「物理も今年ヤバい・・・」
「去年と全然違う、全くできなかった・・・」
数学が難化しまくった九州大学ですが、
なんと物理も難しくなりました!
ずっと物理は解きやすい問題が出題されていた九州大学ですが、
これから受験する生徒は気を引き締めなくてはなりません!
この記事では、2023年の九州大学の物理を徹底的に分析し、
各大問の難易度や合格するために必要な点数をお話ししていきます。
この記事でわかること
- 九州大学物理2023の難易度
- 九州大学物理2023の合格ライン
- 各大問ごとの難易度や理想得点
この記事を書いた人
中原 遼太郎
九大受験に特化した学習塾『竜文会』代表
『竜文会』開校後、初年度には国立大学医学部や九州大学に合格者を輩出。
2年目には旧帝大医学部にも合格!
九州大学の過去問を20年分以上分析して指導カリキュラムを作成。
九州大学医学部に現役合格した経験を生かして、『学習計画の作成』や『LINEでのいつでも相談』による1人1人のサポート・九州大学に特化したハイレベルな演習で「九大受験生」をサポート。
経歴
- ラ・サール高校卒業 (高校入学組中)主席・学校賞受賞
- 九州大学医学部医学科卒業
- 九大本試験 数学・理科 9割
- 駿台九大実践 3位
- 九大オープン 6位(数学1位)
※ すべて医学科の成績です - CBT 九大医学部で3位
- ブログ読者 55万人を突破!
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※ 当ブログでは、九大受験生や親御様の悩みをリサーチした上で、表面的な悩みだけでなく根本的な悩みを解決できるようなコンテンツ制作を心がけています。コンテンツ制作は、中原遼太郎(九州大学医学部卒・竜文会代表)が担当。制作の流れや想いに関しては、コンテンツ制作ポリシーページを参考にしてください。
九州大学 物理2023 全体講評
最初に、2023年の九州大学の物理の全体像をお話しします。
2023年の物理は難しくなったというのが正直な感想でしょう。
2023年・九州大学物理の分析
大問 | 難易度 | 目標得点 |
第1問 45点満点 |
やや難 | 35点(医学科) 30点(他学部) |
第2問 40点満点 |
標準 | 40点(医学科) 35点(他学部) |
第3問 40点満点 |
やや難 | 30点(医学科) 20点(他学部) |
全体 | 昨年より難化 | 105点(医学科) 85 点(他学部) |
※難易度は5段階で判断していますが、各段階の詳しいことは後で説明しています。
※九大物理は第1問が45点満点、第2・3問が40点満点。
2022年・九州大学物理の分析
大問 | 難易度 | 目標得点 |
第1問 45点満点 |
やや簡単 | 40点(医学科) 35点(他学部) |
第2問 40点満点 |
やや簡単〜標準 | 35点(医学科) 30点(他学部) |
第3問 40点満点 |
やや簡単 | 40点(医学科) 40点(他学部) |
全体 | 昨年より易化 | 115点(医学科) 105点(他学部) |
比較するとわかりますが、全体的に難易度が上がっています。
特に第1問と第3問は『やや難』とレベルが高く、受験生もかなり解きにくかったと思います。
九州大学の物理は解きやすい年が続いていました。
特に2022年はかなり簡単な年で、難しい問題もなかったので高得点がかなり簡単になれるようなセット。
2022年の問題を目安に取り組んできた人はど肝を抜かれたと思います。
難易度も上がりましたが、時間の制約も厳しめです。
見慣れないタイプの第1問や長めの誘導に従う第3問はかなり時間がかかったと思います。
そもそも九州大学の物理は時間が厳しめに設定されています。
75分の試験なので、大問1つあたり25分です。
さらに今年は化学でも時間がかかる問題が出されました。
化学の第4問はとても時間がかかり、しかも時間をかけても全然解けないかもしれない。
そんな問題でした。
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難易度が上がったのに加えて、時間もかかるような初見の問題が多く、
体感として、受験生はかなり難しく感じたのではないかと思います。
九州大学 物理2023 合格ライン
では、2023年の九大物理ではいったい何点取ればいいのか?
合格に必要な最低ラインをズバッと話していきます。
合格最低ライン
-
医学科・・・85点
-
薬学部 臨床薬学科・・・70点
-
理系の他学部・・・65点
2023年は数学が圧倒的に難しい年でした。
(2022年の過去最高難易度を余裕で更新という、、、笑)
化学も第4問が0点の場合は厳しい戦いになります。
物理も難しくはなりましたが、第2問など解きやすい問題もあります。
なんとか食らいついてこのくらいの点数は取って欲しい。
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この点数はあくまで、他の科目では点数が取れる時の物理の最低ラインと思ってください。
物理がどうしても苦手・本番失敗してしまった、といった時のもの。
なので、物理が得意な人や勉強時間に余裕がある人が目指すべきなのは、最初にお話しした目標点です!
九州大学 物理2023
各大問の講評
では、各大問ごとに詳しくお話ししていきます。
- 各大問の難易度
- どのくらいの時間をかけて解くべきか
- どの問題を解いて、どの問題を捨てるか
といったことをすべてお話しします。
過去問演習の際にぜひ参考にしてください!
試験本番でどのように取り組んでいけば、効率よく点数が取れるかが実感できます。
過去問の勉強効率が格段に上がることは間違いないです!
各大問ごとに書いてある表の説明をすると、
難易度
難易度は簡単・やや簡単・標準・やや難・難の5段階で評価しています。例年の九大受験生のレベルを参考に判定。標準の問題が合格するには解けないといけないレベル。やや難は解けたら合格者の中でも差がつくレベルと思ってください。
理想解答時間
試験本番でその大問にかける時間です。この時間内で完答できたら合格できる、という時間です。
目標得点
理想時間をかけて解答した時に、合格するために試験本番でとって欲しい点数。受験生はこの点数が取れるかどうかを目安に過去問演習をしましょう。
九大物理2023第1問 講評
単元 | 円運動、万有引力 |
難易度 | やや難 |
理想解答時間 | 20分(医学科) 25分(他学部) |
目標得点 | 35点(医学科) 30点(他学部) |
※物理の第1問は45点満点です。
第1問は例年と同じで力学。
第1問は力学で毎年変わりません。
また、今年は九州大学でも頻出の単振動から出題でした。
正直、この問題は悩みました。
ぶっちゃけていうと、そこまで難しくないんですよね。
ただ、受験生が嫌いな単振動で単元であること、九大ではあまり出題されない『見たことのないタイプの問題』ということから『やや難』と決めました。
斜面の落下運動と単振動からの出題。
単振動が苦手な受験生には厳しかったかも・・・
頻出分野の「単振動」はしっかり対策しているけど、万有引力はしていないという受験生は多かったのでは?
その意味では差がつく大問だったかもしれません。
あとは、問題集で基本問題を中心に取り組んでいた受験生には厳しかったと思います。
見たことのない設定の問題でした。
設問分析
−問1−
問1はカンタン。ただの斜面の落下問題。
解けないとお話になりません。
斜面の角度がいつもとは違う形で与えられていることに注意するだけ。
−問2−
この問題が今年の合否の分かれ目でしょう。
基本的には誘導に従って式を変形していくだけ。
(2)でθを s に変換することができるかがポイント。
あとは、単振動の演習をしっかり積んでいれば余裕です。
−問3−
新しく用意された物体について式を立式して、
どのような単振動をするか把握できるかがポイント。
そもそも、単振動のサイクルで時間が求められるポイントって、大体下の3つ。
- 端
- 振動中心
- 振幅の1/2 倍の時点
これを考えると、大体どこで衝突するかは検討がつきます。
この問題で何点取れるかで合否が左右される
問題としてはかなりいい問題です。
単振動の理解が必要ですし、基本問題だけで甘えていた受験生は解けません。
できれば問1と問2を完答して45点中35点は欲しい。
第3問が難しいので、問2が全く解けないとかなり厳しい戦いになったことでしょう。
2022年の九大物理第1問はいい問題です。
受験生が苦手な単振動から逃げてはいけません。
やはり物理は1題が解けなかった時のダメージが大きすぎます。
苦手な単元だからと逃げずに、しっかり取り組みましょう。
九大物理2023第2問 講評
単元 | 交流 |
難易度 | 標準 |
理想解答時間 | 25分(医学科) 25分(他学部) |
目標得点 | 40点(医学科) 40点(他学部) |
※物理の第2問は40点満点です。
第2問も例年と同じで電磁気。
(これは変わることはありません。)
なんと久しぶりの交流です。(2014年以来の10年ぶり)
交流はあまり対策していない生徒もいるので、そのような生徒にはアンラッキーの問題。
ただ、問題自体は難しくないので、どれだけ演習量をこなしていたかがそのまま結果に結び付きます!
設問分析
−問1−
基本問題。
交流におけるコンデンサーの電圧と電流の位相のずれ、およびリアクタンスを理解していれば簡単に解けます。
−問2−
(1)の穴埋めはただの暗記です。
コイルの自己インダクタンスの導出を理解しているかどうか。
教科書にもしっかり載っています。
(2)は基本的な問題。
交流におけるコンデンサーの電圧と電流の位相のずれ、およびリアクタンスを理解していれば解けます。
交流は暗記でもいいですが、導出を含めてしっかり理論を理解しておくのがおすすめ。この大問は問3を含めて、理論を知っているかどうかで解きやすさが全然違います!
−問3−
『直列RLC回路』という典型的な問題。
問題集の発展問題にふつ〜うに載っています。
やや問われ方は違いますが、共通の電流からそれぞれの電圧を求めて合成、という基本的な流れは全く同じです。
第2問が解けないと話になりません。
今年の九大物理は第1問と第3問が難しく、
典型的な問題である第2問は手堅く満点(40点)を取る必要があります。
この問題で点数を落としているようでは、この年の合格は100%ありえません。
満遍なく勉強することが何よりも大事!
交流は電磁気の1番最後の単元で、
しかも「イマイチ理解できない」という生徒が多く、電気振動だけをなんとなく理解して避ける生徒が多いです。
ですが、今回のように交流だけで大問が構成されると、頑張って他の単元を勉強したのに0点、なんてことも普通にありえます。
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九大物理2023第3問 講評
単元 | 分子運動論 |
難易度 | やや難 |
理想解答時間 | 25分(医学科) 25分(他学部) |
目標得点 | 30点(医学科) 20点(他学部) |
※物理の第3問は40点満点です。
第3問は熱力学+波動。
九州大学の物理では、熱力学と波動が交互に出題されます。
ただ、今年はこのルールが無視され熱力学と波動が合わさった問題が出題されました。
まあ、波動の知識はほとんど必要ないので、ほとんどの熱力学みたいなものですが笑
ただヤマをはるのはおすすめしません。
前の年が波動だったから熱力学だろうと思って、熱力学を中心に勉強するのではダメ!
どちらが出てもいいように、満遍なく勉強しましょう。
(物理が苦手でどうしようもない時は仕方がありませんが・・・)
第3問は受験生が2023年で1番困った問題です。
予備校によっては『難』の評価になっているところもあります。
後半に関しては、見たことないタイプの問題ですが、
誘導にしっかり乗っていけば難しくはありません。
ただやはり、見慣れない問題をみた受験生の心境を考えると『やや難』が妥当といったところでしょうか。
設問分析
−問1−
『壁が動くタイプの分子運動論』の問題です。
難しめの問題集には載っていることが多い、『ポアソンの式』を導出する原理です。
これを知っていれば、最後の(キ)が5/3になることは予想ができます。
元の問題に慣れていれば、誘導に従っていけば解くことができます。
−問2−
見たことがない、ということで戸惑った受験生が多いと思います。
ただ、問題自体はそこまで難しくありません。
なんと、問1が全く分からなくても誘導に従えば、サクッと解けてしまいます。
特に(ク)(ケ)(コ)は解いて欲しい。
そんなところでしょうか。
やはり、初見問題というのは、受験生を戸惑わせます。
特に普段は解きやすい物理の問題を出している九州大学で、いきなり出題されたら尚更戸惑うでしょう。
冷静な状態では解けないので、『やや難』としましたが、
とある予備校の『難』の評価も妥当かもしれません。
この問題の明暗を分けたのも演習量。
典型的な問題だけでなく、もっと難しい問題まで意欲的に取り組んでいたかどうかが決め手でした。
九州大学・物理2023
九州大学受験生によるレポート
2023年に九州大学を受験した生徒にインタビューしてみました!
医学部医学科に合格した彼が、
試験本番で、どのような気持ちで・どのように感じながら・どのような順番で、解いたかを話してくれました!
これから勉強する人は本番の雰囲気を少しでも味わってください。
第1問
最初に見た時は、力学のどの分野もの問題なのか分かりませんでした。
1問ずつ丁寧に解いていくと、単振動の式が出てきたので「やったー」と思いました。
最後の問3はわからなかったので、一旦スキップして次の大問にいきました。
第2問
「今回の大問3つの中で、1番解きやすそう」と思えたので、落ち着いて解くことにしました。
今年は、ここでしっかりと点数を取らなければならないと思いました。
落ち着いて完答できたと思います。
第3問
分子の運動についての問題でした。前日に少し確認しておいたので、問1は落ち着いてなんとか解けました。
しかし、問2は「、、、これは時間内に解けそうもないかも、、、」と見た瞬間に思いました。
結局、考えても難しかったのでスキップしました。
全体の見直し
その後は、解いた問題の見直しを徹底的に行いました。
第1問の問3は解きたかったけど、物理の見直しと化学の第4問に時間を割くことにして諦めました。
九州大学物理の今後の傾向
2023年に九大物理はいっき難化しました。
ただいきなり難化したかといいますと、そうではありません。
2012年もなかなか難しい問題でした。
ずっと簡単な出題が続いているからといって油断するのは絶対にダメ!
いきなり難しくなることも十分にありえます。
九州大学は数学も難しくなってきてますし、他の科目も難しくなるかもしれません。
理想論ではありますが、
どんな問題が出ても、戸惑うことなく落ち着いて解ける、くらいのレベルを目指して勉強していきましょう。
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九州大学物理の対策法
九州大学の物理を攻略する上で大事なのは演習量!
どれだけ問題を解いてきたかに点数が左右されます。
まず大事なのは、学校で配られたセミナーやリードαを仕上げること!
その上で、ドンドン上のレベルの問題に取り組んでいきましょう。
九州大学 物理2023 全体講評まとめ
さて、この記事では、
2023年の九大物理についてお話ししてきました。
これから九大を目指すあなたのお役に立てたでしょうか?
最後にまとめておくと、
2023年・九州大学物理の分析
大問 | 難易度 | 目標得点 |
第1問 45点満点 |
やや難 | 35点(医学科) 30点(他学部) |
第2問 40点満点 |
標準 | 40点(医学科) 35点(他学部) |
第3問 40点満点 |
やや難 | 30点(医学科) 20点(他学部) |
全体 | 昨年より難化 | 105点(医学科) 85 点(他学部) |
受験生や周りの評価ほど難しい問題でありません。
(もちろん、例年と比べたらかなり難しいですが・・・)
第3問の前半など、解法を暗記していたら解ける問題です。
大事なことはどんなレベルが出題されても解けるような状態になること!
このままではヤバい、と思う人は今すぐにでも勉強を始めましょう。
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