【解説・採点基準付き】2025年九州大学理系数学の解答・解説
2025年の九州大学・理系数学の、
解答・解説【完全版】です。
方針の立て方・考え方はもちろん
オリジナルの採点基準付き。
このページで過去問演習が完結するので
赤本などは一切不要です。
2025年九州大学理系数学
第1問 解答・解説
この記事の配点・採点基準は九州大学が公表しているものではなく、竜文会が独自に作成したものです。
第1問は空間ベクトルの問題です。
テーマは「平面への垂線と xy 平面の交点」。
問題


問題文をテキストで読む
座標空間内の3点 $\mathrm{A}(1,1,-5)$、$\mathrm{B}(-1,-1,7)$、$\mathrm{C}(1,-1,3)$ を通る平面を $\alpha$ とする。点 $\mathrm{P}(a,b,t)$ を通り $\alpha$ に垂直な直線と $xy$ 平面との交点をQとする。
(1) 点Qの座標を求めよ。
(2) $t$ がすべての実数値をとって変化するときのOQの最小値が1以下となるような $a,b$ の条件を求めよ。ただし、Oは原点である。
解答の方針
【(1)の方針】
平面に垂直な直線 → 方向ベクトルは平面の法線ベクトル。法線ベクトルは「平面上の2本のベクトルとの内積が0」で求める。
- $\overrightarrow{\mathrm{AB}}$、$\overrightarrow{\mathrm{AC}}$ の両方に垂直なベクトル $\vec n$ を求める。
- P を通り $\vec n$ に平行な直線上の点を、実数 $s$ を使って表す。
- $xy$ 平面との交点なので $z$ 座標が0。これを満たす $s$ を求めて Q の座標を答える。
【(2)の方針】
OQ$^2$ は $t$ の2次関数で表せる。$t$ がすべての実数を動くので、平方完成して最小値を求める。
- (1) の Q から OQ$^2$ を $t$ の式で表す。
- $t$ について平方完成し、最小値を $a,b$ の式で求める。
- 「最小値 $\leqq1$」から $a,b$ の関係式を導く。
別の見方:$t$ を動かすと Q は $xy$ 平面上の直線の上を動く。OQ の最小は原点とその直線の距離(模範解答の別解)
解答


解答をテキストで読む
(1) 配点 20点
$\overrightarrow{\mathrm{AB}}=(-2,-2,12)=-2(1,1,-6)$、$\overrightarrow{\mathrm{AC}}=(0,-2,8)=-2(0,1,-4)$
(垂直かどうかは向きだけで決まるので、数を小さくした $(1,1,-6)$、$(0,1,-4)$ で考える)
平面 $\alpha$ に垂直なベクトルを $\vec n=(p,q,r)$ とすると
$$\left\{\begin{array}{l}\vec n\cdot(1,1,-6)=0\\ \vec n\cdot(0,1,-4)=0\end{array}\right.\iff\left\{\begin{array}{l}p+q-6r=0\\ q-4r=0\end{array}\right.\iff\left\{\begin{array}{l}p=2r\\ q=4r\end{array}\right.$$
$r=1$ として $\vec n=(2,4,1)$
P を通り $\alpha$ に垂直な直線は、方向ベクトルが $\vec n$ なので、その上の点は実数 $s$ を用いて
$$(a,b,t)+s(2,4,1)=(a+2s,\ b+4s,\ t+s)$$
と表せる。
Q は $xy$ 平面上にあるので $z$ 座標が0 $\iff\ t+s=0\iff s=-t$
答 $\mathrm{Q}(a-2t,\ b-4t,\ 0)$
(2) 配点 30点
(1) より
$$\mathrm{OQ}^2=(a-2t)^2+(b-4t)^2=20t^2-4(a+2b)t+a^2+b^2$$
$t$ について平方完成すると
$$\begin{aligned}\mathrm{OQ}^2&=20\left(t-\frac{a+2b}{10}\right)^2+a^2+b^2-\frac{(a+2b)^2}{5}\\&=20\left(t-\frac{a+2b}{10}\right)^2+\frac{(2a-b)^2}{5}\end{aligned}$$
($a^2+b^2-\dfrac{(a+2b)^2}{5}=\dfrac{5a^2+5b^2-a^2-4ab-4b^2}{5}=\dfrac{(2a-b)^2}{5}$)
$t$ はすべての実数をとるので、$t=\dfrac{a+2b}{10}$ のとき OQ$^2$ は最小値 $\dfrac{(2a-b)^2}{5}$ をとる。OQ $\geqq0$ より、OQ の最小値は $\dfrac{|2a-b|}{\sqrt5}$
$$\frac{|2a-b|}{\sqrt5}\leqq1\iff|2a-b|\leqq\sqrt5\iff-\sqrt5\leqq2a-b\leqq\sqrt5$$
答 $2a-\sqrt5\leqq b\leqq2a+\sqrt5$
($ab$ 平面に図示すると、2直線 $b=2a\pm\sqrt5$ にはさまれた帯。境界を含む)
(2)の別解(点と直線の距離)
$\mathrm{Q}=(a,b,0)+t(-2,-4,0)$ なので、$t$ が動くと Q は $xy$ 平面上で点 $(a,b)$ を通り、向きが $(1,2)$ の直線 $\ell$ の上を動く。$\ell$ の方程式は $2(x-a)-(y-b)=0$、すなわち $2x-y-(2a-b)=0$。
OQ の最小値は、原点と $\ell$ の距離なので
$$\frac{|2\cdot0-0-(2a-b)|}{\sqrt{2^2+(-1)^2}}=\frac{|2a-b|}{\sqrt5}$$
(以下は本解と同じ)
出題意図
(1) 空間ベクトルの基本が身についているか。「平面上の2本のベクトルとの内積が0」から法線ベクトルを求めるのは、チャートなどの基本問題集の例題レベル。基本問題を反復して、正確に最後まで解き切れるかが問われている。
(2) 何が変数で何が定数かを見抜けるか。$t,a,b$ の3つの文字がある中で、「$t$ がすべての実数値をとって変化する」から変数は $t$ だけと読み取る。そのうえで、2次関数の最小を平方完成で処理するという基本を、本番の緊張感の中でも正確に計算できるかが問われている。
講評
| 医学部医学科 | その他の学部 | |
|---|---|---|
| 難易度 | 簡単 | |
| 目標得点 | 50点 | 50点 |
| 目標時間 | 10分 | 15分 |
超基本問題です。
完答しないと不合格確実です。
時間制限をオーバーすることもないので、検算しながら確実に解きましょう。
差がつく所・失点しやすい所
- 法線ベクトルの計算ミス:ここを間違えると (1)(2) が全滅する。求めたら $\overrightarrow{\mathrm{AB}}$、$\overrightarrow{\mathrm{AC}}$ との内積が0になるか必ず確かめる。
- 平方完成の計算ミス:特に定数の部分 $a^2+b^2-\dfrac{(a+2b)^2}{5}$ を $\dfrac{(2a-b)^2}{5}$ まで正確に整理できるかで差がつく
2025年九州大学理系数学
第2問 解答・解説
第2問は積分(数学Ⅲ)の問題です。
テーマは「tan の置換積分」。
問題


問題文をテキストで読む
以下の問いに答えよ。
(1) $y=\tan x$ とするとき、$\dfrac{dy}{dx}$ を $y$ の整式で表せ。
(2) 次の定積分を求めよ。
$$\int_0^{\frac{\pi}{4}}\frac{\tan^4x-\tan^2x-2}{\tan^2x-4}\,dx$$
解答の方針
【(1)の方針】
$\tan x$ の微分 $\dfrac{1}{\cos^2x}$ を、$1+\tan^2x=\dfrac{1}{\cos^2x}$ で $y$ の式に直すだけ
【(2)の方針】
$\tan x$ のままでは見通しが悪い → $y=\tan x$ と置換して見通しをよくする。置換すればただの分数関数の積分 → 次数下げ(割り算)から部分分数分解という王道の流れ。
- $y=\tan x$ とおき、積分区間を $y$ で書きかえる。$dx$ は (1) から $dx=\dfrac{dy}{1+y^2}$。
- 分子 $\tan^4x-\tan^2x-2=(\tan^2x+1)(\tan^2x-2)$ と因数分解して、$1+y^2$ を約分する。
- 割り算と部分分数分解をして積分する。
解答


解答をテキストで読む
(1) 配点 10点
$$\frac{dy}{dx}=\frac{1}{\cos^2x}=1+\tan^2x=1+y^2$$
答 $\dfrac{dy}{dx}=1+y^2$
(2) 配点 40点
$y=\tan x$ とおくと、$x:0\to\dfrac{\pi}{4}$ のとき $y:0\to1$。(1) より $dx=\dfrac{dy}{1+y^2}$
分子は $\tan^4x-\tan^2x-2=(\tan^2x+1)(\tan^2x-2)$ と因数分解できるので
$$\int_0^{\frac{\pi}{4}}\frac{\tan^4x-\tan^2x-2}{\tan^2x-4}\,dx=\int_0^1\frac{(y^2+1)(y^2-2)}{y^2-4}\cdot\frac{dy}{1+y^2}=\int_0^1\frac{y^2-2}{y^2-4}\,dy$$
分子を分母で割って、残りを部分分数分解すると
$$\frac{y^2-2}{y^2-4}=1+\frac{2}{y^2-4}=1+\frac12\left(\frac{1}{y-2}-\frac{1}{y+2}\right)$$
よって
$$\begin{aligned}\int_0^1\frac{y^2-2}{y^2-4}\,dy&=\Big[\,y+\frac12\log\left|\frac{y-2}{y+2}\right|\,\Big]_0^1\\&=1+\frac12\log\frac13-\frac12\log1=1-\frac12\log3\end{aligned}$$
答 $1-\dfrac12\log3$
出題意図
(1) 誰でも取れるボーナス問題。教科書の公式($\tan x$ の微分)を、$1+\tan^2x=\dfrac{1}{\cos^2x}$ で $y$ の式に直すだけ。
(2) (1) と同じくボーナス問題。(1) の誘導がなくても、サクッと完答したいところ。$\tan x$ だけで書かれた式を $y=\tan x$ と置換して分数関数に直し、そのあとは「分子の次数 $\geqq$ 分母の次数なら割り算 → 部分分数分解」という定番の流れで計算できるかが問われている。
講評
| 医学部医学科 | その他の学部 | |
|---|---|---|
| 難易度 | 簡単 | |
| 目標得点 | 50点 | 50点 |
| 目標時間 | 10分 | 15分 |
確実に完答すること。
この問題で落とすようなら、九州大学合格はまず不可能。
差がつく所・失点しやすい所
- 特になし。丁寧に計算していくだけの問題で、わずかな計算ミスが命取りになる。
2025年九州大学理系数学
第3問 解答・解説
第3問は整数の問題です。
テーマは「mod 8 と $2^m=n^2+3$」。
問題


問題文をテキストで読む
以下の問いに答えよ。
(1) $n$ を整数とするとき、$n^2$ を8で割った余りは0、1、4のいずれかであることを示せ。
(2) $2^m=n^2+3$ をみたす0以上の整数の組 $(m,n)$ をすべて求めよ。
解答の方針
【(1)の方針】
オーソドックスな発想は8で割った余りで分類(8通り)。ただし平方数は4で割った余りで分類しても同じことが言え、場合分けが楽になる。
- $n$ を4で割った余りで分類し、$n=4k,\ 4k\pm1,\ 4k+2$ と表す。
- それぞれ $n^2$ を8で割った余りを調べる。
【(2)の方針】
(1) の誘導に従って、左辺と右辺を8で割った余りで比べる。$2^m$ は $m\geqq3$ で8の倍数。
- $m\geqq3$ のとき、左辺 $2^m$ の余りは0、右辺 $n^2+3$ の余りは (1) から3、4、7のどれか。一致しないので解なし。
- 残りの $m=0,1,2$ を1つずつ調べる。
解答


解答をテキストで読む
(1) 配点 20点
$n$ を8で割った余りで8通りに分けて調べてもよいが、4で割った余りで分類すると場合分けが少なくて済む。$k$ を整数として
– $n=4k$ のとき:$n^2=16k^2=8\cdot2k^2$ なので、余りは0
– $n=4k\pm1$ のとき:$n^2=16k^2\pm8k+1=8(2k^2\pm k)+1$ なので、余りは1
– $n=4k+2$ のとき:$n^2=16k^2+16k+4=8(2k^2+2k)+4$ なので、余りは4
したがって、$n^2$ を8で割った余りは0、1、4のいずれかである。
(2) 配点 30点
$m\geqq3$ のとき、左辺 $2^m$ は8の倍数なので、8で割った余りは0。
一方、右辺 $n^2+3$ を8で割った余りは、(1) より $0+3,\ 1+3,\ 4+3$、すなわち3、4、7のいずれか。
左辺と右辺の余りが一致しないので、解はない。
$m\leqq2$ のとき
– $m=0$:$n^2=1-3=-2$ で不適
– $m=1$:$n^2=2-3=-1$ で不適
– $m=2$:$n^2=4-3=1$。$n\geqq0$ より $n=1$
答 $(m,n)=(2,1)$
出題意図
(1) 平方数の余りの性質を知っているか。平方数を8で割った余りは0、1、4しかないという基本的で特徴的な性質を、日々の問題演習を通じて整理できているか。
(2) 「8で割った余りで分類する」という整数問題の定番の発想を使えるか。ただし (1) で解法が与えられているので、(1) の結果と $2^m$ の8で割った余りを比べるだけで答えが絞れる。
講評
| 医学部医学科 | その他の学部 | |
|---|---|---|
| 難易度 | 簡単 | |
| 目標得点 | 50点 | 20点 |
| 目標時間 | 10分 | 15分 |
(1) があることで問題の難易度はかなり下がった。
(1) の誘導がなくても完答できるレベルに到達しておきたい。
(1) は確実に完答。
(2) が解けないときは、(1) の誘導を意識する。
差がつく所・失点しやすい所
- (2) で (1) の誘導が使えるか:左辺と右辺を8で割った余りで比べる、と気づけるかどうか
- $m\geqq3$ と $m\leqq2$ の分け方:$2^m$ が8の倍数になるのは $m\geqq3$ から。$m=0,1,2$ の確認を落とすと答えの $(2,1)$ を取りこぼす。
2025年九州大学理系数学
第4問 解答・解説
第4問は図形と計量・図形の性質の問題です。
テーマは「円に内接する四角形」。
問題


問題文をテキストで読む
半径1の円周上に反時計回りに点A、B、C、Dを順にとり、線分ADは直径で、$\mathrm{AC}=\mathrm{CD}$、$\mathrm{AB}=\mathrm{BC}$ が成り立つとする。
(1) $\angle\mathrm{ACB}$ を求めよ。
(2) BCを求めよ。
(3) 線分ACと線分BDの交点をEとするとき、三角形BCEの面積を求めよ。
解答の方針
【(1)の方針】
AD が直径 → 直径に対する円周角は直角。等しい弦 → 等しい円周角。


- $\angle\mathrm{ACD}=90^\circ$ と AC=CD から $\angle\mathrm{CDA}=45^\circ$。
- AB=BC から $\angle\mathrm{ACB}=\angle\mathrm{BAC}$。内接四角形から $\angle\mathrm{ABC}$ を出し、三角形ABCの内角の和で求める。
【(2)の方針】
三角形ABCの外接円の半径が1と分かっている → 正弦定理
- $\mathrm{BC}=2\sin\angle\mathrm{BAC}$。
- 半角の公式で $\sin\dfrac{\pi}{8}$ を出す。
【(3)の方針】
オーソドックスな発想は、三角形BCEの角($\angle\mathrm{EBC}=\dfrac{\pi}{4}$、$\angle\mathrm{BEC}=\dfrac{5\pi}{8}$)を出して正弦定理で CE を求めること。DB が ∠ADC を二等分している($\angle\mathrm{ADB}=\angle\mathrm{BDC}$)と気づけば、角の二等分線の性質で辺の比が出て、計算が楽になる。
- 面積を出すのにどの辺の長さが分かればよいかを考える。BC は (2) で出ているので、CE が分かればよい。
- DB が ∠ADC の二等分線であることから CE を求める。
- $\triangle\mathrm{BCE}=\dfrac12\cdot\mathrm{BC}\cdot\mathrm{CE}\sin\angle\mathrm{BCE}$。
解答


解答をテキストで読む
(1) 配点 10点
AD は直径なので $\angle\mathrm{ACD}=\dfrac{\pi}{2}$。$\mathrm{AC}=\mathrm{CD}$ より $\angle\mathrm{CAD}=\angle\mathrm{CDA}=\dfrac{\pi}{4}$
AB=BC より、等しい弦に対する円周角は等しいので $\angle\mathrm{ACB}=\angle\mathrm{BAC}$。また、四角形ABCDは円に内接するので $\angle\mathrm{ABC}=\pi-\angle\mathrm{CDA}=\dfrac{3\pi}{4}$
三角形ABCの内角の和から $2\angle\mathrm{ACB}=\pi-\dfrac{3\pi}{4}=\dfrac{\pi}{4}$
答 $\angle\mathrm{ACB}=\dfrac{\pi}{8}$
(2) 配点 15点
三角形ABCの外接円は半径1の円なので、正弦定理より
$$\mathrm{BC}=2\cdot1\cdot\sin\angle\mathrm{BAC}=2\sin\frac{\pi}{8}$$
半角の公式より $\sin^2\dfrac{\pi}{8}=\dfrac{1-\cos\frac{\pi}{4}}{2}=\dfrac{2-\sqrt2}{4}$、$\sin\dfrac{\pi}{8}>0$ より $\sin\dfrac{\pi}{8}=\dfrac{\sqrt{2-\sqrt2}}{2}$
答 $\mathrm{BC}=\sqrt{2-\sqrt2}$
(3) 配点 25点
$\angle\mathrm{ADB}$ と $\angle\mathrm{BDC}$ は、それぞれ等しい弦 AB、BC に対する円周角なので等しい。よって DB は ∠ADC の二等分線であり
$$\mathrm{AE}:\mathrm{EC}=\mathrm{DA}:\mathrm{DC}=2:\sqrt2=\sqrt2:1$$
$\mathrm{AC}=\sqrt2$(直角二等辺三角形ACDの等辺、斜辺 AD=2)なので
$$\mathrm{CE}=\frac{1}{\sqrt2+1}\cdot\sqrt2=\sqrt2(\sqrt2-1)=2-\sqrt2$$
$\angle\mathrm{BCE}=\angle\mathrm{ACB}=\dfrac{\pi}{8}$ なので
$$\begin{aligned}\triangle\mathrm{BCE}&=\frac12\cdot\mathrm{BC}\cdot\mathrm{CE}\cdot\sin\frac{\pi}{8}=\frac12\cdot\sqrt{2-\sqrt2}\cdot(2-\sqrt2)\cdot\frac{\sqrt{2-\sqrt2}}{2}\\&=\frac{(2-\sqrt2)^2}{4}=\frac{6-4\sqrt2}{4}=\frac{3-2\sqrt2}{2}\end{aligned}$$
答 $\dfrac{3-2\sqrt2}{2}$
出題意図
円周角・正弦定理・角の二等分線といった図形の基本性質を、日々の問題演習を通じて自由に使えるように整理できているか。九大ではベクトルが絡まない図形問題はめったに出ないので、頻出単元だけでなく全範囲を満遍なく勉強しているかも問われている。
講評
| 医学部医学科 | その他の学部 | |
|---|---|---|
| 難易度 | 簡単 | |
| 目標得点 | 50点 | 50点 |
| 目標時間 | 15分 | 20分 |
図形問題は出ないとたかを括らない。
確実な合格を掴むために、満遍なく勉強することが大事。
共通テストより簡単な図形問題なので、確実に完答する。
差がつく所・失点しやすい所
- (3) で CE の出し方に気づけるか:角の二等分線の性質が出てこないと手が止まる。ただし図が単純なので、三角形BCEの角から正弦定理を使う方法や、相似な直角三角形を使う方法でも答えにたどり着ける。
- $\sin\dfrac{\pi}{8}$ の計算:半角の公式の符号や二重根号の扱いのミス
2025年九州大学理系数学
第5問 解答・解説
第5問は場合の数・確率の問題です。
テーマは「さいころと3次方程式の解の個数」。
問題


問題文をテキストで読む
1個のさいころを3回続けて投げ、出る目を順に $a,b,c$ とする。整式
$$f(x)=(x^2-ax+b)(x-c)$$
について、以下の問いに答えよ。
(1) $f(x)=0$ をみたす実数 $x$ の個数が1個である確率を求めよ。
(2) $f(x)=0$ をみたす自然数 $x$ の個数が3個である確率を求めよ。
解答の方針
$x=c$ は必ず解 → 残りの2次方程式 $x^2-ax+b=0$ の解だけを考えればよい。目の出方は全部で $6^3=216$ 通り。
【(1)の方針】
実数解が1個 → 2次方程式が「実数解をもたない」か「$c$ を重解にもつ」の2パターン
- ① 判別式 $a^2-4b<0$ となる $(a,b)$ を数える。$c$ は何でもよいので6倍する。
- ② $a^2=4b$(重解)で、重解 $\dfrac a2$ が $c$ に等しいものを数える。
- ①と②は重ならないので、足して216で割る。
【(2)の方針】
自然数解が3個 → 2次方程式が異なる2つの自然数解 $\alpha<\beta$ をもち、$c$ はそのどちらとも違う。解と係数の関係を使うと、和 $\alpha+\beta=a\leqq6$・積 $\alpha\beta=b\leqq6$ で候補がごくわずかに絞れる(思いつかなくても、$(a,b)$ の組を書き出して丁寧に数えれば解ける)
- 条件をみたす $(\alpha,\beta)$ をすべて書き出す。
- それぞれ $c$ は $\alpha,\beta$ 以外の4通り。
解答


解答をテキストで読む
目の出方は全部で $6^3=216$ 通りあり、どれも同様に確からしい。
(1) 配点 20点
$x=c$ は $f(x)=0$ の解なので、実数解が1個であるのは、$x^2-ax+b=0$ が $c$ 以外の実数解をもたないとき。すなわち次の①か②のとき。
① $x^2-ax+b=0$ が実数解をもたない:判別式 $a^2-4b<0$、すなわち $a^2<4b$
| $a$ | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
|—|—|—|—|—|—|—|
| 条件 | $b\geqq1$ | $b\geqq2$ | $b\geqq3$ | $b\geqq5$ | なし | なし |
| $b$ の個数 | 6 | 5 | 4 | 2 | 0 | 0 |
$(a,b)$ は17通りで、$c$ は何でもよいので $17\times6=102$ 通り
② $x^2-ax+b=0$ が $x=c$ を重解にもつ:$a^2=4b$ かつ $\dfrac a2=c$
$a^2=4b$ をみたすのは $(a,b)=(2,1),(4,4)$ で、それぞれ $c=1,2$。よって2通り
①と②は重ならないので
$$\frac{102+2}{216}=\frac{104}{216}=\frac{13}{27}$$
答 $\dfrac{13}{27}$
(2) 配点 30点
自然数解が3個になるのは、$x^2-ax+b=0$ が異なる2つの自然数解 $\alpha,\beta\ (\alpha<\beta)$ をもち、$c$ が $\alpha,\beta$ のどちらとも異なるとき。
解と係数の関係より $\alpha+\beta=a\leqq6$、$\alpha\beta=b\leqq6$
これをみたす $(\alpha,\beta)$ は
$$(1,2),\ (1,3),\ (1,4),\ (1,5),\ (2,3)$$
の5組(それぞれ $(a,b)=(3,2),(4,3),(5,4),(6,5),(5,6)$)
それぞれ $c$ は $\alpha,\beta$ 以外の4通りなので $5\times4=20$ 通り。
$$\frac{20}{216}=\frac{5}{54}$$
答 $\dfrac{5}{54}$
出題意図
(1) 正しく場合分けできるか。$x=c$ は必ず解なので、「2次方程式が実数解をもたない」と「2次方程式が $c$ を重解にもつ」の2つのパターンに気づけるかがすべて。
(2) 解の候補を絞り込めるか。重複や漏れなく、正確に数え上げられるかが問われている。
設定はシンプルで、さいころの目を係数とする方程式の確率は演習でよく目にする形。日々の演習で数え上げの型を身につけているかが問われている。
講評
| 医学部医学科 | その他の学部 | |
|---|---|---|
| 難易度 | やや簡単 | |
| 目標得点 | 50点 | 50点 |
| 目標時間 | 15分 | 20分 |
確率の問題は答えを間違えたときの減点が大きい。
何回も検算して、確実に数え上げること。
「実数解が1個」「自然数解が3個」がどういう状況かを具体的にイメージする。
イメージしにくいときは、$a,b,c$ に適当な値を代入して、どんな条件でどんな状況になるかを実験して把握する。
差がつく所・失点しやすい所
- (1) の②($c$ を重解にもつ場合)の見落とし:判別式 $D<0$ だけを数えると $\dfrac{102}{216}$ になってしまう。2次方程式に実数解があっても、それが $c$ と重なれば実数解は1個。
- (2) の $c$ の重複:$c$ が $\alpha$ か $\beta$ と同じになると自然数解は2個になる。$c$ を6通りで数えるミス。
2025年九州大学・理系数学の
講評とまとめ
5問の難易度と目標得点をまとめると、次のとおりです。
| 大問 | 難易度 | 医学部医学科 | その他の学部 |
|---|---|---|---|
| 第1問 | 簡単 | 50点 | 50点 |
| 第2問 | 簡単 | 50点 | 50点 |
| 第3問 | 簡単 | 50点 | 20点 |
| 第4問 | 簡単 | 50点 | 50点 |
| 第5問 | やや簡単 | 50点 | 50点 |
| 合計 | 250点 | 220点 |
2025年は、第1問から第5問まですべてが超基本問題でした。
ケアレスミスで点数を落とすことが許されない、定期テストのような試験です。
2025年に関しては、数学は確実に満点近くを取る。
そのうえで、英語と理科で何点取れるかが勝負の分かれ目になりました。
数学が超得意で得点源にしていた受験生にとっては、厳しい戦いになったはずです。
万が一に備えて、どの科目でも点数が取れるように、まんべんなく鍛えておきましょう。
解く流れ
5問とも易しいので、第1問から順番に解いていけばよい。
問題ごとに作戦を変える必要はなく、1問ずつ確実に完答していくことが一番の得点源になる
2025年九州大学・理系数学に
関するよくある質問
2025年の九州大学・理系数学について、よく聞かれる質問にお答えします。
- 2025年の九州大学・理系数学は難しかった?
-
かなり簡単でした。
第1問から第5問まで、すべて基本問題です。
2024年からさらに易しくなり、数学で差がつかない試験になりました。
だからこそ、ケアレスミスをせずに満点近くを取ることが合格の条件です。 - 2025年の九州大学・理系数学は何点取れば合格できる?
-
目標点は、医学部医学科で250点、その他の学部で220点です(250点満点)。
数学が苦手な人でも、医学部医学科で220点、その他の学部で200点は確保しましょう。 - 2025年の九州大学・理系数学はどこで差がつく?
-
特に差がついたのは、次の3つです。
- 第1問:法線ベクトルの計算ミス。ここを間違えると(1)(2)が全滅します。
- 第3問:$m\geqq3$ と $m\leqq2$ の場合分け。$m=0,1,2$ の確認を落とすと答えの $(2,1)$ を取りこぼします。
- 第5問:(1)で「$c$ を重解にもつ場合」の見落とし。判別式だけで数えると答えがずれます。
- 2025年の九州大学・理系数学は何が出題された?
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大問ごとの単元は、次のとおりです。
- 第1問:空間ベクトル
- 第2問:積分(数学Ⅲ)
- 第3問:整数
- 第4問:図形と計量・図形の性質
- 第5問:場合の数・確率


