boxed{\text{ エ }}$ の同族元素を含む化合物をガスバーナーの炎に入れると特徴的な発色を呈する。
(3) 炭素などの14族元素にはクラーク数上位5位以内に含まれるものがある。
(4) 17族元素の単体は電子を受けとり、他の物質を還元する作用がある。
(5) 18族元素はクラーク数上位10位以内に含まれていない。
問4. 下線部(c)の化合物に関する以下の(1)〜(5)の記述には誤ったものが2つある。それらの番号を解答欄に記し、正しい記述となるようにそれぞれの波線部を修正せよ。
(1) この化合物はマグネシウムと酸素の数の比が1:1で結合した分子である。
(2) この化合物中のマグネシウムは、2個の電子を放出して正に帯電している。
(3) この化合物中のマグネシウムと酸素は二重結合を形成している。
(4) この化合物の融点はマグネシウム単体の融点より高い。
(5) この化合物は固体状態では電気を導かないが、融解すれば電気を導く。
問5. 下線部(d)および(e)の化学反応式をそれぞれの解答欄に記せ。
解答の方針
【問1の方針】
クラーク数は地球表面付近の岩石圏・水圏・気圏をまとめた割合で、その大部分は岩石。2位のケイ素とともに、岩石の主成分である二酸化ケイ素やケイ酸塩に酸素が多く含まれていることに注目する(下の図)。


- 3つの圏のうち質量の大部分を占めるのが岩石圏であることを確かめる。
- 岩石の主成分(二酸化ケイ素・ケイ酸塩)に酸素が含まれていることから、選択肢を選ぶ。
【問2の方針】
クラーク数は「質量」百分率。原子の数で比べれば水素は多いが、水素原子はとても軽いので、質量の割合にすると小さくなる(下の図)。


- クラーク数が質量の割合であることを確かめる。
- 水素の原子量が 1.0 と最も小さいことから、数が多くても質量の割合が小さいことを書く。
- 「…のは、 $\boxed{\text{ I }}$ からです」に続くように、10字以上30字以内に整える。
【問3の方針】
まず会話文から表の空欄の元素を決め、上位10元素を周期表に置く。置いてしまえば (1)(3)(5) はすぐに判定できる(下の図)。(4) は17族の単体が酸化剤であることから判定する。


- 会話文の手がかり(カイロの鉄・乾燥剤の生石灰・シリカゲル・同族の組)から、ア〜エの元素を決める。
- 上位10元素の周期と族を確かめ、(1)(3)(5) を判定する。
- (2) はエの同族元素の炎色反応、(4) は17族の単体が電子を受け取ったときに相手に起こる変化から判定する。
- 誤りの2つを選び、波線部を正しい語に直す。
【問4の方針】
8位と1位の元素の化合物は $\ce{MgO}$。金属元素と非金属元素の化合物なので、まずイオン結晶と分類すれば、結合・融点・電気の通し方はすべてイオン結晶の性質で判定できる(下の図)。


- 8位(Mg)と1位(O)の化合物を $\ce{MgO}$ と決め、金属+非金属なのでイオン結晶と分類する。
- (1)(3) は結晶の種類と結合の種類、(2) は $\ce{Mg^2+}$ のでき方から判定する。
- (4)(5) はイオン結晶の融点と電気の通し方から判定する。
- 誤りの2つを選び、波線部を正しい語に直す。
【問5の方針】
どちらも会話文の手がかりから物質を決める。(d) は鉄粉が黒色から赤褐色に変わることから生成物を決め、(e) は生石灰が水と反応して消石灰になる反応(下の図)。


- (d) はイの鉄が酸素と反応して赤褐色の酸化鉄(Ⅲ)になる式を書き、係数を合わせる。
- (e) はウの酸化物の酸化カルシウムが水と反応して水酸化カルシウムになる式を書く。
解答


解答をテキストで読む
問1
クラーク数は、地球表面から深さ約16 kmまでの岩石圏・水圏・気圏をまとめたときの元素の質量の割合。このうち質量の大部分を占めるのは岩石圏で、岩石の主成分は二酸化ケイ素 $\ce{SiO2}$ や、ケイ素と酸素に金属元素が結びついたケイ酸塩。だから1位の酸素と2位のケイ素が飛び抜けて大きい。原子の数で比べると、酸素はケイ素の約3倍もある(下の図)。
(1) の空気(気圏)と (2) の生物は、岩石圏に比べて質量がとても小さい。(3) のオゾン層・(5) の二酸化炭素は量がわずかで、クラーク数にはほとんど影響しない。
答 (4)(3点)
問2
クラーク数は「質量」百分率で、原子の数の割合ではない。水圏の水 $\ce{H2O}$ には水素原子が酸素原子の2倍あり、表の10元素で原子の数の割合を求めると、水素は酸素・ケイ素に次ぐ3位になる。しかし水素の原子量は 1.0 と最も小さく、酸素(16.0)の $\dfrac{1}{16}$ しかないので、質量の割合にすると 0.83 % と小さくなる(問1 の図)。
文は「水素のクラーク数が9位とそれほど高くないのは、 $\boxed{\text{ I }}$ からです」に続く形にする。
答 水素原子は非常に軽く、数が多くても質量の割合は小さい(3点)
問3
まず、会話文から表の空欄の元素を決める。
・イ:単体が酸素と反応して大きな発熱をし、黒色の粉が赤褐色に変わる簡易カイロ・脱酸素剤の中身なので、鉄 Fe(4位)
・ウ:酸化物が水と反応する海苔の乾燥剤なので、生石灰(酸化カルシウム)のカルシウム Ca(5位)
・ア:酸化物がシリカゲル( $\ce{SiO2}$ に水が少し含まれたもの)なので、ケイ素 Si(2位)
・エ:B君の「6位と7位の元素が同族」から、6位の Na と同じ1族のカリウム K(7位)
B君の残りの言葉も確かめられる。5位の Ca と8位の Mg はともに2族、4位の Fe と10位の Ti は3〜12族の遷移元素(下の図)。
次に、(1)〜(5) を判定する。
・(1) 誤り。周期は電子殻の数で決まる。H は第1周期、O は第2周期、Na・Mg・Al・Si は第3周期、K・Ca・Ti・Fe は第4周期。上位10元素の中で第1周期にあるのは H、酸素だけが属するのは第2周期
・(2) 正しい。エは K で、同族の Li・Na・K などのアルカリ金属を含む化合物は炎色反応を示す(Li 赤色・Na 黄色・K 赤紫色)
・(3) 正しい。2位のケイ素は炭素と同じ14族
・(4) 誤り。17族の単体( $\ce{F2}$・ $\ce{Cl2}$・ $\ce{Br2}$・ $\ce{I2}$ )は電子を受け取りやすい。自分が電子を受け取る(還元される)とき、相手は電子を奪われるので、他の物質を酸化する(酸化剤)。酸化力は電子殻が小さい上の元素ほど強く、 $\ce{F2}$ > $\ce{Cl2}$ > $\ce{Br2}$ > $\ce{I2}$ の順
・(5) 正しい。He・Ne・Ar などの18族(希ガス)は表に無い
答(誤り1) (1) 第1周期 → 第2周期(2点)
答(誤り2) (4) 還元 → 酸化(2点)
問4
8位の元素は Mg、1位の元素は O なので、下線部(c)の化合物は酸化マグネシウム $\ce{MgO}$。胃酸(塩酸)を中和する制酸剤に使われる。
Mg は金属元素、O は非金属元素なので、 $\ce{MgO}$ は $\ce{Mg^2+}$ と $\ce{O^2-}$ がクーロン力(静電気的な引力)で結びついたイオン結晶(下の図)。会話文にあるとおり、塩化ナトリウムと同じ並び方をしている。
・(1) 誤り。 $\ce{MgO}$ は分子ではなく、イオンが規則正しく並んだイオン結晶。「1:1」は組成式 $\ce{MgO}$ の数の比を表す
・(2) 正しい。Mg(K2・L8・M2)は最外殻の2個の電子を放出して $\ce{Mg^2+}$ になる
・(3) 誤り。二重結合は非金属の原子どうしが電子対を2組共有する共有結合。 $\ce{Mg^2+}$ と $\ce{O^2-}$ の間はイオン結合
・(4) 正しい。結晶の種類が違うときは、結合の強さの序列で比べる。 $\ce{MgO}$ は2価どうしのイオン結晶でクーロン力がとても強く、融点は約2800 ℃(耐火レンガやるつぼに使われる)。金属のマグネシウムの融点(約650 ℃)より高い
・(5) 正しい。固体ではイオンが動けないので電気を導かないが、融解するとイオンが動けるようになり電気を導く
答(誤り1) (1) 分子 → イオン結晶(2点)
答(誤り2) (3) 二重結合 → イオン結合(2点)
問5
下線部(d)は、イの鉄が空気中の酸素と反応する酸化。黒色の鉄粉が赤褐色に変わるので、生成物は赤さびの主成分の酸化鉄(Ⅲ) $\ce{Fe2O3}$(黒色の酸化物は $\ce{FeO}$・ $\ce{Fe3O4}$ )。Fe と O の数を合わせると、次の式になる(係数は鉄 4・酸素 3)。
答(d) $\ce{4Fe + 3O2 -> 2Fe2O3}$(2点)
下線部(e)は、ウの酸化物である酸化カルシウム(生石灰)が水と反応して水酸化カルシウム(消石灰)になる反応。塩基性酸化物と水の反応で、発熱も大きい。シリカゲルは水を表面に吸着するだけで化学反応はしないのと対照的(下の図)。
答(e) $\ce{CaO + H2O -> Ca(OH)2}$(2点)
別解
問5 (d)
実際の使い捨てカイロの中には水と食塩があり、生じる赤褐色の物質は水を含んだ酸化鉄(Ⅲ)(水酸化鉄(Ⅲ))である。水も含めて $\ce{4Fe + 3O2 + 6H2O -> 4Fe(OH)3}$ と書く資料もある。ただし、この問題は「酸素は多くの元素と結びつきやすい」という話の流れで、脱酸素剤とも「まったく同じ反応」と言っているので、鉄と酸素だけの式 $\ce{4Fe + 3O2 -> 2Fe2O3}$ を答えにする。
出題意図
問1 岩石の主成分が酸素の化合物(二酸化ケイ素・ケイ酸塩)であることに気づけるか
問2 クラーク数が質量の割合であることから、水素の値が小さい理由を説明できるか
問3 表の空欄の元素を決め、周期表の周期・族と元素の性質を正しく判断できるか
問4 金属元素と非金属元素の化合物をイオン結晶と分類し、その結合と性質を判断できるか
問5 簡易カイロ(脱酸素剤)と生石灰(乾燥剤)の反応を化学反応式で書けるか
講評
| 医学部医学科 | その他の学部 | |
|---|---|---|
| 難易度 | やや簡単 | |
| 目標得点 | 18点 | 15点 |
| 目標時間 | 8分 | 10分 |
会話文から表の空欄の元素を決められれば、あとは周期表・結晶の分類・反応式の知識だけで解ける大問で、満点を取りたい。
唯一の記述の問2 も、クラーク数が「質量」の割合だと押さえていれば、水素原子が軽いからという答えにすぐ行き着く。
化合物を見たらまず何結晶かを決める、17族の単体は相手を酸化する、という基本を言い切れるようにしておくこと。
差がつく所・失点しやすい所
- 問2:差がつくとしたら、水素のクラーク数が小さい理由の記述。クラーク数が原子の数ではなく質量の割合であり、水素原子がとても軽いという発想に行き着けるか。「宇宙へ逃げやすい」「単体がほとんど無い」など、質量と関係のない理由を書くと点にならない。
2009年九州大学化学
第2問 解答・解説
第2問は理論化学(酸化・還元と電池・電気分解)の問題です。
テーマは『電気分解の量計算』『気体の圧力の計算』。
問題


問題文をテキストで読む
実験1〜実験3について述べた次の文章を読み、問1〜問3に答えよ。
実験1:電流1.0 Aを38600秒間流して、水酸化ナトリウム40 gを水183.6 gに溶かした水溶液を白金電極で電気分解した。陰極では標準状態で $\boxed{\text{ ア }}$ m$l$ の気体A、陽極では標準状態で $\boxed{\text{ イ }}$ m$l$ の気体Bが発生した。フェノールフタレインを少量加えた1 mol/$l$ の塩酸水溶液20 m$l$ に、上記実験で電気分解し終えた水溶液を $\boxed{\text{ ウ }}$ g以上、かき混ぜながら滴下したところ、無色透明な塩酸水溶液は赤くなった。
実験2:容積448 m$l$ の頑丈な容器に、標準状態で224 m$l$ の気体Aと標準状態で224 m$l$ の気体Bを混合した気体を閉じ込め密閉し、あらかじめ容器内に設置しておいたニクロム線に電流を流して赤熱したところ爆発した。爆発後、この容器の温度を400 Kにしたところ、圧力は $\boxed{\text{ エ }}$ atmとなった。更に、この容器の温度を218 Kにしたところ、圧力は $\boxed{\text{ オ }}$ atmとなった。
実験3:塩化ナトリウム水溶液を炭素電極で電気分解したところ、陰極では気体A、陽極では気体Cが発生した。
問1. $\boxed{\text{ ア }}$ 〜 $\boxed{\text{ オ }}$ に適切な数字を有効数字2桁で記せ。
問2. 気体A、気体Bおよび気体Cを分子式で記せ。
問3. 実験3で気体Cを発生させた反応を例にならって電子式で記せ。
(例) 硫化水素の酸化反応
解答の方針
【問1 ア・イの方針】
電気分解は、まず流れた電子の物質量を求める。白金電極で水酸化ナトリウム水溶液なら、陽極は板もハロゲンも反応せず水が、陰極は $\ce{Na+}$ が反応せず水が反応する(下の図)。


- 電流×時間をファラデー定数で割って、流れた電子の物質量を求める。
- 陽極は「板 → ハロゲン → 水」、陰極は「 $\ce{Ag+}$ → $\ce{Cu^2+}$ → $\ce{H+}$ 」の順に見て両極の反応を決め、酸性の式に $\ce{OH-}$ を足して塩基性の式に直す。
- 電子1 mol あたり陰極の水素は $\dfrac12$ mol、陽極の酸素は $\dfrac14$ mol なので、それぞれの物質量を求める。
- 標準状態のモル体積を表紙の気体定数 0.082 atm・$l$/(K・mol) から求め、体積に直す。
【問1 ウの方針】
両極の反応を足すと $\ce{OH-}$ は消え、全体は水の電気分解になる。だから溶質の水酸化ナトリウムは変わらず、水だけが減る。溶質と水を別々に追う(下の図)。


- 両極の反応を足して全体の反応式を作り、減った水の物質量を電子の物質量から求め、質量に直す。
- 電気分解の後の溶液の質量(水酸化ナトリウム+残った水)と、その中の水酸化ナトリウムの物質量を求める。
- 塩酸の $\ce{H+}$ の物質量と等しい $\ce{OH-}$ を含む溶液の質量を、比例で求める。
【問1 エ・オの方針】
爆発の前後で体積は変わらないので、物質量の変化を表で追ってから状態方程式に入れる。水は温度によって気体にも固体にもなることに注目する(下の図)。


- 気体A(水素)・気体B(酸素)の物質量を求め、反応式の下に反応前・変化量・反応後を書く。
- 400 K で水が全て気体と仮定した分圧を求め、100 ℃で1 atm になる水の飽和蒸気圧と比べて、水が全て気体であることを確かめる。
- 400 K の気体の物質量の合計を状態方程式に入れて、エを求める。
- 218 K では水は氷になり、その蒸気圧と体積は無視できるので、酸素だけを状態方程式に入れて、オを求める。
【問2の方針】
実験3 は炭素電極なので板は溶けず、陽極は塩化物イオンが反応する。陰極は $\ce{Na+}$ が反応しないので、実験1 と同じく水が反応して水素が発生する(下の図)。


- 実験1 の陰極・陽極の気体を A・B とする。
- 実験3 の陽極を「板 → ハロゲン → 水」の順に見て、C を決める。
【問3の方針】
電子式は「電子の総数は変わらない」「各原子は希ガスの電子配置」の2つのルールで書く。例と同じく、左辺から右辺へ移るときに出ていく電子を $\ce{e-}$ として右辺に書く(下の図)。


- $\ce{2Cl- -> Cl2 + 2e-}$ の反応式を書く。
- 塩化物イオンは Cl のまわりに電子8個を書き、角かっこで囲んで右上に − を付ける。
- 塩素分子は共有電子対1組と、それぞれの Cl に非共有電子対3組を書く。
- 左辺16個の電子が、右辺の14個と $2\ce{e-}$ に分かれていることを確かめる。
解答




解答をテキストで読む
問1 ア・イ
まず、流れた電子の物質量を求める。電気量は電流×時間なので
$$\dfrac{1.0\times38600}{9.65\times10^4}=0.400\ \mathrm{mol}\quad\text{(流れた電子の物質量)}$$
陽極は白金なので板は溶けず、ハロゲン化物イオンも無いので、水が酸化されて酸素が発生する。陰極では、溶液中の陽イオンは $\ce{Na+}$ だけで、 $\ce{Ag+}$ ・ $\ce{Cu^2+}$ が無く $\ce{Na+}$ は還元されないので、水素イオン(水)が還元されて水素が発生する(下の図)。
酸性の式を書いてから、溶液が塩基性なので両辺に $\ce{OH-}$ を足して直す。陽極は両辺に $\ce{4OH-}$ を足して
$$\ce{2H2O -> O2 + 4H+ + 4e-}\qquad\ce{4OH- -> O2 + 2H2O + 4e-}$$
陰極は両辺に $\ce{2OH-}$ を足して
$$\ce{2H+ + 2e- -> H2}\qquad\ce{2H2O + 2e- -> H2 + 2OH-}$$
電子1 mol あたり、陰極の水素は $\dfrac12$ mol、陽極の酸素は $\dfrac14$ mol できるので
$$\ce{H2}\ :\ 0.400\times\dfrac12=0.200\ \mathrm{mol}\qquad\ce{O2}\ :\ 0.400\times\dfrac14=0.100\ \mathrm{mol}$$
標準状態(0 ℃、1 atm)での 1 mol の気体の体積を、表紙の気体定数 0.082 atm・$l$/(K・mol) を使って状態方程式から求める。
$$V=\dfrac{1\times0.082\times273}{1}=22.4\ l$$
よって、陰極の水素(気体A)と陽極の酸素(気体B)の体積は
$$0.200\times22.4=4.48\ l=4.48\times10^3\ \mathrm{m}l\fallingdotseq4.5\times10^3\ \mathrm{m}l$$
$$0.100\times22.4=2.24\ l=2.24\times10^3\ \mathrm{m}l\fallingdotseq2.2\times10^3\ \mathrm{m}l$$
答(ア) $4.5\times10^3$(3点)
(表紙のもう1つの気体定数 8.31 kPa・$l$/(K・mol) と 1 atm= $1.0\times10^5$ Pa からモル体積を求めると 22.7 $l$ になり、イは $2.3\times10^3$ になる)
答(イ) $2.2\times10^3$(3点)
問1 ウ
陽極の式と、陰極の式を2倍したものを足すと、電子と $\ce{OH-}$ が両辺で消える。
$$\ce{4OH- + 4H2O -> O2 + 2H2O + 2H2 + 4OH-}$$
両辺から同じものを消すと
$$\ce{2H2O -> 2H2 + O2}$$
全体は水の電気分解なので、溶質の水酸化ナトリウムは変わらず、水だけが減る。減る水は電子の $\dfrac12$ 倍で
$$0.400\times\dfrac12=0.200\ \mathrm{mol}\qquad0.200\times18.0=3.60\ \mathrm{g}\quad\text{(減った水)}$$
溶質と水を別々に追う(下の図)。
水酸化ナトリウムは 40 g のままで $\dfrac{40}{40.0}=1.00$ mol、水は $183.6-3.6=180.0$ g。電気分解の後の溶液は $40+180.0=220.0$ g で、その中に水酸化ナトリウムが 1.00 mol ある。
塩酸の $\ce{H+}$ は $1\times\dfrac{20}{1000}=0.020$ mol。中和では $\ce{H+}$ と $\ce{OH-}$ の物質量が等しいので、 $\ce{OH-}$ が 0.020 mol 入った時点で中和点になり、それを超えるとフェノールフタレインが赤くなる。0.020 mol の水酸化ナトリウムを含む溶液の質量は
$$220.0\times\dfrac{0.020}{1.00}=4.4\ \mathrm{g}$$
答(ウ) 4.4(3点)
問1 エ・オ
気体A は水素、気体B は酸素。標準状態で 224 m$l$ ずつなので、物質量はそれぞれ
$$\dfrac{224\times10^{-3}}{22.4}=0.0100\ \mathrm{mol}$$
爆発で水素が燃える。反応式の下に物質量の変化を書くと、次の表になる(下の図)。
爆発の前後と冷やした後の気体は、次のとおり(下の図)。
400 K(127 ℃)で、水が全て気体と仮定した圧力を求める。
$$P_{\mathrm{if}}=\dfrac{0.0100\times0.082\times400}{0.448}=0.73\ \mathrm{atm}\quad\text{(全て気体と仮定した時の水の圧力)}$$
水の飽和蒸気圧は 100 ℃で 1 atm で、400 K ではそれより大きい。 $P_{\mathrm{if}}$ はそれより小さいので、水は全て気体。気体は酸素 0.0050 mol と水 0.0100 mol の合わせて 0.0150 mol なので
$$P=\dfrac{0.0150\times0.082\times400}{0.448}=1.098\fallingdotseq1.1\ \mathrm{atm}$$
答(エ) 1.1(3点)
218 K は −55 ℃で、水は凍って氷になる。この温度の氷の蒸気圧はごく小さく、氷 0.18 g の体積も容器の 448 m$l$ に比べてごく小さいので、どちらも無視できる。気体は酸素 0.0050 mol だけなので
$$P=\dfrac{0.0050\times0.082\times218}{0.448}=0.1995\fallingdotseq2.0\times10^{-1}\ \mathrm{atm}$$
答(オ) $2.0\times10^{-1}$(3点)
問2
実験1 の陰極の気体A は水素、陽極の気体B は酸素。実験3 は炭素電極なので、陽極の板は溶けず、溶液中の塩化物イオンが酸化されて塩素が発生する。陰極は $\ce{Na+}$ が還元されないので、実験1 と同じく水が還元されて水素(気体A)が発生する(下の図)。
$$\text{陽極}\quad\ce{2Cl- -> Cl2 + 2e-}\qquad\text{陰極}\quad\ce{2H2O + 2e- -> H2 + 2OH-}$$
答(気体A) $\ce{H2}$(2点)
答(気体B) $\ce{O2}$(2点)
答(気体C) $\ce{Cl2}$(2点)
問3
陽極の反応は $\ce{2Cl- -> Cl2 + 2e-}$ 。電子の総数を変えずに、各原子が希ガス(Ar)の電子配置になるように書く。塩化物イオンは、Cl の価電子7個に1個を加えた8個を Cl のまわりに書き、角かっこで囲んで右上に − を付ける。塩素分子は、2つの Cl が共有電子対1組を共有し、それぞれ非共有電子対3組をもつ。左辺の電子は $8\times2=16$ 個、右辺は塩素分子の14個と $2\ce{e-}$ で、総数は変わらない(下の図)。
答 上の図の電子式(2点)
別解
問1 エ・オ (モル計算を圧力計算でして、温度の比で直す)爆発前、標準状態で合わせて 448 m$l$ の気体を 448 m$l$ の容器に入れたので、273 K なら全圧は 1.0 atm で、水素と酸素の分圧は 0.50 atm ずつ。体積と温度が同じなら圧力は物質量に比例するので、表を 273 K の分圧で書く(水も全て気体と仮定する)。
$$\begin{array}{c|ccc} & \ce{2H2} & \ce{O2} & \ce{2H2O}\\ \hline \text{反応前} & 0.50 & 0.50 & 0\\ \text{変化量} & -0.50 & -0.25 & +0.50\\ \hline \text{反応後} & 0 & 0.25 & 0.50 \end{array}\quad(\mathrm{atm})$$
体積と物質量が同じなら圧力は絶対温度に比例するので、400 K の全圧は $(0.25+0.50)\times\dfrac{400}{273}=1.10$ atm、218 K の酸素の圧力は $0.25\times\dfrac{218}{273}=0.200$ atm。本解と同じ。
出題意図
問1 ア・イ・問2 電極の材質と溶液から両極の反応を決め、流れた電子の物質量から発生する気体の体積を求めることができるか
問1 ウ 水酸化ナトリウム水溶液の電気分解では水だけが減ることに気づき、減ったあとの溶液の質量から中和に必要な量を求めることができるか
問1 エ・オ 爆発の前後の物質量を表で追い、温度によって水が気体か固体かを判断して圧力を求めることができるか
問3 塩化物イオンが電子を失って塩素分子になる反応を、電子の総数を変えずに電子式で表すことができるか
講評
| 医学部医学科 | その他の学部 | |
|---|---|---|
| 難易度 | やや簡単 | |
| 目標得点 | 23点 | 20点 |
| 目標時間 | 12分 | 15分 |
電気分解は「陽極は板 → ハロゲン → 水、陰極は銀 → 銅 → 水素イオン」で反応を決め、まず電子の物質量を求める、という決まった流れで解ける大問。
差がつくのはウとオの2か所だけで、どちらも「水がどうなっているか」を追えるかどうか。
水の電気分解では溶質は変わらず水だけが減ること、温度が変われば水は気体にも固体にもなること、この2点を押さえておけば満点が取れる。
差がつく所・失点しやすい所
- 問1 ウ:電気分解で溶質は変わらず水だけが 3.6 g 減る、という発想に行き着けるか。水の減少を忘れて 223.6 g のまま計算すると 4.5 g になり、有効数字2桁で答えがずれる。
- 問1 オ:218 K で水が氷になり、気体として残るのは酸素だけだと判断できるか。水も気体のまま入れると 0.60 atm になる。
2009年九州大学化学
第3問 解答・解説
第3問は理論化学(溶液)の問題です。
テーマは『凝固点降下の計算』『平衡定数の計算』。
問題


問題文をテキストで読む
次の文章を読み、問1〜問5に答えよ。
不揮発性の溶質が溶解している希薄溶液の凝固点は、純溶媒の凝固点に比べて低くなる。この凝固点の差である凝固点降下度[K]は、溶質が非電解質であれば溶質の種類にはよらず、溶媒1.0 kg中に溶けている溶質の物質量[mol]に比例する。この比例定数は、溶媒の種類によって一定値に決まる。ここで、溶質の物質量は、溶かした物質量ではなく溶けている物質量であることに注意すべきである。例として、不揮発性の分子 $\ce{G2}$ をある溶媒に溶かした溶液を考える。溶液中で
$\ce{G2 -> 2G}$
の反応が起こり、 $\ce{G2}$ がすべてGに分解しているとする。このとき、上で述べた溶媒固有の比例定数を用いて溶液の凝固点降下度を求めるならば、 $\ce{G2}$ ではなく、Gの物質量[mol]を用いなければならない。
不揮発性の非電解質の溶質A、B、Cが溶解している希薄溶液を考える。溶媒Sの凝固点降下の比例定数は知られており、質量1.0 kgの溶媒S中に $1.0\times10^{-1}$ molの溶質が溶けている場合の凝固点降下度は $2.5\times10^{-1}$ Kである。溶質Aを $M_A$ [g]はかりとり、 $5.0\times10^{-1}$ kgの溶媒Sに溶かした溶液の凝固点降下度は、 $5.0\times10^{-1}$ Kであった。
一方、溶質Aを $M_A$ [g]はかりとり、1.0 kgの溶媒Hに溶かした溶液Ⅰの凝固点降下度は $2.0\times10^{-1}$ Kであった。また、溶質Bを $M_B$ [g]はかりとり、1.0 kgの溶媒Hに溶解した溶液Ⅱの凝固点降下度も $2.0\times10^{-1}$ Kであった。この溶液Ⅰと溶液Ⅱを混合した混合溶液Ⅲの体積は2.0 $l$ で、凝固点降下度は $2.0\times10^{-1}$ Kより小さかった。その理由は、溶質分子AとBが反応し、Cが生じる化学平衡
$\ce{A + B <=> C}$
があるからである。この混合溶液の凝固点近傍での平衡定数を $K_H$ [$l$/mol]とする。
すべて大気圧のもとで考えることにする。なお、どの溶液も凝固点以上の温度では溶質は完全に溶解しているとする。また、溶液が凝固するとき、その凝固物は溶媒分子のみからなる固体である。すべての溶液中で上記以外の反応はおこらないものとする。
問1. $M_B$ [g]の溶質Bの物質量[mol]を求め、有効数字2桁で答えよ。
問2. 質量10 kgの溶媒Hに非電解質の溶質が1.0 mol溶けている溶液の凝固点降下度[K]の値を求め、有効数字2桁で答えよ。
問3. 混合溶液Ⅲ中のAの濃度を $x_A$ [mol/$l$]としたとき、平衡定数 $K_H$ [$l$/mol]を $x_A$ の式で表せ。
問4. 混合溶液Ⅲの溶媒1.0 kgあたりの3種類の溶質A、B、Cの物質量の合計を $n$ [mol]とする。物質量 $n$ [mol]を $x_A$ の式で表せ。
問5. 混合溶液Ⅲの凝固点降下度[K]をはかったところ、 $1.5\times10^{-1}$ Kであった。平衡定数 $K_H$ [$l$/mol]を求め、有効数字2桁で答えよ。
解答の方針
【問1の方針】
凝固点降下度は「定数×質量モル濃度×個数」で、定数は溶媒で決まる。同じ質量のAはどちらの溶媒でも同じ物質量なので、定数の分かる溶媒SでAの物質量を決め、溶媒Hへつなぐ(下の図)。


- 「溶媒S 1.0 kgに0.10 molで0.25 K」から、溶媒Sのモル凝固点降下を求める。
- Aを溶媒S 0.50 kgに溶かした凝固点降下度0.50 Kから、Aの物質量を求める。
- 溶液Ⅰ(A)と溶液Ⅱ(B)は同じ溶媒H 1.0 kgで同じ0.20 Kなので、公式を2本並べて比をとり、Bの物質量を求める。
【問2の方針】
溶媒Hの定数は、物質量が分かったAの溶液Ⅰから求まる。あとは質量モル濃度を求めて公式に入れるだけ。
- 溶液Ⅰ(A 0.10 mol・溶媒H 1.0 kg・0.20 K)から、溶媒Hのモル凝固点降下を求める。
- 溶媒10 kgに1.0 molの質量モル濃度を求め、公式に入れる。
【問3の方針】
溶液ⅠとⅡを混ぜると、AとBの物質量はそのままで、体積は2.0 $l$ になる。平衡は物質量で状態遷移図を書き、平衡定数には体積で割った濃度を入れる(下の図)。


- 混合溶液Ⅲ(A 0.10 mol・B 0.10 mol・2.0 $l$)で、反応したAを $y$ mol として状態遷移図を書く。
- 平衡時のAの物質量を2.0 $l$ で割ったものが $x_A$ なので、 $y$ を $x_A$ で表す。
- A・B・Cの濃度を $x_A$ で表し、平衡定数の式に入れる。
【問4の方針】
凝固点降下で数えるのは、溶けて実際に動いている粒子の数。AとBからCが1個できると、粒子は1個減る(前書きの $\ce{G2 -> 2G}$ の逆)。混ぜたあとの溶媒は2.0 kgになる(下の図)。


- 状態遷移図の平衡時の合計の物質量を、問3 の $y$ と $x_A$ の関係で $x_A$ の式にする。
- 混合溶液Ⅲの溶媒は溶液Ⅰ・Ⅱの1.0 kgずつで2.0 kgなので、合計を2.0で割って溶媒1.0 kgあたりにする。
【問5の方針】
問4 の $n$ は溶媒1.0 kgあたりの物質量なので、そのまま質量モル濃度として凝固点降下の公式に入る。粒子が減った分だけ、凝固点降下度は0.20 Kより小さい0.15 Kになっている。
- 凝固点降下の公式に溶媒Hの定数と $n$ を入れ、 $n$ を求める。
- 問4 の式から $x_A$ を求める。
- 問3 の式に入れて $K_H$ を求める。
解答


解答をテキストで読む
問1
凝固点降下度は「定数×質量モル濃度×個数」で表す。A・B・Cは非電解質で、溶液の中で問題の反応以外はおこらないので、個数は1。モル凝固点降下は、問題の平衡定数 $K_H$ と区別するため、溶媒Sを $k_{\mathrm{S}}$ 、溶媒Hを $k_{\mathrm{H}}$ [K・kg/mol] とする(下の図)。
まず、溶媒S 1.0 kgに0.10 molの溶質が溶けると0.25 Kなので
$$0.25=k_{\mathrm{S}}\times\dfrac{0.10}{1.0}\times1\qquad k_{\mathrm{S}}=2.5\ \mathrm{K\cdot kg/mol}$$
$M_A$ [g] のAの物質量を $n_A$ [mol] とする。溶媒S 0.50 kgに溶かすと0.50 Kなので
$$0.50=2.5\times\dfrac{n_A}{0.50}\times1\qquad n_A=0.10\ \mathrm{mol}$$
溶液Ⅰも同じ $M_A$ [g] のAを溶かしているので、Aの物質量は同じ0.10 mol。溶媒Hの定数は分からないので、溶液Ⅰと溶液Ⅱ(Bの物質量 $n_B$ [mol])の公式を2本並べる。どちらも溶媒Hが1.0 kgで、凝固点降下度は0.20 K。
$$0.20=k_{\mathrm{H}}\times\dfrac{n_A}{1.0}\times1\quad\text{(溶液Ⅰ)}\qquad0.20=k_{\mathrm{H}}\times\dfrac{n_B}{1.0}\times1\quad\text{(溶液Ⅱ)}$$
2本の比をとると $k_{\mathrm{H}}$ が消えて $\dfrac{n_B}{n_A}=1$ 。よって
$$n_B=n_A=0.10=1.0\times10^{-1}\ \mathrm{mol}$$
答 $1.0\times10^{-1}$ mol(5点)
問2
溶液Ⅰ(A 0.10 mol・溶媒H 1.0 kg・0.20 K)から、溶媒Hのモル凝固点降下を求める。
$$0.20=k_{\mathrm{H}}\times\dfrac{0.10}{1.0}\times1\qquad k_{\mathrm{H}}=2.0\ \mathrm{K\cdot kg/mol}$$
溶媒H 10 kgに非電解質が1.0 mol溶けた溶液の質量モル濃度は $\dfrac{1.0}{10}=0.10$ mol/kgなので
$$\Delta t=2.0\times\dfrac{1.0}{10}\times1=0.20=2.0\times10^{-1}\ \mathrm{K}$$
答 $2.0\times10^{-1}$ K(5点)
問3
溶液Ⅰ(A 0.10 mol)と溶液Ⅱ(B 0.10 mol)を混ぜた混合溶液Ⅲは、体積が2.0 $l$ 、溶媒Hが2.0 kg(下の図)。
混合溶液Ⅲの中で反応したAを $y$ [mol] として、状態遷移図を書く(下の図)。
平衡時のAは $0.10-y$ [mol] で、その濃度が $x_A$ なので
$$\dfrac{0.10-y}{2.0}=x_A\qquad y=0.10-2.0x_A$$
Bも同じ物質量なので $[\ce{B}]=x_A$ 。Cの濃度は
$$[\ce{C}]=\dfrac{y}{2.0}=\dfrac{0.10-2.0x_A}{2.0}=0.050-x_A$$
平衡定数には、物質量を体積で割った濃度を入れる。
$$K_H=\dfrac{[\ce{C}]}{[\ce{A}][\ce{B}]}=\dfrac{0.050-x_A}{x_A\times x_A}$$
答 $K_H=\dfrac{5.0\times10^{-2}-x_A}{x_A^{\,2}}$(5点)
問4
状態遷移図の平衡時の合計は $0.20-y$ [mol]。問3 の $y=0.10-2.0x_A$ を入れると
$$0.20-y=0.20-(0.10-2.0x_A)=0.10+2.0x_A\ \mathrm{mol}$$
AとBからCが1個できるごとに粒子は1個減るので、合計は混ぜる前の0.20 molより少ない。これが溶媒2.0 kgに溶けているので、溶媒1.0 kgあたりにすると
$$n=\dfrac{0.10+2.0x_A}{2.0}=0.050+x_A$$
答 $n=5.0\times10^{-2}+x_A$(4点)
問5
$n$ は溶媒1.0 kgあたりの物質量なので、そのまま質量モル濃度として公式に入れる。A・B・Cはどれも1個の粒子として数える。
$$0.15=2.0\times n\times1\qquad n=0.075\ \mathrm{mol}$$
問4 の式から
$$0.075=0.050+x_A\qquad x_A=0.025\ \mathrm{mol}/l$$
問3 の式に入れて
$$K_H=\dfrac{0.050-0.025}{0.025^2}=\dfrac{0.025}{6.25\times10^{-4}}=40=4.0\times10\ l/\mathrm{mol}$$
答 $4.0\times10$ $l$/mol(4点)
別解
問1 (溶媒Hの定数を先に求める)溶液Ⅰから $0.20=k_{\mathrm{H}}\times\dfrac{0.10}{1.0}\times1$ で $k_{\mathrm{H}}=2.0$ K・kg/mol。溶液Ⅱに入れて $0.20=2.0\times\dfrac{n_B}{1.0}\times1$ より $n_B=0.10$ mol。本解と同じ。
問1 (溶媒Sでいきなり比をとる)溶媒Sでは、質量モル濃度0.10 mol/kgで0.25 K。凝固点降下度は質量モル濃度に比例するので、0.50 Kなら質量モル濃度は0.20 mol/kg。溶媒は0.50 kgなので $n_A=0.20\times0.50=0.10$ mol。本解と同じ。
出題意図
問1 同じ質量の溶質Aを2つの溶媒に溶かした結果から、溶媒Sで求めたAの物質量を溶媒Hの溶液につなぎ、Bの物質量を求めることができるか
問2 溶媒Hのモル凝固点降下を求め、質量モル濃度から凝固点降下度を求めることができるか
問3 混ぜたあとの体積で濃度を求め、平衡定数を $x_A$ の式で表すことができるか
問4 平衡で粒子の数が減ることを、溶媒1.0 kgあたりの溶質の物質量として表すことができるか
問5 凝固点降下度から溶けている粒子の物質量を求め、平衡定数を求めることができるか
講評
| 医学部医学科 | その他の学部 | |
|---|---|---|
| 難易度 | 標準 | |
| 目標得点 | 20点 | 15点 |
| 目標時間 | 15分 | 15分 |
2009年の化学の合否を分けた大問。
凝固点降下は「定数×質量モル濃度×個数」、化学平衡は「状態遷移図を書いて体積で割った濃度を入れる」の2つだけで最後まで解ける。
差がつくのは、問1 で同じ質量のAを2つの溶媒につなぐ所と、混ぜたあとに濃度は体積で、凝固点降下は溶媒の質量で割る、という使い分け。
重要問題集の凝固点降下と平衡定数の問題を白紙で再現できるまで練習しておこう。
差がつく所・失点しやすい所
- 問1:同じ質量のAはどちらの溶媒でも同じ物質量なので、定数の分かる溶媒SでAの物質量を決め、溶媒Hの溶液につなぐ、という発想に行き着けるか。ここで止まると、溶媒Hの定数を使う問2 と問5 もまとめて落ちる。
- 問3・問4:混ぜると体積も溶媒も2倍になる。平衡定数には体積2.0 $l$ で割った濃度、凝固点降下には溶媒2.0 kgで割った質量モル濃度、と割る量を使い分けられるか。混ぜる前の濃度のまま式を立てると、問3〜問5 が続けて崩れ、13点の差がつく。
2009年九州大学化学
第4問 解答・解説
第4問は理論化学(反応の速さと化学平衡)の問題です。
テーマは『反応エンタルピーの計算』『圧平衡定数の計算』。
問題


問題文をテキストで読む
※ 旧課程の問題なので、熱化学方程式・生成熱の表記をエンタルピーに直して載せています。
次の文章(1)および(2)を読み、問1〜問4に答えよ。
(1) 四酸化二窒素( $\ce{N2O4}$ )が分解して、二酸化窒素( $\ce{NO2}$ )になる気体反応は可逆反応であり、式①で表すことができる。
$\ce{N2O4}$(気体) $\ce{<=>}$ 2 $\ce{NO2}$(気体) ……①
問1. 式①の反応にともなうエンタルピー変化は、次の式②で表すことができる。
$\ce{N2O4}$(気体) $\ce{->}$ 2 $\ce{NO2}$(気体)
$\Delta H=x$ [kJ] ……②
$\ce{N2O4}$(気体)と $\ce{NO2}$(気体)の生成エンタルピーをそれぞれ $+9.2$ kJ/mol、 $+33.2$ kJ/molとする。式②の $x$ [kJ]を求めよ。
問2. 式①の反応が平衡状態にあるとき、次の(i)〜(v)の操作を行った。このとき、平衡はどのように移動するか。(a)〜(c)の中から1つを選び記号で答えよ。
〔操 作〕
(i) 温度を一定に保ち、圧力を加える。
(ii) 温度と体積を一定に保ち、希ガスを加える。
(iii) 圧力を一定に保ち、加熱する。
(iv) 温度と圧力を一定に保ち、希ガスを加える。
(v) 触媒を加える。
〔平衡の移動〕
(a) $\ce{N2O4}$(気体)の分解の方向に移動する。
(b) $\ce{N2O4}$(気体)の生成の方向に移動する。
(c) どちらにも移動しない。
(2) $8.0\times10^{-2}$ molの $\ce{N2O4}$(液体)をあらかじめ真空にしておいた容積1.0 $l$ の容器の中に入れ、温度を313 Kに上昇させた。このとき $\ce{N2O4}$ はすべて蒸発し、 $\ce{N2O4}$(気体)の20 %が $\ce{NO2}$(気体)に分解して平衡状態(a)になるとする。
問3. 下線部(a)における $\ce{NO2}$(気体)の分圧は全圧の何パーセントか。有効数字2桁で答えよ。
問4. 下線部(a)における圧平衡定数[Pa]を有効数字2桁で答えよ。
解答の方針
【問1の方針】
熱化学はエンタルピー図で解く。生成エンタルピーがどちらも正なので、単体を一番下に置き、 $\ce{N2O4}$ と $\ce{2NO2}$ はどちらも単体より上に置く(下の図)。


- 式②をベースとなる式にし、反応前 $\ce{N2O4}$ から反応後 $\ce{2NO2}$ への矢印を $\Delta H=x$ とおく。
- 単体 $\ce{N2 + 2O2}$ と $\ce{N2O4}$、 $\ce{2NO2}$ をそれぞれ生成エンタルピーで繋ぐ( $\ce{NO2}$ は2倍)。
- 単体から $\ce{2NO2}$ へ行く2通りの矢印の和が等しいとして $x$ を求める。
【問2の方針】
ルシャトリエの原理は、温度 $T$ と濃度 $C$ の2つだけを見る。圧力の変化や希ガスは、各物質の濃度の変化に直して考える。問1 から、右向きは吸熱で、分子数が増える向き(下の図)。


- 問1 の結果から、式①の右向きが吸熱で、気体の分子数が1から2に増える向きだと確かめる。
- (i)〜(v) のそれぞれで、温度と各物質の濃度がどう変わるかを書く。
- 温度が上がれば吸熱の向き、濃度が上がれば分子数が減る向き、濃度が下がれば分子数が増える向き、どちらも変わらなければ移動しないとして、(a)〜(c) を選ぶ。
【問3の方針】
平衡の問題は、まず状態遷移図で反応前・変化量・平衡の物質量を書き、合計も求めておく。同じ容器の気体なので、分圧の比は物質量の比(下の図)。


- $\ce{N2O4}$ 0.080 mol の20 %が分解したとして、状態遷移図で平衡の物質量と合計を求める。
- $\ce{NO2}$ の物質量を合計で割って、全圧に対する分圧の割合を求める。
【問4の方針】
圧平衡定数は、全圧とモル分率で分圧を求めて定義の式に入れる。全圧は、問3 の合計の物質量と容積・温度から状態方程式で求める。Pa で答えるので、kPa の気体定数を使う。
- 平衡での合計の物質量 0.096 mol と状態方程式から、全圧を求める。
- 問3 のモル分率に全圧をかけて、2つの分圧を求める。
- 圧平衡定数の定義の式に分圧を入れて計算する。
解答


解答をテキストで読む
問1
生成エンタルピーは $\ce{N2O4}$(気) が $+9.2$ kJ/mol、 $\ce{NO2}$(気) が $+33.2$ kJ/mol。どちらも正なので、単体より上にある(吸熱で生成する)。
$$\ce{N2 + 2O2 -> N2O4}\qquad\Delta H=+9.2\ \mathrm{kJ}$$
$$\ce{1/2N2 + O2 -> NO2}\qquad\Delta H=+33.2\ \mathrm{kJ}$$
ベースとなる式は、求めたい式②(生成エンタルピーの式ではないので)。反応前 $\ce{N2O4}$ から反応後 $\ce{2NO2}$ への矢印を $\Delta H=x$ とおく。生成エンタルピーが与えられているので、単体 $\ce{N2 + 2O2}$ を基準にして繋ぐ。ここでは生成エンタルピーが正なので、単体は一番下になる(下の図)。
・単体 $\ce{N2 + 2O2}$ → $\ce{N2O4}$: $\ce{N2O4}$ 1 mol の生成なので $+9.2$
・単体 $\ce{N2 + 2O2}$ → $\ce{2NO2}$: $\ce{NO2}$ 2 mol の生成なので $+33.2\times2$
単体から $\ce{2NO2}$ へ行く2通りの矢印の和は等しいので
$$+9.2+x=+33.2\times2\qquad\therefore\ x=+57.2\ \mathrm{kJ}$$
正なので、反応後の $\ce{2NO2}$ は反応前の $\ce{N2O4}$ より上にあり、分解は吸熱反応。
答 $x=+57.2$ kJ(4点)
問2
問1 より、式①の右向き( $\ce{N2O4}$ の分解)は吸熱で、気体の分子数が1から2に増える向き。(a) は右、(b) は左。
ルシャトリエの原理は、温度 $T$ と濃度 $C$ の2つの変化だけを見る(下の図)。
・(i) 温度は一定。圧力を加えると体積が小さくなり、 $P=CRT$ より全体の濃度が上がるので、気体の分子数が減る向き(左)へ移動する
・(ii) 温度・体積が一定で希ガスを加えても、 $\ce{N2O4}$ と $\ce{NO2}$ の物質量も体積も変わらないので、濃度 $C=\dfrac{n}{V}$ は変わらない(全圧は上がるが、各物質の分圧は変わらない)。温度も濃度も変わらないので、移動しない
・(iii) 温度:加熱すると、吸熱の向き(右)へ移動する。濃度:圧力一定で温度が上がると、 $P=CRT$ より全体の濃度が下がるので、気体の分子数が増える向き(右)へ移動する。どちらも右
・(iv) 温度・圧力が一定で希ガスを加えると、全体の物質量が増えるぶん体積が大きくなり、 $\ce{N2O4}$ と $\ce{NO2}$ の濃度が下がる。気体の分子数が増える向き(右)へ移動する
・(v) 触媒は、活性化エネルギーの小さい経路をつくって、正反応も逆反応も同じように速くするだけ。温度も濃度も変わらないので、平衡に達するのが早くなるだけで、平衡は移動しない
答(i) (b) $\ce{N2O4}$ の生成の方向(1点)
答(ii) (c) どちらにも移動しない(1点)
答(iii) (a) $\ce{N2O4}$ の分解の方向(1点)
答(iv) (a) $\ce{N2O4}$ の分解の方向(1点)
答(v) (c) どちらにも移動しない(1点)
問3
$\ce{N2O4}$ 0.080 mol( $8.0\times10^{-2}$ mol)はすべて蒸発し、その20 %が分解する。分解する $\ce{N2O4}$ は
$$0.080\times0.20=0.016\ \mathrm{mol}$$
係数より $\ce{NO2}$ はその2倍の0.032 mol でき、合計は0.016 mol 増える。状態遷移図で平衡の物質量と合計を求める(下の図)。
平衡で $\ce{N2O4}$ 0.064 mol、 $\ce{NO2}$ 0.032 mol、合計0.096 mol。同じ容器・同じ温度の気体なので、分圧の比は物質量の比になり、全圧に対する $\ce{NO2}$ の分圧の割合はモル分率に等しい。
$$\dfrac{p_{\ce{NO2}}}{P}=\dfrac{0.032}{0.096}=\dfrac13\fallingdotseq0.333$$
答 33 %(5点)
問4
平衡の合計の物質量は0.096 mol(問3 の状態遷移図)。容積1.0 $l$ 、313 K なので、全圧 $P$ は状態方程式 $PV=nRT$ より
$$P=\dfrac{0.096\times8.31\times313}{1.0}\fallingdotseq249.7\ \mathrm{kPa}=2.497\times10^{5}\ \mathrm{Pa}$$
分圧はモル分率×全圧。問3 より $\ce{NO2}$ のモル分率は $\dfrac13$ 、 $\ce{N2O4}$ は $\dfrac{0.064}{0.096}=\dfrac23$ なので
$$p_{\ce{NO2}}=\dfrac13P,\qquad p_{\ce{N2O4}}=\dfrac23P$$
圧平衡定数の定義の式に入れると
$$K_p=\dfrac{{p_{\ce{NO2}}}^2}{p_{\ce{N2O4}}}=\dfrac{\left(\dfrac13P\right)^2}{\dfrac23P}=\dfrac{P}{6}=\dfrac{2.497\times10^{5}}{6}\fallingdotseq4.16\times10^{4}\ \mathrm{Pa}$$
有効数字2桁で答える。
(表紙のもう1つの気体定数 0.082 atm・ $l$ /(K・mol) で全圧を atm で求め、1 atm= $1.0\times10^5$ Pa で Pa に直すと $4.1\times10^{4}$ Pa になる)
答 $4.2\times10^{4}$ Pa(6点)
別解
問1 (公式で解く)反応エンタルピー=(生成物の生成エンタルピーの和)−(反応物の生成エンタルピーの和)より
$$x=(+33.2)\times2-(+9.2)=+57.2\ \mathrm{kJ}$$
引く順を逆にすると $-57.2$ になるので、エンタルピー図で上下を確かめられるようになってから使う。
問4 (濃度平衡定数と $RT$ で書き換える) $p=CRT$ より $K_p=K_cRT$ 。平衡の濃度は $[\ce{N2O4}]=0.064$ mol/ $l$ 、 $[\ce{NO2}]=0.032$ mol/ $l$ (容積1.0 $l$ )なので
$$K_c=\dfrac{[\ce{NO2}]^2}{[\ce{N2O4}]}=\dfrac{\left(\dfrac{0.032}{1.0}\right)^2}{\dfrac{0.064}{1.0}}=1.6\times10^{-2}\ \mathrm{mol}/l$$
$$K_p=K_cRT=1.6\times10^{-2}\times8.31\times10^{3}\times313\fallingdotseq4.16\times10^{4}\ \mathrm{Pa}$$
で本解と同じ $4.2\times10^{4}$ Pa( $R=8.31\times10^{3}$ Pa・ $l$ /(K・mol))。
出題意図
問1 生成エンタルピーをエンタルピー図で単体から繋いで反応エンタルピーを求め、分解が吸熱反応であることを捉えることができるか
問2 5つの操作を温度と濃度の変化に直して、ルシャトリエの原理で平衡の移動の向きを判定できるか
問3 分解した割合から平衡での物質量を求め、分圧の比が物質量の比になることを使えるか
問4 状態方程式で全圧を求め、全圧とモル分率から分圧を求めて圧平衡定数を計算できるか
講評
| 医学部医学科 | その他の学部 | |
|---|---|---|
| 難易度 | やや簡単 | |
| 目標得点 | 20点 | 20点 |
| 目標時間 | 10分 | 10分 |
熱化学・ルシャトリエの原理・圧平衡定数という化学平衡の定番が並んだ大問で、重要問題集が完璧なら満点が取れる。
熱化学はエンタルピー図を書けば迷わず、平衡は状態遷移図に合計まで書けば流れで解ける。
大問が6題で1題にかけられる時間が短い年なので、ここは10分で満点を取り切りたい。
差がつく所・失点しやすい所
- 問1:単体を一番下に置いたエンタルピー図で、 $\ce{NO2}$ を2 mol 分として繋げるか。2倍を忘れると24.0 kJ、引く順を逆にすると $-57.2$ kJ(発熱)になり、問2 (iii) も逆の (b) を選んでしまう。
- 問2 (iv):圧力一定で希ガスを加えると体積が増えて各物質の濃度が下がる、という発想に行き着けるか。体積一定の (ii) と同じく「移動しない」と答えやすい。
2009年九州大学化学
第5問 解答・解説
第5問は有機化学・高分子化合物の問題です。
テーマは『サリチル酸とその誘導体』『$\ce{C7H8O}$ の異性体』。
問題


問題文をテキストで読む
サリチル酸に関する次の文章(1)〜(4)を読み、問1〜問7に答えよ。なお、構造式はサリシンA及びサリチル酸Cにならって記せ。
(1) ヤナギの樹皮に含まれるサリシンAを硫酸で加水分解すると、サリチルアルコールBと $\boxed{\text{ ア }}$ が生成した。サリチルアルコールBの第1級アルコールを酸化すると、サリチル酸Cが生成した。また、加水分解により生成した $\boxed{\text{ ア }}$ は、水溶液中では $\boxed{\text{ イ }}$ 種類の異性体の平衡状態として存在し、これに水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤を加えると、 $\boxed{\text{ ア }}$ の $\boxed{\text{ ウ }}$ 基が還元されて糖アルコールDが生成した。
(2) サリチル酸Cはフェノールにナトリウムを作用させて生成したナトリウムフェノキシド(a)を高温、高圧下、二酸化炭素と反応させて生成したサリチル酸ナトリウムに硫酸を作用させると生成する。また、フェノールに水酸化カリウムを作用させて生成したカリウムフェノキシド(b)を同様に反応させると、サリチル酸Cとパラヒドロキシ安息香酸Eが生成する。
(3) サリチル酸Cに無水酢酸(c)を作用させて生成するアセチルサリチル酸Fは解熱、鎮痛薬として使用される。また、サリチル酸を $\boxed{\text{ エ }}$ 中で硫酸を触媒として加熱すると、サリチル酸メチルGが生成する。このサリチル酸メチルGをアンモニアと反応させると、分子内にアミド結合をもつサリチルアミドHが生成する。サリチル酸メチルGは消炎、鎮痛作用を示し、サリチルアミドHは解熱、鎮痛作用を有する医薬品である。
(4) 炭素、水素、酸素からなりベンゼン環を含む分子量108の化合物Iの試料2.16 gを完全に燃焼させたところ、二酸化炭素6.16 g、水1.44 gを生じた。さらに、化合物Iを酸化すると安息香酸Jが生じた。化合物Iにはベンゼン環を含む4種類の異性体、化合物K、L、M、Nが存在する。化合物Kは酸化されにくいが、化合物L、M、Nは酸化され、化合物Lからはサリチル酸Cが、化合物Mからはパラヒドロキシ安息香酸Eが得られた。
問1. 文中の $\boxed{\text{ ア }}$ 〜 $\boxed{\text{ エ }}$ に適切な語句または数字を記せ。
問2. サリチルアルコールB及び糖アルコールDの構造式を記せ。
問3. 1.43 gのサリシンA(分子量286)から何gのサリチル酸C(分子量138)が得られるか計算し、有効数字2桁で答えよ。
問4. 文章(2)、下線部(a)におけるナトリウムフェノキシドの生成、および下線部(b)におけるカリウムフェノキシドの生成を化学反応式で記せ。
問5. 文章(3)、下線部(c)の無水酢酸の加水分解を化学反応式で記せ。また、サリチルアミドHの構造式を記せ。
問6. 化合物Iの分子式を記せ。また、化合物Nの名称及び化合物Kの構造式を記せ。
問7. 化合物A〜Nの中で塩化鉄(Ⅲ)と呈色反応を示さない化合物を解答欄に記号で記せ。また、呈色反応を示さない理由を24字以内で記せ。
解答の方針
【問1の方針】
サリシン A の図では、ベンゼン環の O と糖の環がつながっている(グリコシド結合)。加水分解でここが切れるので、糖の側はグルコース。グルコースの還元性は、鎖状の形にだけあるアルデヒド基による(下の図)。


- 図のサリシン A の糖の部分(O を含む六員環に $\ce{CH2OH}$ が付いた形)から、ア をグルコースと決める。
- グルコースは水溶液中で α型・鎖状・β型の3つが平衡にあるので、イ は3。
- 還元剤で還元されるのは鎖状の形のアルデヒド基なので、ウ はアルデヒド。
- サリチル酸をサリチル酸メチルにするとき、硫酸を触媒として一緒に加熱するアルコールなので、エ はメタノール。
【問2の方針】
B は A からグルコースが外れたもので、結合していた O は OH に戻る。D はグルコースのアルデヒド基 $\ce{CHO}$ が $\ce{CH2OH}$ になったもの(下の図)。


- A のグリコシド結合が切れると、ベンゼン環の O は OH になる。B はベンゼン環に $\ce{CH2OH}$ と OH が隣り合ったサリチルアルコール。
- B の第1級アルコール $\ce{CH2OH}$ を酸化すると $\ce{COOH}$ になり、図のサリチル酸 C と同じ位置関係になることを確かめる。
- D は鎖状のグルコースの $\ce{CHO}$ を $\ce{CH2OH}$ にしたもので、6個の炭素すべてに OH が付いた鎖状の分子。
- B と D をサリシン A・サリチル酸 C にならって書く。
【問3の方針】
サリシン1分子からサリチルアルコール1分子、それを酸化してサリチル酸1分子ができる。物質量は1:1で対応する。
- サリシン A の物質量を分子量286から求める。
- 同じ物質量のサリチル酸 C の質量を分子量138から求め、有効数字2桁で答える。
【問4の方針】
フェノールは弱い酸。ナトリウムとは OH の H が置きかわって水素を出し、強い塩基の水酸化カリウムとは中和してフェノキシドになる(下の図)。


- (a) はアルコールとナトリウムの反応と同じ形で、フェノキシドと水素ができる反応式を書く。
- (b) は中和で、フェノキシドと水ができる反応式を書く。
- 左右の原子の数をそろえる。
【問5の方針】
無水酢酸は酢酸2分子から水が1分子とれたもの。水を加えると酢酸2分子に戻る。サリチルアミド H は、サリチル酸メチル G のエステルの部分がアンモニアでアミドに変わったもの(下の図)。


- 無水酢酸に水1分子を加え、酢酸2分子にする反応式を書く。
- サリチル酸 C の $\ce{COOH}$ をメタノールでエステル化したものを G とする。
- G の $\ce{COOCH3}$ を $\ce{CONH2}$ に変えたものを H とし、サリチル酸 C にならって書く(フェノールの OH はそのまま)。
【問6の方針】
ベンゼン環をもつ $\ce{C7H8O}$ は5つしかない。どれを酸化すると何ができるかで、1つずつ決まる(下の図)。


- 二酸化炭素と水の質量から C と H の質量を求め、O の質量は試料の質量から引いて求める。
- 物質量の比から組成式を求め、分子量108から分子式を求める。
- ベンゼン環をもつ $\ce{C7H8O}$ の5つ(ベンジルアルコール・メチルフェニルエーテル・o-、m-、p-クレゾール)を書く。
- 酸化で安息香酸になる I をベンジルアルコール、酸化されにくい K をメチルフェニルエーテル、サリチル酸 C になる L を o-クレゾール、p-ヒドロキシ安息香酸 E になる M を p-クレゾールとし、残りの N を m-クレゾールとする。
【問7の方針】
塩化鉄(Ⅲ)で呈色するのは、ベンゼン環に直接結合したヒドロキシ基をもつ化合物。A はベンゼン環に O が付いているが、その O はグルコースと結合していて OH ではない(下の図)。


- A〜N の構造を1つずつ確かめる。
- ベンゼン環に直接結合したヒドロキシ基をもたないものを選ぶ。
- 理由を24字以内で書く。
解答




解答をテキストで読む
問1
サリシン A の図の左の環は、O を含む六員環に $\ce{CH2OH}$ と3つの OH が付き、残りの1か所でベンゼン環側の O と結合した形で、グルコースの環そのもの。硫酸で加水分解するとベンゼン環側の O との結合(グリコシド結合)が切れ、サリチルアルコール B とグルコースができる。
グルコースは水溶液中で、環状の α型と β型、その間をつなぐ鎖状の形の3つが平衡になっている。還元性を示すのは鎖状の形にあるアルデヒド基で、水素化ホウ素ナトリウムで還元するとアルデヒド基が $\ce{CH2OH}$ になり、糖アルコール D ができる(下の図)。
文章(3)のサリチル酸メチル G はサリチル酸の $\ce{COOH}$ とメタノールのエステルなので、サリチル酸をメタノール中で硫酸を触媒として加熱する。
答(ア) グルコース(ブドウ糖)(1点)
答(イ) 3(1点)
答(ウ) アルデヒド(ホルミル)(1点)
答(エ) メタノール(1点)
問2
A のグリコシド結合が切れると、ベンゼン環に付いていた O は H を受け取って OH に戻る。その隣にはもとの $\ce{CH2OH}$ が残るので、B はベンゼン環に $\ce{CH2OH}$ と OH が隣り合ったサリチルアルコール。B の第1級アルコール $\ce{CH2OH}$ を酸化すると $\ce{COOH}$ になり、図のサリチル酸 C($\ce{COOH}$ と OH が隣り合う)と同じ形になる(下の図、サリチル酸 C にならってベンゼン環を書いた)。
答(B) サリチルアルコール(構造式は上の図)(2点)
D は鎖状のグルコースの1位のアルデヒド基 $\ce{CHO}$ が $\ce{CH2OH}$ になったもの。6個の炭素すべてに OH が1つずつ付いた鎖状の糖アルコールで、グルシトール(ソルビトール)と呼ばれる。2〜5位の H と OH の向きは鎖状のグルコースと同じに書いた(下の図)。
答(D) グルシトール(構造式は上の図)(2点)
問3
サリシン A 1分子からサリチルアルコール B 1分子ができ、B 1分子を酸化するとサリチル酸 C 1分子ができる。よって A と C の物質量は等しい。
$$\dfrac{1.43}{286}=5.00\times10^{-3}\ \mathrm{mol}$$
$$5.00\times10^{-3}\times138=0.690\ \mathrm{g}$$
答 0.69 g(2点)
問4
フェノールのヒドロキシ基は、アルコールと同じくナトリウムと反応して H が Na に置きかわり、水素が発生する。また、フェノールは弱い酸なので、強い塩基の水酸化カリウムと中和してカリウムフェノキシドと水になる(下の図)。
答(a) ${\small 2\,\mathrm{C_6H_5OH}+2\,\mathrm{Na}\rightarrow2\,\mathrm{C_6H_5ONa}+\mathrm{H_2}}$(2点)
(b) は中和で、カリウムフェノキシドと水ができる。
答(b) ${\small\mathrm{C_6H_5OH}+\mathrm{KOH}\rightarrow\mathrm{C_6H_5OK}+\mathrm{H_2O}}$(2点)
問5
無水酢酸は、酢酸2分子のカルボキシ基から水が1分子とれてできた酸無水物。水を加えると加水分解されて酢酸2分子に戻る。
答(無水酢酸の加水分解) $\ce{(CH3CO)2O + H2O -> 2CH3COOH}$(1点)
サリチル酸メチル G は、サリチル酸 C の $\ce{COOH}$ がメタノールとエステルをつくった $\ce{COOCH3}$ をもつ。これにアンモニアを反応させると、 $\ce{-OCH3}$ が $\ce{-NH2}$ に置きかわってアミド結合 $\ce{-CO-NH2}$ ができ、メタノールが外れる。ベンゼン環に直接結合した OH はそのまま残る(下の図、サリチル酸 C にならって書いた)。
答(H) サリチルアミド(構造式は上の図)(2点)
問6
・C の質量: $6.16\times\dfrac{12.0}{44.0}=1.68$ g
・H の質量: $1.44\times\dfrac{2.0}{18.0}=0.160$ g
・O の質量: $2.16-1.68-0.160=0.320\ \mathrm{g}$
$$\mathrm{C}:\mathrm{H}:\mathrm{O}=\dfrac{1.68}{12.0}:\dfrac{0.160}{1.0}:\dfrac{0.320}{16.0}=0.140:0.160:0.0200=7:8:1$$
組成式は $\ce{C7H8O}$(式量108)。分子量も108なので、分子式は組成式と同じ。
答(分子式) $\ce{C7H8O}$(1点)
ベンゼン環をもつ $\ce{C7H8O}$ は、ベンゼン環に付く残りの C 1個・H 3個・O 1個の付け方で次の5つ。
・置換基が1つ: $\ce{-CH2-OH}$ のベンジルアルコール、 $\ce{-O-CH3}$ のメチルフェニルエーテル
・置換基が2つ(OH と $\ce{CH3}$ ):o-クレゾール・m-クレゾール・p-クレゾール
I は酸化すると安息香酸 J になるので、側鎖の $\ce{CH2OH}$ が $\ce{COOH}$ になるベンジルアルコール。残りの4つのうち、K は酸化されにくいので、ベンゼン環に直接付いた炭素の側鎖( $\ce{CH3}$ ・ $\ce{CH2OH}$ )がなく、O の両側がふさがったメチルフェニルエーテル。L は酸化でサリチル酸 C(OH と $\ce{COOH}$ が隣り合う)になるので o-クレゾール、M は p-ヒドロキシ安息香酸 E になるので p-クレゾール。残りの N は m-クレゾール(下の図)。
答(N の名称) m-クレゾール(1点)
答(K) メチルフェニルエーテル(構造式は上の図)(1点)
問7
塩化鉄(Ⅲ)水溶液で青紫〜赤紫に呈色するのは、ベンゼン環に直接結合したヒドロキシ基をもつ化合物。A〜N を1つずつ見ると次のとおり(下の図)。
・呈色する:B(サリチルアルコール)・C(サリチル酸)・E(p-ヒドロキシ安息香酸)・G(サリチル酸メチル)・H(サリチルアミド)・L・M・N(クレゾール)。どれもベンゼン環に直接結合した OH がそのまま残っている
・呈色しない:A(ベンゼン環の O がグルコースと結合していて OH ではない)・D(ベンゼン環がない)・F(OH がアセチル化されている)・I(OH はベンゼン環ではなく $\ce{CH2}$ に付いている)・J(安息香酸。OH はカルボキシ基の一部で、ベンゼン環に直接結合していない)・K(エーテル)
答(記号) A、D、F、I、J、K(2点)
理由は「ベンゼン環に直接結合したヒドロキシ基がないから」の23字。
答(理由) ベンゼン環に直接結合したヒドロキシ基がないから(1点)
出題意図
問1 サリシンの加水分解でできる糖がグルコースだと見抜き、水溶液中の3つの形と還元される基を答えられるか
問2 加水分解・酸化・還元のつながりから、サリチルアルコールと糖アルコールの構造を書けるか
問3 サリシンとサリチル酸が物質量1対1で対応すると気づき、質量を求められるか
問4 フェノールがナトリウムとも水酸化カリウムとも反応してフェノキシドになることを、化学反応式で書けるか
問5 無水酢酸の加水分解と、エステルとアンモニアからアミドができることを書けるか
問6 元素分析で分子式を求め、 $\ce{C7H8O}$ の5つの異性体を酸化の生成物で振り分けられるか
問7 塩化鉄(Ⅲ)の呈色がベンゼン環に直接結合したヒドロキシ基によることを、A〜N のすべてに当てはめられるか
講評
| 医学部医学科 | その他の学部 | |
|---|---|---|
| 難易度 | やや簡単 | |
| 目標得点 | 23点 | 20点 |
| 目標時間 | 12分 | 12分 |
サリチル酸を中心に、糖・フェノール・ $\ce{C7H8O}$ の異性体を教科書の反応でつないだ大問だ。
推論で迷う所はほとんどなく、差がつくのは問7 で A のグルコースと結合した O を見落とさないか、問2 で糖アルコール D を鎖状で書けるかの2点。
フェノールからサリチル酸・サリチル酸メチル・アセチルサリチル酸への流れとグルコースの3つの形は、構造式まで白紙に再現できるようにしておこう。
差がつく所・失点しやすい所
- 問7:A はベンゼン環に O が付いていても、その O はグルコースと結合していて OH ではない、という発想に行き着けるか。14個から「すべて」選ぶので、1つでも誤ると記号の2点を落とす。
- 問2:D を鎖状の糖アルコールとして書けるか。還元されるのがアルデヒド基だと分かっていても、環のまま書いたり、6個の炭素の OH を書き落としたりしやすい。
2009年九州大学化学
第6問 解答・解説
第6問は高分子化合物(糖類)・有機化学の問題です。
テーマは〔6A〕『光合成・糖・核酸・油脂』/〔6B〕『天然物の誤文訂正と分類』。
問題


問題文をテキストで読む
(選択問題)〔6A〕または〔6B〕のいずれか一つを選択し、解答せよ。
〔6A〕 植物がつくる化合物に関連した以下の文章を読み、問1〜問3に答えよ。
植物は、光合成により、二酸化炭素と水から、グルコースやデンプンなどの糖類を合成(a)している。その際、 $\boxed{\text{ ア }}$ が生成し、動物などの呼吸に利用される。動物は、糖類を分解して得たエネルギーを生命活動に利用しているが、これは糖類の分解を $\boxed{\text{ ア }}$ を用いて促進する酸化反応である。これに対して、光合成反応は、二酸化炭素の $\boxed{\text{ イ }}$ 反応である。
植物が生産する糖類のうち、デンプンやセルロースは、グルコースを基本単位とする多糖類であり、このグルコース単位には、 $\boxed{\text{ ウ }}$ 個のヒドロキシ基がある。ほとんどの植物に含まれる $\boxed{\text{ エ }}$ は、 $\boxed{\text{ イ }}$ 性をもたない二糖類である。グルコース溶液からつくられる異性化糖は、グルコースを $\boxed{\text{ オ }}$ に変化(異性化)させることで甘みを増している。
生物の遺伝情報を伝達する役割を果たす核酸は、糖と $\boxed{\text{ カ }}$ とのエステルで、鎖状の重合体として骨格構造を形成し、糖の部分に塩基が置換基として共有結合したものである。核酸の塩基は、環状構造をとっており、炭素、水素、酸素、 $\boxed{\text{ キ }}$ の元素からなる。DNA分子では、二本の鎖中の塩基の間で $\boxed{\text{ ク }}$ 結合により結びあわさって二重らせん構造をとっている。
動物は、植物が生産する油脂もエネルギー源として利用する。油脂は、 $\boxed{\text{ ケ }}$ と脂肪酸のエステルである。油脂にメタノールと触媒を加えて生成させた脂肪酸のメチルエステル(b)は、軽油代替燃料として用いられる。油脂や脂肪酸のメチルエステルを水酸化ナトリウム水溶液で加水分解すると、 $\boxed{\text{ コ }}$ ができる。
問1. 文中の $\boxed{\text{ ア }}$ 〜 $\boxed{\text{ コ }}$ に適切な語句を記せ。ただし、 $\boxed{\text{ ウ }}$ には数字を入れよ。
問2. 下線部(a)において、光合成によってグルコース( $\ce{C6H12O6}$ )が生成する反応式を記せ。
問3. 下線部(b)において、ある一種類の脂肪酸(分子量:282)のみからなる油脂を使って592 gの脂肪酸のメチルエステルが生成したとき、何gのメタノールが反応したか計算せよ。有効数字3桁で答えよ。
〔6B〕 下記の化合物(1)〜(10)に関する問1および問2に答えよ。
(1) 乳酸 (2) ラクトース
(3) オレイン酸 (4) 天然ゴム
(5) グルコース (6) グリシン
(7) フェニルアラニン (8) アジピン酸
(9) 卵白アルブミン (10) マルトース
問1. 下記の文章1)〜10)は、上記の化合物(1)〜(10)に関する記述である。下線部(a)〜(j)の記述は誤りである。適切な語句あるいは数字を解答欄に記せ。
1) 乳酸はヒドロキシ酸の一種であり、立体的な配置が実体と鏡像の関係にある幾何(a)異性体が存在する。
2) ラクトースは腸内で酵素ラクターゼの働きにより、アミロース(b)とガラクトースに分解されて吸収される。
3) オレイン酸のエステル(c)結合に水素を付加し飽和脂肪酸に変化させると、融点が高くなる。
4) 天然ゴムはエチレン(d)が重合した化合物である。
5) グルコースは分子中にケトン(e)基があるので還元性を示す。
6) グリシンは炭素原子を3(f)個含む化合物である。
7) フェニルアラニンは分子中にニトロ(g)基とカルボキシル基をもつ双性イオンである。
8) アジピン酸はカルボキシル基を3(h)個もつ飽和カルボン酸である。
9) 卵白アルブミンは加熱や強酸などの作用により本来の立体構造が変化する。この現象を塩析(i)という。
10) マルトースは $\alpha$-グルコースが脱水縮合した単糖類(j)である。
問2. 上記の化合物(1)〜(10)の中から、次の(ア)〜(ク)に該当するものをすべて選び、番号で答えよ。ただし、同じ化合物を何度選んでもよい。
(ア) ヒドロキシ基1個とカルボキシル基1個をもつ。
(イ) カルボキシル基1個とアミノ基1個をもつ。
(ウ) 天然高分子化合物である。
(エ) 水溶液に濃硝酸を加え、加熱すると黄色に呈色する。
(オ) ナイロン66の原料である。
(カ) チロシンと結合してジペプチドを生じる。
(キ) ビウレット反応により、赤紫色に呈色する。
(ク) 不斉炭素原子を1個もつ。
解答の方針
〔6A〕光合成・糖・核酸・油脂(選択問題)
【問1・問2の方針】
同じ記号の空欄は2回ずつ出るので、両方の文に合う語句を選ぶ。光合成は二酸化炭素が還元されて酸素ができる反応、呼吸はその逆で、酸素でグルコースを酸化する反応(下の図)。


- ア・イ 光合成で生じて呼吸に使われる気体と、光合成で二酸化炭素が受ける変化を書く。イは「〜性をもたない二糖類」にも当てはまることを確かめる。
- ウ〜オ デンプン・セルロースのグルコース単位の OH の数、還元性のない二糖類、グルコースの異性体で甘みが強い糖を書く。
- カ〜ク 核酸の骨格をつくる酸、塩基に含まれる元素、塩基対をつくる結合を書く。
- ケ・コ 油脂をつくるアルコールと、脂肪酸のエステルを水酸化ナトリウム水溶液で加水分解したときにできる塩を書く。
- 問2 二酸化炭素と水からグルコースと酸素ができる反応式を、係数をそろえて書く。
【問3の方針】
油脂は脂肪酸3分子とグリセリン1分子のエステル。メタノールと反応させると、脂肪酸1分子ごとにメタノール1分子が結合してメチルエステルになるので、メタノールとメチルエステルは1対1(下の図)。


- 脂肪酸 $\ce{RCOOH}$(分子量282)の OH が $\ce{OCH3}$ に置きかわるので、メチルエステル $\ce{RCOOCH3}$ の分子量を求める。
- メチルエステルの物質量を求め、同じ物質量のメタノールの質量を求める。
〔6B〕天然物の誤文訂正と分類(選択問題)
【問1の方針】
どれも教科書の基本の知識で、下線部の語句を1つ直せば正しい文になる。乳酸・グリシン・フェニルアラニン・アジピン酸は、構造式を書けば炭素の数・官能基・不斉炭素がすぐに確かめられる(下の図)。


- 1)〜10) の下線部を1つずつ読み、化合物の構造や性質と合わない語句を、正しい語句・数字に直す。
【問2の方針】
「すべて選ぶ」「何度選んでもよい」ので、(ア)〜(ク) の条件ごとに10個を1つずつ確かめる。表にして○を付けていけば、選び漏れを防げる(下の図)。


- (ア)(イ)(ク) 官能基の数と不斉炭素の数を、構造式から数える。
- (ウ)(オ)(カ) 天然高分子かどうか、ナイロン66 の単量体か、アミノ酸かで選ぶ。
- (エ)(キ) キサントプロテイン反応はベンゼン環、ビウレット反応はペプチド結合2つ以上で選ぶ。
解答




解答をテキストで読む
〔6A〕
問1
光合成は、光のエネルギーを使って二酸化炭素と水からグルコースをつくる反応で、このとき酸素が生じる。動物は呼吸で、この酸素を使ってグルコースを二酸化炭素と水に酸化してエネルギーを得る(下の図)。光合成は呼吸の逆向きで、二酸化炭素の C が還元される反応。
答(ア) 酸素(1点)
答(イ) 還元(1点)
デンプン・セルロースのグルコース単位は示性式で $\ce{C6H7O2(OH)3}$ と書け、2位・3位・6位の OH の3個が残っている(1位と4位の OH はグリコシド結合に使われている)。
答(ウ) 3(1点)
スクロースは $\alpha$-グルコースの1位と $\beta$-フルクトースの2位が結合した二糖で、還元性を示す部分どうしが結合に使われているので、還元性をもたない。
答(エ) スクロース(1点)
異性化糖は、グルコースの一部を構造異性体のフルクトースに変えたもの。フルクトースは糖の中でいちばん甘みが強い。
答(オ) フルクトース(1点)
核酸は、糖(デオキシリボース・リボース)とリン酸がエステル結合でつながった鎖に、塩基が結合したもの。塩基(アデニン・グアニン・シトシン・チミン・ウラシル)は環に N を含む。DNA では A と T、G と C が水素結合で塩基対をつくり、二重らせんになる。
答(カ) リン酸(1点)
答(キ) 窒素(1点)
答(ク) 水素(1点)
油脂はグリセリン $\ce{C3H5(OH)3}$ と脂肪酸3分子のエステル。油脂や脂肪酸のメチルエステルを水酸化ナトリウム水溶液で加水分解(けん化)すると、脂肪酸のナトリウム塩 $\ce{RCOONa}$ ができる。
$$\ce{RCOOCH3 + NaOH -> RCOONa + CH3OH}$$
答(ケ) グリセリン(1点)
答(コ) セッケン(脂肪酸のナトリウム塩)(1点)
問2
二酸化炭素6分子と水6分子から、グルコース1分子と酸素6分子ができる。
答 $\ce{6CO2 + 6H2O -> C6H12O6 + 6O2}$(5点)
問3
脂肪酸を $\ce{RCOOH}$(分子量282)とすると、油脂は $\ce{C3H5(OCOR)3}$。メタノールとのエステル交換は
$$\ce{C3H5(OCOR)3 + 3CH3OH -> 3RCOOCH3 + C3H5(OH)3}$$
で、メタノール1分子ごとにメチルエステルが1分子できる(下の図)。
メチルエステル $\ce{RCOOCH3}$ は、脂肪酸の OH が $\ce{OCH3}$ に置きかわったもので、$\ce{CH2}$ の分だけ分子量が増えるので
$$282+14.0=296$$
メチルエステルの物質量は
$$\dfrac{592}{296}=2.00\ \mathrm{mol}$$
反応したメタノール(分子量32.0)も同じ2.00 mol なので
$$2.00\times32.0=64.0\ \mathrm{g}$$
答 64.0 g(3点)
〔6B〕
問1
乳酸 $\ce{CH3-CH(OH)-COOH}$ は、中央の炭素に H・$\ce{CH3}$・OH・COOH の4つの異なる原子・原子団が結合した不斉炭素原子をもつので、実体と鏡像の関係にある鏡像異性体(光学異性体)が存在する(下の図)。
答(a) 光学(1点)
ラクトースは $\beta$-ガラクトースとグルコースが結合した二糖で、ラクターゼでガラクトースとグルコースに加水分解される。
答(b) グルコース(1点)
オレイン酸 $\ce{C17H33COOH}$ は炭素間の二重結合を1つもつ不飽和脂肪酸。二重結合に水素を付加すると飽和脂肪酸のステアリン酸 $\ce{C17H35COOH}$ になり、融点が高くなる(常温で液体から固体に変わる)。
答(c) 二重(1点)
天然ゴムは、イソプレン $\ce{CH2=C(CH3)-CH=CH2}$ が付加重合した形のポリイソプレン(シス形)。
答(d) イソプレン(1点)
グルコースの還元性は、鎖状構造のアルデヒド基によるもの。
答(e) アルデヒド(1点)
グリシン $\ce{H2N-CH2-COOH}$ の炭素原子は2個(上の図)。
答(f) 2(1点)
フェニルアラニンは、アミノ基とカルボキシ基をもつ $\alpha$-アミノ酸で、結晶中ではアミノ基が $\mathrm{NH_{3}{}^{+}}$、カルボキシ基が $\ce{COO-}$ になった双性イオンとして存在する。
答(g) アミノ(1点)
アジピン酸 $\ce{HOOC-(CH2)4-COOH}$ はカルボキシ基を2個もつ飽和のジカルボン酸(上の図)。
答(h) 2(1点)
加熱・強酸などでタンパク質の立体構造が変化して元に戻らなくなる現象は変性。塩析は、多量の電解質を加えてタンパク質などの親水コロイドを沈殿させる現象で、立体構造は変わらない。
答(i) 変性(1点)
マルトースは $\alpha$-グルコース2分子が $\alpha$-1,4-グリコシド結合でつながった二糖類。
答(j) 二糖類(1点)
問2
10個の化合物を、(ア)〜(ク) の条件ごとに確かめて表にする(下の図)。
・(ア) OH 1個と COOH 1個をもつのは乳酸だけ。オレイン酸は COOH だけ、グルコース・ラクトース・マルトースは OH が多く COOH がない
・(イ) COOH 1個と $\ce{NH2}$ 1個をもつのは、側鎖に官能基のない $\alpha$-アミノ酸のグリシンとフェニルアラニン
・(ウ) 天然高分子は天然ゴムと卵白アルブミン(タンパク質)。ラクトース・マルトースは二糖類で、高分子ではない
・(エ) キサントプロテイン反応はベンゼン環のニトロ化による。ベンゼン環をもつフェニルアラニンと、芳香族アミノ酸を含む卵白アルブミン(高校の化学では、ベンゼン環をもつアミノ酸は呈色するとして扱う)
・(オ) ナイロン66 はアジピン酸とヘキサメチレンジアミンの縮合重合でできる
・(カ) チロシンとジペプチドをつくるのは、アミノ基とカルボキシ基をもつアミノ酸のグリシンとフェニルアラニン
・(キ) ビウレット反応はペプチド結合が2つ以上あるときに起こるので、タンパク質の卵白アルブミンだけ。アミノ酸1分子のグリシン・フェニルアラニンは示さない
・(ク) 不斉炭素原子が1個なのは、乳酸とフェニルアラニン(上の構造式の*)。グリシンは不斉炭素がない。グルコースは鎖状で4個・環状で5個、ラクトース・マルトースはもっと多い
答(ア) 1(1点)
答(イ) 6、7(1点)
答(ウ) 4、9(1点)
答(エ) 7、9(1点)
答(オ) 8(1点)
答(カ) 6、7(1点)
答(キ) 9(1点)
答(ク) 1、7(1点)
出題意図
問1・問2(〔6A〕) 光合成と呼吸の関係、糖・核酸・油脂の基本の用語を、文のつながりから正しく言えるか
問3(〔6A〕) 油脂とメタノールのエステル交換で、メタノールと脂肪酸のメチルエステルが1対1で対応することを捉え、質量を求めることができるか
問1(〔6B〕) 糖・脂肪酸・アミノ酸・タンパク質・天然ゴムの基本の知識の誤りを見抜いて、正しい語句に直せるか
問2(〔6B〕) 10個の化合物を、官能基の数・天然高分子かどうか・呈色反応・不斉炭素の数で、漏れなく分類できるか
講評
| 医学部医学科 | その他の学部 | |
|---|---|---|
| 難易度 | やや簡単 | |
| 目標得点 | 18点 | 18点 |
| 目標時間 | 10分 | 10分 |
〔6A〕〔6B〕から1つを選ぶ選択問題で、上の表は〔6B〕を選んだときの値。
〔6A〕もやや簡単だ。
選ぶなら〔6B〕で、糖・アミノ酸・タンパク質・天然ゴムの教科書の知識だけで18点を取り切れる。
〔6A〕は問3 のエステル交換でメチルエステルの分子量を組み立てる計算があり、時間がかかる。
差がつく所・失点しやすい所
- 〔6A〕問3:メタノールとメチルエステルが1対1で対応することと、メチルエステルの分子量が296 になることに行き着けるか。油脂の物質量(メチルエステルの $\dfrac13$)にメタノールの分子量を掛けたり、282 のまま割ったりすると答えがずれ、3点を落とす。
- 〔6A〕問1 ア・イ:同じ空欄が出てくる2つの文の両方に合う語句を選べるか。アは呼吸に使われる気体なので酸素、イは光合成で $\ce{CO2}$ が受ける変化と「〜性をもたない二糖類」の両方に合う還元。
- 〔6B〕問2:すべて選ぶ形なので、(エ) のフェニルアラニンと卵白アルブミン、(ク) の乳酸とフェニルアラニンのように、2つそろえないと点にならない項目で選び漏れがないか。
2009年九州大学・化学の
講評とまとめ
6問の難易度と目標得点をまとめると、次のとおりです。
| 大問 | 難易度 | 医学部医学科 | その他の学部 |
|---|---|---|---|
| 第1問 | やや簡単 | 18点 | 15点 |
| 第2問 | やや簡単 | 23点 | 20点 |
| 第3問 | 標準 | 20点 | 15点 |
| 第4問 | やや簡単 | 20点 | 20点 |
| 第5問 | やや簡単 | 23点 | 20点 |
| 第6問 | やや簡単 | 18点 | 18点 |
| 全体 | やや簡単 | 110点 | 90点 |
大問ごとの目標得点は、それぞれの大問を単体で解いたときの理想の点です。そのため、総合の目標点(医学部医学科で110点、その他の学部で90点)にはなりません。
第6問は〔6A〕〔6B〕から1つを選ぶ選択問題です。
表の第6問は、おすすめの〔6B〕を選んだときの難易度と目標得点です(〔6A〕もやや簡単です)。
全体的に難易度はやや簡単な年。
大問が6題あるので、1題にかけられる時間が短い年でした。
第1問・第4問・第6問(〔6B〕)は教科書の知識と重要問題集の定番だけで、短い時間で満点を取りたいところです。
第2問は電気分解のあと、水が減ること・水が氷になることまで追えるかがポイントです。
合否を分けたのは第3問で、凝固点降下と化学平衡を組み合わせ、体積と溶媒の質量を使い分けられるかが決め手でした。
知識の大問で時間を浮かせ、計算の大問に回すことが大事です。
解く流れ
第1問 → 第2問 → 第3問 → 第4問 → 第5問 → 第6問(〔6B〕を選ぶ)。
2009年九州大学・化学に
関するよくある質問
2009年の九州大学・化学について、よく聞かれる質問にお答えします。
- 2009年の九州大学・化学は難しかった?
-
全体的に難易度はやや簡単な年でした。
第3問だけが標準で、第1問・第2問・第4問・第5問・第6問はやや簡単です。
大問は6題で、配点は18〜23点と大問ごとに違います。
第6問は〔6A〕〔6B〕の選択問題です。 - 2009年の九州大学・化学は何点取れば合格できる?
-
目標点は、医学部医学科で110点、その他の学部で90点です(125点満点)。
- 2009年の九州大学・化学はどこで差がつく?
-
この年の合否を分けたのは第3問で、差がついたのは次の3つでした。
- 第3問 問3〜問5:混ぜたあと、平衡定数には体積で割った濃度、凝固点降下には溶媒の質量で割った質量モル濃度、と割る量を使い分けられたか。
- 第2問 ウ・オ:電気分解で水だけが減ること、218 K では水が氷になって酸素だけが気体で残ることを追えたか。
- 第5問 問7:サリシン A のベンゼン環の O はグルコースと結合していて OH ではない、と見抜けたか。
- 2009年の九州大学・化学は何が出題された?
-
大問ごとの単元は、次のとおりです。
- 第1問:理論化学(物質の構成粒子)・無機化学
- 第2問:理論化学(酸化・還元と電池・電気分解)
- 第3問:理論化学(溶液)
- 第4問:理論化学(反応の速さと化学平衡)
- 第5問:有機化学・高分子化合物
- 第6問:高分子化合物(糖類)・有機化学




