【解説・採点基準付き】2025年九州大学文系数学の解答・解説
2025年の九州大学・文系数学の、
解答・解説【完全版】です。
方針の立て方・考え方はもちろん
オリジナルの採点基準付き。
このページで過去問演習が完結するので
赤本などは一切不要です。
※本記事の問題は、九州大学の入学試験問題から引用しています。
解答・解説は九大専門塾・竜文会が独自に作成したもので、九州大学が公表したものではありません。
2025年九州大学文系数学
第1問 解答・解説
この記事の配点・採点基準は九州大学が公表しているものではなく、竜文会が独自に作成したものです。
第1問は微分法(数学Ⅱ)の問題です。
テーマは「3次関数のグラフと放物線の両方に接する直線(接点が別々の共通接線)」。
問題


問題文をテキストで読む
2つの曲線 $y=x^3+x^2-x-1$、 $y=x^2$ の両方に接するすべての直線の方程式を求めよ。
解答の方針
接線は必ず接点から作る。共通接線の接点は2つの曲線で別々になりうるので、接点を $t$、 $u$ の2文字で置いて接線を2本作り、それが同じ直線になるように傾きと切片を比べる。


- $C_1:y=x^3+x^2-x-1$ の $x=t$ での接線を $y=f'(t)(x-t)+f(t)$ で作り、 $y=(3t^2+2t-1)x-2t^3-t^2-1$ と整理する。
- $C_2:y=x^2$ の $x=u$ での接線 $y=2ux-u^2$ を作る。
- 2本が同じ直線なので、傾きと $y$ 切片を比べて、 $t$、 $u$ の式を2本立てる(文字が2つなので式も2本)。
- 傾きの式から $u$ を $t$ で表して切片の式に代入し、 $u$ を消して $t$ の4次方程式にする。
- 解の候補 $\pm1,\ \pm3,\ \pm\dfrac13,\ \pm\dfrac19$ から $t=\pm1$ を見つけて因数定理で因数分解し、残りの2次方程式に実数解がないことを判別式で確かめる。
- $t=\pm1$ を接線の式に戻して、直線の方程式を答える。
解答


解答をテキストで読む
$f(x)=x^3+x^2-x-1$ とし、 $C_1:y=f(x)$、 $C_2:y=x^2$ とする。 $f'(x)=3x^2+2x-1$ である。
$C_1$ に接する直線は、接点の $x$ 座標を $t$ とすると、 $C_1$ 上の点 $(t,\ f(t))$ における接線なので
$$y=(3t^2+2t-1)(x-t)+t^3+t^2-t-1$$
すなわち
$$y=(3t^2+2t-1)x-2t^3-t^2-1\quad\cdots①$$
$C_2$ に接する直線は、接点の $x$ 座標を $u$ とすると、 $(x^2)’=2x$ より
$$y=2u(x-u)+u^2\quad\text{すなわち}\quad y=2ux-u^2\quad\cdots②$$
直線が $C_1$、 $C_2$ の両方に接する条件は、①と②が同じ直線になる $t$、 $u$ があることである。傾きと $y$ 切片を比べて
$$3t^2+2t-1=2u\quad\cdots③,\qquad -2t^3-t^2-1=-u^2\quad\cdots④$$
③より $u=\dfrac{3t^2+2t-1}{2}$。これを④に代入して $u$ を消すと
$$\left(\frac{3t^2+2t-1}{2}\right)^2=2t^3+t^2+1$$
両辺に4をかけて展開すると $9t^4+12t^3-2t^2-4t+1=8t^3+4t^2+4$ より
$$9t^4+4t^3-6t^2-4t-3=0\quad\cdots⑤$$
⑤の解の候補は $\pm1,\ \pm3,\ \pm\dfrac13,\ \pm\dfrac19$。 $t=1$ を代入すると $9+4-6-4-3=0$、 $t=-1$ を代入すると $9-4-6+4-3=0$ なので、⑤の左辺は $(t-1)(t+1)=t^2-1$ で割り切れて
$$(t^2-1)(9t^2+4t+3)=0$$
( $9t^4-6t^2-3=3(t^2-1)(3t^2+1)$、 $4t^3-4t=4t(t^2-1)$ と2つに分けてくくっても、同じ因数分解になる)
$9t^2+4t+3=0$ は判別式が $\dfrac{D}{4}=2^2-9\cdot3=-23<0$ なので実数解をもたない。よって $t=1,\ -1$。
・$t=1$ のとき、③より $u=2$ で、①は $y=4x-4$( $C_1$ とは点 $(1,\ 0)$、 $C_2$ とは点 $(2,\ 4)$ で接する)
・$t=-1$ のとき、③より $u=0$ で、①は $y=0$( $C_1$ とは点 $(-1,\ 0)$、 $C_2$ とは点 $(0,\ 0)$ で接する。図の $x$ 軸そのもの)
どちらも接点が2つの曲線で別々である。
答 $y=4x-4$、 $y=0$
検算 $f(x)=(x+1)^2(x-1)$ なので、 $C_1$ は点 $(-1,\ 0)$ で $x$ 軸に接している。 $C_2:y=x^2$ も原点で $x$ 軸に接するので、 $y=0$ は確かに共通接線。また $f(x)-(4x-4)=(x-1)^2(x+3)$、 $x^2-(4x-4)=(x-2)^2$ なので、 $y=4x-4$ は $C_1$ と $x=1$ で、 $C_2$ と $x=2$ で接している。
別解( $C_1$ の接線を $C_2$ の式と連立して判別式) 相手が2次関数なので、この解き方がいちばん早い。①と $y=x^2$ を連立すると
$$x^2-(3t^2+2t-1)x+2t^3+t^2+1=0$$
①が $C_2$ に接するのは、この2次方程式が重解をもつときなので、判別式を $D$ として $D=0$。 $f'(t)=3t^2+2t-1$ の中の $2t$ をまとめて整理すると
$$D=\{f'(t)-2t\}^2+4\{f(t)-t^2\}=(3t^2-1)^2+4(t^3-t-1)=9t^4+4t^3-6t^2-4t-3$$
これは本解の⑤と同じ式になり、あとは同じ。ただし、この解き方は相手が2次関数のときにしか使えない。
出題意図
- 2つの曲線の両方に接する直線(共通接線)を、接点を文字で置いて求めることができるか(教科書・チャートの例題レベル)。
- 接点が2つの曲線で別々になることを捉え、求めた方程式の解を漏れなく調べて「すべての直線」を答えられるか。
講評
| 難易度 | 簡単 |
| 目標得点 | 50点 |
| 目標時間 | 15分 |
教科書の例題レベルの共通接線の問題で、問題を見た瞬間に答えまでの道筋が思い浮かぶべき。
共通接線の解き方を押さえていれば満点が取れるので、ここを落とすと合格は厳しい。
解き方は2つ。
接線を作って連立し判別式を0とする方法と、2本の接線を作って係数を比べる方法で、相手が2次関数なので前者の方が早い。
ただし、前者は相手が2次関数のときにしか使えない。
差がつく所・失点しやすい所
- 失点しやすい所:接点が同じ点だと決めつけて $f(t)=t^2$、 $f'(t)=2t$ を連立し、解がないので「共通接線なし」としてしまう所。
2025年九州大学文系数学
第2問 解答・解説
第2問は図形と座標・三角関数の問題です。
テーマは「半径1の円周上の2点A、B( $\mathrm{AB}=\sqrt3$)と円周上を動く点Pについて、 $\mathrm{AP}^2+\mathrm{BP}^2$ の最大値」。
問題


問題文をテキストで読む
半径1の円周 $C$ 上の2点A、Bは $\mathrm{AB}=\sqrt3$ をみたすとする。点Pが円周 $C$ 上を動くとき、 $\mathrm{AP}^2+\mathrm{BP}^2$ の最大値を求めよ。
解答の方針
図形問題には3つの視点があり、この問題は座標を置くのが最も早い。 $\mathrm{A}(1,\ 0)$、 $\mathrm{B}\left(-\dfrac12,\ \dfrac{\sqrt3}{2}\right)$ と置けば、最大になる $\mathrm{P}$ は正三角形 $\mathrm{ABP}$ の頂点 $\left(-\dfrac12,\ -\dfrac{\sqrt3}{2}\right)$ と見当がつく。単位円上の点は $(x,\ y)$ とせず $(\cos\theta,\ \sin\theta)$ と置き、1変数の三角関数の最大・最小に帰着させる。


- $\mathrm{OA}=\mathrm{OB}=1$、 $\mathrm{AB}=\sqrt3$ から余弦定理で中心角 $\angle\mathrm{AOB}=120^\circ$ を求める。
- 円の中心Oを原点とし、中心角が $120^\circ$ になるように $\mathrm{A}(1,0)$、 $\mathrm{B}\left(-\dfrac12,\dfrac{\sqrt3}{2}\right)$ と置く。 $\mathrm{P}(\cos\theta,\sin\theta)$( $0\leqq\theta<2\pi$)とおく。
- 三平方の定理で $\mathrm{AP}^2$、 $\mathrm{BP}^2$ を $\theta$ で表し、足して $4-(\sqrt3\sin\theta+\cos\theta)$ とする。
- sin合成で $4-2\sin\left(\theta+\dfrac{\pi}{6}\right)$ とし、 $\theta+\dfrac{\pi}{6}$ の範囲を書く。
- $\sin\left(\theta+\dfrac{\pi}{6}\right)=-1$ のとき最大になることから最大値を求め、そのときのPの位置も確かめる。
解答


解答をテキストで読む
配点 50点
円 $C$ の中心をOとする。三角形OABで $\mathrm{OA}=\mathrm{OB}=1$、 $\mathrm{AB}=\sqrt3$ なので、余弦定理より
$$\cos\angle\mathrm{AOB}=\frac{1^2+1^2-(\sqrt3)^2}{2\cdot1\cdot1}=-\frac12\qquad\therefore\ \angle\mathrm{AOB}=120^\circ$$
Oを原点とし、円 $C$ を回転・裏返しして、中心角が $120^\circ$ になるように
$$\mathrm{A}(1,\ 0),\qquad\mathrm{B}\left(-\frac12,\ \frac{\sqrt3}{2}\right)$$
と置いてよい( $\mathrm{AP}^2+\mathrm{BP}^2$ は回転・裏返しで変わらない)。Pは単位円周上の点なので、 $\mathrm{P}(\cos\theta,\sin\theta)$( $0\leqq\theta<2\pi$)とおける。
三平方の定理より
$$\mathrm{AP}^2=(\cos\theta-1)^2+\sin^2\theta=2-2\cos\theta$$
$$\mathrm{BP}^2=\left(\cos\theta+\frac12\right)^2+\left(\sin\theta-\frac{\sqrt3}{2}\right)^2=(\cos^2\theta+\sin^2\theta)+\cos\theta-\sqrt3\sin\theta+\frac14+\frac34=2+\cos\theta-\sqrt3\sin\theta$$
よって
$$\mathrm{AP}^2+\mathrm{BP}^2=4-(\sqrt3\sin\theta+\cos\theta)$$
$\sin\theta$ と $\cos\theta$ の1次式なので、sin合成する。横軸に $\sin\theta$ の係数 $\sqrt3$、縦軸に $\cos\theta$ の係数 $1$ をとると、原点からの長さは $2$、角は $\dfrac{\pi}{6}$ なので
$$\sqrt3\sin\theta+\cos\theta=2\sin\left(\theta+\frac{\pi}{6}\right)\qquad\therefore\ \mathrm{AP}^2+\mathrm{BP}^2=4-2\sin\left(\theta+\frac{\pi}{6}\right)$$
$0\leqq\theta<2\pi$ より $\dfrac{\pi}{6}\leqq\theta+\dfrac{\pi}{6}<\dfrac{13}{6}\pi$ なので、 $-1\leqq\sin\left(\theta+\dfrac{\pi}{6}\right)\leqq1$ で、最小値 $-1$ をとるのは $\theta+\dfrac{\pi}{6}=\dfrac32\pi$、すなわち $\theta=\dfrac43\pi$ のとき。引き算なので、このとき $\mathrm{AP}^2+\mathrm{BP}^2$ は最大になる。
よって、最大値は $4-2\cdot(-1)=6$。
答 最大値 $6$
最大となるのは $\theta=\dfrac43\pi$、すなわち $\mathrm{P}\left(-\dfrac12,\ -\dfrac{\sqrt3}{2}\right)$ のときである。このとき $\mathrm{AP}^2=2-2\cos\dfrac43\pi=3$、 $\mathrm{BP}^2=6-3=3$ で、 $\mathrm{AP}=\mathrm{BP}=\mathrm{AB}=\sqrt3$。三角形ABPは正三角形になる(上の図)。
補足(A、Bを $y$ 軸について対称に置く) $\mathrm{A}\left(\dfrac{\sqrt3}{2},\ \dfrac12\right)$、 $\mathrm{B}\left(-\dfrac{\sqrt3}{2},\ \dfrac12\right)$、 $\mathrm{P}(x,y)$( $x^2+y^2=1$)と置くと、展開して $\mathrm{AP}^2+\mathrm{BP}^2=2(x^2+y^2)-2y+2=4-2y$ となり、合成をしなくても $y=-1$ のとき最大値 $6$ と求まる。A、Bの置き方を工夫すると計算が軽くなる例である。
別解1(ベクトル) 始点は、円周上の点を扱うので円の中心Oにとる(中心から円周上の点へのベクトルは大きさがすべて1になる)。 $\vec a=\overrightarrow{\mathrm{OA}}$、 $\vec b=\overrightarrow{\mathrm{OB}}$、 $\vec p=\overrightarrow{\mathrm{OP}}$ とおくと $|\vec a|=|\vec b|=|\vec p|=1$。 $|\vec b-\vec a|=\sqrt3$ の両辺を2乗して $2-2\vec a\cdot\vec b=3$ より $\vec a\cdot\vec b=-\dfrac12$。
$$\mathrm{AP}^2+\mathrm{BP}^2=|\vec p-\vec a|^2+|\vec p-\vec b|^2=4-2\vec p\cdot(\vec a+\vec b)$$
$|\vec a+\vec b|^2=1+2\cdot\left(-\dfrac12\right)+1=1$ より $|\vec a+\vec b|=1$。 $\vec p$ と $\vec a+\vec b$ のなす角を $\varphi$ とすると $\vec p\cdot(\vec a+\vec b)=\cos\varphi\geqq-1$ で、等号は $\vec p=-(\vec a+\vec b)$ のとき( $|\vec p|=1$ なので円周上にある)。よって最大値は $4+2=6$。
別解2(中線定理) ABの中点をMとすると $\mathrm{OM}\perp\mathrm{AB}$ で、 $\mathrm{OM}=\sqrt{1-\left(\dfrac{\sqrt3}{2}\right)^2}=\dfrac12$。三角形PABで中線定理より
$$\mathrm{AP}^2+\mathrm{BP}^2=2(\mathrm{PM}^2+\mathrm{AM}^2)=2\mathrm{PM}^2+\frac32$$
(PがA、Bに一致するときもこの式は成り立つ)。 $\mathrm{PM}\leqq\mathrm{PO}+\mathrm{OM}=\dfrac32$ で、等号はOが線分PM上にあるとき。よって最大値は $2\cdot\dfrac94+\dfrac32=6$。
出題意図
- 図形問題を図形のまま解くのではなく、座標を置いて計算で処理するという視点を持てるか。
- 円周上の点を $(\cos\theta,\sin\theta)$ とおき、 $\mathrm{AP}^2+\mathrm{BP}^2$ を三角関数の式に直して、最大・最小を合成で正確に処理できるか(チャートの例題レベル)。
講評
| 難易度 | やや簡単 |
| 目標得点 | 50点 |
| 目標時間 | 25分 |
図形問題は、図形として解くだけが解き方ではない。
この問題は座標を置くのが最も早く、どう座標を置くかが勝負になる。
$\sqrt3$ が出てくるので、A、Bを $\mathrm{A}(1,\ 0)$、 $\mathrm{B}\left(-\dfrac12,\ \dfrac{\sqrt3}{2}\right)$ と置くとよい。
あとは、Pを $(\cos\theta,\ \sin\theta)$ と置いて三角関数の最大・最小に帰着させ、合成するだけの典型問題。
差がつく所・失点しやすい所
- 差がつくとすれば:図形問題を、座標を置いて計算で処理するという発想に行き着けるか。余弦定理で $\mathrm{AP}^2$、 $\mathrm{BP}^2$ を図形として表そうとすると、かなり大変になる。
- 失点しやすい所:合成のあとに $\theta+\dfrac{\pi}{6}$ の範囲を書かない所と、引き算で最大・最小が逆になることを取り違える所。
2025年九州大学文系数学
第3問 解答・解説
第3問は整数の問題です。
テーマは「mod 8 と $2^m=n^2+3$」。
問題


問題文をテキストで読む
以下の問いに答えよ。
(1) $n$ を整数とするとき、 $n^2$ を8で割った余りは0、1、4のいずれかであることを示せ。
(2) $2^m=n^2+3$ をみたす0以上の整数の組 $(m,n)$ をすべて求めよ。
解答の方針
【(1)の方針】
素直には8で割った余りで分ける(8通り)が、平方数なら4で割った余りで分けるだけでも同じ結論が出て、場合分けが少なくなる。
- $n$ を4で割った余りで場合分けし、 $n=4k,\ 4k\pm1,\ 4k+2$ の形に書く。
- 各場合の $n^2$ を8で割った余りを計算し、0、1、4のどれかになることを示す。
【(2)の方針】
(1) がヒントになっているので、両辺を8で割った余りで比べる。 $m\geqq3$ なら $2^m$ は8の倍数になる。
- $m\geqq3$ のとき、左辺 $2^m$ の余りは0。右辺 $n^2+3$ の余りは (1) より3、4、7のどれかで、左辺と合わないので解はない。
- $m=0,1,2$ の3つは直接代入して調べ、 $(m,n)$ を答える。
解答


解答をテキストで読む
(1) 配点 20点
$n$ を8で割った余りで8通りに分けてもよいが、4で割った余りで分ければ場合が少なくて済む。 $k$ を整数として、次の3つの形に分ける。
・$n=4k$ のとき:$n^2=16k^2=8\cdot2k^2$ より、8で割った余りは0
・$n=4k\pm1$ のとき:$n^2=16k^2\pm8k+1=8(2k^2\pm k)+1$ より、余りは1
・$n=4k+2$ のとき:$n^2=16k^2+16k+4=8(2k^2+2k)+4$ より、余りは4
以上から、 $n^2$ を8で割った余りは0、1、4のどれかである。
(2) 配点 30点
$m\geqq3$ の場合 左辺の $2^m$ は8の倍数なので、8で割った余りは0になる。
右辺の $n^2+3$ は、(1) より余りが $0+3,\ 1+3,\ 4+3$ のどれか、つまり3、4、7のどれかである。
両辺の余りが合わないので、この場合に解はない。
$m\leqq2$ の場合 $m$ の値を1つずつ代入する。
・$m=0$:$n^2=1-3=-2$ となり不適
・$m=1$:$n^2=2-3=-1$ となり不適
・$m=2$:$n^2=4-3=1$ で、 $n\geqq0$ より $n=1$
答 $(m,n)=(2,1)$
出題意図
(1) 平方数を8で割った余りの特徴を押さえているか。8で割った余りは0、1、4のどれかになるという、整数問題でよく使う性質を、演習で自分のものにできているか。
(2) 「余りで分けて考える」という整数問題の基本の発想を使えるか。(1) が道筋を示しているので、(1) の結果と $2^m$ を8で割った余りを見比べれば、答えの候補が一気に絞れる。
講評
| 難易度 | やや簡単 |
| 目標得点 | 50点 |
| 目標時間 | 15分 |
(1) があることで、この問題の難易度はかなり下がった。
(2) 単体なら標準くらいで、整数問題の解法((素)因数分解/不等式で評価/余りで分類)を体系的に学んでいれば解ける。
整数は苦手な受験生が多いが、基本はテクニックで解ける。
差がつく所・失点しやすい所
- (2) で「余りに注目して分類する」という発想に行き着けるか:整数問題の解法は大きく3つ((素)因数分解/不等式で評価/余りで分類)。 (2) 単体で出ると、前の2つでは解けないので「余りに注目→何で割った余りで分類するか」と考える。 (1) が誘導になっているので難易度は大きく下がっているが、整数に慣れているかで差がつく。
- (1) の分類の漏れ: $n$ を4で割った余りの4通り(または8通り)を落とさず示す。ここは必ず取る。
- $m=0,1,2$ の確認の落とし:答え $(2,1)$ を取りこぼすと大きく減点される。
2025年九州大学文系数学
第4問 解答・解説
第4問は場合の数・確率の問題です。
テーマは「さいころと3次方程式の解の個数」。
問題


問題文をテキストで読む
1個のさいころを3回続けて投げ、出る目を順に $a,b,c$ とする。整式 $f(x)=(x^2-ax+b)(x-c)$ について、以下の問いに答えよ。
(1) $f(x)=0$ をみたす実数 $x$ の個数が1個である確率を求めよ。
(2) $f(x)=0$ をみたす自然数 $x$ の個数が3個である確率を求めよ。
解答の方針
$x=c$ はいつでも解になるので、考えるのは残りの2次方程式 $x^2-ax+b=0$ の解だけ。目の出方は全部で $6^3=216$ 通り。
【(1)の方針】
実数解がちょうど1個になるのは、次の2通り。2次方程式に実数解がまったく無い場合と、2次方程式が重解になり、その重解が $c$ と一致する場合。
- ① 判別式が $a^2-4b<0$ になる $(a,b)$ を数える。 $c$ は自由なので6倍する。
- ② $a^2=4b$(重解)で、重解 $\dfrac a2$ が $c$ と一致するものを数える。
- ①と②は重ならないので合計して216で割り、確率を求める。
【(2)の方針】
自然数解が3個になるのは、2次方程式が相異なる2つの自然数解 $\alpha<\beta$ をもち、 $c$ がそのどちらとも違うとき。解と係数の関係から和 $\alpha+\beta=a\leqq6$・積 $\alpha\beta=b\leqq6$ なので、候補はごくわずか(思いつかなければ $(a,b)$ の組を書き出して数えてもよい)。
- 条件に合う $(\alpha,\beta)$ をすべて書き出す。
- 各組について、 $c$ は $\alpha,\beta$ 以外の4通り。
- 全部の個数を216で割って確率を求める。
解答


解答をテキストで読む
さいころの目の出方は全部で $6^3=216$ 通りで、どれも同じ確率で起こる。
(1) 配点 20点
$x=c$ は $f(x)=0$ の解なので、実数解が1個になるのは、 $x^2-ax+b=0$ が $c$ 以外の実数解をもたないとき。つまり次の①か②のどちらかである。
① $x^2-ax+b=0$ に実数解が無い場合:判別式が負、つまり $a^2-4b<0$ から $a^2<4b$ となる $(a,b)$ を、表にして数える
| $a$ | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 範囲 | $b\geqq1$ | $b\geqq2$ | $b\geqq3$ | $b\geqq5$ | なし | なし |
| 個数 | 6 | 5 | 4 | 2 | 0 | 0 |
$(a,b)$ は17通りあり、 $c$ は自由なので $17\times6=102$ 通り
② $x^2-ax+b=0$ が $x=c$ を重解にもつ場合:$a^2=4b$ かつ $\dfrac a2=c$
$a^2=4b$ となる $(a,b)$ は $(2,1),(4,4)$ で、それぞれ $c=1,2$ なので2通り
①と②は同時には起こらないから
$$\frac{102+2}{216}=\frac{104}{216}=\frac{13}{27}$$
答 $\dfrac{13}{27}$
(2) 配点 30点
自然数解がちょうど3個になるのは、 $x^2-ax+b=0$ が相異なる2つの自然数解 $\alpha,\beta\ (\alpha<\beta)$ をもち、 $c$ がそのどちらとも違う値のとき。
解と係数の関係から $\alpha+\beta=a\leqq6$、 $\alpha\beta=b\leqq6$
この条件を満たす $(\alpha,\beta)$ は
$$(1,2),\ (1,3),\ (1,4),\ (1,5),\ (2,3)$$
の5組(対応する $(a,b)$ は $(3,2),(4,3),(5,4),(6,5),(5,6)$)
いずれも $c$ は $\alpha,\beta$ を除く4通りだから $5\times4=20$ 通り。
$$\frac{20}{216}=\frac{5}{54}$$
答 $\dfrac{5}{54}$
出題意図
(1) 場合分けを正しく立てられるか。 $x=c$ は必ず解になるので、「2次方程式が実数解をもたない」場合と「2次方程式が $c$ を重解にもつ」場合の2つに気づけるかが勝負。
(2) 解の候補を絞り込み、漏れも重なりもなく数え切れるかが問われている
条件はシンプルで、さいころの目を係数にした方程式の確率は演習でよく出会う形。数え上げの型が身についているかを見ている。
講評
| 難易度 | 標準 |
| 目標得点 | 50点 |
| 目標時間 | 30分 |
標準問題。
時間は30分かけてよいので、できれば50点を取りたい。
そもそも状況を理解できていないと大幅に減点されるので、「こういう状況だ」としっかり言葉にしたうえで、数え間違い程度で収めよう。
確率は答えを間違えたときの減点が大きいので、何回も検算して、確実に数え上げること。
差がつく所・失点しやすい所
- 状況を言葉にして整理できたか、そのうえで丁寧に数え上げられたか(特に (2)):状況を理解できていないと大幅に減点される。思考過程をあまり書かない問題なので、正確に数えられれば満点で、数え漏れがあると点が一気に下がる。設定の把握と丁寧な数え上げは、どちらも演習量で決まる。
- (1) で「 $c$ を重解にもつ場合」を落とさないか:判別式が負になる場合だけを数えると $\dfrac{102}{216}$ になってしまう。2次方程式が実数解をもっていても、その解が $c$ と同じ値なら、実数解は全体で1個のままである。
- (2) で $c$ を6通りで数えない: $c$ が $\alpha$ か $\beta$ と同じになると自然数解は2個になるので、 $c$ は4通り。
2025年九州大学・文系数学の
講評とまとめ
4問の難易度と目標得点をまとめると、次のとおりです。
| 大問 | 難易度 | 目標点 |
|---|---|---|
| 第1問 | 簡単 | 50点 |
| 第2問 | やや簡単 | 50点 |
| 第3問 | やや簡単 | 50点 |
| 第4問 | 標準 | 50点 |
| 全体 | やや簡単 | 170点 |
大問ごとの目標点は、それぞれの大問を単体で解いたときの理想の点です。足すと200点になりますが、全体の目標点は170点です。
非常に簡単なセットでした。
どの大問にも難しい問題はなく、すべてチャートの基本例題レベルです。
数学が得意な人は200点近く、そこそこ得意なら9割から満点が取れる難易度で、合格に必要な点数が高くなる年でした。
合格ラインは160点、最低でも140点です。
第1問・第2問は満点が必須で、第3問・第4問でできる限り取りましょう。
落としてよいのは、第4問の数え間違いくらいです。
簡単な年こそ、自分が落とさないことが大事です。
解く流れ
- 第1問 → 第2問 → 第3問 → 第4問(問題の順でよい。どれも解きやすい)
- 目標時間の合計は85分(第1問15分・第2問25分・第3問15分・第4問30分)。残りの35分は見直しと予備。第4問は30分かけてよい。
2025年九州大学・文系数学に
関するよくある質問
2025年の九州大学・文系数学について、よく聞かれる質問にお答えします。
- 2025年の九州大学・文系数学は難しかった?
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やや簡単な年でした。
第1問は簡単、第2問と第3問はやや簡単、第4問は標準です。
どの大問もチャートの基本例題レベルで、非常に簡単なセットでした。 - 2025年の九州大学・文系数学は何点取れば合格できる?
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目標点は170点です(200点満点)。
- 2025年の九州大学・文系数学はどこで差がつく?
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第1問・第2問は満点が必須です。そのうえで、差がつくとすれば次の2つです。
- 第3問 (2):余りに注目して分類する、という整数問題の発想に行き着けたか。
- 第4問:状況を言葉にして整理し、丁寧に数え上げられたか。数え漏れがあると点が一気に下がります。
- 2025年の九州大学・文系数学は何が出題された?
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大問ごとの単元は、次のとおりです。
- 第1問:微分法(数学Ⅱ)
- 第2問:図形と座標・三角関数
- 第3問:整数
- 第4問:場合の数・確率


