【解説・採点基準付き】2014年九州大学理系数学の解答・解説
2014年の九州大学・理系数学の、
解答・解説【完全版】です。
方針の立て方・考え方はもちろん
オリジナルの採点基準付き。
このページで過去問演習が完結するので
赤本などは一切不要です。
※本記事の問題は、九州大学の入学試験問題から引用しています。
解答・解説は九大専門塾・竜文会が独自に作成したもので、九州大学が公表したものではありません。
2014年九州大学理系数学
第1問 解答・解説
この記事の配点・採点基準は九州大学が公表しているものではなく、竜文会が独自に作成したものです。
第1問は微分法・積分(数学Ⅲ)の問題です。
テーマは「$x-\sin x$ の傾き $\dfrac12$ の接線と、 $x$ 軸のまわりの回転体の体積」。
問題


問題文をテキストで読む
関数 $f(x)=x-\sin x\ \left(0\leqq x\leqq\dfrac{\pi}{2}\right)$ を考える。曲線 $y=f(x)$ の接線で傾きが $\dfrac12$ となるものを $\ell$ とする。
(1) $\ell$ の方程式と接点の座標 $(a,b)$ を求めよ。
(2) $a$ は (1) で求めたものとする。曲線 $y=f(x)$、直線 $x=a$、および $x$ 軸で囲まれた領域を、 $x$ 軸のまわりに1回転してできる回転体の体積 $V$ を求めよ。
解答の方針
【(1)の方針】
接線は、接点の $x$ 座標を文字でおいて、公式 $y=f'(a)(x-a)+f(a)$ で作る。接線の傾きは $f'(a)$ なので、 「傾きが $\dfrac12$」は $f'(a)=\dfrac12$ という $a$ の方程式になる。 $f'(x)=1-\cos x$ なので $\cos a=\dfrac12$ で、 $0\leqq a\leqq\dfrac{\pi}{2}$ では $\cos a$ は減少するから、接点はただ1つに決まる(下の図。色の部分は (2) で回転させる領域)。


- 接点の $x$ 座標を $a$ とおき、 $f'(x)=1-\cos x$ から、接線の傾きの条件 $f'(a)=\dfrac12$、すなわち $\cos a=\dfrac12$ を式にする。
- $0\leqq a\leqq\dfrac{\pi}{2}$ の範囲で $a=\dfrac{\pi}{3}$ を求め、 $b=f(a)$ を求める。
- 接線の公式 $y=f'(a)(x-a)+f(a)$ に $a$、 $f'(a)=\dfrac12$、 $f(a)=b$ を入れて $\ell$ の方程式を求める。
【(2)の方針】
体積は断面積の積分。公式から書き始めず、①あるところでスパッと切る→②切り口の面積を求める→③積分するの順で式を作る。 $x$ 軸のまわりの回転体を平面 $x=t$ で切ると、切り口は $x$ 軸上の点を中心とする半径 $f(t)$ の円( $f(t)\geqq0$ のとき)で、面積は $\pi\{f(t)\}^2$。あとはこれを積分するだけ(下の図)。


$\{f(x)\}^2=(x-\sin x)^2$ を展開すると、 $x^2$、 $x\sin x$、 $\sin^2x$ の3種類が現れる。積分は形を見て解法を選ぶ。 $x\sin x$ は2つの関数の積なので部分積分。どちらを微分するかはルールで決まり、多項式 $x$ を微分、 $\sin x$ を積分する。 $\sin^2x$ は三角関数の偶数次なので半角の公式で次数を下げる。どれも教科書どおりの処理で積分できる。
中原先生のコメント 2つ以上の関数の積を積分するときは、もう部分積分一択です。
- $f'(x)=1-\cos x\geqq0$ と $f(0)=0$ から、 $0\leqq x\leqq\dfrac{\pi}{3}$ で $f(x)\geqq0$ を確かめる。
- 平面 $x=t$ で切り、切り口が半径 $t-\sin t$ の円で面積が $\pi(t-\sin t)^2$ であることを示す。
- 何度も出る $\pi$ は左辺に寄せ、 $\dfrac{V}{\pi}=\displaystyle\int_0^{\frac{\pi}{3}}(x-\sin x)^2dx$ と立式する。
- 被積分関数を $x^2-2x\sin x+\sin^2x$ と表し、 $\displaystyle\int x^2dx$ はそのまま、 $\displaystyle\int x\sin x\,dx$ は $x$ を微分・ $\sin x$ を積分して部分積分、 $\displaystyle\int\sin^2x\,dx$ は半角の公式 $\sin^2x=\dfrac{1-\cos2x}{2}$ で計算する。原始関数を求めた行ごとに、微分して元に戻るかを確かめる。
- 3つの値を合わせ、最後に寄せた $\pi$ を戻して $V$ を求め、かっこの中が正であることを確かめる。
解答


解答をテキストで読む
(1) 配点 15点
$f'(x)=1-\cos x$。接点の $x$ 座標 $a$ について、 $f'(a)=\dfrac12$ より
$$1-\cos a=\frac12\qquad\therefore\ \cos a=\frac12$$
$0\leqq a\leqq\dfrac{\pi}{2}$ で $\cos a$ は減少するので、これをみたす $a$ は $a=\dfrac{\pi}{3}$ ただ1つ。
$$b=f\left(\frac{\pi}{3}\right)=\frac{\pi}{3}-\sin\frac{\pi}{3}=\frac{\pi}{3}-\frac{\sqrt3}{2}$$
接線の公式 $y=f'(a)(x-a)+f(a)$ より
$$y=\frac12\left(x-\frac{\pi}{3}\right)+\frac{\pi}{3}-\frac{\sqrt3}{2}=\frac12x+\frac{\pi}{6}-\frac{\sqrt3}{2}$$
答 $\ell:\ y=\dfrac12x+\dfrac{\pi}{6}-\dfrac{\sqrt3}{2}$、接点 $(a,b)=\left(\dfrac{\pi}{3},\ \dfrac{\pi}{3}-\dfrac{\sqrt3}{2}\right)$
(2) 配点 35点
$0\leqq x\leqq\dfrac{\pi}{3}$ で $f'(x)=1-\cos x\geqq0$ なので $f(x)$ は増加し、 $f(0)=0$ より $f(x)\geqq0$。よって回転させる領域は、曲線 $y=f(x)$ と $x$ 軸の間の $0\leqq x\leqq\dfrac{\pi}{3}$ の部分(下の図の色の部分)。
回転体を平面 $x=t$ $\left(0\leqq t\leqq\dfrac{\pi}{3}\right)$ で切った切り口は、 $x$ 軸上の点 $\mathrm{H}$ を中心とする半径 $t-\sin t$ の円で、面積は $\pi(t-\sin t)^2$。
これを $0\leqq t\leqq\dfrac{\pi}{3}$ で積分する。 $\pi$ は左辺に寄せて
$$\frac{V}{\pi}=\int_0^{\frac{\pi}{3}}(x-\sin x)^2dx=\int_0^{\frac{\pi}{3}}\left(x^2-2x\sin x+\sin^2x\right)dx$$
3つの積分をそれぞれ計算する。
$$\int_0^{\frac{\pi}{3}}x^2dx=\left[\frac{x^3}{3}\right]_0^{\frac{\pi}{3}}=\frac{\pi^3}{81}$$
$x\sin x$ は $x$ を微分、 $\sin x$ を積分する部分積分。 $(-\cos x)’=\sin x$ を確かめてから
$$\int_0^{\frac{\pi}{3}}x(-\cos x)’\,dx=\Big[-x\cos x\Big]_0^{\frac{\pi}{3}}+\int_0^{\frac{\pi}{3}}\cos x\,dx=-\frac{\pi}{6}+\Big[\sin x\Big]_0^{\frac{\pi}{3}}=-\frac{\pi}{6}+\frac{\sqrt3}{2}$$
(検算: $(-x\cos x+\sin x)’=-\cos x+x\sin x+\cos x=x\sin x$)
$\sin^2x$ は偶数次なので半角の公式で次数を下げる。
$$\int_0^{\frac{\pi}{3}}\sin^2x\,dx=\int_0^{\frac{\pi}{3}}\frac{1-\cos2x}{2}\,dx=\left[\frac x2-\frac{\sin2x}{4}\right]_0^{\frac{\pi}{3}}=\frac{\pi}{6}-\frac{\sqrt3}{8}$$
(検算: $\left(\dfrac x2-\dfrac{\sin2x}{4}\right)’=\dfrac{1-\cos2x}{2}=\sin^2x$)
したがって
$$\frac{V}{\pi}=\frac{\pi^3}{81}-2\left(-\frac{\pi}{6}+\frac{\sqrt3}{2}\right)+\frac{\pi}{6}-\frac{\sqrt3}{8}=\frac{\pi^3}{81}+\frac{\pi}{2}-\frac{9\sqrt3}{8}$$
最後に寄せた $\pi$ を戻して
答 $V=\pi\left(\dfrac{\pi^3}{81}+\dfrac{\pi}{2}-\dfrac{9\sqrt3}{8}\right)$
(検算:かっこの中は $0.3828+1.5708-1.9486\fallingdotseq0.0050$ で正。 $x$ が小さいとき $x-\sin x$ はとても小さいので、体積が小さい値になるのは自然)
別解(原始関数を1つにまとめる) $(x-\sin x)^2$ の原始関数を
$$F(x)=\frac{x^3}{3}+2x\cos x-2\sin x+\frac x2-\frac{\sin2x}{4}$$
とまとめておく。微分すると $F'(x)=x^2-2x\sin x+\dfrac{1-\cos2x}{2}=x^2-2x\sin x+\sin^2x$ と被積分関数に戻るので、符号の誤りがないことを確かめてから代入できる。 $V=\pi\left\{F\left(\dfrac{\pi}{3}\right)-F(0)\right\}$ で、代入は1回で済み、同じ答えになる。
出題意図
(1) 傾きが与えられた接線は、導関数の値がその傾きになる点を接点とするという微分法の基本が理解できているか
(2) 回転体の体積を $\pi\displaystyle\int y^2dx$ で立式し、 $(x-\sin x)^2$ を展開して現れる $x\sin x$ と $\sin^2x$ の積分を正確に計算できるか
講評
| 医学部医学科 | その他の学部 | |
|---|---|---|
| 難易度 | 簡単 | |
| 目標得点 | 50点 | 50点 |
| 目標時間 | 15分 | 20分 |
ただの積分の基本問題。
(1) は接点を置くことさえ意識すれば公式どおりで、(2) も回転させるだけ。
教科書の練習問題レベルなので、確実に満点を取ろう。
差がつく所・失点しやすい所
- 差がつくのは (2) の計算: $(x-\sin x)^2$ を展開して3つの積分に分け、 $x\sin x$ は部分積分、 $\sin^2x$ は半角の公式で処理するという発想に行き着けるか。どれも教科書レベルだが、3つを合わせる途中の符号ミスで答えがずれる。
- 符号で失点しやすい: $-2\displaystyle\int x\sin x\,dx$ の $-2$ と、原始関数 $-x\cos x$ のマイナスが重なる所。
- 領域の読み違い:回転させるのは曲線・直線 $x=a$・ $x$ 軸で囲まれた部分。接線 $\ell$ と曲線の間ではない。
2014年九州大学理系数学
第2問 解答・解説
第2問は整数の問題です。
テーマは「$a^2+b^2=3c^2$ をみたす自然数が存在しないことの証明」。
問題


問題文をテキストで読む
以下の問いに答えよ。
(1) 任意の自然数 $a$ に対し、 $a^2$ を3で割った余りは0か1であることを証明せよ。
(2) 自然数 $a,b,c$ が $a^2+b^2=3c^2$ を満たすと仮定すると、 $a,b,c$ はすべて3で割り切れなければならないことを証明せよ。
(3) $a^2+b^2=3c^2$ を満たす自然数 $a,b,c$ は存在しないことを証明せよ。
解答の方針
【(1)の方針】
整数問題は「因数分解する」「不等式で評価する」「余りで分類する」の3大解法のどれかで入る。本問は3で割った余りが問われているので、余りで分類する。 $a$ を3で割った余りで3通りに分ければ、すべての自然数を調べたことになる。 $a$ を $3k$、 $3k+1$、 $3k+2$ と表して2乗すると、3で割った余りは順に $0,\ 1,\ 1$ になる。表にすると、$a^2$ が3で割り切れるのは $a$ が3の倍数のときだけということも同時に分かる((2) で使う)。
中原先生のコメント 3で割った余りは0か1か2。でも平方数になると、3で割った余りは0か1しかなくなる。これがめちゃくちゃ大事です。


- $k$ を0以上の整数として、 $a=3k$、 $3k+1$、 $3k+2$ の3通りに分ける。
- それぞれ $a^2$ を「 $3\times$(整数)+余り」の形に表し、余りが0か1であることを示す。
【(2)の方針】
右辺 $3c^2$ は3の倍数なので、左辺 $a^2+b^2$ も3で割り切れる。平方数の和の等式は、余りの組み合わせを全部並べて表にするのが定石。(1) から $a^2$、 $b^2$ を3で割った余りはどちらも0か1なので、余りの組み合わせは4通りしかない。表にすると、和が3で割り切れるのは両方とも余り0のときだけと分かる。平方数を3で割った余りが0ということは、元の数が3の倍数ということなので、 $a,\ b$ が3の倍数と決まる。 $a,\ b$ が3の倍数と分かれば、 $a=3a_1$、 $b=3b_1$ を代入して両辺を3で割ると $c^2$ が3の倍数になり、 $c$ にも同じ議論が使える。


- (1) を使い、 $a^2$、 $b^2$ の余りの組み合わせ4通りのうち、和が3で割り切れるのは両方とも余り0のときだけであることを示す。
- (1) の表から「 $a^2$ が3の倍数ならば $a$ も3の倍数」を使い、 $a,\ b$ が3の倍数であると結論する。
- $a=3a_1$、 $b=3b_1$ を代入して $c^2=3(a_1^2+b_1^2)$ を導き、同じ理由で $c$ も3の倍数であると結論する。
【(3)の方針】
証明は、まず「直接示す」「背理法」「対偶」のどれで行くかを選ばないといけない。「存在しない」は直接は示しにくいので、存在すると仮定して矛盾を導く背理法を選ぶ。(2) は「解 $(a,b,c)$ があれば、それぞれを3で割った $\left(\dfrac a3,\ \dfrac b3,\ \dfrac c3\right)$ もまた解になる」ことを言っている。これは何回でも使えるので、解が1つでもあれば、 $c$ が $\dfrac13$ 倍、 $\dfrac19$ 倍、…と小さくなる解がいくらでも作れてしまう。自然数がどこまでも小さくなり続けることはないので、ここで矛盾が起きる。答案では、解の中で $c$ が最小のものを先にとっておき、それより $c$ が小さい解が見つかる、という形で矛盾を導く(無限降下法)。


- 背理法で示す。解が存在すると仮定し、その中で $c$ が最小のものを $(a,b,c)$ とする。
- (2) から $a=3a_1$、 $b=3b_1$、 $c=3c_1$( $a_1,b_1,c_1$ は自然数)とおき、代入して $a_1^2+b_1^2=3c_1^2$ を導く。
- $(a_1,b_1,c_1)$ も解で $c_1=\dfrac c3<c$ となり、 $c$ が最小であることに矛盾する。よって解は存在しないと結論する。
解答


解答をテキストで読む
(1) 配点 10点
$k$ を0以上の整数とすると、自然数 $a$ は $3k$、 $3k+1$、 $3k+2$ のいずれかの形で表せる。
$a=3k$ のとき $a^2=9k^2=3\cdot3k^2$
$a=3k+1$ のとき $a^2=9k^2+6k+1=3(3k^2+2k)+1$
$a=3k+2$ のとき $a^2=9k^2+12k+4=3(3k^2+4k+1)+1$
よって、 $a^2$ を3で割った余りは0か1である。(証明終)
また、この結果から、 $a^2$ を3で割った余りが0になるのは $a$ が3の倍数のときだけであることも分かる。
(2) 配点 20点
$a^2+b^2=3c^2$ の右辺は3の倍数なので、 $a^2+b^2$ は3で割り切れる。(1) より、 $a^2$、 $b^2$ を3で割った余りはそれぞれ0か1で、和 $a^2+b^2$ を3で割った余りは次の表のとおりである。
和が3で割り切れるのは、 $a^2$、 $b^2$ がともに3で割り切れるときだけである。(1) より、 $a^2$ が3で割り切れるのは $a$ が3の倍数のときだけなので、 $a,\ b$ はともに3の倍数である。
$a=3a_1$、 $b=3b_1$( $a_1,b_1$ は自然数)とおくと
$$9a_1^2+9b_1^2=3c^2\iff c^2=3(a_1^2+b_1^2)$$
よって $c^2$ は3の倍数で、(1) より $c$ も3の倍数である。したがって、 $a,b,c$ はすべて3で割り切れる。(証明終)
(3) 配点 20点
$a^2+b^2=3c^2$ をみたす自然数の組 $(a,b,c)$ が存在すると仮定する。そのような組の中で、 $c$ が最小のものを $(a,b,c)$ とする(自然数の集まりには、必ず最小のものがある)。
(2) より $a,b,c$ はすべて3の倍数なので、 $a=3a_1$、 $b=3b_1$、 $c=3c_1$( $a_1,b_1,c_1$ は自然数)とおける。代入すると
$$9a_1^2+9b_1^2=27c_1^2\iff a_1^2+b_1^2=3c_1^2$$
よって $(a_1,b_1,c_1)$ も $a^2+b^2=3c^2$ をみたす自然数の組である。ところが $c_1=\dfrac c3<c$ なので、 $c$ が最小であることに矛盾する。
したがって、 $a^2+b^2=3c^2$ をみたす自然数 $a,b,c$ は存在しない。(証明終)
別解( $3^n$ でくくり出す) 解 $(a,b,c)$ が存在すると仮定する。 $3^n$ が $c$ を割り切るとき $3^n\leqq c$ なので、 $a,b,c$ をすべて割り切る3の累乗には最大のものがある。それを $3^n$( $n\geqq0$)とし、 $a=3^nA$、 $b=3^nB$、 $c=3^nC$ とおく。 $A,B,C$ は自然数で、少なくとも1つは3で割り切れない(すべて3で割り切れると、 $3^{n+1}$ も $a,b,c$ をすべて割り切ってしまう)。代入して両辺を $9^n$ で割ると $A^2+B^2=3C^2$ となり、 $(A,B,C)$ も解である。すると (2) より $A,B,C$ はすべて3で割り切れ、矛盾する。最小の $c$ をとる代わりに最大の $3^n$ をとる書き方で、どちらでも (2) を1回使うだけで矛盾が導ける。
出題意図
(1) 平方数を3で割った余りは0か1という整数の基本が理解できているか
(2) (1) の結果を使って、余りの組み合わせから場合を絞り込めるか
(3) (2) が何回でも使えることに気づき、無限降下法(最小の解をとる背理法)を答案として書き切れるか
講評
| 医学部医学科 | その他の学部 | |
|---|---|---|
| 難易度 | 標準 | |
| 目標得点 | 50点 | 40点 |
| 目標時間 | 15分 | 20分 |
(1) は「平方数を3で割った余りは0か1」という、チャートの例題にも載っている有名な知識問題。
(2) は (1) があるので難しくない。
(3) の無限降下法の議論がやや難しいので、最後の詰めの部分は減点されてもよい。
九大の実戦で大事なのは、周りができない問題を解くことではなく、周りができる問題を確実に解くこと。
差がつく所・失点しやすい所
- 差がつくのは (3): $c$ が最小の解をとり、(2) を1回使って矛盾を導くという発想に行き着けるか。「3で何回でも割れるので矛盾」とだけ書くと、なぜ矛盾かが答案に書かれず減点される。
- (2) の根拠:「 $a^2$ が3の倍数ならば $a$ も3の倍数」は、(1) の結果か、3が素数であることを一言書く。
- (2) で $c$ を忘れる: $a,\ b$ だけ示して終える答案は失点しやすい。
2014年九州大学理系数学
第3問 解答・解説
第3問は図形と方程式・2次曲線の問題です。
テーマは「楕円上の点に対する $|x|+|y|$ の最大・最小」。
問題


問題文をテキストで読む
座標平面上の楕円
$$\frac{(x+2)^2}{16}+\frac{(y-1)^2}{4}=1\qquad\cdots\cdots①$$
を考える。以下の問いに答えよ。
(1) 楕円①と直線 $y=x+a$ が交点をもつときの $a$ の値の範囲を求めよ。
(2) $|x|+|y|=1$ を満たす点 $(x,y)$ 全体がなす図形の概形をかけ。
(3) 点 $(x,y)$ が楕円①上を動くとき、 $|x|+|y|$ の最大値、最小値とそれを与える $(x,y)$ をそれぞれ求めよ。
解答の方針
【(1)の方針】
直線の式を楕円の式に代入した2次方程式の解は、交点の $x$ 座標(下の $u=x+2$ とおいた式では $x+2$ の値)を表す。よって、楕円と直線が交点をもつことは、この2次方程式が実数解をもつことと同じ。楕円の中心が $(-2,1)$ なので、 $u=x+2$ と中心からのずれでおいてから代入すると、係数が簡単になる。
- $y=x+a$ を①に代入し、 $u=x+2$ とおいて $u$ の2次方程式 $5u^2+8(a-3)u+4(a-3)^2-16=0$ を求める。
- この2次方程式が実数解をもつ条件 $\dfrac D4\geqq0$ を $a$ の不等式で表し、 $a$ の範囲を求める。
【(2)の方針】
$x$、 $y$ の符号で4つの場合に分ければ絶対値が外れ、それぞれ線分になる。 $|x|+|y|$ は $x$ を $-x$ にしても、 $y$ を $-y$ にしても変わらないので、図形は $x$ 軸・ $y$ 軸のどちらに関しても対称。第1象限だけ外して、残りは対称性から書いてもよい。


- $x\geqq0$、 $y\geqq0$ のとき $x+y=1$ となり、2点 $(1,0)$、 $(0,1)$ を結ぶ線分になることを確かめる。
- 残りの3つの場合も同様に絶対値を外し(または対称性を使い)、4つの線分をつなげた図形を求める。
- 4点 $(\pm1,0)$、 $(0,\pm1)$ を頂点とする正方形の図を書いて答える。
【(3)の方針】
点が図形の上を動くときの式の値は、式 $=k$ とおき、図形として読む(線形計画法と同じ考え方)。 $|x|+|y|=k$ は、(2) と同様に4点 $(\pm k,0)$、 $(0,\pm k)$ を頂点とする正方形。$k$ を0から大きくしていき、正方形が楕円と共有点をもつ $k$ の範囲を見れば、最大値・最小値が求まる。楕円は中心 $(-2,1)$ が第2象限にあり、左上に大きく張り出しているので、最大は正方形の左上の辺 $-x+y=k$ が楕円に接するときになりそうで、(1) の結果がそのまま使える。一方、原点は楕円の内部にあるので、小さな正方形から広げていくと、楕円の下側に正方形の下の頂点 $(0,-k)$ が先に触れる。最大と最小で、楕円への触れ方が違う。


ただし、図で「左上の辺が接するとき」と決めるだけでは答案にならない。最大の候補は正方形の4つの辺 $\pm x\pm y=k$ がそれぞれ接するときの4つなので、4つとも計算して比べる。最小も、図で見当をつけたあと、それより小さい正方形が楕円の内部にあることまで示して、ほかの可能性を削る。
中原先生のコメント 「図から明らか」で済ませる議論は、基本的にきつい。めちゃくちゃ明らかな場合でない限り、図からはダメです。
- $|x|+|y|$ は4つの式 $x+y$、 $-x+y$、 $x-y$、 $-x-y$ のうち最大のものに等しいことを確かめる。
- 楕円上の点 $(x,y)$ に対して $a=y-x$ とおくと、直線 $y=x+a$ は楕円と交点をもつので、(1) より $3-2\sqrt5\leqq-x+y\leqq3+2\sqrt5$。ここから $-x+y$ と $x-y$ の最大値が求まる。
- 同じように直線 $y=-x+k$ を①に代入した2次方程式の判別式から $-1-2\sqrt5\leqq x+y\leqq-1+2\sqrt5$ を求め、 $x+y$ と $-x-y$ の最大値を求める。
- 4つの最大値を比べ、いちばん大きい $3+2\sqrt5$ が $|x|+|y|$ の最大値。(1) の2次方程式で $a=3+2\sqrt5$ のときの重解から接点を求め、それを与える点を答える。
- ①と $y$ 軸の交点 $(0,\ 1-\sqrt3)$ で $|x|+|y|=\sqrt3-1$ となることを確かめ、 $k=\sqrt3-1$ とおく。
- $0\leqq t<k$ のとき、正方形 $|x|+|y|\leqq t$ の4頂点がすべて楕円の内部(周を含まない)にあることを確かめる。楕円の内部は凸な図形なので、正方形全体が楕円の内部に含まれ、楕円上に $|x|+|y|=t$ となる点はない。よって楕円上で $|x|+|y|\geqq k$。
- 正方形 $|x|+|y|=k$ と楕円の共有点が $(0,\ 1-\sqrt3)$ だけであることを確かめ、最小値とそれを与える点を答える。
解答




解答をテキストで読む
(1) 配点 15点
①に $y=x+a$ を代入する。 $u=x+2$ とおくと $y-1=x+a-1=u+a-3$ なので、①は
$$\frac{u^2}{16}+\frac{(u+a-3)^2}{4}=1\iff u^2+4(u+a-3)^2=16\iff5u^2+8(a-3)u+4(a-3)^2-16=0$$
楕円①と直線が交点をもつ条件は、この $u$ の2次方程式が実数解をもつことなので
$$\frac D4=16(a-3)^2-5\left\{4(a-3)^2-16\right\}=80-4(a-3)^2\geqq0$$
すなわち $(a-3)^2\leqq20$、 $-2\sqrt5\leqq a-3\leqq2\sqrt5$。
答 $3-2\sqrt5\leqq a\leqq3+2\sqrt5$
別解(楕円の接線の公式) 楕円 $\dfrac{X^2}{16}+\dfrac{Y^2}{4}=1$ の傾き $m$ の接線は $Y=mX\pm\sqrt{16m^2+4}$。 $m=1$ で $Y=X\pm2\sqrt5$。 $X=x+2$、 $Y=y-1$ と中心を $(-2,1)$ にずらすと、①の傾き1の接線は $y=x+3\pm2\sqrt5$。傾き1の直線が①と交点をもつのは、この2本の接線の間にあるときなので、 $3-2\sqrt5\leqq a\leqq3+2\sqrt5$。答えの検算にも使える。
(2) 配点 5点
$x\geqq0$、 $y\geqq0$ のとき $x+y=1$、 $x\leqq0$、 $y\geqq0$ のとき $-x+y=1$、 $x\leqq0$、 $y\leqq0$ のとき $-x-y=1$、 $x\geqq0$、 $y\leqq0$ のとき $x-y=1$。それぞれ、下の図の4つの線分になる。
答 4点 $(1,0)$、 $(0,1)$、 $(-1,0)$、 $(0,-1)$ を頂点とする正方形(下の図)
(3) 配点 30点
$k>0$ のとき、 $|x|+|y|=k$ は (2) と同様に、4点 $(\pm k,0)$、 $(0,\pm k)$ を頂点とする正方形である。
最大値 $|x|\geqq\pm x$、 $|y|\geqq\pm y$ で、等号はどちらかの符号で成り立つので、 $|x|+|y|$ は $x+y$、 $-x+y$、 $x-y$、 $-x-y$ のうち最大のものに等しい。そこで、この4つの式の最大値をすべて求めて比べる。
①上の点 $(x,y)$ をとり、 $a=y-x$ とおく。直線 $y=x+a$ は点 $(x,y)$ で①と交わるので、(1) より
$$3-2\sqrt5\leqq-x+y\leqq3+2\sqrt5\qquad\therefore\ -x+y\leqq3+2\sqrt5,\quad x-y\leqq-3+2\sqrt5$$
同じように、 $k=x+y$ とおくと直線 $y=-x+k$ は点 $(x,y)$ で①と交わる。 $u=x+2$ とおくと $y-1=-u+k+1$ なので、①に代入して
$$u^2+4(-u+k+1)^2=16\iff5u^2-8(k+1)u+4(k+1)^2-16=0$$
この $u$ の2次方程式が実数解をもつので
$$\frac D4=16(k+1)^2-5\left\{4(k+1)^2-16\right\}=80-4(k+1)^2\geqq0\qquad\therefore\ -1-2\sqrt5\leqq x+y\leqq-1+2\sqrt5$$
よって $x+y\leqq-1+2\sqrt5$、 $-x-y\leqq1+2\sqrt5$。4つの上限を比べると
$$-3+2\sqrt5<-1+2\sqrt5<1+2\sqrt5<3+2\sqrt5$$
なので
$$|x|+|y|\leqq3+2\sqrt5$$
で、等号は $-x+y=3+2\sqrt5$ のときに限る(ほかの3つの式は $3+2\sqrt5$ に届かない)。
$-x+y=3+2\sqrt5$ となる①上の点は、直線 $y=x+3+2\sqrt5$ と①の共有点。 $a=3+2\sqrt5$ のとき (1) の判別式は0なので、直線は①に接し(下の図の点 $\mathrm{T}$)、接点は (1) の2次方程式の重解
$$u=-\frac{4(a-3)}{5}=-\frac{8\sqrt5}{5}$$
で与えられる。よって
$$x=u-2=-2-\frac{8\sqrt5}{5},\qquad y=x+a=1+\frac{2\sqrt5}{5}$$
このとき $|x|+|y|\geqq-x+y=3+2\sqrt5$ なので、最大値は $3+2\sqrt5$( $x<0$、 $y>0$ なので確かに $|x|+|y|=-x+y$)。
最小値 ①に $x=0$ を代入すると $(y-1)^2=3$ なので、点 $(0,\ 1-\sqrt3)$ は①上にあり、 $|x|+|y|=\sqrt3-1$。 $k=\sqrt3-1$ とおく。
$f(x,y)=\dfrac{(x+2)^2}{16}+\dfrac{(y-1)^2}{4}$ とおくと、楕円①の内部(周を含まない)は $f(x,y)<1$ で表され、凸な図形である。 $0\leqq t<k$ とし、正方形 $|x|+|y|\leqq t$ の4頂点を調べる。 $0\leqq t<k<1$ に注意すると
・$f(t,0)=\dfrac{(2+t)^2}{16}+\dfrac14<\dfrac{(1+\sqrt3)^2}{16}+\dfrac14=\dfrac{8+2\sqrt3}{16}<1$
・$f(-t,0)=\dfrac{(2-t)^2}{16}+\dfrac14\leqq\dfrac{4}{16}+\dfrac14<1$
・$f(0,t)=\dfrac14+\dfrac{(1-t)^2}{4}\leqq\dfrac14+\dfrac14<1$
・$f(0,-t)=\dfrac14+\dfrac{(1+t)^2}{4}<\dfrac14+\dfrac{(1+k)^2}{4}=\dfrac14+\dfrac34=1$
4頂点がすべて楕円の内部にあり、楕円の内部は凸な図形なので、正方形 $|x|+|y|\leqq t$ は周も含めて全体が楕円の内部に含まれる。よって①上に $|x|+|y|=t$ となる点はない。 $t$ は $0\leqq t<k$ のどの値でもよいので、正方形の内部 $|x|+|y|<k$ は楕円の内部に含まれ、楕円の周上の点は入らない。したがって、①上の点はすべて $|x|+|y|\geqq k$ をみたし、最小値は $\sqrt3-1$。
最後に、正方形 $|x|+|y|=k$ と①の共有点を調べる。上の計算は $t=k$ でも $f(\pm k,0)<1$、 $f(0,k)<1$ が成り立つので、正方形の上側の2辺は楕円の内部にある。下側の2辺上の点 $(\pm s,\ s-k)$( $0<s\leqq k$)では
$$f(s,\ s-k)-1=\frac{s(5s+4-8\sqrt3)}{16},\qquad f(-s,\ s-k)-1=\frac{s(5s-4-8\sqrt3)}{16}$$
で、 $5s+4\leqq5\sqrt3-1<8\sqrt3$ なので、どちらも負。よって共有点は $(0,\ 1-\sqrt3)$ だけである。
答 最大値 $3+2\sqrt5$ $(x,y)=\left(-2-\dfrac{8\sqrt5}{5},\ 1+\dfrac{2\sqrt5}{5}\right)$ /最小値 $\sqrt3-1$ $(x,y)=(0,\ 1-\sqrt3)$
補足(楕円を媒介変数で表す確かめ方) ①上の点は $x=-2+4\cos\theta$、 $y=1+2\sin\theta$ と表せる。 $\pm4\cos\theta\pm2\sin\theta\leqq\sqrt{16+4}=2\sqrt5$ なので、 $x+y\leqq-1+2\sqrt5$、 $-x+y\leqq3+2\sqrt5$、 $x-y\leqq-3+2\sqrt5$、 $-x-y\leqq1+2\sqrt5$ となり、最大値が $-x+y$ の側で決まることを三角関数の合成でも確かめられる。
出題意図
(1) 楕円と直線の共有点の条件を、代入した2次方程式の判別式に言いかえられるか
(2) 絶対値を含む式を、 $x$、 $y$ の符号で場合分けして図形として捉えることができるか
(3) $|x|+|y|=k$ とおき、正方形 $|x|+|y|=k$ が楕円と共有点をもつ $k$ の範囲として最大・最小を捉えることができるか。さらに、最大は辺で接し、最小は頂点で触れるという違いを図から判断し、それを論証できるか。
講評
| 医学部医学科 | その他の学部 | |
|---|---|---|
| 難易度 | やや簡単 | |
| 目標得点 | 50点 | 50点 |
| 目標時間 | 20分 | 25分 |
やや簡単の中でも、簡単にかなり近い問題。
(1) は判別式、(2) はチャートの超基本問題、(3) は見た瞬間に線形計画法と分かる。
正方形を楕円に接するようにずらし、あとは図形的に処理するだけ。
差がつく所・失点しやすい所
- 差がつくのは (3) の最小:辺で接すると思い込まず、正方形の頂点 $(0,-k)$ が先に楕円に触れるという発想に行き着けるか。楕円と $y$ 軸の交点を先に求めると見当がつく。
- (3) の論証:図で答えを決めるだけでは減点される。最大はほかの3つの式が $3+2\sqrt5$ より小さいこと、最小は正方形が楕円の内部に含まれることまで書く。
- (2) の図:「概形をかけ」なので、頂点の座標を入れた図がないと減点される。
2014年九州大学理系数学
第4問 解答・解説
第4問は確率・期待値の問題です。
テーマは「硬貨を投げて勝敗を決め、勝者が相手の裏の硬貨をもらうゲーム」。
問題


問題文をテキストで読む
Aさんは5円硬貨を3枚、Bさんは5円硬貨を1枚と10円硬貨を1枚持っている。2人は自分が持っている硬貨すべてを一度に投げる。それぞれが投げた硬貨のうち表が出た硬貨の合計金額が多い方を勝ちとする。勝者は相手の裏が出た硬貨をすべてもらう。なお、表が出た硬貨の合計金額が同じときは引き分けとし、硬貨のやりとりは行わない。このゲームについて、以下の問いに答えよ。
(1) Aさんが Bさんに勝つ確率 $p$、および引き分けとなる確率 $q$ をそれぞれ求めよ。
(2) ゲーム終了後にAさんが持っている硬貨の合計金額の期待値 $E$ を求めよ。
解答の方針
【(1)の方針】
確率は、分母と分子の数え方さえそろえれば、数え方は自分で決めてよい。ここでは5枚の硬貨をすべて区別して、全体を $2^5=32$ 通り(どれも同様に確からしい)と数える。勝ち負けは、2人の表の金額だけで決まる。Aの表の金額を $X$ 円、Bの表の金額を $Y$ 円とおく。Aは5円硬貨3枚なので、 $X$ は表の枚数で決まり、表が $k$ 枚の出方は ${}_3\mathrm{C}_k$ 通りだから、 $X=0,5,10,15$ の確率は $\dfrac18$、 $\dfrac38$、 $\dfrac38$、 $\dfrac18$。Bは5円と10円の2枚で、表裏の4通りが $Y=0,5,10,15$ にちょうど1通りずつ対応するので、どれも $\dfrac14$。AとBの硬貨の出方は互いに影響しないので、 $X$ を行、 $Y$ を列にした4×4の表を書けば、各マスの確率は「 $X$ の確率」× $\dfrac14$ (32通りのうち ${}_3\mathrm{C}_k$ 通り)で、勝ち( $X>Y$ )と引き分け( $X=Y$ )のマスがひと目で分かる。数え上げるなら、Aの5円硬貨の表の枚数で場合分けすればよい。3枚とも表なら負けることはなく、0枚なら勝つことはないので、実際に数えるのは1枚・2枚のときだけ。表を見ると勝ちと負けは対称になっていて、確率は等しい。


- 5枚の硬貨を区別して全体を32通りとし、Aの表の枚数から、 $X=0,5,10,15$ の確率 $\dfrac18$、 $\dfrac38$、 $\dfrac38$、 $\dfrac18$ を求める。
- Bの2枚の表裏4通りから、 $Y=0,5,10,15$ の確率がどれも $\dfrac14$ であることを確かめる。
- $X$ を行、 $Y$ を列にした4×4の表を書き、 $X>Y$ のマス(Aの勝ち)と $X=Y$ のマス(引き分け)に印をつける。
- 各マスの確率は( $X$ の確率)× $\dfrac14$ なので、勝ちのマスの確率を足して $p$ を、引き分けのマスの確率を足して $q$ を求める。
【(2)の方針】
硬貨を1枚ずつ追いかけるのではなく、ゲーム後のAの金額を $X$、 $Y$ の式で表す。2人とも最初は15円ずつ持っているので、Aの裏の金額は $15-X$ 円、Bの裏の金額は $15-Y$ 円。勝てばBの裏をもらうので $15+(15-Y)=30-Y$ 円、負ければ自分の裏をすべて渡し、表の硬貨だけが残るので $X$ 円、引き分けなら15円のまま。どのマスの金額も $X$、 $Y$ だけで決まるので、(1) の4×4の表にそのまま書き込める。


期待値は(値)×(確率)の和。表から、ゲーム後の金額の値は $0,5,10,15,20,25,30$ の7通りと分かるので、それぞれの値の確率を表のマスから全部求めてから、値×確率を足す。確率を全部足して1になるかで、数え漏れも確かめられる。
中原先生のコメント この期待値の問題は、それぞれの金額になる確率を全部求めてあげるだけ。これだけです。
- Aの裏の金額が $15-X$ 円、Bの裏の金額が $15-Y$ 円であることを確かめる。
- ゲーム後のAの金額を、勝ちのとき $30-Y$ 円、負けのとき $X$ 円、引き分けのとき15円と表す。
- (1) の4×4の表の各マスに、この金額を書き込む。
- 金額の値ごとに、その値が書かれたマスの確率(32通りのうち何通りか)を足して、値と確率の表を作る。確率の和が1になることを確かめる。
- 値×確率の和として $E$ を求める。
解答


解答をテキストで読む
(1) 配点 20点
5枚の硬貨をすべて区別すると、表裏の出方は全部で $2^5=32$ 通りで、どれも同様に確からしい。Aの表の金額を $X$ 円、Bの表の金額を $Y$ 円とする。
Aは5円硬貨3枚のうち表が $k$ 枚なら $X=5k$ で、その出方は ${}_3\mathrm{C}_k$ 通りなので、確率は $\dfrac{{}_3\mathrm{C}_k}{8}$。よって $X=0,5,10,15$ の確率は順に $\dfrac18$、 $\dfrac38$、 $\dfrac38$、 $\dfrac18$。
Bは、両方裏なら $Y=0$、5円だけ表なら $Y=5$、10円だけ表なら $Y=10$、両方表なら $Y=15$ なので、 $Y=0,5,10,15$ の確率はどれも $\dfrac14$。
AとBの硬貨の出方は互いに影響しないので、各組 $(X,\ Y)$ の確率は( $X$ の確率)× $\dfrac14$。 $X$ を行、 $Y$ を列にした表で、Aの勝ち( $X>Y$ )と引き分け( $X=Y$ )のマスは次のとおり。
Aの勝ちのマスは、 $X=5$ で $Y=0$ の1マス、 $X=10$ で $Y=0,5$ の2マス、 $X=15$ で $Y=0,5,10$ の3マスなので
$$p=\frac38\cdot\frac14\cdot1+\frac38\cdot\frac14\cdot2+\frac18\cdot\frac14\cdot3=\frac{3+6+3}{32}=\frac38$$
引き分けのマスは各行に1マスずつなので
$$q=\left(\frac18+\frac38+\frac38+\frac18\right)\cdot\frac14=\frac14$$
答 $p=\dfrac38$、 $q=\dfrac14$
(2) 配点 30点
はじめは2人とも15円ずつ持っているので、Aの裏の金額は $15-X$ 円、Bの裏の金額は $15-Y$ 円である。
・Aの勝ち( $X>Y$ )のとき Bの裏 $15-Y$ 円をもらうので、ゲーム後のAの金額は $15+(15-Y)=30-Y$ 円
・Aの負け( $X<Y$ )のとき 自分の裏 $15-X$ 円をすべて渡すので、ゲーム後のAの金額は $15-(15-X)=X$ 円
・引き分け( $X=Y$ )のとき 15円のまま
この金額を (1) の表に書き込むと、次のようになる。
各マスの確率は、32通りのうち、行 $X=0,5,10,15$ のマスがそれぞれ1、3、3、1通り。同じ金額のマスの確率を集めると、ゲーム後のAの金額とその確率は次の表になる。
| 金額(円) | $0$ | $5$ | $10$ | $15$ | $20$ | $25$ | $30$ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 確率 | $\dfrac{3}{32}$ | $\dfrac{6}{32}$ | $\dfrac{3}{32}$ | $\dfrac{8}{32}$ | $\dfrac{1}{32}$ | $\dfrac{4}{32}$ | $\dfrac{7}{32}$ |
(例: $30$ 円は $Y=0$ で勝つマスで、 $X=5,10,15$ の行の $3+3+1=7$ 通り。 $15$ 円は引き分けの4マスで $1+3+3+1=8$ 通り)
確率の和は $\dfrac{3+6+3+8+1+4+7}{32}=1$ で、数え漏れはない。
よって
$$E=\frac{0\cdot3+5\cdot6+10\cdot3+15\cdot8+20\cdot1+25\cdot4+30\cdot7}{32}=\frac{510}{32}=\frac{255}{16}$$
答 $E=\dfrac{255}{16}$(円)
別解(表の和で計算を工夫する) $Y$ の確率はどれも $\dfrac14$ なので、行ごとに4マスの金額の平均をとってから $X$ の確率をかけてもよい。
・$X=0$ の行: $\dfrac{15+0+0+0}{4}=\dfrac{15}{4}$
・$X=5$ の行: $\dfrac{30+15+5+5}{4}=\dfrac{55}{4}$
・$X=10$ の行: $\dfrac{30+25+15+10}{4}=\dfrac{80}{4}$
・$X=15$ の行: $\dfrac{30+25+20+15}{4}=\dfrac{90}{4}$
$$E=\frac18\cdot\frac{15}{4}+\frac38\cdot\frac{55}{4}+\frac38\cdot\frac{80}{4}+\frac18\cdot\frac{90}{4}=\frac{15+165+240+90}{32}=\frac{510}{32}=\frac{255}{16}$$
値ごとの確率を作らずに済む工夫で、本解の検算にも使える。
出題意図
(1) 5枚の硬貨の表裏を、2人の「表の金額」という2つの量に整理し、その組み合わせで勝ち・引き分けの確率を求めることができるか
(2) 勝ち・負けで硬貨の動き方が変わる状況で、ゲーム後の金額を場合ごとに正しく捉え、期待値を求めることができるか
講評
| 医学部医学科 | その他の学部 | |
|---|---|---|
| 難易度 | やや簡単 | |
| 目標得点 | 50点 | 50点 |
| 目標時間 | 20分 | 30分 |
設定を読み解く分だけやや簡単としたが、中身は簡単に近い。
(1) はAの表の枚数で場合分けして数え上げればよく、(2) は金額ごとの確率の表を作ってしまえばすぐに終わる。
差がつく所・失点しやすい所
- 差がつくのは (2):Aの金額を硬貨1枚ずつ追わず、「勝てば $30-Y$、負ければ $X$ 」と表すという発想に行き着けるか。行き着けば、表で金額ごとの確率を集めるだけ。
- (2) で $p$ に平均の金額をかけて済ませる: $Y$ が小さいほど勝ちやすく、勝ちやすさと金額は関係している。マスごとに金額を書かないと答えがずれる。
- $Y$ の確率:Bの硬貨は5円と10円で金額が違うので、 $Y$ の4つの値はどれも確率 $\dfrac14$。表の枚数で数えると誤る。
2014年九州大学理系数学
第5問 解答・解説
第5問は微分法(数学Ⅲ)の問題です。
テーマは「$f_n(x)=(x-1)(2x-1)\cdots(nx-1)$ が隣り合う解の間でただ1つの極値をとることの証明」。
問題


問題文をテキストで読む
2以上の自然数 $n$ に対して、関数 $f_n(x)$ を
$$f_n(x)=(x-1)(2x-1)\cdots(nx-1)$$
と定義する。 $k=1,2,\cdots,n-1$ に対して、 $f_n(x)$ が区間 $\dfrac{1}{k+1}<x<\dfrac1k$ でただ1つの極値をとることを証明せよ。
解答の方針
$f_n(x)=0$ の解は $x=1,\ \dfrac12,\ \cdots,\ \dfrac1n$ で、問題の区間 $\dfrac{1}{k+1}<x<\dfrac1k$ は隣り合う2つの解にはさまれた区間になっている。 $n=2$ で実験すると $f_2(x)=2x^2-3x+1$ で、頂点の $x$ 座標 $\dfrac34$ は $\dfrac12$ と $1$ の間にある。 $n=4$ のグラフでも、下の図のように $x$ 軸との交点の間に山か谷が1つずつある。


両端で値が0になる区間には、平均値の定理から $f_n'(x)=0$ の解が少なくとも1つある。平均値の定理は、両端を結ぶ直線の傾きと同じ傾きの接線が、両端の間に引けるという定理で、両端の値が等しければその傾きは0になる。区間は $n-1$ 個あって互いに重ならないので、解は全体で $n-1$ 個以上。一方、 $f_n'(x)$ は $n-1$ 次式なので、解は多くても $n-1$ 個。この2つがちょうど釣り合うので、各区間の解はちょうど1つで、しかも重解にならない。 $f_n'(x)$ そのものは求めなくてよく、次数だけで個数が決まるのがこの問題の要。
極値であることは $f_n'(x)=0$ だけでは言えない( $x^3$ の $x=0$ のように符号が変わらない場合がある)。重解でないことから、その前後で $f_n'(x)$ の符号が変わることまで示す。さらに「ただ1つ」と言うには、極値をとる点では必ず $f_n'(x)=0$ になることを使い、区間内のほかの点では極値をとらないことも書く。
中原先生のコメント 極値を持つとはどういうことかというと、 $f'(x)$ の符号が変化すること。これです。
- $f_n(x)=0$ の解が $1,\ \dfrac12,\ \cdots,\ \dfrac1n$ であることと、 $f_n'(x)$ が $n-1$ 次式(最高次の係数 $n\cdot n!$)であることを確かめる。
- 各区間で $f_n(x)$ が両端で0になることから、平均値の定理で $f_n'(c_k)=0$ となる $c_k$ $\left(\dfrac{1}{k+1}<c_k<\dfrac1k\right)$ が存在することを示す。
- 区間が重ならないので $c_1,\ \cdots,\ c_{n-1}$ は互いに異なり、 $f_n'(x)=0$ の解は少なくとも $n-1$ 個。次数から高々 $n-1$ 個なので、解は $c_1,\ \cdots,\ c_{n-1}$ だけで、因数定理から $f_n'(x)=n\cdot n!\,(x-c_1)(x-c_2)\cdots(x-c_{n-1})$ と表す。
- この式で、区間 $\dfrac{1}{k+1}<x<\dfrac1k$ では $x-c_k$ 以外の因数の符号が一定なので、 $f_n'(x)$ は $x=c_k$ の前後で符号が変わり、 $f_n(x)$ は $x=c_k$ で極値をとることを示す。
- 極値をとる点では $f_n'(x)=0$ なので、この区間で極値をとる点は $c_k$ だけであると結論する。
解答


解答をテキストで読む
配点 50点
$f_n(x)=0$ の解は $x=1,\ \dfrac12,\ \cdots,\ \dfrac1n$ の $n$ 個で、大小は $\dfrac1n<\dfrac{1}{n-1}<\cdots<\dfrac12<1$。また、 $f_n(x)$ は $x^n$ の係数が $1\cdot2\cdots n=n!$ の $n$ 次の多項式なので、 $f_n'(x)$ は $x^{n-1}$ の係数が $n\cdot n!\ (\neq0)$ の $n-1$ 次の多項式である。
存在 $k=1,\ 2,\ \cdots,\ n-1$ とする。 $f_n(x)$ は多項式なので、区間 $\dfrac{1}{k+1}\leqq x\leqq\dfrac1k$ で連続、区間 $\dfrac{1}{k+1}<x<\dfrac1k$ で微分可能である。平均値の定理より
$$\frac{f_n\left(\dfrac1k\right)-f_n\left(\dfrac{1}{k+1}\right)}{\dfrac1k-\dfrac{1}{k+1}}=f_n'(c_k),\qquad\frac{1}{k+1}<c_k<\frac1k$$
をみたす $c_k$ が存在する。 $f_n\left(\dfrac{1}{k+1}\right)=f_n\left(\dfrac1k\right)=0$ なので左辺は0で、 $f_n'(c_k)=0$ である。
個数 $n-1$ 個の区間 $\dfrac{1}{k+1}<x<\dfrac1k$ $(k=1,\ 2,\ \cdots,\ n-1)$ は互いに重ならないので、 $c_1,\ c_2,\ \cdots,\ c_{n-1}$ は互いに異なる。よって方程式 $f_n'(x)=0$ は異なる解を少なくとも $n-1$ 個もつ。
一方、 $f_n'(x)$ は $n-1$ 次式なので、 $f_n'(x)=0$ の解は重解を重複して数えても $n-1$ 個以下である。
したがって $f_n'(x)=0$ の解は $c_1,\ c_2,\ \cdots,\ c_{n-1}$ だけで、どれも重解ではない。因数定理より
$$f_n'(x)=n\cdot n!\,(x-c_1)(x-c_2)\cdots(x-c_{n-1})$$
と表せる。とくに、区間 $\dfrac{1}{k+1}<x<\dfrac1k$ で $f_n'(x)=0$ となる $x$ は $c_k$ ただ1つである。
極値であること 区間 $\dfrac{1}{k+1}<x<\dfrac1k$ において、 $j\neq k$ の $c_j$ はこの区間の外にあるので、因数 $x-c_j$ $(j\neq k)$ はこの区間で0にならず、符号は一定である。よって $f_n'(x)$ の符号は、 $x-c_k$ の符号と同じく $x=c_k$ の前後で変わる。したがって $f_n(x)$ は $x=c_k$ で極値をとる。
下の図は $n=4$ のとき。上の $y=f_4(x)$ の山・谷の位置と、下の $y=f_4{}'(x)$ が $x$ 軸を横切る点 $c_3,\ c_2,\ c_1$ がそろっている。
ただ1つであること $f_n(x)$ は微分可能なので、区間内の点 $x=a$ で極値をとるなら $f_n'(a)=0$ である。この区間で $f_n'(x)=0$ となるのは $x=c_k$ だけなので、極値をとる点は $c_k$ 以外にない。
以上より、 $f_n(x)$ は区間 $\dfrac{1}{k+1}<x<\dfrac1k$ でただ1つの極値をとる。(証明終わり)
補足(符号の変化を因数分解なしで示す方法) 区間 $\dfrac{1}{k+1}<x<\dfrac1k$ で $f_n'(x)=0$ となる点が $c_k$ だけと分かれば、次のようにも示せる。もし $x=c_k$ の前後で $f_n'(x)$ の符号が変わらないなら、この区間で $f_n'(x)$ は $c_k$ 以外で0にならず符号が一定なので、 $f_n(x)$ は区間 $\dfrac{1}{k+1}\leqq x\leqq\dfrac1k$ で単調に増加するか単調に減少する。これは両端の値がどちらも0であることに反する。よって $f_n'(x)$ は $x=c_k$ の前後で符号が変わる。
補足(別解:対数微分で各区間を調べる) 次数で個数を数えずに、各区間の中だけで示す方法もある。区間 $\dfrac{1}{k+1}<x<\dfrac1k$ では $f_n(x)\neq0$ で、 $f_n(x)$ は連続なので符号が一定である。 $\log|f_n(x)|=\log|x-1|+\log|2x-1|+\cdots+\log|nx-1|$ を微分すると、 $\dfrac{(jx-1)’}{jx-1}=\dfrac{j}{jx-1}=\dfrac{1}{x-\dfrac1j}$ より
$$g(x)=\frac{f_n'(x)}{f_n(x)}=\frac{1}{x-1}+\frac{1}{x-\dfrac12}+\cdots+\frac{1}{x-\dfrac1n}$$
となる。 $g'(x)=-\dfrac{1}{(x-1)^2}-\dfrac{1}{\left(x-\dfrac12\right)^2}-\cdots-\dfrac{1}{\left(x-\dfrac1n\right)^2}<0$ なので、 $g(x)$ はこの区間で単調に減少する。また、 $x\to\dfrac{1}{k+1}+0$ のとき $\dfrac{1}{x-\dfrac{1}{k+1}}\to+\infty$、ほかの項は有限の値に近づくので $g(x)\to+\infty$。同じように $x\to\dfrac1k-0$ のとき $g(x)\to-\infty$。 $g(x)$ は連続なので、中間値の定理と単調性より、 $g(x)=0$ となる $x$ はこの区間にただ1つあり(これを $c_k$ とする)、その前後で $g(x)$ の符号は正から負に変わる。 $f_n'(x)=f_n(x)\,g(x)$ で $f_n(x)$ の符号は一定なので、 $f_n'(x)=0$ となるのは $x=c_k$ だけで、その前後で $f_n'(x)$ の符号が変わる。よって $f_n(x)$ はこの区間でただ1つの極値をとる。平均値の定理も次数も使わない一方で、極限と単調性の説明が要るので、本番では本解の方が短い。
出題意図
- 「少なくとも1つある」と「ただ1つしかない」を別々の根拠で示す論証ができるか。存在は平均値の定理(ロルの定理)、個数は導関数の次数で押さえる、という組み立てに気づけるか。
- 「極値をとる」を「導関数が0になり、その前後で符号が変わる」と正しく言いかえ、答案に書き切れるか。
講評
| 医学部医学科 | その他の学部 | |
|---|---|---|
| 難易度 | やや難 | |
| 目標得点 | 20点 | 0点 |
| 目標時間 | 30分 | 35分 |
抽象的で、そもそも何を示せばよいかが分かりにくい問題。
差がつくというより、こうした抽象的な証明問題にどれだけ取り組んできたかという、自力の勝負。
極値をとるとは、その区間で極大から極小に切り替わること、つまり $f_n'(x)$ の符号が変わることだ。
だから $f_n'(x)$ の符号を議論しよう、と考えられる受験生は意外と少ない。
差がつく所・失点しやすい所
- 差がつくのは、何を示せばよいかへの言いかえ:極値をとる=区間の中で $f_n'(x)$ の符号が正から負(負から正)に切り替わる、と捉えて、 $f_n'(x)$ の符号を議論するという発想に行き着けるか。
- 「ただ1つ」の示し方: $f_n'(x)$ の次数 $n-1$ と区間の個数 $n-1$ を比べて解の個数を押さえる。行き着けないと、存在の20点で止まる。
- 極値であることの確認: $f_n'(c_k)=0$ だけでは極値とは限らない。前後で符号が変わることまで示さないと大きく減点される。
2014年九州大学・理系数学の
講評とまとめ
5問の難易度と目標得点をまとめると、次のとおりです。
| 大問 | 難易度 | 医学部医学科 | その他の学部 |
|---|---|---|---|
| 第1問 | 簡単 | 50点 | 50点 |
| 第2問 | 標準 | 50点 | 40点 |
| 第3問 | やや簡単 | 50点 | 50点 |
| 第4問 | やや簡単 | 50点 | 50点 |
| 第5問 | やや難 | 20点 | 0点 |
| 全体 | やや簡単 | 220点 | 190点 |
第5問はやや難ですが、全体はやや簡単なセットです。
第1問〜第4問は、医学科だけでなく他学部も取らないといけない4問です。
第5問だけは解けなくても大丈夫(他学部は0点でもOK!)。
医学科は第1問〜第4問の完答に、第5問の部分点20点を加えた220点を狙いたい。
解く流れ
第1問 → 第2問 → 第3問 → 第4問 → 第5問(問題の順でよい)。
2014年九州大学・理系数学に
関するよくある質問
2014年の九州大学・理系数学について、よく聞かれる質問にお答えします。
- 2014年の九州大学・理系数学は難しかった?
-
やや簡単な年でした。
第1問は簡単、第3問(簡単に近い)・第4問はやや簡単、第2問は標準、第5問だけがやや難です。 - 2014年の九州大学・理系数学は何点取れば合格できる?
-
目標点は、医学部医学科で220点、その他の学部で190点です(250点満点)。
- 2014年の九州大学・理系数学はどこで差がつく?
-
第1問から第4問は完答が前提です。そのうえで、差がつくのは次の3つです。
- 第2問(3):$c$ が最小の解をとり、(2) を使って矛盾を導く(無限降下法)流れを答案に書き切れたか。
- 第3問(3):最小値で、正方形が辺で接すると思い込まず、頂点 $(0,-k)$ が先に楕円に触れると気づき、図だけで済ませずに論証できたか。
- 第5問:完答は難しい問題。グラフをかき、極値をとる= $f_n'(x)$ の符号が変わる、と言いかえ、どこまで試行過程を記述して部分点を集められたか。
- 2014年の九州大学・理系数学は何が出題された?
-
大問ごとの単元は、次のとおりです。
- 第1問:微分法・積分(数学Ⅲ)
- 第2問:整数
- 第3問:図形と方程式・2次曲線
- 第4問:確率・期待値
- 第5問:微分法(数学Ⅲ)


