【解説・採点基準付き】2015年九州大学理系数学の解答・解説

2015年の九州大学・理系数学の、
解答・解説【完全版】です。

方針の立て方・考え方はもちろん
オリジナルの採点基準付き。

このページで過去問演習が完結するので
赤本などは一切不要です。

⬆︎タップして画面が切り替わったら『LINEアプリを開く』を押して友達追加にお進みください!


中原 遼太郎

九大受験に特化した学習塾
『竜文会』代表

『竜文会』開校後、初年度には国立大学医学部や九州大学に合格者を輩出。

2年目には旧帝大医学部にも合格!

九州大学の過去問を20年分以上分析して指導カリキュラムを作成。

九州大学医学部に現役合格した経験を生かして、『学習計画の作成』や『LINEでのいつでも相談』による1人1人のサポート・九州大学に特化したハイレベルな演習で「九大受験生」をサポート。

経歴

もっと知りたい方は中原先生の紹介へ!

※ 当ブログでは、九大受験生や親御様の悩みをリサーチした上で、表面的な悩みだけでなく根本的な悩みを解決できるようなコンテンツ制作を心がけています。コンテンツ制作は、中原遼太郎(九州大学医学部卒・竜文会代表)が担当。制作の流れや想いに関しては、コンテンツ制作ポリシーページを参考にしてください。

目次

2015年九州大学理系数学
第1問 解答・解説

この記事の配点・採点基準は九州大学が公表しているものではなく、竜文会が独自に作成したものです。

第1問は積分法(数学Ⅱ)・2次関数の問題です。
テーマは「定点を通る直線と放物線で囲む面積と、中間値の定理による解の存在」。

問題

2015年九州大学理系数学 第1問 問題
2015年九州大学理系数学 第1問 問題
問題文をテキストで読む

$C_1,C_2$ をそれぞれ次式で与えられる放物線の一部とする。

$$C_1:\ y=-x^2+2x,\quad 0\leqq x\leqq2$$

$$C_2:\ y=-x^2-2x,\quad -2\leqq x\leqq0$$

また、 $a$ を実数とし、直線 $y=a(x+4)$ を $\ell$ とする。

(1) 直線 $\ell$ と $C_1$ が異なる2つの共有点をもつための $a$ の値の範囲を求めよ。

以下、 $a$ が (1) の条件を満たすとする。このとき、 $\ell$ と $C_1$ で囲まれた領域の面積を $S_1$、 $x$ 軸と $C_2$ で囲まれた領域で $\ell$ の下側にある部分の面積を $S_2$ とする。

(2) $S_1$ を $a$ を用いて表せ。

(3) $S_1=S_2$ を満たす実数 $a$ が $0<a<\dfrac15$ の範囲に存在することを示せ。

解答の方針

【(1)の方針】

着眼点

共有点の $x$ 座標は方程式 $-x^2+2x=a(x+4)$( $0\leqq x\leqq2$)の解。この方程式は、はじめから文字定数 $a$ が分離された形になっている。そこで、固定された曲線 $C_1$ と、動く直線 $\ell$ の交点として見る(定数分離)。

分離した直線は「定点を通って傾きが動く」形になることが多い。本問の $\ell$ も、 $a$ の値によらず定点 $(-4,0)$ を通る傾き $a$ の直線なので、傾きを動かして交点の数を数える。傾きを $a=0$( $x$ 軸と重なり、 $C_1$ の両端 $(0,0)$、 $(2,0)$ を通る)から上げていくと、 $C_1$ と2点で交わり、やがて $C_1$ に接する。それより傾きを上げると共有点はなくなる。範囲の両端が「 $x$ 軸と重なるとき」と「接するとき」であることが図で分かる。

2015年九州大学理系数学 第1問 解答の方針の図
2015年九州大学理系数学 第1問 解答の方針の図
  1. 共有点の $x$ 座標を、曲線 $C_1$ と直線 $\ell$ の交点の $x$ 座標と捉える(定数分離)。 $\ell$ が定点 $(-4,0)$ を通る傾き $a$ の直線であることを確かめる。
  2. $a<0$ では共有点がないこと、 $a=0$ では $(0,0)$、 $(2,0)$ の2点で交わることを確かめる。
  3. $a>0$ で傾きを上げていったとき、境目になる「 $\ell$ が $C_1$ に接するとき」の傾きを、重解の条件(判別式 $=0$)から求める。接点の $x$ 座標が $0\leqq x\leqq2$ にある方を選ぶ。
  4. 図から、2点で交わる傾きの範囲を答える。接するとき(共有点が1つ)は含めない。

【(2)の方針】

着眼点

$\ell$ と $C_1$ で囲む部分は2次関数と1次関数で囲む図形なので、$\dfrac16$ 公式が使える。面積に要るのは「交点の $x$ 座標」と「2次の係数」の2つだけで、これさえ分かれば、もう面積が求まる。交点の $x$ 座標の差 $\beta-\alpha$ は、連立した2次方程式を解いて求めるのが早い( $x^2$ の係数が1なので、判別式の正の平方根になる)。

  1. $-x^2+2x=a(x+4)$ を整理した $x^2+(a-2)x+4a=0$ の2つの解を $x=\alpha,\ \beta$( $\alpha<\beta$)とし、解の公式から $\beta-\alpha=\sqrt{a^2-20a+4}$ を求める。
  2. 上が $C_1$、下が $\ell$ なので、上から下を引いた $S_1=\displaystyle\int_\alpha^\beta\{(-x^2+2x)-a(x+4)\}\,dx$ を1行書き、被積分関数を2次の係数 $-1$ に気をつけて $-(x-\alpha)(x-\beta)$ と因数分解する。
  3. $\dfrac16$ 公式で $S_1=\dfrac16(\beta-\alpha)^3$ とし、1 の $\beta-\alpha$ を代入して $a$ で表す。

【(3)の方針】

着眼点

$S_2$ を直接積分しようとすると、「 $C_2$ の下」と「 $\ell$ の下」が入れかわる所で区間を分けることになる。複雑な面積は、$\dfrac16$ 公式で求まる図形の足し引きに分ける(公式で計算しやすい形を見出す)。ここでは $C_2$ と $x$ 軸で囲む部分全体(面積 $\dfrac43$)から、 $C_2$ のうち $\ell$ より上に出た部分を引くと見る。どちらも2次関数と1次関数で囲む図形なので、(2) と同じ $\dfrac16$ 公式で求められる。ただし公式を使う前に、 $\ell$ と $C_2$ の交点が2つとも $-2\leqq x\leqq0$ にあることを確かめる。

$S_1=S_2$ は $\dfrac32$ 乗を含む方程式で、解を具体的に求めることはできない。示すのは「存在すること」だけなので、中間値の定理を使う。最初に、何を示すかを明確にする。示すことは $S_1-S_2$ が $a=0$ で正、 $a=\dfrac15$ で負になること。あとは両端の値を計算していくだけ。

2015年九州大学理系数学 第1問 解答の方針の図
2015年九州大学理系数学 第1問 解答の方針の図
  1. $\ell$ と $C_2$ の交点の方程式 $h(x)=x^2+(a+2)x+4a=0$ が、 $0\leqq a\leqq\dfrac15$ のとき $-2\leqq x\leqq0$ に異なる2つの解をもつことを確かめる。
  2. 上に出た部分の面積 $\dfrac16(a^2-12a+4)^{\frac32}$ を求め、 $S_2=\dfrac43-\dfrac16(a^2-12a+4)^{\frac32}$ と表す。
  3. $F(a)=6(S_1-S_2)$ とおき、示すことを $F(0)>0>F\left(\dfrac15\right)$ と明確にする。
  4. 両端の値 $F(0)$、 $F\left(\dfrac15\right)$ を不等式で評価する。
  5. $F(a)$ が $0\leqq a\leqq\dfrac15$ で連続であることを書き、中間値の定理から $0<a<\dfrac15$ に $F(a)=0$、すなわち $S_1=S_2$ となる $a$ があると結論する。

解答

2015年九州大学理系数学 第1問 解答・解説
2015年九州大学理系数学 第1問 解答・解説
解答をテキストで読む

(1) 配点 15点

$\ell$ と $C_1$ の共有点の $x$ 座標は、方程式 $-x^2+2x=a(x+4)$ の $0\leqq x\leqq2$ にある解であり、曲線 $y=-x^2+2x$( $0\leqq x\leqq2$)と直線 $y=a(x+4)$ の交点の $x$ 座標である。直線 $\ell$ は、 $a$ の値によらず定点 $(-4,0)$ を通る傾き $a$ の直線である。

$a<0$ のとき、 $0\leqq x\leqq2$ で $\ell$ は $y<0$ の部分にあり、 $C_1$ は $y\geqq0$ なので共有点はない。 $a=0$ のとき、 $\ell$ は $x$ 軸で、 $C_1$ との共有点は $(0,0)$、 $(2,0)$ の2つ。

$a>0$ のとき、 $x=0,\ 2$ で $\ell$ の $y$ 座標は $4a>0$、 $6a>0$ なので、 $\ell$ は $C_1$ の両端 $(0,0)$、 $(2,0)$ より上を通る。

$\ell$ が $C_1$ に接するのは、 $x^2+(a-2)x+4a=0$ が重解をもつとき、すなわち

$$(a-2)^2-16a=a^2-20a+4=0\iff a=10\pm4\sqrt6$$

のときで、接点の $x$ 座標は $\dfrac{2-a}{2}$。これが $0\leqq x\leqq2$ にあるのは $-2\leqq a\leqq2$ のときなので、 $a=10-4\sqrt6$(接点の $x$ 座標は $2\sqrt6-4$)。

図のように、傾き $a$ を0から上げていくと、 $0\leqq a<10-4\sqrt6$ では2点で交わり、 $a=10-4\sqrt6$ で接して共有点は1つになり、それより大きいと共有点はない。よって

答 $0\leqq a<10-4\sqrt6$

別解(解の配置:軸・判別式・区間の端) $g(x)=x^2+(a-2)x+4a$ とおくと、求める条件は $g(x)=0$ が $0\leqq x\leqq2$ に異なる2つの実数解をもつこと。 $y=g(x)$ のグラフは下に凸なので、軸・判別式・区間の端の3つを調べて

・軸 $0<\dfrac{2-a}{2}<2$、すなわち $-2<a<2$

・判別式 $a^2-20a+4>0$、すなわち $a<10-4\sqrt6$ または $a>10+4\sqrt6$

・区間の端 $g(0)=4a\geqq0$、 $g(2)=6a\geqq0$

$0<10-4\sqrt6<2<10+4\sqrt6$ なので、合わせて $0\leqq a<10-4\sqrt6$。

(2) 配点 10点

$x^2+(a-2)x+4a=0$ の2つの解を $x=\alpha,\ \beta$( $\alpha<\beta$)とすると、解の公式より $\beta-\alpha=\sqrt{a^2-20a+4}$。 $\alpha\leqq x\leqq\beta$ で $C_1$ は $\ell$ の上側にあるので

$$S_1=\int_\alpha^\beta\{(-x^2+2x)-a(x+4)\}\,dx=\int_\alpha^\beta\{-(x-\alpha)(x-\beta)\}\,dx=\frac16(\beta-\alpha)^3$$

答 $S_1=\dfrac16(a^2-20a+4)^{3/2}$

(3) 配点 25点

$C_2$ と $x$ 軸で囲まれた部分の面積は、 $-x^2-2x=-x(x+2)$ より $\dfrac16\cdot\{0-(-2)\}^3=\dfrac43$。

$0\leqq a\leqq\dfrac15$ とする。 $\left(\dfrac{49}{5}\right)^2=\dfrac{2401}{25}>96=(4\sqrt6)^2$ より $\dfrac15<10-4\sqrt6$ なので、この範囲の $a$ は (1) の条件をみたす。

$\ell$ と $C_2$ の交点の方程式は $-x^2-2x=a(x+4)\iff h(x)=x^2+(a+2)x+4a=0$。軸・判別式・区間の端を調べると

・軸 $-\dfrac{a+2}{2}$ は $-2<-\dfrac{a+2}{2}<0$

・判別式 $(a+2)^2-16a=a^2-12a+4\geqq4-12a\geqq4-\dfrac{12}{5}>0$

・区間の端 $h(-2)=2a\geqq0$、 $h(0)=4a\geqq0$

より、 $h(x)=0$ は $-2\leqq x\leqq0$ に異なる2つの解 $\gamma<\delta$ をもつ。 $\gamma<x<\delta$ で $C_2$ は $\ell$ の上側にあり、この部分(図のうすい部分)の面積は $\dfrac16(\delta-\gamma)^3=\dfrac16(a^2-12a+4)^{\frac32}$。 $S_2$ は $C_2$ と $x$ 軸で囲まれた部分からこの部分を除いたもの(図の網かけの左側)なので

$$S_2=\frac43-\frac16(a^2-12a+4)^{\frac32}$$

$$F(a)=6(S_1-S_2)=(a^2-20a+4)^{\frac32}+(a^2-12a+4)^{\frac32}-8$$

とおく。示すことは、 $F(0)>0>F\left(\dfrac15\right)$ である。

$$F(0)=4^{\frac32}+4^{\frac32}-8=8>0$$

$$F\left(\frac15\right)=\left(\frac{1}{25}\right)^{\frac32}+\left(\frac{41}{25}\right)^{\frac32}-8=\frac{1+41\sqrt{41}}{125}-8<\frac{1+41\cdot7}{125}-8=\frac{288}{125}-8<0$$

( $\sqrt{41}<\sqrt{49}=7$ を使った)

以上より $F(0)>0>F\left(\dfrac15\right)$。また、 $0\leqq a\leqq\dfrac15$ で $a^2-20a+4>0$、 $a^2-12a+4>0$ なので、 $F(a)$ はこの範囲で連続である。よって、中間値の定理より $F(a)=0$、すなわち $S_1=S_2$ となる $a$ が $0<a<\dfrac15$ に存在する。 (証明終わり)

補足(解はただ1つ) $F'(a)=3(a-10)\sqrt{a^2-20a+4}+3(a-6)\sqrt{a^2-12a+4}$ は $0\leqq a\leqq\dfrac15$ で負なので、 $F(a)$ は減少する。よって $S_1=S_2$ となる $a$ はこの範囲にただ1つで、数値計算すると $a=0.0939\cdots$。これは問題では問われていないので、答案に書く必要はない。

出題意図

(1) 区間に制限のある放物線と直線の共有点の個数を、定数分離(または2次方程式の解の配置)で正しく処理できるか

(2) 放物線と直線で囲む面積を $\dfrac16$ 公式ですぐに求められるか

(3) 値を求められない方程式について、解の存在だけを中間値の定理で示せるか。あわせて、 $S_2$ を「全体から上に出た部分を引く」と捉えることができるか。

講評

医学部医学科その他の学部
難易度やや簡単
目標得点50点50点
目標時間20分25分

最後に数値の評価があるのでやや簡単としたが、それまでは数学Ⅱの $\dfrac16$ 公式で面積を求める、基本的な積分の計算問題。
完答必須。
落としてよいのは、最後の数値の評価の所の5点程度まで。

差がつく所・失点しやすい所

  • 差がつくのは (3): $S_2$ を「 $C_2$ と $x$ 軸で囲む部分全体から、上に出た部分を引く」と捉えるという発想に行き着けるか。直接積分すると交点の根号が残り、計算が重くなる。
  • (1) の等号: $a=10-4\sqrt6$ では接して共有点は1つなので等号をつけない。下限の $a=0$ は2点で交わるので等号をつける。
  • (3) の最後の数値の評価: $F\left(\dfrac15\right)<0$ は $\sqrt{41}<7$ と粗く押さえれば十分。落としてよいのは、この数値の評価の所の5点程度まで。

2015年九州大学理系数学
第2問 解答・解説

第2問は積分(数学Ⅲ)の問題です。
テーマは「$\dfrac{1}{x(\log x)^2}$ の和を、長方形と曲線の下の面積の比較で上から評価する」。

問題

2015年九州大学理系数学 第2問 問題
2015年九州大学理系数学 第2問 問題
問題文をテキストで読む

以下の問いに答えよ。

(1) 関数 $y=\dfrac{1}{x(\log x)^2}$ は $x>1$ において単調に減少することを示せ。

(2) 不定積分 $\displaystyle\int\dfrac{1}{x(\log x)^2}\,dx$ を求めよ。

(3) $n$ を3以上の整数とするとき、不等式

$$\sum_{k=3}^{n}\frac{1}{k(\log k)^2}<\frac{1}{\log2}$$

が成り立つことを示せ。

解答の方針

以下、 $f(x)=\dfrac{1}{x(\log x)^2}$ とおく。

【(1)の方針】

着眼点

$x>1$ では $x$ も $\log x$ も正で、どちらも増加する。したがって分母 $x(\log x)^2$ は正で増加し、その逆数 $f(x)$ は減少する。微分して $f'(x)<0$ を示してもよい。

  1. $x>1$ で $x>0$、 $\log x>0$ であり、 $x$ と $(\log x)^2$ がともに増加することを確かめる。
  2. 正で増加する2つの関数の積 $x(\log x)^2$ は正で増加するので、その逆数 $f(x)$ は単調に減少すると結論する。

【(2)の方針】

着眼点

分数の形だが、分母と分子を分けると $\dfrac1x$ と $\dfrac{1}{(\log x)^2}$ の2つの積になる。2つの関数の積で、片方がもう片方の微分になっていないかを常に考える。なっていれば $\{g(x)\}^kg'(x)$ の形で、ひとまとまりのまま積分できる。ここでは $\dfrac1x=(\log x)’$ なので、 $\dfrac{1}{x(\log x)^2}=(\log x)^{-2}\cdot(\log x)’$ と見れば、 $g(x)=\log x$、 $k=-2$ の形になる。

  1. $\dfrac{1}{x(\log x)^2}$ を2つの積に分け、 $\dfrac1x$ を $\log x$ の微分 $(\log x)’$ と見て、 $(\log x)^{-2}(\log x)’$ と書きかえる(慣れないうちは $t=\log x$ とおいてもよい)。
  2. $\log x$ をひとまとまりとして積分し、 $-\dfrac{1}{\log x}+C$ と答える。微分して元に戻ることで検算する。

【(3)の方針】

着眼点

不等式に $\Sigma$ が入っていて、左辺の和は直接計算できない。インテグラルやシグマが入ってくる不等式は、面積評価することが多い。そこで $f(k)$ を幅1の長方形の面積とみて、曲線 $y=f(x)$ の下の面積(定積分)と比べる(面積評価)。

(1) より $f(x)$ は減少関数なので、区間 $k\leqq x\leqq k+1$ に高さ $f(k+1)$ と $f(k)$ の長方形をとると、 $f(k+1)<\displaystyle\int_k^{k+1}f(x)\,dx<f(k)$ が成り立つ。あとは目標の式に合わせて、この不等式のどちら側を使い、どの $k$ からどの $k$ まで足すかを決める。示したいのは和を上から押さえる不等式なので、左側(曲線の下に収まる長方形 $f(k+1)$)を使う。左辺の和 $f(3)+f(4)+\cdots+f(n)$ は $f(k+1)$ を $k=2$ から $n-1$ まで足したもので、長方形は $x=2$ から $x=n$ までを埋める(下の図)。よって和は $\displaystyle\int_2^nf(x)\,dx$ で上から押さえられ、この積分は (2) の不定積分で計算できる。図の点線は $x=1$ で、 $\log1=0$ となるので $f(x)$ は考えられない。積分区間は $x=2$ から始めるしかない。

2015年九州大学理系数学 第2問 解答の方針の図
2015年九州大学理系数学 第2問 解答の方針の図
  1. (1) より $f(x)$ は減少関数なので、 $k\geqq2$ のとき $k\leqq x\leqq k+1$ で $f(x)\geqq f(k+1)$(等号は $x=k+1$ のときだけ)。区間 $[k,\ k+1]$ で積分して $f(k+1)<\displaystyle\int_{k}^{k+1}f(x)\,dx$ を示す。
  2. 目標の式の左辺は $f(k+1)$ の $k=2$ から $n-1$ までの和なので、その範囲で足し、積分区間をつなげて $\displaystyle\int_2^nf(x)\,dx$ で上から押さえる。
  3. (2) の結果から $\displaystyle\int_2^nf(x)\,dx=\dfrac{1}{\log2}-\dfrac{1}{\log n}$ を求め、 $\dfrac{1}{\log n}>0$ より $\dfrac{1}{\log2}$ より小さいと結論する。

解答

2015年九州大学理系数学 第2問 解答・解説
2015年九州大学理系数学 第2問 解答・解説
解答をテキストで読む

$f(x)=\dfrac{1}{x(\log x)^2}$( $x>1$)とおく。

(1) 配点 10点

$x>1$ のとき $x>0$、 $\log x>0$ で、 $x$ と $\log x$ はどちらも増加するので、 $(\log x)^2$ も正で増加する。

正で増加する2つの関数の積なので、分母 $x(\log x)^2$ は $x>1$ で正の値をとって増加する。その逆数である $f(x)$ は、 $x>1$ において単調に減少する。

別解(微分) 分母を微分すると $\{x(\log x)^2\}’=(\log x)^2+x\cdot2\log x\cdot\dfrac1x=\log x(\log x+2)$ なので

$$f'(x)=-\frac{\log x(\log x+2)}{x^2(\log x)^4}=-\frac{\log x+2}{x^2(\log x)^3}$$

$x>1$ では $\log x>0$ なので $f'(x)<0$。よって $f(x)$ は $x>1$ で単調に減少する。

(2) 配点 10点

$\dfrac{1}{x(\log x)^2}$ は $\dfrac1x$ と $(\log x)^{-2}$ の積で、 $(\log x)’=\dfrac1x$ なので、 $\log x$ をひとまとまりと見て

$$\int\frac{1}{x(\log x)^2}\,dx=\int(\log x)^{-2}(\log x)’\,dx$$

$$=-(\log x)^{-1}+C$$

答 $-\dfrac{1}{\log x}+C$( $C$ は積分定数)

(検算: $\left(-\dfrac{1}{\log x}\right)’=\dfrac{1}{(\log x)^2}\cdot\dfrac1x$ で元に戻る。 $t=\log x$ とおくと $dt=\dfrac1x\,dx$ で、 $\displaystyle\int\dfrac{dt}{t^2}=-\dfrac1t+C$ となり、同じ答えになる)

(3) 配点 30点

$k$ を2以上の整数とする。区間 $k\leqq x\leqq k+1$ は $x\geqq2$ の範囲にあるので、(1) より $f(x)$ はこの区間で減少し、

$$f(x)\geqq f(k+1)\quad(k\leqq x\leqq k+1)$$

が成り立つ。等号は $x=k+1$ のときだけである。

区間の幅は1なので $f(k+1)=\displaystyle\int_{k}^{k+1}f(k+1)\,dx$ と書ける。これは、幅1・高さ $f(k+1)$ の長方形の面積である(下の図)。

$$\int_{k}^{k+1}f(x)\,dx-f(k+1)=\int_{k}^{k+1}\{f(x)-f(k+1)\}\,dx>0$$

(被積分関数は連続で、 $k\leqq x<k+1$ で正)。よって

$$f(k+1)<\int_{k}^{k+1}f(x)\,dx\quad\cdots\text{①}$$

( $k=2,3,\cdots$ )

示したい不等式の左辺は $f(3)+f(4)+\cdots+f(n)$ なので、①を $k=2,3,\cdots,n-1$ について辺々足すと、右辺の積分区間がつながって

$$\sum_{k=3}^{n}\frac{1}{k(\log k)^2}<\int_{2}^{3}f(x)\,dx+\int_{3}^{4}f(x)\,dx+\cdots+\int_{n-1}^{n}f(x)\,dx=\int_{2}^{n}f(x)\,dx$$

(2) より

$$\int_{2}^{n}f(x)\,dx=\Big[-\frac{1}{\log x}\Big]_2^n=\frac{1}{\log2}-\frac{1}{\log n}$$

$n\geqq3$ より $\log n>0$ なので $\dfrac{1}{\log n}>0$ で、右辺は $\dfrac{1}{\log2}$ より小さい。したがって

$$\sum_{k=3}^{n}\frac{1}{k(\log k)^2}<\frac{1}{\log2}-\frac{1}{\log n}<\frac{1}{\log2}$$

となり、不等式は成り立つ。

(補足:最後に $\dfrac{1}{\log n}>0$ を引いているので、1本ずつの長方形の比較が「 $\leqq$ 」でも結論の「 $<$ 」は示せる)

出題意図

(1)(2) 関数の増減と、$(\log x)’=\dfrac1x$ を見抜く積分という基本が理解できているか

(3) 和を直接計算できないときは、長方形の面積の和とみて定積分で評価するという、定積分と不等式の典型問題の解法を使えるか。とくに、長方形をどの区間に置けば「上から」押さえられるかを、図をもとに判断できるか。

講評

医学部医学科その他の学部
難易度簡単
目標得点50点50点
目標時間15分20分

(1) は微分するだけ、(2) は $\{g(x)\}^kg'(x)$ の形を作って不定積分を計算するだけで、すぐに終わる。
(3) は演習不足の人は詰まるかもしれないが、考え方は「不等式を面積で評価する」基本的な証明問題と同じ。
数学の演習をきちんと積んだ人なら、すぐに解法が思いつく。
完答必須。

差がつく所・失点しやすい所

  • 差がつくのは (3):目標の式に合わせて、長方形を曲線の上下どちらに置き、どこからどこまで足すかを決めるという発想に行き着けるか。置き方を誤ると不等式が逆向きになる。
  • 積分区間の始まり: $\log1=0$ なので $x=1$ からは積分できない。和が $k=3$ から始まるのは、積分区間を $x=2$ から始めるためと考えられる。
  • 図だけで済ませない:「 $k\leqq x\leqq k+1$ で $f(x)\geqq f(k+1)$」を (1) から導き、積分して不等式にするところまで式で書く。

2015年九州大学理系数学
第3問 解答・解説

第3問は積分(数学Ⅲ)・空間図形の問題です。
テーマは「太陽光線による球の影の面積と体積」。

問題

2015年九州大学理系数学 第3問 問題
2015年九州大学理系数学 第3問 問題
問題文をテキストで読む

座標空間内に、原点 $\mathrm{O}(0,0,0)$ を中心とする半径1の球がある。下の概略図のように、 $y$ 軸の負の方向から仰角 $\dfrac{\pi}{6}$ で太陽光線が当たっている。この太陽光線はベクトル $(0,\sqrt3,-1)$ に平行である。球は光を通さないものとするとき、以下の問いに答えよ。

(1) 球の $z\geqq0$ の部分が $xy$ 平面上につくる影を考える。 $k$ を $-1<k<1$ を満たす実数とするとき、 $xy$ 平面上の直線 $x=k$ において、球の外で光が当たらない部分の $y$ 座標の範囲を $k$ を用いて表せ。

(2) $xy$ 平面上において、球の外で光が当たらない部分の面積を求めよ。

(3) $z\geqq0$ において、球の外で光が当たらない部分の体積を求めよ。

解答の方針

【(1)の方針】

着眼点

空間図形は、空間のまま考えずに平面で見る。光線の向き $(0,\sqrt3,-1)$ は $x$ 成分が0なので、光線は平面 $x=k$ からはみ出さない。だから平面 $x=k$ で切れば、「半円」と「半円に当たる平行な光線」だけの平面図形になる。影の端は、半円に接する光線が $xy$ 平面(断面では $y$ 軸)とぶつかる点で決まる。接する光線は半径と垂直なので、中心・接点・ぶつかる点は30°・60°・90°の直角三角形になり、座標を計算しなくても長さが求まる。

> 中原先生のコメント:空間でイメージできない人は、平面で見るのが一番お勧めです。

2015年九州大学理系数学 第3問 解答の方針の図
2015年九州大学理系数学 第3問 解答の方針の図
  1. 平面 $x=k$ で切る。 $r=\sqrt{1-k^2}$ とおくと、球の $z\geqq0$ の部分の切り口は、中心 $\mathrm{H}(k,0,0)$、半径 $r$ の半円になる。
  2. 半円に接する光線の接点を $\mathrm{T}$、その光線と $xy$ 平面の交点を $\mathrm{A}$ とおく。 $\angle\mathrm{HTA}=\dfrac{\pi}{2}$、 $\angle\mathrm{HAT}=\dfrac{\pi}{6}$ なので $\mathrm{HA}=2\mathrm{HT}=2r$。
  3. 直線 $x=k$ 上で光が当たらないのは $y$ 座標が $r$ (球の表面)から $2r$ (点 $\mathrm{A}$)までの部分なので、 $r<y<2r$ を $k$ で表して答える。

【(2)の方針】

着眼点

(1) から、直線 $x=k$ 上の影の長さは $2r-r=r=\sqrt{1-k^2}$。面積は線分(長さ)を積分したものなので、影の面積はこの長さを $k$ で積分すればよい。積分を面積として見ると、 $\displaystyle\int_{-1}^1\sqrt{1-k^2}\,dk$ は半径1の半円の面積なので、置換積分をしなくても求まる。

2015年九州大学理系数学 第3問 解答の方針の図
2015年九州大学理系数学 第3問 解答の方針の図
  1. (1) の範囲から、直線 $x=k$ 上の影の長さ $\sqrt{1-k^2}$ を求める。
  2. $\displaystyle\int_{-1}^1\sqrt{1-k^2}\,dk$ を半径1の半円の面積として求める。

【(3)の方針】

着眼点

体積は、あるところでスパッと切る → 切り口の面積を求める → 積分する、の3つだけ。どこで切るかは (1) と同じ平面 $x=k$ 。切り口で、光が当たらない部分(球の外)は、接する光線 $\mathrm{TA}$・ $y$ 軸・半円の弧で囲まれた部分。これは直角三角形 $\mathrm{HTA}$ から、中心角 $\angle\mathrm{AHT}=\dfrac{\pi}{3}$ の扇形を除いた形なので、面積は $r^2$ に比例する。体積は、この断面積を $k$ で積分する。

2015年九州大学理系数学 第3問 解答の方針の図
2015年九州大学理系数学 第3問 解答の方針の図
  1. 平面 $x=k$ で切り、その切り口で、光が当たらない部分が「直角三角形 $\mathrm{HTA}$ −中心角 $\dfrac{\pi}{3}$ の扇形」であることを確かめる。
  2. 断面積を $r^2=1-k^2$ を使って $k$ の式で表す。
  3. $-1\leqq k\leqq1$ で積分して体積を求める。

解答

2015年九州大学理系数学 第3問 解答・解説
2015年九州大学理系数学 第3問 解答・解説
解答をテキストで読む

(1) 配点 15点

光線の向き $(0,\sqrt3,-1)$ は $x$ 成分が0なので、平面 $x=k$ 上の点を通る光線は、平面 $x=k$ の中を進む。平面 $x=k$ と $x$ 軸の交点を $\mathrm{H}(k,0,0)$、 $r=\sqrt{1-k^2}$ とおくと、球の $z\geqq0$ の部分の切り口は、中心 $\mathrm{H}$、半径 $r$ の半円である。

光線は半円に左上から当たるので、半円の影の右端は、半円に接する光線で決まる。その接点を $\mathrm{T}$、接する光線と $xy$ 平面(切り口では $y$ 軸)の交点を $\mathrm{A}$ とする。接線は接点を通る半径と垂直なので $\angle\mathrm{HTA}=\dfrac{\pi}{2}$。また、光線と $xy$ 平面のなす角は $\dfrac{\pi}{6}$ なので $\angle\mathrm{HAT}=\dfrac{\pi}{6}$。よって三角形 $\mathrm{HTA}$ は30°・60°・90°の直角三角形で

$$\mathrm{HA}=2\mathrm{HT}=2r$$

となり、 $\mathrm{A}$ の $y$ 座標は $2r$。

直線 $x=k$ 上で、球の中は $|y|\leqq r$。球の外で光が当たらないのは、球の表面 $y=r$ から $\mathrm{A}$ までの部分である( $y<-r$ の点は、光の来る向きに戻っても球にぶつからないので、光が当たる)。

答 $\sqrt{1-k^2}<y<2\sqrt{1-k^2}$

(補足)左端 $y=\sqrt{1-k^2}$ は球の表面なので「球の外」に入らない。右端の $\mathrm{A}$ は光線が球に接するだけの点なので、右端に等号を付けた答え $\sqrt{1-k^2}<y\leqq2\sqrt{1-k^2}$ でもよい。どちらにしても (2)(3) の面積・体積は変わらない。

(2) 配点 10点

(1) より、直線 $x=k$ 上の影の長さは $2\sqrt{1-k^2}-\sqrt{1-k^2}=\sqrt{1-k^2}$ である。 $|k|\geqq1$ では影はない。

よって求める面積は

$$\int_{-1}^{1}\sqrt{1-k^2}\,dk=\frac{\pi}{2}$$

( $\displaystyle\int_{-1}^1\sqrt{1-k^2}\,dk$ は半径1の半円の面積)

答 $\dfrac{\pi}{2}$

別解(楕円の半分−半円) (1) より、影の外側の境界は $y=2\sqrt{1-x^2}$、つまり楕円 $x^2+\dfrac{y^2}{4}=1$ の $y\geqq0$ の部分で、内側の境界は円 $x^2+y^2=1$ の $y\geqq0$ の部分。影はこの2つの間なので

$$\frac12\cdot\pi\cdot1\cdot2-\frac12\cdot\pi\cdot1^2=\pi-\frac{\pi}{2}=\frac{\pi}{2}$$

(楕円 $\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1$ の面積は $\pi ab$)

(3) 配点 25点

平面 $x=k$ $(-1<k<1)$ の切り口で考える。 $z\geqq0$ の点のうち光が当たらないのは、その点から光の来る向きに戻ると半円にぶつかる点である。球の外でこれをみたすのは、接する光線 $\mathrm{TA}$・ $y$ 軸・半円の弧で囲まれた部分(下の図の網かけ)。

この部分は、直角三角形 $\mathrm{HTA}$ から、半径 $r$・中心角 $\angle\mathrm{AHT}=\dfrac{\pi}{3}$ の扇形を除いたものである。 $\mathrm{TA}=\sqrt3\,\mathrm{HT}=\sqrt3\,r$ より、断面積は

$$\frac12\cdot r\cdot\sqrt3\,r-\frac12r^2\cdot\frac{\pi}{3}=\left(\frac{\sqrt3}{2}-\frac{\pi}{6}\right)r^2=\left(\frac{\sqrt3}{2}-\frac{\pi}{6}\right)(1-k^2)$$

$|k|\geqq1$ では光が当たらない部分はないので、求める体積は

$$\left(\frac{\sqrt3}{2}-\frac{\pi}{6}\right)\int_{-1}^{1}(1-k^2)\,dk=\left(\frac{\sqrt3}{2}-\frac{\pi}{6}\right)\cdot\frac43=\frac{2\sqrt3}{3}-\frac{2\pi}{9}$$

答 $\dfrac{2\sqrt3}{3}-\dfrac{2\pi}{9}$

出題意図

空間の光と影を、光線と平行な平面で切った断面の平面図形に置きかえて捉えることができるか。光線の向き $(0,\sqrt3,-1)$ は $x$ 成分が0なので、平面 $x=k$ で切れば、光線はその平面の中を進む。

(2)(3) 断面ごとに求めた長さ・面積を $k$ で積分して、面積・体積を求めるという求積の基本が理解できているか

講評

医学部医学科その他の学部
難易度標準
目標得点50点50点
目標時間20分30分

難易度は標準としたが、見慣れない問題だから標準としただけで、中身は体積の基本的な問題、つまり積分の基本的な問題。
面積を求めるときは線分の長さを求めて積分する、体積を求めるときは断面積を求めて積分する。
この基本がわかっていれば解ける問題なので、満点必須。

差がつく所・失点しやすい所

  • 差がつくのは (3):光が当たらない部分を、切り口の上で「直角三角形−扇形」と捉えるという発想に行き着けるか。空間のまま影を想像すると方針が立たない。
  • (1) で断面に落とす:光線の $x$ 成分が0なので、平面 $x=k$ で切れば半円と接線の問題になる。
  • 扇形の中心角: $\angle\mathrm{AHT}=\dfrac{\pi}{3}$ を光線の角 $\dfrac{\pi}{6}$ と取り違えやすい。図で確かめる。

2015年九州大学理系数学
第4問 解答・解説

第4問は確率の問題です。
テーマは「玉の入れかえと硬貨をもらう確率」。

問題

2015年九州大学理系数学 第4問 問題
2015年九州大学理系数学 第4問 問題
問題文をテキストで読む

袋の中に最初に赤玉2個と青玉1個が入っている。次の操作を繰り返し行う。

(操作)袋から1個の玉を取り出し、それが赤玉ならば代わりに青玉1個を袋に入れ、青玉ならば代わりに赤玉1個を袋に入れる。袋に入っている3個の玉がすべて青玉になるとき、硬貨を1枚もらう。

(1) 2回目の操作で硬貨をもらう確率を求めよ。

(2) 奇数回目の操作で硬貨をもらうことはないことを示せ。

(3) 8回目の操作ではじめて硬貨をもらう確率を求めよ。

(4) 8回の操作でもらう硬貨の総数がちょうど1枚である確率を求めよ。

解答の方針

全体の着眼点

袋の玉は常に3個なので、袋の中身は青玉の個数(0〜3個)だけで決まる。赤玉を取り出せば青玉が1個増え、青玉を取り出せば1個減る。青玉が $k$ 個のとき、赤玉を取り出す確率は $\dfrac{3-k}{3}$ 、青玉を取り出す確率は $\dfrac k3$ 。4つの状態と移る確率を推移図にまとめておけば、あとの小問はすべてこの図の上で考えられる。

2015年九州大学理系数学 第4問 解答の方針の図
2015年九州大学理系数学 第4問 解答の方針の図

【(1)の方針】

着眼点

最初は青玉1個。2回目で3個になるには、1個 → 2個 → 3個と2回続けて赤玉を取り出すしかない。

  1. 推移図から、青玉1個から2個へ移る確率 $\dfrac23$ と、2個から3個へ移る確率 $\dfrac13$ を読み取る。
  2. 2つをかけて答える。

【(2)の方針】

着眼点

青玉の個数は1回ごとにちょうど1増えるか1減るので、偶奇が毎回入れかわる。数直線上を1つずつ動く点(ランダムウォーク)と同じで、奇数回動くと偶奇が変わる。最初は1個(奇数)なので、奇数回目の操作の後は偶数(0個か2個)で、3個にはならない。

2015年九州大学理系数学 第4問 解答の方針の図
2015年九州大学理系数学 第4問 解答の方針の図
  1. 1回の操作で青玉の個数がちょうど1増えるか1減ることから、偶奇が毎回入れかわることを示す。
  2. 最初が奇数なので、奇数回目の操作の後は偶数であり、3個(硬貨をもらう状態)にならないと結論する。

【(3)の方針】

着眼点

推移図を見ると、2回の操作をひとまとめにすると元の状態に戻るループがある。(2) より偶数回目の操作の後は青玉が1個か3個で、3個なら硬貨をもらっている。だから一度も硬貨をもらっていなければ、偶数回目の後は必ず青玉1個。青玉1個から2回の操作で、もらわずに1個に戻るのは1個 → 2個 → 1個と1個 → 0個 → 1個の2通りで、確率は $\dfrac23\cdot\dfrac23+\dfrac13\cdot1=\dfrac79$ 。もらうのは1個 → 2個 → 3個で $\dfrac29$ 。8回目に初めてもらうのは「戻る」を3回くり返し、最後の2回で「もらう」ときなので、直接かけ算で求まる。

> 中原先生のコメント:2回の操作でループすることに気づけば、そんなに難しくないと思います。

2015年九州大学理系数学 第4問 解答の方針の図
2015年九州大学理系数学 第4問 解答の方針の図
  1. 推移図で2回ひとまとめに見て、青玉1個から2回後に1個に戻る確率 $\dfrac79$ と、3個になる(硬貨をもらう)確率 $\dfrac29$ を求める。
  2. 8回目に初めてもらうのは、2回ずつ区切った4つの区間のうち、はじめの3つで1個に戻り、最後の区間でもらうときだと言いかえる。
  3. $\left(\dfrac79\right)^3\cdot\dfrac29$ を計算して答える。

【(4)の方針】

着眼点

(2) より硬貨をもらえるのは2・4・6・8回目だけなので、ちょうど1枚もらう回で4つに場合分けする(1回だけ起こる位置で分ける)。もらうまでは (3) と同じく $\dfrac79$ のくり返し。もらった直後(青玉3個)からの2回は、3個 → 2個 → 1個(もらわない) $\dfrac23$ か、3個 → 2個 → 3個(2枚目をもらう) $\dfrac13$ のどちらか。ちょうど1枚なので、もらった後は $\dfrac23$ で1個に戻り、そこからはまた $\dfrac79$ のくり返し。

2015年九州大学理系数学 第4問 解答の方針の図
2015年九州大学理系数学 第4問 解答の方針の図
  1. 硬貨をもらうのが2・4・6・8回目のどれか1回である4つの場合に分ける。
  2. 青玉3個から2回の操作で、もらわずに1個に戻る確率 $\dfrac23$ を求める。
  3. それぞれの場合の確率を、もらう前は $\dfrac79$ のくり返し、もらう2回は $\dfrac29$ 、その直後の2回は $\dfrac23$ 、そのあとはまた $\dfrac79$ のくり返し、として表す。2・4・6回目にもらう3つの場合は、かける数の順番が違うだけで同じ値になるので3倍する。
  4. 8回目にもらう場合((3) の答え)と足して答える。

解答

2015年九州大学理系数学 第4問 解答・解説
2015年九州大学理系数学 第4問 解答・解説
解答をテキストで読む

袋の玉は常に3個なので、袋の中身は青玉の個数で決まる。青玉が $k$ 個( $k=0,1,2,3$ )のとき、赤玉を取り出す確率は $\dfrac{3-k}{3}$ で青玉は1個増え、青玉を取り出す確率は $\dfrac k3$ で青玉は1個減る。最初は青玉1個で、青玉が3個になったときに硬貨をもらう。推移をまとめると次の図のようになる。

(1) 配点 10点

2回目で青玉が3個になるのは、1個 → 2個 → 3個と移るときだけなので

答 $\dfrac23\cdot\dfrac13=\dfrac29$

(2) 配点 10点

1回の操作で青玉の個数はちょうど1増えるか1減るので、青玉の個数の偶奇は操作のたびに入れかわる。

最初の青玉の個数は1(奇数)なので、奇数回目の操作の後の青玉の個数は偶数、すなわち0個か2個であり、3個にはならない(下の図)。よって、奇数回目の操作で硬貨をもらうことはない。

(3) 配点 15点

(2) と同様に、偶数回目の操作の後の青玉の個数は奇数、すなわち1個か3個である。3個のときは硬貨をもらっているので、それまで一度も硬貨をもらっていなければ、偶数回目の操作の後の青玉は1個である。

そこで、2回の操作をひとまとめにして見る。青玉1個の状態から2回の操作で

・1個 → 2個 → 3個(硬貨をもらう): $\dfrac23\cdot\dfrac13=\dfrac29$

・1個 → 2個 → 1個: $\dfrac23\cdot\dfrac23=\dfrac49$

・1個 → 0個 → 1個: $\dfrac13\cdot1=\dfrac13$

よって、2回後にもらわずに青玉1個に戻る確率は $\dfrac49+\dfrac13=\dfrac79$ 、2回後に3個になって硬貨をもらう確率は $\dfrac29$ である(下の図)。

8回目にはじめて硬貨をもらうのは、1・2回目、3・4回目、5・6回目の各2回でもらわずに青玉1個に戻り、7・8回目で1個 → 2個 → 3個と移るときである。

よって、求める確率は

$$\left(\dfrac79\right)^3\cdot\dfrac29=\dfrac{686}{6561}$$

答 $\dfrac{686}{6561}$

別解(1文字の確率漸化式) $2n$ 回の操作で一度も硬貨をもらわず、その後の青玉が1個である確率を $a_n$ とする( $a_0=1$ )。上で求めたことから $a_{n+1}=\dfrac79a_n$ なので $a_n=\left(\dfrac79\right)^n$ 。求める確率は $a_3\cdot\dfrac29=\dfrac{686}{6561}$ 。

(4) 配点 15点

(2) より、硬貨をもらえるのは2・4・6・8回目だけである。

青玉3個の状態からは、次の操作で必ず2個になり、その次は3個(確率 $\dfrac13$ )か1個(確率 $\dfrac23$ )になる。よって、硬貨をもらった直後から2回の操作で、もらわずに青玉1個に戻る確率は $\dfrac23$ である。

8回で硬貨をちょうど1枚もらうのは、2・4・6・8回目のどれか1回だけでもらうときである。偶数回目の後の青玉の個数を並べると次の図のようになり、それぞれの確率は

・2回目にもらう: $\dfrac29\cdot\dfrac23\cdot\left(\dfrac79\right)^2=\dfrac{196}{2187}$

・4回目にもらう: $\dfrac79\cdot\dfrac29\cdot\dfrac23\cdot\dfrac79=\dfrac{196}{2187}$

・6回目にもらう: $\left(\dfrac79\right)^2\cdot\dfrac29\cdot\dfrac23=\dfrac{196}{2187}$

・8回目にもらう: $\left(\dfrac79\right)^3\cdot\dfrac29=\dfrac{686}{6561}$ ((3) の答え)

2・4・6回目にもらう場合は、かける数の順番が違うだけなので同じ値になる。

これらは同時には起こらないので、求める確率は

$$3\cdot\dfrac{196}{2187}+\dfrac{686}{6561}=\dfrac{1764}{6561}+\dfrac{686}{6561}=\dfrac{2450}{6561}$$

答 $\dfrac{2450}{6561}$

補足((4) を文字のまままとめる) $p=\dfrac79$ とおくと、もらう2回の確率は $\dfrac29=1-p$ 。2・4・6回目にもらう3つの場合は、どれも $p$ を2回、 $1-p$ を1回、 $\dfrac23$ を1回かけたものなので、求める確率は

$$3\cdot p^2(1-p)\cdot\dfrac23+p^3(1-p)=p^2(1-p)(2+p)$$

とまとまる。 $p=\dfrac79$ を代入すると $\dfrac{49}{81}\cdot\dfrac29\cdot\dfrac{25}{9}=\dfrac{2450}{6561}$ となり、上の答えと一致する。4つの分数を通分して足すより計算が短く、検算にも使える。

補足(硬貨をもらう回ごとの確率) (3) と同じ考え方で、 $2n$ 回目にはじめて硬貨をもらう確率は、1個に戻るのが $n-1$ 回、最後の2回でもらうので $\left(\dfrac79\right)^{n-1}\cdot\dfrac29$ である。奇数回目にはじめてもらう確率は (2) より0。

出題意図

袋の中身を「青玉の個数」1つで表し、1回の操作でどう移るかを整理できるか

(2) 青玉の個数が1回ごとに1ずつ増減することから、偶奇が毎回入れかわると説明できるか

(3)(4) (2) をヒントに2回ずつひとまとめにし、青玉1個から2回で元の1個に戻るループに気づけるか。(4) では硬貨をもらった直後の推移まで正しく場合分けできるか。

講評

医学部医学科その他の学部
難易度やや簡単
目標得点50点50点
目標時間20分30分

見かけ倒しの問題。
状態遷移図を書けば、青玉1個から始まって2回でまた1個に戻ってくるループが何回か繰り返されることが分かり、あとはかけ算だけで終わる。
大事なのは実験の癖をつけること。
実際に数回分を書き出して実験し、ループすることを見つければよい。

差がつく所・失点しやすい所

  • 差がつくのは (4):もらった後の2回で再び3個に戻る $\dfrac13$ を除き、 $\dfrac23$ をかけるという発想に行き着けるか。「もらう回の前後はすべて $\dfrac79$ 」とすると答えがずれる。
  • (3) の経路の拾い漏れ:「もらわずに1個に戻る」に1個 → 0個 → 1個を含め忘れやすい。推移図を書いて2回分の経路をすべて拾う。
  • (3) で個数ごとに文字をおく:(2) から偶数回目の後は1個か3個だけ。2回で戻るループに気づけば、かけ算だけで求められる。

2015年九州大学理系数学
第5問 解答・解説

第5問は整数の問題です。
テーマは「$2^{p-1}-1=pq^2$ をみたす素数の組」。

問題

2015年九州大学理系数学 第5問 問題
2015年九州大学理系数学 第5問 問題
問題文をテキストで読む

以下の問いに答えよ。

(1) $n$ が正の偶数のとき、 $2^n-1$ は3の倍数であることを示せ。

(2) $n$ を自然数とする。 $2^n+1$ と $2^n-1$ は互いに素であることを示せ。

(3) $p,q$ を異なる素数とする。 $2^{p-1}-1=pq^2$ を満たす $p,q$ の組をすべて求めよ。

解答の方針

【(1)の方針】

着眼点

大きな累乗を割った余りは合同式で扱う。合同式は和・差・積で成り立つが、中でも積(累乗)が強力。 $n$ が偶数なら $2^n=4^{\frac n2}$ と4の累乗で書ける。 $4=3+1$ なので $4\equiv1\pmod3$。1は何乗しても1なので、 $2^n$ を3で割った余りは1になる。

  1. $n=2m$( $m$ は自然数)とおき、 $2^n=4^m$ と表す。
  2. $4\equiv1\pmod3$ より $4^m\equiv1\pmod3$ を示し、 $2^n-1\equiv0\pmod3$ と結論する。

【(2)の方針】

着眼点

「互いに素」は「最大公約数が1」。互いに素を示すときは、最大公約数を $g$ とおき、2数を $g$ の倍数で表す。2数の差をとると $2^n$ が消えて、 $g\times$(整数) $=2$ の形になる。 $g$ は2の約数なので1か2に限られ、2数はどちらも奇数なので2ではない。

  1. $2^n+1$ と $2^n-1$ の最大公約数を $g$ とおき、 $2^n+1=ag$、 $2^n-1=bg$( $a,\ b$ は自然数)と表す。
  2. 2式を引いて $2^n$ を消し、 $(a-b)g=2$ を作る。 $g$ は2の約数なので、 $g=1$ または $g=2$ と絞る。
  3. $2^n+1$ が奇数であることから $g\neq2$ を示し、 $g=1$ と結論する。

【(3)の方針】

着眼点

整数問題の3大解法(因数分解する・不等式で評価する・余りで分類する)のうち、本問は因数分解する。整数の問題は和より積の方が扱いやすいので、積の形を作って素因数を振り分ける。 $p$ が奇数なら $p-1$ は偶数なので、 $p-1=2m$ とおくと左辺は

$$2^{p-1}-1=2^{2m}-1=(2^m-1)(2^m+1)$$

と積に分かれる。ここで (1)(2) の働きがはっきりする。(1) からは「左辺が3の倍数」、つまり右辺 $pq^2$ に3が必ず入ることが分かる。(2) からは「2つの因数 $2^m-1$、 $2^m+1$ は互いに素」、つまり同じ素因数を2つの因数に分けて入れられないことが分かる。 $3^2$ のかたまりはどちらか一方にしか入れないので、これで候補がだいぶ絞られる。

  1. $p=2$ のとき両辺を比べて不適を示し、 $p$ を奇素数として $p-1=2m$( $m$ は自然数)とおく。左辺を $(2^m-1)(2^m+1)$ と因数分解する。
  2. $p-1$ は正の偶数なので、(1) より左辺は3の倍数。よって $pq^2$ が3の倍数で、 $p=3$ または $q=3$。 $p=3$ のときは $q^2=1$ となり不適なので、 $q=3$、 $p\neq3$ と決める。
  3. $(2^m-1)(2^m+1)=9p$ で、(2) より2つの因数は互いに素なので、9は一方の因数にまとめて入り、もう一方は $p$ の約数(1か $p$)になる。 $2^m-1<2^m+1$ から、組の候補を $(2^m-1,\ 2^m+1)=(1,\ 9p),\ (9,\ p),\ (p,\ 9)$ の3通りに絞る。
  4. 3通りそれぞれで $m$ が整数になるかを調べ、残った場合で $p$ を求める。 $p=2m+1$ とも一致することを確かめて、組 $(p,q)$ を答える。

解答

2015年九州大学理系数学 第5問 解答・解説
2015年九州大学理系数学 第5問 解答・解説
解答をテキストで読む

(1) 配点 10点

$n$ は正の偶数なので、 $n=2m$( $m$ は自然数)とおける。このとき $2^n=4^m$。

$4\equiv1\pmod3$ より

$$2^n=4^m\equiv1^m=1\pmod3$$

よって $2^n-1\equiv0\pmod3$ となり、 $2^n-1$ は3の倍数である。

(補足) $2\equiv-1\pmod3$ と見て $2^n-1\equiv(-1)^n-1=0$ としても、二項定理で $4^m=(3+1)^m$ を展開して3の倍数と1に分けてもよい。どれも同じ中身。

(2) 配点 10点

$2^n+1$ と $2^n-1$ の最大公約数を $g$ とすると、

$$2^n+1=ag,\quad 2^n-1=bg$$

( $a,\ b$ は自然数)と表せる。2式を引くと

$$(a-b)g=2$$

$g$ と $a-b$ は整数で、 $g>0$ なので $g$ は2の正の約数であり、 $g=1$ または $g=2$。

$n\geqq1$ より $2^n$ は偶数なので、 $2^n+1$ は奇数で、2では割り切れない。よって $g\neq2$ で $g=1$。したがって $2^n+1$ と $2^n-1$ は互いに素である。

(補足)互除法で $(2^n+1,\ 2^n-1)=(2^n-1,\ 2)=1$ と書いても同じ。 $2^n+1=(2^n-1)\cdot1+2$ なので、大きい数を小さい数にして公約数の議論ができる。

(3) 配点 30点

$p=2$ のとき 左辺 $=2^1-1=1$、右辺 $=2q^2\geqq2\cdot3^2=18$ となり不適。

よって $p$ は奇素数で、 $p-1=2m$( $m$ は自然数)とおける。このとき

$$pq^2=2^{2m}-1=(2^m-1)(2^m+1)\quad\cdots\text{①}$$

$p-1$ は正の偶数なので、(1) より $2^{p-1}-1$ は3の倍数。よって $pq^2$ は3の倍数で、 $p,q$ は素数なので $p=3$ または $q=3$。

$p=3$ とすると $2^2-1=3q^2$ より $q^2=1$ となり、 $q$ が素数であることに反する。よって $q=3$ で、さらに $p\neq q$ より $p\neq3$。①は

$$(2^m-1)(2^m+1)=9p\quad\cdots\text{②}$$

となる。

(2) より $2^m-1$ と $2^m+1$ は互いに素なので、素因数3は一方の因数にしか入らない。よって $9=3^2$ は一方の因数にまとめて入り、残りの因数は $p$ の約数、すなわち1か $p$ である。 $2^m-1<2^m+1$ と②から、組 $(2^m-1,\ 2^m+1)$ の候補は

$$(1,\ 9p),\quad(9,\ p),\quad(p,\ 9)$$

の3通り( $2^m+1\geqq3$ なので $2^m+1=1$ の場合はない)。

・$2^m-1=1$ のとき  $m=1$ で $2^m+1=3$。 $3=9p$ をみたす素数 $p$ はなく不適

・$2^m-1=9$ のとき  $2^m=10$ をみたす自然数 $m$ はなく不適

・$2^m+1=9$ のとき  $2^m=8$ より $m=3$ で、 $p=2^m-1=7$。このとき $p=2m+1=7$ とも一致し、 $p\neq3$ もみたす

実際、 $2^{7-1}-1=63=7\cdot3^2$ で条件をみたす。

答 $(p,q)=(7,\ 3)$

(補足) $p=2m+1$ の確認を忘れない。②は $m$ と $p$ を別々の文字のように扱って解いているが、もともと $p=2m+1$ という関係がある。 $m=3$ からは $p=7$ しか許されず、②から求めた $p=7$ と一致したので答えになる。

出題意図

(1)(2) 合同式と「最大公約数を $g$ とおいて2数を表す」という整数の基本が理解できているか

(3) 素数の条件を、積の形に因数分解して素因数を振り分ける問題に帰着できるか。そのうえで、(1)(2) の結論が (3) のどこで使われるかを捉えることができるか。

講評

医学部医学科その他の学部
難易度標準
目標得点50点20点
目標時間25分30分

素数が出てきたら、2かどうかで場合分けする。
2でない素数は奇数なので、偶奇が決まり、かなりのヒントが得られる。
竜文会の生徒にいつも教えているこの基本事項さえ分かっていれば、(3) は $p$ が2かどうかで場合分けして、あとは因数分解して素因数を振り分けるだけ。

差がつく所・失点しやすい所

  • 2015年の合否を分けた1問。差がつくのは (3):素数 $p$ が2かどうかで場合分けするという発想に行き着けるか。2でない素数は奇数なので偶奇が決まり、 $2^{p-1}-1=(2^m-1)(2^m+1)$ と因数分解できる。
  • (3) で9を2つの因数に分けてしまう:2数は互いに素なので、9は一方にまとめて入る。候補 $(1,\ 9p)$、 $(9,\ p)$、 $(p,\ 9)$ の3通りを書き出して1つずつ消す。
  • (3) の $p=2$、 $p=3$ の確認:どちらも短い確認だが、書かないと減点される。

2015年九州大学・理系数学の
講評とまとめ

5問の難易度と目標得点をまとめると、次のとおりです。

大問難易度医学部医学科その他の学部
第1問やや簡単50点50点
第2問簡単50点50点
第3問標準50点50点
第4問やや簡単50点50点
第5問標準50点20点
合計250点220点

全体は、第5問(3)があるのでやや簡単としましたが、限りなく簡単寄りで、2025年の次ぐらいに簡単なセットです。
合否を分けた1問は第5問。
素数は2かどうかで場合分けする(2でない素数は奇数)という、竜文会の生徒にはいつも教えている基本事項を知っているかどうかで決まります。
第1問〜第4問は完答必須で、医学科は250点(満点)を狙うセットです。

解く流れ

第1問 → 第2問 → 第3問 → 第4問 → 第5問(問題の順でよく、いちばん難しいのは第5問)。

2015年九州大学・理系数学に
関するよくある質問

2015年の九州大学・理系数学について、よく聞かれる質問にお答えします。

2015年の九州大学・理系数学は難しかった?

やや簡単な年でした。
限りなく簡単寄りで、2025年の次ぐらいに簡単なセットです。
第2問は簡単、第1問・第4問はやや簡単、第3問・第5問は標準です。
5問とも誘導が丁寧です。

2015年の九州大学・理系数学は何点取れば合格できる?

目標点は、医学部医学科で250点、その他の学部で220点です(250点満点)。

2015年の九州大学・理系数学はどこで差がつく?

第1問から第4問は完答必須です。そのうえで、差がつくのは次の1問だけです。

  • 第5問(3):素数 $p$ が2かどうかで場合分けし、$2^{p-1}-1$ を $(2^m-1)(2^m+1)$ と因数分解して、(1)(2) を当てはめられたか。
2015年の九州大学・理系数学は何が出題された?

大問ごとの単元は、次のとおりです。

  • 第1問:積分法(数学Ⅱ)・2次関数
  • 第2問:積分(数学Ⅲ)
  • 第3問:積分(数学Ⅲ)・空間図形
  • 第4問:確率
  • 第5問:整数

九州大学理系数学の過去問を年度別に見る

⬆︎タップして画面が切り替わったら『LINEアプリを開く』を押して友達追加にお進みください!

目次