【解説・採点基準付き】2021年九州大学理系数学の解答・解説

2021年の九州大学・理系数学の、
解答・解説【完全版】です。

方針の立て方・考え方はもちろん
オリジナルの採点基準付き。

このページで過去問演習が完結するので
赤本などは一切不要です。

⬆︎タップして画面が切り替わったら『LINEアプリを開く』を押して友達追加にお進みください!


中原 遼太郎

九大受験に特化した学習塾
『竜文会』代表

『竜文会』開校後、初年度には国立大学医学部や九州大学に合格者を輩出。

2年目には旧帝大医学部にも合格!

九州大学の過去問を20年分以上分析して指導カリキュラムを作成。

九州大学医学部に現役合格した経験を生かして、『学習計画の作成』や『LINEでのいつでも相談』による1人1人のサポート・九州大学に特化したハイレベルな演習で「九大受験生」をサポート。

経歴

もっと知りたい方は中原先生の紹介へ!

※ 当ブログでは、九大受験生や親御様の悩みをリサーチした上で、表面的な悩みだけでなく根本的な悩みを解決できるようなコンテンツ制作を心がけています。コンテンツ制作は、中原遼太郎(九州大学医学部卒・竜文会代表)が担当。制作の流れや想いに関しては、コンテンツ制作ポリシーページを参考にしてください。

目次

2021年九州大学理系数学
第1問 解答・解説

この記事の配点・採点基準は九州大学が公表しているものではなく、竜文会が独自に作成したものです。

第1問は空間ベクトルの問題です。
テーマは「四面体の内接球と、3平面に接する球と平面の交わりの円」。

問題

2021年九州大学理系数学 第1問 問題
2021年九州大学理系数学 第1問 問題
問題文をテキストで読む

座標空間内の4点 $\mathrm{O}(0,0,0)$、 $\mathrm{A}(1,0,0)$、 $\mathrm{B}(0,1,0)$、 $\mathrm{C}(0,0,2)$ を考える。以下の問いに答えよ。

(1) 四面体OABCに内接する球の中心の座標を求めよ。

(2) 中心の $x$ 座標、 $y$ 座標、 $z$ 座標がすべて正の実数であり、 $xy$ 平面、 $yz$ 平面、 $zx$ 平面のすべてと接する球を考える。この球が平面ABCと交わるとき、その交わりとしてできる円の面積の最大値を求めよ。

解答の方針

【(1)の方針】

着眼点

内接球は3つの座標平面( $xy$、 $yz$、 $zx$ 平面)に接するので、中心は $(r,r,r)$( $r$ は半径)と1文字で置ける。残りの条件は「平面ABCまでの距離も $r$」。距離は、平面ABCに垂直なベクトルを求めて、中心から平面へ下ろした垂線の長さとして求める。

2021年九州大学理系数学 第1問 解答の方針の図
2021年九州大学理系数学 第1問 解答の方針の図
  1. $\overrightarrow{\mathrm{AB}}$、 $\overrightarrow{\mathrm{AC}}$ の両方に垂直なベクトル $\vec n=(2,2,1)$ を求める。
  2. 中心を $\mathrm{I}(r,r,r)$ とし、Iから平面ABCに下ろした垂線の足を $\mathrm{H}$ とする。 $\overrightarrow{\mathrm{IH}}=k\vec n$、 $\overrightarrow{\mathrm{AH}}\cdot\vec n=0$ から $k$ を求め、距離 $\mathrm{IH}=|k||\vec n|$ を $r$ で表す。
  3. $\mathrm{IH}=r$ から $r=\dfrac14$ を求め、中心の座標を求める。

【(2)の方針】

着眼点

3つの座標平面に接する球は、(1) と同じく中心 $\mathrm{I}(r,r,r)$・半径 $r$。中心から平面までの距離 $d$ は (1) で求めた式がそのまま使える。交わりの円の半径 $R$ は、球の半径 $r$ と距離 $d$ で三平方の定理。

2021年九州大学理系数学 第1問 解答の方針の図
2021年九州大学理系数学 第1問 解答の方針の図
  1. (1) と同様にして、中心Iと平面ABCの距離 $d=\dfrac{|5r-2|}{3}$ を求める。
  2. 交わりの円の半径 $R$ について $R^2=r^2-d^2=\dfrac{-16r^2+20r-4}{9}$ と表し、交わる条件 $R^2>0$ から $r$ の範囲を求める。
  3. $r$ の2次関数として $R^2$ の最大値を求め、円の面積の最大値を求める。

解答

2021年九州大学理系数学 第1問 解答・解説
2021年九州大学理系数学 第1問 解答・解説
解答をテキストで読む

(1) 配点 20点

$\overrightarrow{\mathrm{AB}}=(-1,1,0)$、 $\overrightarrow{\mathrm{AC}}=(-1,0,2)$。 $\vec n=(a,b,c)$ がこの2つに垂直な条件 $-a+b=0$、 $-a+2c=0$ から、 $\vec n=(2,2,1)$ がとれる( $|\vec n|=3$)。

内接球は $xy$ 平面、 $yz$ 平面、 $zx$ 平面に接し、中心は四面体の内部にあるので、半径を $r$ とすると中心は $\mathrm{I}(r,r,r)$。Iから平面ABCに下ろした垂線の足をHとすると $\overrightarrow{\mathrm{IH}}=k\vec n$ とおけて、 $\overrightarrow{\mathrm{AH}}=\overrightarrow{\mathrm{AI}}+k\vec n=(r-1+2k,\ r+2k,\ r+k)$。 $\overrightarrow{\mathrm{AH}}\cdot\vec n=0$ より

$$2(r-1+2k)+2(r+2k)+(r+k)=0\iff k=\frac{2-5r}{9}$$

中心は四面体の内部なので $2-5r>0$ で、 $\mathrm{IH}=|k||\vec n|=\dfrac{2-5r}{3}$。 $\mathrm{IH}=r$ より

$$\frac{2-5r}{3}=r\iff r=\frac14$$

答 $\left(\dfrac14,\ \dfrac14,\ \dfrac14\right)$

別解(点と平面の距離の公式) 平面ABCは $x+y+\dfrac z2=1$、すなわち $2x+2y+z-2=0$。中心 $(r,r,r)$ との距離は $\dfrac{|2r+2r+r-2|}{\sqrt{2^2+2^2+1^2}}=\dfrac{|5r-2|}{3}$ で、同じ式になる。

(2) 配点 30点

中心の座標がすべて正で3つの座標平面に接する球は、中心 $\mathrm{I}(r,r,r)$、半径 $r$( $r>0$)。(1) と同様にして、中心Iと平面ABCの距離は

$$d=\frac{|5r-2|}{3}$$

交わりの円の半径を $R$ とすると、三平方の定理より

$$R^2=r^2-d^2=r^2-\frac{(5r-2)^2}{9}=\frac{-16r^2+20r-4}{9}$$

球が平面と交わる(円ができる)条件は $R^2>0$、すなわち $4r^2-5r+1<0$、 $\dfrac14<r<1$。

$$-16r^2+20r-4=-16\left(r-\frac58\right)^2+\frac94$$

より $r=\dfrac58$ のとき $R^2$ は最大値 $\dfrac14$ をとる( $\dfrac58$ は範囲内)。

答 $\dfrac{\pi}{4}$( $r=\dfrac58$ のとき)

出題意図

(1) 空間ベクトルの基本問題を処理できるか

(2) さらに、関数の最大値の処理が素早くできるか

講評

医学部医学科その他の学部
難易度標準
目標得点45点35点
目標時間20分25分

(1) が解けなければ合格は厳しい。
内接球のような典型問題は、スラスラ解けるまで何度もくり返して練習する。
(1) は典型問題。
すぐに解いて (2) に時間を回す。
空間図形が苦手でも、(1) と同じ置き方をすれば (2) も同じ流れで進む。

差がつく所・失点しやすい所

  • (1) の置き方:中心を $(a,b,c)$ と3文字で置くと難易度が跳ね上がる。3つの座標平面に接することから $(r,r,r)$ と置けるかが勝負のポイント。
  • (2) の交わる条件:$R^2>0$ の範囲を確認せずに頂点の値を答えると、論証として不十分。頂点 $r=\dfrac58$ が範囲内にあることまで書く。

2021年九州大学理系数学
第2問 解答・解説

第2問は複素数平面・複素数と方程式の問題です。
テーマは「共役な虚数解と原点を通る円の中心」。

問題

2021年九州大学理系数学 第2問 問題
2021年九州大学理系数学 第2問 問題
問題文をテキストで読む

$\theta$ を $0<\theta<\dfrac{\pi}{4}$ をみたす定数とし、 $x$ の2次方程式

$$x^2-(4\cos\theta)x+\dfrac{1}{\tan\theta}=0\quad\cdots\cdots(*)$$

を考える。以下の問いに答えよ。

(1) 2次方程式 $(*)$ が実数解をもたないような $\theta$ の値の範囲を求めよ。

(2) $\theta$ が(1)で求めた範囲にあるとし、 $(*)$ の2つの虚数解を $\alpha,\beta$ とする。ただし、 $\alpha$ の虚部は $\beta$ の虚部より大きいとする。複素数平面上の3点 $\mathrm{A}(\alpha)$、 $\mathrm{B}(\beta)$、 $\mathrm{O}(0)$ を通る円の中心を $\mathrm{C}(\gamma)$ とするとき、 $\theta$ を用いて $\gamma$ を表せ。

(3) 点O、A、Cを(2)のように定めるとき、三角形OACが直角三角形になるような $\theta$ に対する $\tan\theta$ の値を求めよ。

解答の方針

【(1)の方針】

着眼点

係数 $4\cos\theta$、 $\dfrac{1}{\tan\theta}$ は実数なので、判別式が使える。実数解をもたない ⟺ 判別式が負。

  1. $\dfrac D4=4\cos^2\theta-\dfrac{1}{\tan\theta}<0$ を立てる。
  2. $0<2\theta<\dfrac{\pi}{2}$ の範囲で解いて、 $\theta$ の範囲を求める。

【(2)の方針】

着眼点

実数係数なので $\alpha$ と $\beta$ は共役で、A、Bは実軸に関して対称。円の中心は弦ABの垂直二等分線(=実軸)上にあるので、$\gamma$ は実数。あとは $\mathrm{CO}=\mathrm{CA}$ を立てて、解と係数の関係を使えばよい。

2021年九州大学理系数学 第2問 解答の方針の図
2021年九州大学理系数学 第2問 解答の方針の図
  1. A、Bが実軸に関して対称であることから、 $\gamma$ が実数であることを述べる。
  2. $\mathrm{CO}=\mathrm{CA}$ より $|\gamma|^2=|\gamma-\alpha|^2$ を立て、 $\overline{\alpha}=\beta$ を使って $\gamma(\alpha+\beta)=\alpha\beta$ に整理する。
  3. 解と係数の関係 $\alpha+\beta=4\cos\theta$、 $\alpha\beta=\dfrac{1}{\tan\theta}$ を代入して $\gamma$ を求める。

【(3)の方針】

着眼点

$\mathrm{CO}=\mathrm{CA}$(半径)なので三角形OACは二等辺三角形。底角は等しく直角になれないので、直角になれるのは $\angle\mathrm{OCA}$ だけ。Cは実軸上にあるので、 $\angle\mathrm{OCA}=90^\circ$ はAがCの真上にあること、つまり $\alpha$ の実部が $\gamma$ に等しいこと。

2021年九州大学理系数学 第2問 解答の方針の図
2021年九州大学理系数学 第2問 解答の方針の図
  1. 直角は $\angle\mathrm{OCA}$ に限られることを説明する。
  2. $\angle\mathrm{OCA}=90^\circ\iff$( $\alpha$ の実部)$=\gamma$ に、実部 $\dfrac{\alpha+\beta}{2}=2\cos\theta$ と (2) の $\gamma$ を代入して $\sin2\theta=\dfrac14$ を導く。
  3. (1) の範囲で $\tan\theta$ を求める。

解答

2021年九州大学理系数学 第2問 解答・解説
2021年九州大学理系数学 第2問 解答・解説
解答をテキストで読む

(1) 配点 15点

係数はすべて実数なので、実数解をもたない条件は

$$\frac D4=4\cos^2\theta-\frac{1}{\tan\theta}<0$$

$\tan\theta>0$ をかけて $4\sin\theta\cos\theta<1$、すなわち $\sin2\theta<\dfrac12$。 $0<2\theta<\dfrac{\pi}{2}$ より $0<2\theta<\dfrac{\pi}{6}$。

答 $0<\theta<\dfrac{\pi}{12}$

(2) 配点 20点

$(*)$ は実数係数なので、虚数解 $\alpha,\beta$ は互いに共役( $\overline{\alpha}=\beta$)。よってA、Bは実軸に関して対称で、弦ABの垂直二等分線は実軸。円の中心Cはこの上にあるので、 $\gamma$ は実数。

$\mathrm{CO}=\mathrm{CA}$ より $|\gamma|^2=|\gamma-\alpha|^2$。 $\gamma$ は実数なので

$$\gamma^2=(\gamma-\alpha)(\gamma-\overline{\alpha})=\gamma^2-\gamma(\alpha+\beta)+\alpha\beta\iff\gamma(\alpha+\beta)=\alpha\beta$$

解と係数の関係より $\alpha+\beta=4\cos\theta$、 $\alpha\beta=\dfrac{1}{\tan\theta}=\dfrac{\cos\theta}{\sin\theta}$ なので

答 $\gamma=\dfrac{1}{4\sin\theta}$

(3) 配点 15点

$\mathrm{CO}=\mathrm{CA}$ なので $\angle\mathrm{COA}=\angle\mathrm{CAO}$ で、これらは $90^\circ$ にはなれない。よって直角になるのは $\angle\mathrm{OCA}$ だけ。Cは実軸上にあるので、 $\angle\mathrm{OCA}=90^\circ$ となるのは、AがCの真上にある( $\alpha$ の実部が $\gamma$ に等しい)ときである。

$\alpha$ の実部は $\dfrac{\alpha+\beta}{2}=2\cos\theta$ なので

$$2\cos\theta=\frac{1}{4\sin\theta}\iff8\sin\theta\cos\theta=1\iff\sin2\theta=\frac14$$

$t=\tan\theta$ とおくと $\sin2\theta=\dfrac{2t}{1+t^2}=\dfrac14$ より $t^2-8t+1=0$、 $t=4\pm\sqrt{15}$。(1) より $0<\theta<\dfrac{\pi}{12}$ で $\tan\theta<\tan\dfrac{\pi}{12}=2-\sqrt3<1$ なので $t=4-\sqrt{15}$( $\sin2\theta=\dfrac14<\dfrac12$ なので (1) の範囲に入る)。

答 $\tan\theta=4-\sqrt{15}$

出題意図

(1) 実数係数の2次方程式の判別式と三角関数の計算を正確にできるか

(2)(3):複素数を座標平面上の点として捉えることができるか。共役複素数を表す2点は実軸に関して対称、という当たり前のことを常に意識できているか。

講評

医学部医学科その他の学部
難易度標準
目標得点50点40点
目標時間25分25分

九大の入試は、このレベルの問題でどれだけ高得点を取れるかで合否が決まる。
複素数の問題を図形で解く癖は、数学が苦手な人ほどつけるべき。
時間がかかってもいいから完答する。
(2)(3) は複素数を座標平面の点として図に書いてから考える。

差がつく所・失点しやすい所

  • (2) で $\gamma$ が実数と気づけるか:共役な2点は実軸に関して対称、という図形の見方ができれば計算はすぐ終わる。気づかずに $\gamma=u+vi$ と置くと計算が重くなる。
  • (3) の直角の場所:3通りを全部調べるより、二等辺三角形だから底角は直角になれない、と言えると速い。最後に (1) の範囲で $\tan\theta$ を1つに絞るのを忘れない。

2021年九州大学理系数学
第3問 解答・解説

第3問は微分法・積分(数学Ⅲ)の問題です。
テーマは「すべての $t$ で成り立つ不等式が表す領域と回転体」。

問題

2021年九州大学理系数学 第3問 問題
2021年九州大学理系数学 第3問 問題
問題文をテキストで読む

座標平面上の点 $(x,y)$ について、次の条件を考える。

条件:すべての実数 $t$ に対して $y\leqq e^t-xt$ が成立する。 $\cdots\cdots(*)$

以下の問いに答えよ。必要ならば $\displaystyle\lim_{x\to+0}x\log x=0$ を使ってよい。

(1) 条件 $(*)$ をみたす点 $(x,y)$ 全体の集合を座標平面上に図示せよ。

(2) 条件 $(*)$ をみたす点 $(x,y)$ のうち、 $x\geqq1$ かつ $y\geqq0$ をみたすもの全体の集合を $S$ とする。 $S$ を $x$ 軸の周りに1回転させてできる立体の体積を求めよ。

解答の方針

【(1)の方針】

着眼点

変数は $t$、 $x,y$ は定数。条件は「 $y$ が $g(t)=e^t-xt$ の最小値以下」。 $g(t)$ が最小値をもつかどうかは $x$ の符号で変わるので、場合分けして調べる。

  1. $x<0$ のとき、 $t\to-\infty$ で $g(t)\to-\infty$ となり、条件をみたす $y$ はないことを示す。
  2. $x=0$ のとき、 $g(t)=e^t$ は正の値すべてをとるので、条件は $y\leqq0$。
  3. $x>0$ のとき、 $g'(t)=e^t-x$ から最小値 $g(\log x)=x-x\log x$ を求め、条件は $y\leqq x-x\log x$。
  4. $h(x)=x-x\log x$ の増減表を書き、図示する。

【(2)の方針】

着眼点

(1) の図から、 $S$ は $1\leqq x\leqq e$ で曲線 $y=x-x\log x$ と $x$ 軸の間の部分(図の点D $(1,1)$ は曲線の最大の点、E $(e,0)$ は $x$ 軸との交点、F $(1,0)$)。体積は $\pi\displaystyle\int_1^e(x-x\log x)^2dx$。 $\log x$ の2乗は部分積分を2回使う。

2021年九州大学理系数学 第3問 解答の方針の図
2021年九州大学理系数学 第3問 解答の方針の図
  1. 図から $S$ の範囲 $1\leqq x\leqq e$、 $0\leqq y\leqq x-x\log x$ を確かめる。
  2. 体積を $V=\pi\displaystyle\int_1^ex^2(1-2\log x+\log^2x)\,dx$ と表す。
  3. $\displaystyle\int x^2\log x\,dx$、 $\displaystyle\int x^2\log^2x\,dx$ を部分積分で求め、 $V$ を求める。

解答

2021年九州大学理系数学 第3問 解答・解説
2021年九州大学理系数学 第3問 解答・解説
解答をテキストで読む

(1) 配点 25点

$g(t)=e^t-xt$ とおく。条件は「すべての $t$ で $y\leqq g(t)$」。

$x<0$ のとき $t\to-\infty$ で $e^t\to0$、 $-xt\to-\infty$ なので $g(t)\to-\infty$。条件をみたす $y$ はない。

$x=0$ のとき $g(t)=e^t$ は正の値すべてをとるので、条件は $y\leqq0$。

$x>0$ のとき $g'(t)=e^t-x$ で、 $t<\log x$ で減少、 $t>\log x$ で増加。最小値は $g(\log x)=x-x\log x$ なので、条件は $y\leqq x-x\log x$。

$h(x)=x-x\log x$( $x>0$)とすると $h'(x)=-\log x$。 $x\to+0$ で $h(x)\to0$( $x\log x\to0$)、 $x\to\infty$ で $h(x)\to-\infty$。

| $x$ | $(0)$ | $\cdots$ | $1$ | $\cdots$ | $e$ | $\cdots$ |

|—|—|—|—|—|—|—|

| $h'(x)$ | | $+$ | $0$ | $-$ | $-$ | $-$ |

| $h(x)$ | $(0)$ | $\nearrow$ | $1$ | $\searrow$ | $0$ | $\searrow$ |

よって条件をみたす点の集合は、図の色をつけた部分(境界を含む)と、 $y$ 軸の $y\leqq0$ の部分である。

答 上の図(曲線 $y=x-x\log x$( $x>0$)とその下側、 $y$ 軸の $y\leqq0$ の部分。境界を含む)

(2) 配点 25点

$S$ は $1\leqq x\leqq e$ で $0\leqq y\leqq x-x\log x$ の部分( $h(x)\geqq0\iff x\leqq e$)。

$$V=\pi\int_1^e(x-x\log x)^2dx=\pi\int_1^ex^2\left(1-2\log x+\log^2x\right)dx$$

$$\int_1^ex^2dx=\frac{e^3-1}{3},\qquad\int_1^ex^2\log x\,dx=\Big[\frac{x^3}{3}\log x-\frac{x^3}{9}\Big]_1^e=\frac{2e^3+1}{9}$$

$$\int_1^ex^2\log^2x\,dx=\Big[\frac{x^3}{3}\log^2x\Big]_1^e-\frac23\int_1^ex^2\log x\,dx=\frac{e^3}{3}-\frac{2(2e^3+1)}{27}=\frac{5e^3-2}{27}$$

$$V=\pi\left\{\frac{e^3-1}{3}-\frac{2(2e^3+1)}{9}+\frac{5e^3-2}{27}\right\}$$

答 $V=\dfrac{(2e^3-17)\pi}{27}$

出題意図

(1) 「すべての $t$ で成り立つ」を「 $y$ が、 $t$ を動かしたときの最小値以下」に言いかえるという定石と、何が変数で何が定数かを正しく区別できるか

(2) 回転体の体積と、部分積分をくり返す計算を正確にこなせるか

講評

医学部医学科その他の学部
難易度やや簡単
目標得点50点50点
目標時間20分25分

この問題が解けないなら合格は厳しい。
「何が変数で何が定数か」を普段から意識するだけで、数学の力はかなりつく。
何が変数で何が定数かを最初に確認する。
(1) が解ければ (2) は計算だけなので、絶対に50点を確保する。

差がつく所・失点しやすい所

  • 何が変数か:$t$ が変数で $x,y$ は定数。これを取り違えると (1) は何をすればよいか分からなくなる。
  • $x\leqq0$ の場合:$x<0$ で条件をみたす点がないこと、 $x=0$ では $y\leqq0$ が残ることを落とすミス
  • (2) の部分積分:$\log^2x$ を含む積分で符号や係数を間違えやすい

2021年九州大学理系数学
第4問 解答・解説

第4問は複素数平面・微分法の問題です。
テーマは「複素数版の平均値の定理(平均値の性質)」。

問題

2021年九州大学理系数学 第4問 問題
2021年九州大学理系数学 第4問 問題
問題文をテキストで読む

自然数 $n$ と実数 $a_0,a_1,a_2,\cdots\cdots,a_n\ (a_n\neq0)$ に対して、2つの整式

$$f(x)=\sum_{k=0}^{n}a_kx^k=a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+\cdots\cdots+a_1x+a_0$$

$$f'(x)=\sum_{k=1}^{n}ka_kx^{k-1}=na_nx^{n-1}+(n-1)a_{n-1}x^{n-2}+\cdots\cdots+a_1$$

を考える。 $\alpha,\beta$ を異なる複素数とする。複素数平面上の2点 $\alpha,\beta$ を結ぶ線分上にある点 $\gamma$ で、

$$\dfrac{f(\beta)-f(\alpha)}{\beta-\alpha}=f'(\gamma)$$

をみたすものが存在するとき、 $\alpha,\beta,f(x)$ は平均値の性質をもつということにする。以下の問いに答えよ。ただし、 $i$ は虚数単位とする。

(1) $n=2$ のとき、どのような $\alpha,\beta,f(x)$ も平均値の性質をもつことを示せ。

(2) $\alpha=1-i$、 $\beta=1+i$、 $f(x)=x^3+ax^2+bx+c$ が平均値の性質をもつための、実数 $a,b,c$ に関する必要十分条件を求めよ。

(3) $\alpha=\dfrac{1-i}{\sqrt2}$、 $\beta=\dfrac{1+i}{\sqrt2}$、 $f(x)=x^7$ は、平均値の性質をもたないことを示せ。

解答の方針

全体の着眼点

どの小問も、左辺 $\dfrac{f(\beta)-f(\alpha)}{\beta-\alpha}$ を計算し、それが $f'(\gamma)$ と等しくなる $\gamma$ が線分上にあるかを調べるだけ。線分上の点は $\gamma=\alpha+s(\beta-\alpha)$( $0\leqq s\leqq1$)と表せる。

【(1)の方針】

着眼点

$n=2$ なら $f’$ は1次式なので、 $\gamma$ を具体的に1つ見つければよい。答えは中点。

  1. $f(x)=a_2x^2+a_1x+a_0$ として左辺を計算し、 $a_2(\alpha+\beta)+a_1$ を得る。
  2. $f'(\gamma)=2a_2\gamma+a_1$ と比べ、 $\gamma=\dfrac{\alpha+\beta}{2}$(線分ABの中点)で等しくなることを示す。

【(2)の方針】

着眼点

$\alpha,\beta$ が実軸に関して対称(共役)なので、線分上の点は $\gamma=1+ti$( $-1\leqq t\leqq1$)。等式を実部と虚部に分ける。

  1. 左辺を計算して $2+2a+b$ を得る( $\alpha+\beta=2$、 $\alpha\beta=2$)。
  2. $\gamma=1+ti$ として $f'(\gamma)=3\gamma^2+2a\gamma+b$ を実部・虚部に分ける。
  3. 実部から $t=\pm\dfrac{1}{\sqrt3}$(範囲内)、虚部から $a=-3$。 $b,c$ は任意として答える。

【(3)の方針】

着眼点

$\alpha=\cos\left(-\dfrac{\pi}{4}\right)+i\sin\left(-\dfrac{\pi}{4}\right)$、 $\beta=\cos\dfrac{\pi}{4}+i\sin\dfrac{\pi}{4}$ と極形式で見ると $\beta^7=\alpha$、 $\alpha^7=\beta$ で、左辺は $-1$。 $7\gamma^6=-1$ を偏角と絶対値に分けて調べると、線分上には条件をみたす点がない(背理法)

  1. 左辺を計算して $-1$ を得る。
  2. 平均値の性質をもつと仮定し、 $7\gamma^6=-1$ となる $\gamma$ が線分上にあるとする。
  3. 偏角の条件から $\arg\gamma=\pm\dfrac{\pi}{6}$(線分上の点の偏角は $-\dfrac{\pi}{4}$ 以上 $\dfrac{\pi}{4}$ 以下)。
  4. そのときの $|\gamma|$ を求め、 $|\gamma|^6=\dfrac17$ と合わないことから矛盾と結論する。

解答

2021年九州大学理系数学 第4問 解答・解説
2021年九州大学理系数学 第4問 解答・解説
解答をテキストで読む

(1) 配点 15点

$f(x)=a_2x^2+a_1x+a_0$( $a_2\neq0$)とすると

$$\frac{f(\beta)-f(\alpha)}{\beta-\alpha}=\frac{a_2(\beta^2-\alpha^2)+a_1(\beta-\alpha)}{\beta-\alpha}=a_2(\alpha+\beta)+a_1$$

$f'(x)=2a_2x+a_1$ なので、 $\gamma=\dfrac{\alpha+\beta}{2}$ とすると $f'(\gamma)=a_2(\alpha+\beta)+a_1$ で等しい。 $\gamma$ は線分の中点なので線分上にある。よってどのような $\alpha,\beta,f(x)$ も平均値の性質をもつ。

(2) 配点 15点

$\alpha+\beta=2$、 $\alpha\beta=2$、 $\alpha^2+\beta^2=(\alpha+\beta)^2-2\alpha\beta=0$ より

$$\frac{f(\beta)-f(\alpha)}{\beta-\alpha}=(\beta^2+\alpha\beta+\alpha^2)+a(\alpha+\beta)+b=2+2a+b$$

線分上の点は $\gamma=1+ti$( $-1\leqq t\leqq1$)と書けて

$$f'(\gamma)=3(1+ti)^2+2a(1+ti)+b=(3-3t^2+2a+b)+(6+2a)t\,i$$

$f'(\gamma)=2+2a+b$ となる条件は、 $3-3t^2=2$ かつ $(6+2a)t=0$。

第1式より $t=\pm\dfrac{1}{\sqrt3}$( $-1\leqq t\leqq1$ をみたす)で $t\neq0$ なので、第2式より $a=-3$。逆に $a=-3$ なら $t=\dfrac{1}{\sqrt3}$ でみたす。

答 $a=-3$( $b,c$ は任意の実数)

(3) 配点 20点

$\alpha=\cos\left(-\dfrac{\pi}{4}\right)+i\sin\left(-\dfrac{\pi}{4}\right)$、 $\beta=\cos\dfrac{\pi}{4}+i\sin\dfrac{\pi}{4}$ で、ド・モアブルの定理より $\beta^7=\cos\dfrac{7\pi}{4}+i\sin\dfrac{7\pi}{4}=\alpha$、同様に $\alpha^7=\beta$。よって

$$\frac{f(\beta)-f(\alpha)}{\beta-\alpha}=\frac{\alpha-\beta}{\beta-\alpha}=-1$$

平均値の性質をもつと仮定すると、 $7\gamma^6=-1$ をみたす $\gamma$ が線分上にある。線分上の点は $\gamma=\dfrac{1+si}{\sqrt2}$( $-1\leqq s\leqq1$)で、その偏角 $\varphi$ は $-\dfrac{\pi}{4}\leqq\varphi\leqq\dfrac{\pi}{4}$。

$\gamma^6=-\dfrac17$ より $6\varphi$ は $\pi$ の奇数倍で、 $-\dfrac{3\pi}{2}\leqq6\varphi\leqq\dfrac{3\pi}{2}$ から $6\varphi=\pm\pi$、 $\varphi=\pm\dfrac{\pi}{6}$。

このとき $\gamma$ は実部 $\dfrac{1}{\sqrt2}$、偏角 $\pm\dfrac{\pi}{6}$ の点なので $|\gamma|=\dfrac{1}{\sqrt2\cos\dfrac{\pi}{6}}=\sqrt{\dfrac23}$、

$$|\gamma|^6=\frac{8}{27}\neq\frac17$$

となり、 $|7\gamma^6|=1$ に反する。よって平均値の性質をもたない。

出題意図

初めて見る定義(平均値の性質)を正しく読み取る初見対応力があるか。中身は整式の計算と複素数の計算だけ。

(3) は「存在しない」ことの証明。極形式で絶対値と偏角に分けて考える複素数の力が問われている。

講評

医学部医学科その他の学部
難易度やや難
目標得点35点30点
目標時間30分35分

冷静に見れば標準レベルの計算問題。
だが本番の受験生には難しく見える。
今「なんとか解けそう」と思う問題は、本番では解けない。
余裕で解けるまで練習する。
問題文の長さに身構えず、定義を式に直して (1) から順に計算する。
(2) の「必要十分条件」は、普通に計算すればそれが答え。

差がつく所・失点しやすい所

  • 見た目で手が止まる:「平均値の性質」という造語と長い問題文で身構えるが、中身はただの計算。定義を式に直せるかがすべて。
  • (1) で線分上の条件を忘れる:中点を見つけるだけでなく、それが線分上にあることまで書く
  • (3) の矛盾の導き方:$\gamma^6$ を成分で展開すると計算が重い。極形式で偏角と絶対値に分けると数行で終わる。

2021年九州大学理系数学
第5問 解答・解説

第5問は整数・場合の数の問題です。
テーマは「二項係数が素数になる組」。

問題

2021年九州大学理系数学 第5問 問題
2021年九州大学理系数学 第5問 問題
問題文をテキストで読む

以下の問いに答えよ。

(1) 自然数 $n,k$ が $2\leqq k\leqq n-2$ をみたすとき、 ${}_n\mathrm{C}_k>n$ であることを示せ。

(2) $p$ を素数とする。 $k\leqq n$ をみたす自然数の組 $(n,k)$ で ${}_n\mathrm{C}_k=p$ となるものをすべて求めよ。

解答の方針

【(1)の方針】

着眼点

${}_n\mathrm{C}_k$ を階乗の分数として書き、 $n$ で割った値が1より大きいことを示せばよい。分子の $(n-1)(n-2)\cdots(n-k+1)$ と分母の $k(k-1)\cdots2$ を大きい順に1つずつ組にして分数の積に分けると、どの分数も(分子)$-$(分母)$=n-k-1$ で正になる。 $2\leqq k\leqq n-2$ のすべての $k$ で同じように言える。

  1. $\dfrac{{}_n\mathrm{C}_k}{n}=\dfrac{(n-1)(n-2)\cdots(n-k+1)}{k(k-1)\cdots2}=\dfrac{n-1}{k}\cdot\dfrac{n-2}{k-1}\cdots\dfrac{n-k+1}{2}$ と分ける。
  2. どの分数も(分子)$-$(分母)$=n-k-1\geqq1$ であることを示す。
  3. 1より大きい分数の積なので $\dfrac{{}_n\mathrm{C}_k}{n}>1$、すなわち ${}_n\mathrm{C}_k>n$ と結論する。

【(2)の方針】

着眼点

まず実験する。 ${}_6\mathrm{C}_0,\cdots,{}_6\mathrm{C}_6$ は $1,6,15,20,15,6,1$ で、両端の1以外はすべて合成数。 ${}_7\mathrm{C}_0,\cdots,{}_7\mathrm{C}_7$ は $1,7,21,35,35,21,7,1$ で、素数になるのは ${}_7\mathrm{C}_1={}_7\mathrm{C}_6=7$ だけ。素数になるのは ${}_n\mathrm{C}_1$、 ${}_n\mathrm{C}_{n-1}$ で、 $n$ が素数のときだけと見当がつく。それを示すのに (1) を使う。(1) から $2\leqq k\leqq n-2$ なら ${}_n\mathrm{C}_k>n$、一方 ${}_n\mathrm{C}_k=p$ なら $p$ は $n!$ を割り切るので $p\leqq n$。この2つがぶつかる。

  1. $k=n$ は ${}_n\mathrm{C}_n=1$ で不適。 $k=1,\ n-1$ は ${}_n\mathrm{C}_k=n$ なので $n=p$。
  2. $2\leqq k\leqq n-2$ のとき、 $p$ が $n!$ を割り切ることから $n\geqq p$、(1) から ${}_n\mathrm{C}_k>n\geqq p$ で矛盾することを示す。
  3. 以上から組を求める( $p=2$ のときは $(2,1)$ の1組)。

解答

2021年九州大学理系数学 第5問 解答・解説
2021年九州大学理系数学 第5問 解答・解説
解答をテキストで読む

(1) 配点 20点

$2\leqq k\leqq n-2$ のとき

$$\frac{{}_n\mathrm{C}_k}{n}=\frac{(n-1)(n-2)\cdots(n-k+1)}{k(k-1)\cdots2}=\frac{n-1}{k}\cdot\frac{n-2}{k-1}\cdots\frac{n-k+1}{2}$$

右辺は $k-1$ 個( $k\geqq2$ より1個以上)の分数の積で、分子の大きい順と分母の大きい順を組にしている。

どの分数も、分子は分母より $n-k-1$ だけ大きい。たとえば一番左は $(n-1)-k=n-k-1$、一番右は $(n-k+1)-2=n-k-1$。 $k\leqq n-2$ より $n-k-1\geqq1>0$ なので、どの分数も1より大きい。

よって $\dfrac{{}_n\mathrm{C}_k}{n}>1$、すなわち ${}_n\mathrm{C}_k>n$。

(2) 配点 30点

– $k=n$ のとき ${}_n\mathrm{C}_n=1$ は素数でない

– $k=1$ または $k=n-1$ のとき ${}_n\mathrm{C}_k=n$ なので $n=p$。 $(n,k)=(p,1),\ (p,p-1)$

– $2\leqq k\leqq n-2$ のとき ${}_n\mathrm{C}_k\cdot k!\,(n-k)!=n!$ なので、 ${}_n\mathrm{C}_k=p$ なら $p$ は $n!=1\cdot2\cdots n$ を割り切る。 $p$ は素数なので $1,2,\cdots,n$ のどれかを割り切り、 $p\leqq n$。一方 (1) より ${}_n\mathrm{C}_k>n\geqq p$ となり矛盾。

答 $(n,k)=(p,1),\ (p,\ p-1)$( $p=2$ のときは $(2,1)$ の1組)

出題意図

(1) 二項係数を式(階乗の分数)として扱い、大小を比べられるか。組合せの意味としてしか覚えていないと手が出ない。

(2) (1) の不等式を使って候補を絞り、素数の性質(約数が1と自分だけ)で残りを決める整数の論証

講評

医学部医学科その他の学部
難易度標準〜やや難
目標得点30点20点
目標時間25分30分

2021年のセットで一番差がついた問題。
二項係数を見て解き方がいくつ浮かぶか、という数学への慣れがすべてを決める。
幅広く勉強した人ほど報われる良問。
(1) が解けなければ第5問は飛ばしてよい。
(1) が解けたら、(2) は実験で見当をつけてから (1) を使って場合分けする。
現実的には (1) も (2) も論証が少し不十分で25〜30点。

差がつく所・失点しやすい所

  • (1) で二項係数を式として扱えるか:組合せの意味だけでは大小を比べられない。 $\dfrac{{}_n\mathrm{C}_k}{n}$ を分数の積に分けるという発想に行き着けるかで大きく差がつく。
  • (2) の $p\leqq n$:$p$ が $n!$ を割り切るので $n$ 以下、という素数の性質を書けるか。ここが論証の山場。
  • (1) が解けないと (2) もまず解けない:(2) は (1) の結果が場合分けの決め手になる。(1) で止まったら、第5問は飛ばしてよい。

2021年九州大学・理系数学の
講評とまとめ

5問の難易度と目標得点をまとめると、次のとおりです。

大問難易度医学部医学科その他の学部
第1問標準45点35点
第2問標準50点40点
第3問やや簡単50点50点
第4問やや難35点30点
第5問標準〜やや難30点20点

この年は、時間の制約と得意・不得意を考えて、総合の目標点を低めにしています。そのため、大問ごとの目標得点を足しても、総合の目標点(医学部医学科で190点、その他の学部で150点)にはなりません。すべての大問で目標得点を取る必要はありません。

解ける問題を確実に落とさない、九大の王道のセット。
第1問〜第3問はできれば完答し、第4問(1)と第5問(1)は確実に解きたい。
これで十分に合格点に届く。
標準問題を確実に解く力を身につけよう。

解く流れ

第1問から順番に解く。
時間が足りなくなるセットではないので、問題ごとに順番を入れかえる必要はない。

2021年九州大学・理系数学に
関するよくある質問

2021年の九州大学・理系数学について、よく聞かれる質問にお答えします。

2021年の九州大学・理系数学は難しかった?

例年よりかなり難しくなった年でした。
それまで毎年出ていた「見た瞬間に解法がわかる」問題がなくなり、九大理系数学の転機になった年です。
ただ、時間が足りなくなるセットではないので、第1問〜第3問は完答を目指しましょう。

2021年の九州大学・理系数学は何点取れば合格できる?

目標点は、医学部医学科で190点、その他の学部で150点です(250点満点)。
数学が苦手な人でも、医学部医学科で130点、薬学部臨床薬学科で100点、その他の学部で80点は確保しましょう。

2021年の九州大学・理系数学はどこで差がつく?

特に差がついたのは、次の2つです。

  • 第5問(2):実験して答えを推測できたか。初見問題に対する対応力がどれだけあるかが問われた問題でした。
  • 第4問:長い問題文と「平均値の性質」という言葉に身構えず、定義を式に直して計算できたか。見た目ほど難しくない問題です。
2021年の九州大学・理系数学は何が出題された?

大問ごとの単元は、次のとおりです。

  • 第1問:空間ベクトル
  • 第2問:複素数平面・複素数と方程式
  • 第3問:微分法・積分(数学Ⅲ)
  • 第4問:複素数平面・微分法
  • 第5問:整数・場合の数

九州大学理系数学の過去問を年度別に見る

⬆︎タップして画面が切り替わったら『LINEアプリを開く』を押して友達追加にお進みください!

目次